【映画】BABYLON(バビロン)を観て感じた諸行無常【感想】
【感想】BABYLON(バビロン)を観て感じた諸行無常
何かもっと大きいものの一部になりたい
本編のラストで、3人の主人公のうちの1人であるディエゴ・カルバ演じるマニーが語るこの一言が、この作品最大のメッセージだと感じた。
何か大きいものとは、まさに歴史上の大きなうねりだと思う。
作品の舞台は、大きく2つの時代に分かれる。
無声映画の絶頂期(1920年代)
ヨーロッパを主戦場とする第1次世界大戦の軍事需要で、潤うアメリカ経済。
それに伴い、ハリウッドの無声映画産業も絶頂期を迎える。
勃興したばかりの産業で規制もなく、映画に関わる人々が狂気乱舞するパーティシーンは、前半パートの最大の目玉シーンでもある。
この時代のスターが、ブラット・ピット演じるジャック。
そして、才能を見出されるのがマーゴット・コビー演じるネリーだ。
無声映画の衰退から音声映画への移行期(1930年代)
戦後のヨーロッパ経済の復興に伴い、アメリカ経済に陰りが訪れる。
それと呼応するように、映画の世界も無声から音声映画へと切り替わる。
「音」というファクターによって映画業界の勢力図は激変する。
これまでの、スターや才能が評価されなくなり、陰で燻っていた裏方が脚光を浴びることになる。
まとめ
ここから感じたのは、才能も名声も、生まれ持って決まっているものではなく、その時代に求められるものに、たまたま合致していたかどうか?たまたま、その場に居合わせたかどうか?
すべては、そんな偶然性によって決まっているのだと思う。
しかし、その運命的な偶然性だけに身を委ねるのではなく、その世界とどう向き合って生きる道を切り開いていくか。ということも同時に大切なことだ。
この相反する両側面を繰り返して、人類は成長していく。
この映画は、ハリウッドの栄枯盛衰という一場面を切り取って僕らにそれを教えてくれる。