「自End」ブログ界隈では、国策捜査だとして検察を批判し、小沢一郎を擁護する見方が多い。東京地検に関しては、かつて魚住昭が岩波新書の『特捜検察』(1997年)でその仕事を称賛しながら、4年後に文藝春秋から出した『特捜検察の闇』(2001年、その後文春文庫に収録)では一転して「国策捜査」を批判した。私は、後者を先に読み、前者をあとから読んだので、岩波新書の方の検察ヨイショぶりには苦笑させられた。「左」のはずの岩波で権力礼賛の本を出し、「右」のはずの文春から権力批判の本を出した魚住昭が佐藤優に接近してしまったのは、佐藤が『国家の罠』で国策捜査を批判したところが琴線に触れたのだろう。その佐藤優のでたらめぶりは、昨日hagakurekakugoさんのブログ『解決不能』が、「佐藤優をありがたがる人がわからない」という傑作なエントリを上げているので、是非ご参照いただきたい。雨宮処凛も、ましてや湯浅誠も、佐藤優ごときには接近しない方が良い。佐藤は、はったりで生きている人間である。
国策捜査云々をあげつらう主張に対しては、自民党や同党の支持者から批判が出ている。中には、「検察は以前はおかしかったが今回はまとも」などというご意見もコメント欄で目にしたが、私は基本的に権力を信用していないので、検察はいつだって国策捜査をやると考えている。だが、それが結果的に国民の多数だとか個々人が支持する側の利害と「たまたま」一致する場合もあるというだけの話だ。3年前のライブドア事件の強制捜査の際、大谷昭宏が「これは良い国策捜査だ」と言った。私は「うまいこと言うなあ」と思って、しばしばこの大谷の言葉を肯定的にブログで引用しているのだが、それに対して批判を浴びることが多い。だが、国策捜査をするのが検察の常態だと考えている私にとっては、「良い国策捜査」が検察のできる最上の仕事だとしか思えないのである。私はそこまでに検察の仕事を見くびっている。今回は、自民党や同党の支持者にとって「良い国策捜査」だったに違いない。ライブドア事件の時には、新自由主義に反対の立場をとる者にとって、「良い国策捜査」だった。それだけの話だ。
仮に国策捜査であったところで、小沢一郎は代表を辞任して菅直人を後任に据えた方が良いと私が考える最大の理由は、その方が衆院選を見据えてリスクが少ないからだ。天木直人氏がブログで主張するように、「党首を一新して自公政権の政策の行き詰まりを引き続き責めるべき」なのだ。小沢一郎をかばい続けていると、どうしても守勢に回る。これまでの勢いは完全に止まるし、捜査の進展によっては大きく後退を余儀なくされる。これまでだって、民主党が攻め込んでいたのではなくて、漢字が読めず解散もできず、ましてや雇用や景気の有効な対策など到底打てない総理大臣や、あろうことか昔で言う蔵相サミットのインターバルの昼休みに大酒かっくらって泥酔していたアル中の前財務相ら政府与党が勝手に自滅していただけだったが、そんなやつらに反転攻勢を許すようでは、民主党の存在意義など何もなくなってしまう。しばらく共産党に政権を渡して政治をやらせてみたほうがよほど良いと思えるほどだ。
なお、過去には典型的な利益誘導型の政治家だったが、現在は野党の政治家である小沢一郎について、岩手県在住のsonicさんからコメントをいただいているので、以下に紹介する。四国の民である私にはわからない、貴重な地元の声という位置づけである(但し、sonicさんは小沢一郎の岩手4区ではなく、岩手2区の地域に在住されている)。コメントは3件いただいている。まず1件目。
岩手2区です。
こちらでも話題になってます。
かなり動揺がひろがっています。
ただし、こちらの動揺の仕方はこうです。
小沢一郎は田中角栄型の利権誘導政治家だったことはみんなが知っている。
小沢一郎がゼネコンと癒着していたことなど常識だ。
それが、この時期に叩かれるのは陰謀に違いない。
これを乗り切っても大久保さんが殺されるかもしれないし、次は小沢さんが殺されるかもしれない。
ちなみに今朝話をしたのは大久保さんの親戚。(偶然でしたが、人間関係が密なので、こういうことは案外普通にあります。)
でも、これで年間3万人が自殺する政治を続けることを選ぶ方が嫌です。
岩手2区の有権者は、自民党支持者以外、共産党も含めて小沢辞任を求めないでしょう。
逆に小沢支持で固まると思います。
と言うか、東京で騒げば騒ぐほど岩手人は反対方向を目指すでしょう。
かえって「岩手県民は日本人にして日本人にあらず」という意識に火がつくような気がします。
2009.03.04 10:43 sonic
このコメントに対して、「すると岩手県民というのは、汚職、賄賂政治オーケー、朝鮮・中国による日本のっとり大歓迎と言う県民性ということになるんですか?」という、ネット右翼のコメントがついた。それを受けての2件目。
民主党の小沢一郎にはゼネコンに影響力なんて無いですね。
小沢一郎が労組側に寝返って民主党に合流したのは、高弥建設が破綻し、地元組織をほぼ完全に失ったからでした。
岩手県と言うか東北の建設業界は小沢一郎に公共工事の利権分配を期待して支援していたのですが、中央では新自由主義を標榜していた小沢一郎は建設関連予算の縮小に抵抗しませんでした。
そこで、高弥建設破綻後に岩手県建設業政治連盟の指導的対場にたった宮城建設は、建設業界の政治離れを宣言し、建設業界による小沢支援はなくなりました。
要するに、建設業界に見限られたことが小沢一郎の民主党合流の背景なわけです。
こんなことは、建設業者なら誰も知っていることなので、西松建設が小沢に献金したとして見返りを期待していとはちょっと考えられません。
予算編成に影響力を及ぼせない今の小沢は建設業界に利権をもたらすことが出来ないからです。
おそらく、小沢が政権をとると見て、先物買いで関わっておこうとしたのでしょう。しかし、今の小沢は労組政治家なので建設業界の支援を必要としません。
逆に自民党時代の新自由主義者小沢一郎ならば、典型的な田中角栄形のゼネコン支配だったので、叩けばいくらでも埃がでます。
自民党とはそう言うものです。
この場合、小沢には、それでは駄目だと思ったから党を出たと言う言い訳が成り立つでしょう。
実際、自民党を抜けたあとの小沢は利権誘導家として動かなくなり、先に述べたように公共工事は減っていき、地元建設業界は小沢を見限りました。
今、小沢の最大票田になっているのは日教組(岩教組)です。
固定的な大票田で頼りになるでしょうが、小学校の先生方では政治献金はしませんね。
2009.03.04 19:17 そにっく
ところが、マスコミは「西松建設はダムの受注を期待して小沢氏に献金した」と報じた。これを受けての3件目。
あら、西松、ダムの受注を期待していたと言っているという報道がありましたね。
これ、おかしいな。
西松建設、何考えてたんでしょうね?
高弥建設がどうなったか知らないはずないのに。
可能性
1、西松の証言は検察のでっちあげ。
2、西松は検察に協力して、口裏を合わせている。
3、西松は、建設業界における小沢の影響力低下を理解できず、本気で見返りを期待していた。
4、西松は、建設業界における小沢の影響力低下をわかった上で、それでも見返りがあるだろうと期待し、勝負をかけていた。
5、西松は、首相就任後に小沢の影響力が復活すると信じ、勝負をかけていた。
5かな?
2009.03.04 21:20 そにっく
私もおそらく、西松建設の献金は「先物買い」ではなかったかと思う。小沢一郎は過去に田中角栄直系のゴリゴリの保守本流の政治家だったから、政権交代後のことでも考えたのだろうか。だが、一昨年に屋山太郎が「小沢自治労」と呼んだ小沢一郎は、確かに労組頼りの政治家に変わっていて、民主党に合流した当初、新自由主義系の議員の期待に反して、その名も「小さな政府研究会」という彼らの勉強会には加わらず、旧社会党系の議員と親密になったといわれていたと認識している。
ただ、西松建設からの献金は、自民党議員にも多く渡っているが、小沢一郎への献金が飛び抜けて巨額だったのも確かで、「国策捜査だろうけれど、公設第一秘書の逮捕にまで至ったのだから、小沢一郎は潔く代表を辞任すべき」という私の意見は変わらない。特に衆院選で民主党が勝つことを考えた場合、ここは「辞任」の一手だと私は思うのだが、予想通りとはいえなかなか期待通りにはことは運ばない(笑)。
期待通りに行動しないのは、麻生自民党も同じだ。昨日参院本会議に欠席して党に造反したコイズミのほか、コイズミ政権当時内閣総理大臣秘書官を4年以上務めた側近の小野次郎議員が採決前に退席したが、自民党はコイズミにはオトガメなしだったのに、小野議員を戒告処分にした。これにはぶっ飛んだが、よくよく考えればいかにも自民党らしいと思った。なぜなら、自民党政権は金持ち減税や法人税減税を行う一方で、社会保障を削減し、消費税増税を虎視眈々を狙っているからだ。上に厚く下に薄いのは自民党の習い性であり、その体質を露呈しただけの話だろう。
この件で、麻生太郎はいまだにコイズミの呪縛から脱していないし、脱するつもりもないことがはっきりした。麻生太郎の「脱カイカク」はポーズに過ぎず、麻生一派もしょせんは金持ちや大企業経営者のための政治家であって、国民のために政治をしてくれるなどとは間違っても期待できない。勝手に自滅しておきながら、小沢一郎の失策によって解散のタイミングを測っているだけであって、そんな状態で間違って衆院選で自民党が勝つようなことがあったら、それは新自由主義系の議員が大量に生き延びることを意味し、日本はいよいよ破滅への道を突き進むことになるだろう。自民党が「国民政党」として復活する可能性は、やはりほとんどない。麻生太郎は最後のチャンスも逃そうとしている。
予想通りとはいえ、民主党も自民党も賢明とはいえない動きを見せた。残念だが、日本の政治が良くなるのははるか先のことになりそうだ。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
- 関連記事
-
- 「国策捜査」批判一辺倒は「国民の生活が第一」に反する (2009/03/06)
- 小沢一郎も麻生太郎も道を誤っていると思うのだが... (2009/03/05)
- 小沢一郎代表は潔く退陣を、麻生太郎首相は早期解散を (2009/03/04)
私も小沢退陣、菅氏昇格を望んでいますが、ブログ界では少数派のようですね。
国策捜査陰謀論が飛び交っていますが、事実として記載違反があったのなら、それをいつ捜索されても仕方がないと思いますが。
また、国策捜査であったとしても、今の自民党が衆院選で勝つ見込みはないと思うのですが。
そうはいっても、小沢代表が正面突破に出た以上、民主党は一蓮托生で行くしかないでしょう。検察が事務所の捜索で何か掘り出せば、小沢の負け。しかし、そうなっても小選挙区制である以上、民主党優位は変わらないでしょう。比例区に多少の影響がある程度。
検察がこれ以上突っ込めなければ、民主党の勝利、自民自滅となるでしょう。民主党は報復に矢野絢也氏の参考人招致とそこでの証言をもとに池田大作氏証人喚問にまで持ち込むかもしれません。それを避けたい公明党は、麻生に解散を迫るでしょう。
そうなると大筋としては民主党有利となる。
逆に言えば、麻生、公明党はそこまで追い詰められていたということかもしれません。
2009.03.05 08:51 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]
管理人さんが嫌いな陰謀論ですが、
麻生がコネズミにおとがめなしだったのは、後ろにいるユダヤや暴力団等の巨悪が怖かったからでしょう。
ヒラリーの訪日で何が協議され(麻生と小沢)そして第七艦隊云々の話から今回の第一秘書逮捕。
ヒラリーがアメリカの凋落で小沢に言わせたのか、それとも小沢がアメリカからの自立を発言したのか。
わたしは後者でアメリカ従属の売国奴とアメリカが仕組んだ逮捕劇で見せしめではないかと思う。これに財務省(中川の件)や検察官僚がバランスを取りながら総選挙後を睨んで自己主張をしている様にみえる。
この先何が起きても不思議ではない。
どうしても陰謀論になってしまうのもマスゴミの情報にウソや誘導が多いからで仕方ない。
2009.03.05 10:19 URL | #- [ 編集 ]
おざわ氏
「自民も民主もダメなんて安易なニヒリズムを撒き散らしている場合か。
当事者のオレが言うのもなんだが、
そういう体質を変えるために今までやってきたんだ。
国策うんぬんで揉めるのは時間の無駄だ。
とにかく参議院が始まるから、間違っても今回のことで矛を鈍らせるマネだけはすんな。
今回のことはオレがなんとかするから心配すんな。
まあ、実は国会がダレてきたから引き締めるために
辺に手をまわして『ひとつ混乱させろ!』って入れ知恵したんだw」
2009.03.05 10:19 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]
こんにちは。
先日の記者会見で小沢氏が自白していたことが判明しました。私のブログで、ノーカット映像とともに紹介しておりますので、是非ご覧ください。
2009.03.05 11:11 URL | maria #onplKJwM [ 編集 ]
kojitakenさん
しばらくぶりです。
この小沢問題の根拠がどこにあるかは今のところ不明ですが、折角の政権交代のチャンスを後退させるニュースであることは間違いありません。
国策捜査である可能性もありますが、旧来からの自民党政治そのものの企業献金には呆れています。
先ずは個人の問題として党首を退いて検察と戦えばよいと思います。
特に、この問題で社民党党首の小沢民主党への寄り添いが気になります。
次の選挙を通じて社会党がなくなった時と同じ状況が不安です。
2009.03.05 11:52 URL | morichan #AU6tPF8Q [ 編集 ]
菅氏は自分以外のことに関しては鋭く空気を読む特技があり、メール問題のときも一切関わらなかったですし、今回もやばそうだと感じて速攻で逃げてないですかね?それに世襲を批判しておきながら自分の息子を跡継ぎのために立候補させたり、
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6077498
のように笑いを誘う発言ばかり。
他方で鳩山氏は幹事長だから弁明は必要としても「陰謀だ、国策捜査だ」と吠えまくり、証拠がドンドン出てくると「金を返せば良いよね?」と言ってしまう恥ずかしい人間。
小沢を擁護した山岡もダメ。同じく擁護した岡田も、
http://www.nishimatsu.co.jp/cnstrct/ken/com/list.htm
↑西松でイオン建てまくりでいずれは叩かれるハズ。
次の代表戦は無傷の前原氏とエース長島氏でやるのはどうですかね?彼等なら自民党のまだ良心的な若手議員を引き込む事が可能かもしれませんし。何より「今現在」力のある議員はあまりにも旧態依然の勢力と関係が深過ぎて日本を立て直す新しい政策の足止めになる気がしてなりません。
(長島氏については自衛隊のソマリア沖派遣についての提案で反発はあるかもしれませんが、派遣はいずれ日本が協力せざるをえない事案でしたし)
2009.03.05 15:04 URL | 与志 #- [ 編集 ]
主犯は、暴力装置を有する官僚が、既得権益を守るために暴走した、と読み解きます。
5・15や2・26と同じケースです。
民主党政権になると官僚既得権を削られるので潰したかった。小泉氏達行革派が退散したのは、ここを読み取ったからでしょう。
Goサインを出した官邸も従犯ですが、国策というより組織益がメインでしょう。
陰謀論も入れれば、主犯の中に証人喚問を阻止したい学会員がいて、煽ったか。
2009.03.05 15:15 URL | ? #- [ 編集 ]
>検察がこれ以上突っ込めなければ、民主党の勝利
これに関しては「後でそうなっても無意味」という点が問題ではないですかね。
日本の脆弱な司法では、何とでも理由をつけたら検察の言い分で通るのではとも思いますが。
しかし最悪でも選挙まで結論を引き延ばせば、終わってからどうなっても検察の完敗はないのでは。
国民からも一定の疑問視はあるようですが、アリバイとして選挙後に与党側を捜査し、不起訴等で納めるのは、恐らく既定路線でしょう。
与志さん、
>代表戦は無傷の前原氏とエース長島氏で
前原氏はこのブログに賛意を示す人でしたら、民主党で最も好ましくない一人なのでは。政治右派でネオリベだし。
今回の件で無傷とか言っても、やはりメール問題の醜態は酷いものでしたし。
比較して、仰るような管氏の動性はやはり政治カンというか、それだけ政治家としての才覚があるということでは。弁舌も立ちますし。
結局、市民が民主党に期待する「非自民的なもの」を最も体現しやすい人でもあると思いますけれど。
2009.03.05 21:44 URL | Gl17 #EBUSheBA [ 編集 ]
民主党にとって幸いだったのは、金額の違いはあれど、献金リストに並んでいるのは、むしろほとんど自民党議員だったということ。
ましてや公金横領の類でなく、もともとあった企業献金の名義と認識の問題。お金に悩む庶民こそ、五十歩百歩であるし、自民党にこそ相応しい問題であることを敏感に感じとると思います。
もし捜査が不公平なまま、選挙に突っ込むようなことがあれば、国民はむしろ民主党に入れるのでは。民主党に鉄槌を、などとはならないと思います。
起訴などになれば、さすがに小沢さんも降りざるをえないので、かえって選挙は単純になるでしょう。
それほど悲観的になる必要はないと思いますね。
2009.03.05 22:29 URL | cube #- [ 編集 ]
東京地検は汚い。
金額が多いだけでの逮捕は全く不当である。公務員検察官僚は裁判員制度が始まるというのにこのような法の元の平等すら守らないやり方は許されない。与党の関係者も逮捕するのがあなた達の役目だろう。この税金泥棒め。
マスゴミにリークしている関係者と称してウソ情報を垂れ流す姑息なやり方も許されない。
こんな状態の日本の検察は死んだも同然だ。
私たち国民はこのような不平等な検察の元では裁判員制度には参加しない。
2009.03.06 01:42 URL | ゲバラ #- [ 編集 ]
相変わらず傲慢なエントリーだな。俺はお前さんが支持しているらしい菅直人の後援会に昔から入ってるけど、そんな俺だからこそ、前原やお前のように小沢に対して辞めろとはいわないね。大連立の時もそうだったろ。いい加減、お前の傲慢さ、状況判断の鈍さを自覚したらどうかね。反戦な家づくりさんの爪の垢でも飲んだらどうだい。
2009.03.06 02:58 URL | あほばかまぬけ #- [ 編集 ]
自民党の政治家が西松建設からの献金を返還し始めています。自民党の多数の議員が返還し終わった後に、小沢を逮捕、自民党は人身御供として小物を逮捕(またはなし)、そんな構図になるかもしれません。露骨すぎるが、恥も外聞もない麻生自民党なら、やるでしょう。小沢氏の秘書を逮捕して、その間に自民党の議員様は早く証拠隠滅してくださいといっているような今回の逮捕劇。それにしても、自民党政治家たち(長野県知事を含む)と小沢氏の今回の問題とどこに違いがあるのですかね。自民党政治家たちのやっていることのほうがどう考えても、悪質のように思えますが(例えば、きっこの日記の「自民党の自作自演」が詳細を伝えている)。伊藤惇夫氏は、小沢氏は政治献金の流れを透明化させたことがむしろアダになったと言っているほどです。
森田実氏の主張もわからないではないが、これまでの歴史を振り返ると、譲ってはいけない線があると思う。今回はそれではないか。「国民生活」や「党のため」を理由に譲ってしまった結果、さらに悪い方向に向かうのではないか。菅直人が「年金未納問題」で党首の座を追われた場面を私は思い起こす。
私はここで、小沢が代表を辞めようが辞めまいが、民主党は分裂の道を辿ると思います。前原などが補給要員として自民に合流、そして、中身の人間たちはいくらか変わっても、コアな部分は残り、相も変わらず自民党政権は続く。日本はさらに右傾化し、見かけは民主主義、内情は言論弾圧の社会になり、人々の精神はさらに荒廃する。今のロシアのような世界になると思います。一人一人の命を大切にしないこの国はもはや復活するのは難しいでしょう。格差社会は恒久化する。経済も益々落ち込むでしょう。私は、小泉が勝ち、自公が三分の二の議席を占めた時、もはや日本は落ちるところまで落ちるしかないと観念していました。
自民のあまりのひどさに、逆に多少は希望を持ちましたが。公権力やマスコミにはそれなりの矜持があると思ったのですが、甘かったようです。
唯一の望みは、ネットでしょうか。かつては現在の小沢氏のような立場になれば、完全にアウト。しかし、ネットはマスコミと違い、検察のリークが実は、根拠のないもので世論操作をするための道具であったりすることをいち早く教えてくれるからだ。マスコミが盛んに流す「胆沢ダム」についても、国土交通省東北地方整備局が行っている事業で野党政治家が口利きできるようなものではない。マスコミ報道で、やはり小沢氏は口利きしたと普通なら思うでしょう。でも、事実をいち早く教えてくれたのがネットです。あの「麻生邸へのリアリティツァー」への悪辣な弾圧も詳細を教えてくれたのはネットです。
私は、ネットのみに期待を寄せている。ただ、相変わらず、ネットをやらない「お上」を信じる堅い層(警察や検察のやることを信じる層)が歴然として存在する上、橋下や石原を支持する層が多数いることを忘れることはできない。
悲観的に書いてきたが、そうならないことを願うばかりです。
2009.03.06 03:46 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]
トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/859-d50eb843