コンセプチュアルスキルだけが突出して高い部下が上手く仕事を回せない理由。
コンセプチュアルスキルだけが突出して高い部下が上手く仕事を回せない理由。
「将来的にはこうあるべきだ。なぜなら~」
会社の長期的なビジョンについて饒舌に語るのが、部下であるB君です。
彼はそのような話題が大好きで周囲のメンバーはもちろん、上司の僕にもいつも得意げにスピーチをしてくれます。
その内容は、非常に的を得ていて、納得感もあります。
彼は、ビジネスの大きな経営コンセプトやビジョンを策定することに非常に長けていると感じます。
しかし、残念なところもあります。
それは、彼の結論のほとんどが、現状の経営批判で終わってしまうところです。
彼の語る理想は、あくまで「彼が経営者にならなければ成立しない」理想論になってしまっているのです。
つまり、彼がいくら語っても、1mmも動かない現状があるのです。
そんな彼には、今の大企業における一従業員であるよりも、スタートアップの代表の方が向いているのではないか?とすら思ってしまいます。
しかし、今の会社で働くことを選び続けるのであれば、彼の語る理想に少しでも近づくためのアクションが必要不可欠だと感じます。
今回の記事では、現状のB君に足りないスキルから今後身に付けていくべきことについてまとめていきたいと思います。
カッツ理論で分析する
社内におけるポジションとその為に必要なスキルの割合を定義しているのがカッツ理論です。
引用)https://jinjibu.jp/f_management/article/detl/outline/804/
上記の図が示す通り、マネジメントの範囲が広がる程、必要なスキルは、
・テクニカルスキル
↓
・ヒューマンスキル
↓
・コンセプチュアルスキル
という変遷をたどります。
つまり、B君のケースでこれを当てはめてみると、彼は現在ローワー~ミドルマネジメントのポジションが妥当な範囲として当てはまります。
そのポジショニングに対して、彼の得意なコンセプチュアルスキルの割合は、残念ながら重要度として非常に小さく、逆に彼に足りていないと思われるヒューマンスキルやテクニカルスキルという部分が本来必要とされていることがわかります。
B君が身に付けるべき3つのスキル
では、ヒューマンスキルやテクニカルスキルという少し抽象的な概念をも少しだけ具体的に分解して考えていきたいと思います。
主体性
これは、自らが中心となって働きかけを行う姿勢を指します。
単に理想を語るだけではなく、それを実現するため可能なアクションを実行するということです。
コミュケーション力
目指す姿を実行していく為には、自分の力だけでは達成できないことがほとんどです。
コミュニケーション力が必要な理由は、相手になぜそれを達成する必要があるのか?を理解してもらうと同時に、何をしてほしいのかを伝えて、実際に動いてもらうことがポイントだと言えます。
専門性
ローワー~ミドルマネジメントの段階では、相手にやってもらうだけではなく、自分が出来ることも一定量必要だと考えます。
専門性による自分にしかできない仕事は、理想の実現につながるだけなく、相手に対する信頼にも影響します。
まとめ
B君のコンセプチュアルスキルの高さというのは、全く否定すべきことではないと思っています。
むしろ、ポジションが上がってもずっとプレイヤーで居続けてしまうことで、本来の役割を果たせていないトップマメジメントもいることは事実です。
これらが、あくまでバランスの問題だと思っています。
B君には、足りていない部分を補いつつ、本来の強みを活かすことができるポジションへのステップアップを僕としても応援したいと思っています。