部下になってみて気づいた社内評価抜群の完璧上司が抱える唯一の弱点。
部下になってみて気づいた社内評価抜群の完璧上司が抱える唯一の弱点。
社内でも一目置かれ、将来は役員候補とも言われ、常に大きな仕事を任されている。
そんな社内評価抜群で完璧タイプの上司のもとで部下として働いた時の話です。
周囲から僕は、「あの上司の働けるなんてすごい成長できるね。」
なんてことを言われて、自分でも期待感を持ちながら仕事に望んでいました。
しかし、その上司と働き始めて半年くらい経った時に、
感じたことは、「この上司の元では成長できない。」という感覚でした。
つまり、完璧上司が抱える唯一の弱点とは、部下を育てることができない。
という点だったのです。
もちろん、社会人としてみた時に、自分の成長は「させてもらうもの」ではなく、「自らするもの」である。という考え方もあります。
一方、マネージャー目線としてみた時には、チームの成果を最大化する為には、部下を成長させるスキルは非常に高いウェイトを占めます。
今、改めてそんな目線で見ると冷静に当時を振り返ることができます。
なぜ、部下が育たないのか?
大きく2つの要因があると感じました。
1.面倒見が良すぎる
とにかくびっくりしてしまうほど、一挙手一投足を監視されている感覚でした。
メールの文面、電話での言葉遣いなどもこと細かく注意を受けました。
当時僕は入社からある程度年数が経ち、自分なりの仕事の仕方も固まってきていた頃だったので、余計に新入社員に対するようなダメ出しをされることは、これまでの自分の仕事を否定されているような気がしてショックを受けました。
また、資料も同様で確認をしてもらうと、半分以上を修正されるという始末でした。
これによって自信を喪失した僕は、「どうせ修正だな」というマインドになり、ほとんどの業務に力を入れることができなくなり、上司の修正を待つだけの人になってしまいました。
例え部下であっても、自分の担当範囲内において絶対に落ち度があってはいけない。という、尋常じゃない完璧主義に疲れてしまったのかもしれません。
2.部下に意見をさせない
その上司はとにかく頭の回転が速く、すぐに答えにたどり着くタイプでした。
その答えはいつもMECEで抜け漏れがない完璧なものでした。
会議の場でも、冒頭からスタートダッシュで一通り自分の意見を述べきってしまいます。
その後は、他の人の意見を論破し倒すというスタイルで、部下の僕が何か発言をしようものなら、完膚なきまでにその発言がいかに無意味で創造性がないかを滔々と述べられました。
しかし、発言がないなら無いで、そのことについて叱責を受けました。
僕からしてみれば、既に自分が意見として持っていたことも、その120%以上深い意見を既に言われてしまい、本質から外れたことを言えば論破されるというまさに八方ふさがりの状況でした。
そんな状況が続くと、さすが思考停止になってしまい、自分で考えるということを辞めてしまいました。
まとめ
僕は結局、自分から異動願いを出し半年でその上司の元を去りました。
後から聞いた話では、その上司のもとで働いた部下で仕事がうまくいっているという人の話はほとんど聞きませんでした。
理由はやはり、部下を自立させることができず、管理に徹底してしまう部分が強すぎるということがあると思います。
上司目線からしたときに管理を徹底することで、目先の部下の仕事のミスをなくすことで自分の責任を回避することができますが、長期的に会社に貢献できる人材を育てるという視点に立つと、自分が責任を取ってでもある程度部下に任せて失敗させるということも大切かなと感じています。
この経験を反面教師にしながら、部下を持つようになった自分も仕事の仕方を考えなくてはいけません。