
ウィーン国立歌劇場やボストン交響楽団などの音楽監督を務めた世界的指揮者の小澤征爾さんが2月6日、88歳で死去した。戦後のクラシック音楽界をけん引した巨星の訃報に国内外が喪失感に包まれる中、その弟でエッセイストの幹雄さん(86)が兄・征爾さんとの思い出を毎日新聞に寄稿してくれた。
ドミソを弾いて「きれいだねぇ」
男ばかり4人兄弟の末っ子に生まれた僕は、3人の兄からたくさんの影響を受けたと思う。兄たちは皆音楽が好きで、太平洋戦争直前に中国から引き揚げてきた時、母が持ち帰ったアコーディオンを弾いて楽しんでいた。北京の教会に熱心に通って多くの賛美歌を覚えたクリスチャンの母は、息子たちに四部合唱で歌うように賛美歌を口移しに教えてくれた。ところが音程があやしく時々声が上ずる母に三男の征爾が「お母ちゃん…
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