Bruce Ditmas / What If
Label: Postcards
Rec. Date: Dec. 1994
Personnel: Sam Rivers (ts, ss), John Abercrombie (g), Paul Bley (p, synth), Dominic Richards (b), Bruce Ditmas (ds)
1. Island Seven [Ditmas]
2. What If [Ditmas]
3. Clever Conversation [Ditmas, Bley]
4. 3348 Big Easy: Deep Blue Sleep [Ditmas]
5. 3348 Big Easy: Tursday Nite Special [Ditmas]
6. 3348 Big Easy: Voodoo Street Beat [Ditmas]
7. Pulp [Ditmas, Abercrombie]
8. Power Surge [Ditmas, Rivers]
9. Don't Wake Me [Ditmas]
Sam Riversが参加したBruce Ditmasというドラマーのリーダーアルバムです。
リーダーは初対面だと思って入手したのですが、Steve KuhnとGil Evansの1970年代のリーダーアルバム計4枚に参加していることに入手したあとに気がつきました。これらのアルバムはけっこう聴いた方ですが、全く印象に残っていない、ノーマークのドラマーでした。
メンバーはSam Rivers、John Abercrombie、それにPaul Bleyというなかなか面白い組み合わせで、Sam Riversと彼ら二人との共演は、おそらく本作のみと思われます。
ギターのJohn Abercrombieは「人並み」程度しか聴いていないのであまり自信がありませんが、彼にしては珍しいのではないかと思われるハードでアブストラクトなプレイがアルバム全体にわたって前面に露出しており、このバンドのサウンドの特徴になっています。
ビートは基本的にキープされ、リーダーはドラムを叩き続けて「空間を埋める」プレイに終始します。わかりやすいメロディは出てこないし、メンバーが相互に絡み合うような演奏の形ですが、全くの混沌の世界にも突入しない、微妙なバランスで「意外に聴ける」ものとして成立しているサウンドです。
我らがSam Riversに焦点を当てて聴いてみますと、John AbercrombieとPaul Bleyとの組み合わせは絶妙であり、彼のキャリアの中でも、こういうギターとピアノとの演奏は珍しい部類に入るのではないかと思います。三人が絡み合って醸し出す何とも形容しがたい少々「抽象的」な「小宇宙」・・・。
2曲目はテナー、4~6曲目はソプラノ、8曲目は再びテナーを吹きますが、4曲目の出だしのソプラノは何とも言えない味がありますし、8曲目はテナー、ベース、ドラムのトリオによる演奏で、高速4ビートに乗って激しいテナーのブロウを披露します。彼の激しいプレイの中にも、私はいつもの「暖かさ」のようなものを感じてしまいます。
Sam Rivers、John Abercrombie、Paul Bleyの三人の「組み合わせの妙」(2、4~6の4曲)がこのアルバムの価値であり、成功した要因になっていると思います。
何とも陽の当たらない、中古盤が安値で叩き売られるようなアルバムですが、この三人の絡み合いは、たまに聴いてみたいと思わせるような魅力があります。
Rec. Date: Dec. 1994
Personnel: Sam Rivers (ts, ss), John Abercrombie (g), Paul Bley (p, synth), Dominic Richards (b), Bruce Ditmas (ds)
1. Island Seven [Ditmas]
2. What If [Ditmas]
3. Clever Conversation [Ditmas, Bley]
4. 3348 Big Easy: Deep Blue Sleep [Ditmas]
5. 3348 Big Easy: Tursday Nite Special [Ditmas]
6. 3348 Big Easy: Voodoo Street Beat [Ditmas]
7. Pulp [Ditmas, Abercrombie]
8. Power Surge [Ditmas, Rivers]
9. Don't Wake Me [Ditmas]
Sam Riversが参加したBruce Ditmasというドラマーのリーダーアルバムです。
リーダーは初対面だと思って入手したのですが、Steve KuhnとGil Evansの1970年代のリーダーアルバム計4枚に参加していることに入手したあとに気がつきました。これらのアルバムはけっこう聴いた方ですが、全く印象に残っていない、ノーマークのドラマーでした。
メンバーはSam Rivers、John Abercrombie、それにPaul Bleyというなかなか面白い組み合わせで、Sam Riversと彼ら二人との共演は、おそらく本作のみと思われます。
ギターのJohn Abercrombieは「人並み」程度しか聴いていないのであまり自信がありませんが、彼にしては珍しいのではないかと思われるハードでアブストラクトなプレイがアルバム全体にわたって前面に露出しており、このバンドのサウンドの特徴になっています。
ビートは基本的にキープされ、リーダーはドラムを叩き続けて「空間を埋める」プレイに終始します。わかりやすいメロディは出てこないし、メンバーが相互に絡み合うような演奏の形ですが、全くの混沌の世界にも突入しない、微妙なバランスで「意外に聴ける」ものとして成立しているサウンドです。
我らがSam Riversに焦点を当てて聴いてみますと、John AbercrombieとPaul Bleyとの組み合わせは絶妙であり、彼のキャリアの中でも、こういうギターとピアノとの演奏は珍しい部類に入るのではないかと思います。三人が絡み合って醸し出す何とも形容しがたい少々「抽象的」な「小宇宙」・・・。
2曲目はテナー、4~6曲目はソプラノ、8曲目は再びテナーを吹きますが、4曲目の出だしのソプラノは何とも言えない味がありますし、8曲目はテナー、ベース、ドラムのトリオによる演奏で、高速4ビートに乗って激しいテナーのブロウを披露します。彼の激しいプレイの中にも、私はいつもの「暖かさ」のようなものを感じてしまいます。
Sam Rivers、John Abercrombie、Paul Bleyの三人の「組み合わせの妙」(2、4~6の4曲)がこのアルバムの価値であり、成功した要因になっていると思います。
何とも陽の当たらない、中古盤が安値で叩き売られるようなアルバムですが、この三人の絡み合いは、たまに聴いてみたいと思わせるような魅力があります。