「頭の回転が速すぎる上司」との仕事において最も気をつけるべきこと。
「頭の回転が速すぎる上司」との仕事において最も気をつけるべきこと。
自分が部下の立場からすると、上司となる人は、仕事ができない人よりはできる人であった方が良いに決まってる。
仕事ができる人というのは、様々な定義が存在するが、その中でも「頭の回転が速い」というのは、一つ大きな指標になるのではないかと思う。
どんな人からの質問に対しても、頭脳明晰、素早く快活に受け答えをする。
そんなタイプの上司。あなたの職場にも1人か2人はいるのではないだろうか。
僕自身も、実際にそのようなタイプと上司と一緒に仕事をしたことがある。
その時に感じたことは、大きなメリットとデメリットの両方があるということである。
先にメリットからお伝えすると、かなり細かい部分まで素早く指示が下りてくるという点である。つまり、全くムダがないのだ。指示を待つ時間もないし、指示通りにやればミスも起きないからだ。
一方で、一挙手一投足まで管理・監督されているという感覚が非常に強く、多くのメンバーが「自分の意見や考えを持つこと」を徐々にやめてしまうという状態へ陥ってしまったという状況があった。
この状況の最大の問題点は、突発的に上司が不在になった瞬間、チームとしての動きが一気に機能しなくなることだ。それは、まるで停電になってしまった街のように、すべてが機能不全に陥ってしまうのだ。
そして、そのようなチームというのは、僕自身を含むチームメンバー個人にフォーカスしても、仕事におけるやりがいや成長をいまいち感じることができておらず、どこかくすぶってしまっていたように思う。
僕自身、マメジメントをする立場になって過去のそのような状態を改めて振り返ると、非常にまずいものだと思う。
今回の記事では、そのような「頭の回転が速すぎる上司」が抱えるデメリットの部分に、フォーカスを当て、自分が部下の立場だったら、どう切り抜けるか?ということについてまとめてみたい。
1対1で話す機会をつくる
「頭の回転が速すぎる上司」というのは、「1を聞いて10を知る」という万能感を何事に対しても持っている。
それは、対人関係においても同じだ。
だが、ここで注意しないといけないのが、上司の「わかったつもり」は、実は全然にわかっていないということだ。
上司は部下と接する時に、必ず過去の経験から一定の型やタイプに当てはめて「この人はこういう考えの人間だ。」といういわば決めつけに近い認識の仕方をする傾向が強い。
しかし、実際の部下の考えや感情というのは、決して1つの型に収められるものではないし、まして置かれている環境によって変化だってする。
型やタイプではなく、「個」としての自分を理解してもらわないうちは、とんでもない方向からの指示や目標設定をされてしまう可能性すらあるのだ。
そう考えると、やはり1対1でしっかりと時間をとって対話をすることで、自分という存在を理解してもらうことが第1歩だと思う。
意見から伝える(状況から伝えない)
「頭の回転が速すぎる上司」との日常のコミュニケーションにおいて大切なこととして、「意見から伝える」ということがあると思う。
まず、この手の上司というのは、常に自分の意見を言いたくてうずうずしているということを理解しなくてはならない。
つまり、現状の状況説明などと遠回しな伝え方をしているうちに、「だったら、こうすればよい」という相手の意見が返ってきてしまうのだ。
どうしても、人間の心理上、上司から提示された意見に反論はしづらい。なので、後から否定されようが、先に自分の意見を伝えてしまうということが非常に重要だと思う。
そして、その先制パンチをすることによるメリットは2つあると思う。
一つは、自分がどのような意見を持っているか?を相手に理解してもらうきっかけになること。
もう一つは、自分で考えるトレーニングになるということだ。
このようなコミュニケーションを繰り返すことは、前述した「上司の突発的な不在時」に対しても対応可能な人材になる為の筋トレだと言える。
答えを聞いてしまうことも大切
自分の意見を持つことは大切だが、どうしても理解できないことや解決策を見出すことができないこともあると思う。
そんな時は、自分一人の頭の中で考え込んでいても、時間だけがただ過ぎていき、一向に答えは出てない。
そのような場面では、上司を利用するという考え方も大切だ。
悩んでいる時というのは、とにかくそれが間違っていようが、あっていようが、何かしらの回答を提示してもらえるというのは、非常に心強いことだ。
ここで、ようやく「頭の回転が速い上司」の大きなメリットが登場するわけである。
そして、この場面で押さえておくべきポイントは、「答えに至る思考プロセスまで聞く」ということだ。
答えを聞いて終わりでは、また次に壁にぶつかった時、同じように上司に答えを頼ってしまう。そうではなく、思考プロセスから聞くことで、自分の中での「再現性」のあるスキルに昇華することができるのだ。
そして、それもまた「上司の突発的な不在時」に対しても対応可能な人材になる為に、必要なことだと言える。
まとめ
僕自身は、決して「頭の回転が速い」タイプではない。
しかし、仕事経験を積んでくると、どうしても新入社員や転職者など経験が浅い人に対して、一方的に自分の意見を投げかけがちな部分がある。
今回の記事は、そんな自分に対する戒めも含めて感じたことを綴った次第である。