職場環境をよくするための部下の叱り方。
管理職試験のフィードバック
先日、中間管理職試験を受けた。
その際のフィードバックとして、僕はリーダーシップについて指摘を受けた。
具体的には、僕が相手に対して率直に意見をぶつけることに対する抵抗感や恐怖心を感じているように見受けられるというものだった。
その指摘は、かなり的を得ており、自分が一番指摘されたくない内容だった。
正直、他人との対立に対する恐怖心というのは、人一倍強いと思う。
ぶっちゃけ、嫌われるのは嫌だし、相手が自分のことを嫌っていると思った瞬間、完全に心をシャットアウトしてしまう癖もある。
だからこそ、これまで他人(同僚・部下・上司)との揉め事は極力避けながら穏便に生き延びてきた。
ただ、社内でポジションを上げるということは、それに伴うリスクとして意見の対立は避けられない。しかも、自分のポジションが上がった場合、ほとんども部下は年上になる。
そんな、葛藤の狭間で、どう恐怖・不安を乗り越え、自信をもって自分の意見を貫くことができるのかを『なぜあのリーダーに人はついていくのか』を参考に考えてみた。
- 作者:中谷 彰宏
- 発売日: 2008/06/13
- メディア: 単行本
大前提として
どんなにメンタルが強く、他人からの批判など微塵もダメージにならない人であっても、自分の主張や意見をひたすら貫いているだけでは駄目だ。
それは、意見を発する当人はノーダメージでも、意見を受け続ける相手が消耗してしまうからだ。
まず、大前提として「あの人の言うことは正しい」というポジションを築き周囲の信頼を得るということが大切だ。
その為の行動とは、
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「ビジョンの共有」
⇒「どこに向かって働いているのか」ということを明確にする。
そして、周囲のメンバーもそれを理解している。
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「現場を把握している」
⇒日頃の些細な環境や人間関係などの変化を見逃さない。
また、その洞察をもとに周囲のメンバーとコミュニケーションを取っている。
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「上司に対しても戦う」
⇒部下にだけ意見を押し付けるのではなく、上司に対しても自分が正しいと思うことは、はっきりと伝える姿勢を見せる。(結果的に通らなかったとしても。)
リーダー自らが「叱ること」の大切さ。
集団で仕事をしている以上、どうしても意見のすれ違いはある。
そして、時にはある人が間違った方向に進んでしまいそうになる時もある。
でもそんな時に、「軌道修正の指摘をする」その仕事を、リーダー以外にさせてしまうことは、その人が本来やるべき役割を奪ってしまうことと同じなのである。
つまり、実務を実行する集団から一歩離れた位置にいるリーダーと同じ位置まで、メンバーを特定のメンバーを離してしまうことで、チームの機能としては弱くなり、指示系統が複数できてしまうというあやふやな状況が生まれてしまう。
だから、チームの生産性や効率性を上げるためにも、リーダーと呼ばれる人が矢面に立って、指導をしていかなければいけないのである。
どうやって「叱る」のか?
結論はたった一つ。「ストレート」にいうこと。
なぜなら、指摘をされた側にとって、何を言っているのかがいまいちわからない。
というのが、一番腑に落ちないし、納得がいかないからだ。
僕は以前、「会社に対して不満があって辞めたい」という後輩女子の申し出に対して、非常にあいまいな返答をしてしまい、それ以降、一切相談されなくなるという苦い経験もある。
「明らかにがんだけど、言ったら嫌われる」
と遠慮するお医者さんがいたとしたら、困ります。
患者からすると、はっきり言ってもらって対応策を聞きたいです。
お医者さんは、冷たいぐらいの人のほうが人気があります。
クールにストレートに言うから、安心してついていけるのです。
チームのスタッフに接するときも同じです。
厳しく言うと、嫌われるリスクも当然あります。
そのリスクを背負うことが、リーダーの使命です。
ただし、そのリスクヘッジとしては、冒頭に記述した「周囲との関係性」と「自分のポジション」を確立することで、「叱られた人」のフォローを周りがしてくれる状況をつくること。これが、職場環境をよくするサイクルの循環ではないかと思う。
まとめ
・チームメンバーとの信頼関係構築に全力を注ぐ。
・リーダーが率先して、「叱る」役回りになる。
・「叱った人」を自分以外のメンバーにフォローしてもらう。