初のアジア・ツアー開催直前! Q'ulle短期連載でみえたのは、ゆずきといとくとらの成長の姿だった
ニコニコ動画の「踊ってみた」ジャンル発の7人組ダンス・グループ、DANCEROID解散後、そのなかから再び立ち上がった5人のメンバーによって結成されたガールズ・ユニット、Q'ulle。第2章の始まりと言える4thシングル『HOPE / UNREAL』のハイレゾ配信を機に、彼女たちが次に目指す世界観を追う短期連載「Q'ulle goes to NEW WORLD」をスタートした。
第1回ではメンバーのまなことやっこにインタヴュー。渋谷WWWでのワンマンライヴを目前にQ'ulleの現状を「危機」と感じたまなこと、それとはまた異なった視点でQ'ulleを見るやっこ。2人だからこそ語ることのできる、Q'ulleの背伸びも偽りもないリアルな"現在"に直撃した。第2回ではまぁむにインタヴュー。Q'ulleの中でも謎に包まれた存在であり、もしかすると今後のキー・パーソンとなるかも!? ということで単独で彼女の魅力に迫った。
最終回となる第3回目はリーダーのいとくとら、グループのお母さん的存在、ゆずきにインタヴュー。4月3日の名古屋を皮切りにスタートするアジア・ツアーを目前に、それぞれの役割を見つけ成長し続ける彼女たちの姿を見た。
Q'ulle Asia Tour 2016「other side of 〜HOPE〜」
2016年4月3日(日)@名古屋SPACE BOX
2016年5月29日(日)@韓国・ソウル
2016年6月18日(土)@台湾・台北
2016年7月 シンガポール
2016年7月30日(土)@中国・上海
2016年8月13日(土)@仙台CLUB JUNK BOX
2016年8月27日(土)@広島SECOND CRUTCH
2016年9月10日(土)@福岡DRUM Be-1
2016年9月24日(土)@梅田Shangri-La
2016年10月15日(土)@Zepp DiverCity(TOKYO)
>>特設サイト
5月18日発売5thシングル『ALIVE/再生論』から「再生論」の踊ってみたver.が先行公開中!
最新作ハイレゾ配信中!!
Q'ulle / UNREAL / HOPE
【配信形態 / 価格】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz)/AAC
単曲 540円 / アルバム1,080円(各税込)
>>ハイレゾとは?
【Track List】
01. HOPE / 02. UNREAL / 03. 1/3の純情な感情 / 04. HOPE(Off Vocal karaoke ver.) / 05. UNREAL(Off Vocal karaoke ver.)
INTERVIEW : ゆずき(Q'ulle)
——昨年末、12月29日のO-EASTでのワンマンお疲れ様でした。きんぐ(ゆずきの愛称)にとってどんなライヴになりました?
ゆずき : 心から楽しめました。それにお客さんを楽しませるために、みんなで一緒にいい空間にしようっていう気持ちで挑んでいたので、それは達成できたのかなって。
——ソールドアウトしましたね。本当に会場がパンパンで。
ゆずき : ありがたいことに。会場入りしたときはここに人が入るのかなって思っていたんですけど、本当に入っててびっくりしました(笑)。
——以前まぁむ、まなこちゃんにインタヴューしたときに、WWW(2015年7月に渋谷WWWで行われたワンマン・ライヴ)はよかったけどもベストじゃなかった、やらされてる感じがしたって言っていたんだけど。
ゆずき : うん。そうですね。
——そのときO-EASTワンマンではそれを打破したいんだって話をしてくれて。そのあたりに関してはきんぐはどう考えていて、どんなライヴができたと思いますか。
ゆずき : 年末のライヴの前にスタッフさんとも「WWWはこうだったんで、もっとこうしたいです」みたいな話をしました。結果、セトリに私たちの意見も取り入れてくれて。スタッフさんのほうからも提案をしてくれて。WWWよりは全然一緒にやってる感じがありましたね。前よりもQ'ulleの雰囲気が良くなったかなって思っています。でもそこは埋められても、バンドとのクオリティの問題とかが…。
——O-EASTでもバックバンドを迎えてのパフォーマンスでしたよね。そこでまた新しい課題が出てきた?
ゆずき : バックバンドがまた新しくなって、そこで気になることがあって。いま当日の映像を見てても、バンドとはまったく世界が別になっちゃってたかなっていうのが第一に思うことです。もっとバンドとメンバーの距離を埋めたり、バンドと一緒にパフォーマンスするときのクオリティを上げたいですね。合わせてダンスをするのもそうだし、全体としてのまとまりというか。
——バンド演奏だとモニターからの音の聴こえ方も違いますよね。
ゆずき : そうなんですよ。ライヴでは曲もバンド・アレンジされてるし。アジア・ツアーもバンドと一緒に回るので、いまは一緒に音を合わせたりしています。
——なるほど。じゃあ逆にO-EASTで良かった点を教えてください。
ゆずき : うーん。良かった点…。レーザー(笑)?
——あははは。光の演出の部分(笑)。それ以外は?
ゆずき : それ以外だと個人的にはお客さんの顔を落ち着いてよく見れました。12月29日はいい意味での余裕が結構出てきたというか。やっぱり会場が広くて人もたくさんいるから、そのぶんお客さんに伝わりにくいだろうなと思って。なので全員の顔を見る勢いで歌を歌いましたね。踊りはいままでがひどかったんで(笑)、練習もしたんですけど。でもできる限りのことはしました。Q'ulleとしては全然伸びしろはあって、ステップアップしていかなきゃいけないところはたくさんあるんですけど、この時点でやれることはやったと思ってます。
私は中和するポジションでありたい
——当日観させてもらいましたけど、WWWワンマンのときより本当に良くなっていましたよ。勢いもライヴの進め方とかも含めて。そのO-EASTを経てから、ここ2、3ヶ月はどんなふうに過ごしていたんでしょうか。
ゆずき : やっぱりクオリティを上げることを重視ですかね。バンドとの練習もすごいやってますし、ダンスの基礎とかにも取り組んでいるし。1曲1曲、フリをちょっと変えてみたりとか、フォーメーションがずれてるところをきっちり直していって。
——ダンスはどんなふうに練習しているの?
ゆずき : えっと最近はダンス・バトルをしてます(笑)。
——ダンス・バトル!?
ゆずき : まずは曲にあわせて2人が向い合って、ここってところまでは振り付けを決めて。そのあとはなにも決めずに自由にお互いにダンスを披露するみたいな(笑)。私たちの曲ってちゃんと振り付けが1曲通してあるじゃないですか。でもその間、例えば移動のときとかでも、一瞬のうちにさらっと自分をアピールできるようになったらすごい個性も出るって話をして。もっと自分を自分のフリでアピールするためにダンス・バトルをしてます(笑)。動画とかもあるんですけど、めっちゃ面白いですよ、自分たちで録って見てるだけですけど。
(筆者も見せてもらう)
——理にかなった練習かもしれません(笑)。この動画を見るとすごい楽しんでやってる感じがしますね。では新しいシングル『ALIVE/再生論』の話も訊きたいです。
ゆずき : どっちも好きなんです!! もう聴いてると両方ともライヴがしたくなるんですよ。
——「ALIVE」は作詞/作曲がおなじみのDECO*27さんと、今回から作曲には西野カナさんの「トリセツ」とかも編曲したり、Q’ulleのBACKBANDでも参加しているnaokiこと、サウンドプロデューサーの板井直樹さんも参加してますよね。Q'ulleとしても久々にポップな曲。初めて聴いたときはどんな印象でした?
ゆずき : パーティーピーポーだなって(笑)。いままで重たい感じの曲が多かったんですけど、今回ポップなのはQ'ulleのいまとも通ずるところがあるのかなと思っていて。変化の現れというか。いままでずっと不安とか不満とかがあって「Reason」とかもすごい怒ってる感じじゃないですか。そこから「HOPE」を経て、ここでまたパーンと明るくなれたかなって感じはありますね。そうですね、今回は両方共前向き! 前向きで強い意志がある曲です。
——やっぱりここからがQ'ulleの2ndシーズンがスタートって感じなんですね。次はいよいよZepp DiverCityでワンマンですよ。そこに向けて気持ちは固まっています?
ゆずき : 固まってますね!
——僕がこんなことを言うのも変ですけど、1000人のキャパシティを超えたグループ、それはアイドルでもバンドでも、その次の2000人の壁を超えるのってなかなか難しいと思うんです。そこに対する不安はないですか?
ゆずき : そこはね、難しいなってひしひしと感じています。多分まなことかやっこは「もっとこうしたほうがお客さん来る」とか「みんなに見てもらえる」とか、その方法を考えるのが得意なんですよ。でも私はそういうことを考えるのがほんとに苦手で。だから、どうしたらQ'ulleがお客さんをもっと呼べるのかとかについては、まったく答えが見えないんですよ、私は。だからもういい意味で諦めてます(笑)! 私はそこじゃないんだなって思って。
——そういうポジションではないと。
ゆずき : そこはもう任せたほうがいいのかなって思うようになりました。そういう考えでもいいのかなって。
——なるほど。自分ができないことはメンバーに任せようと思えるようになったんだ。だとするとQ'ulleのなかでの、きんぐの役割って何になるんだろう。
ゆずき : 私は中和するポジションでありたいというか。結構マネージャーが強引なんでメンバーをピリッとさせたりするんですよ。そこをうまく中和する役割にいたいというか。お互いをフォローする役割でありたいです。あとは私はいままで衣装とかも作ってきたし、ステージのこととかを考えるのが好きなんですよね。装飾とかもしたいし、例えば逆に照明なしでパフォーマンスしたいなとか、お花に囲まれてやりたいなとか、そういうことしか考えられなくて。ライヴをもっとアートにしたいですね。ちょっと変な方向にもっていきたい。
ギャップとかを見せていったほうが私たちらしいんだなって
——変な方向と言うと、asia tour 2016の一次先行限定チケットで使用されている個々のアー写(各公演ごとにチケット画像が違う仕様。現在は一次先行終了している。)がかなり過激なんですけど…。
ゆずき : 撮影するときはめっちゃ爆笑してましたね。「大丈夫?」って(笑)。この布団がなくて、普通に寝てる写真も撮ってるんですよ。隠れてますけど、みんな白くてかわいいワンピースとかを下には着てるんです。
——かと思えば、全員揃った写真は黒に統一されてて、すごくかっこいいですし(笑)。
ゆずき : 最近ギャップをとても大事にしてるんです! 前スタッフさんに「Q'ulleはロックって言ってるけど、私服とかはロックじゃないね」とか言われたんですね。だから心からロックにならなきゃいけないのかなとも思っていて。だからMCもしたくないって時期もあったし、ライヴでも「ありがと!」ってそっけなく言うようにもしてたんです。でも音楽がロックだからって、無理して性格もロックにしなくてもいいんだと最近気がついて(笑)。
——僕やっぱQ'ulle好きですね。言わせてください、ちょっとアホですよね(笑)。
ゆずき : アホです。とってもアホです(笑)。単純なんですよ。
——サウンドがロックだから性格もそうしなきゃって(笑)。
ゆずき : 最近は女の子のファンも多いので、私服とかはとことん可愛く女の子らしくしようと。でもライヴではガッツリかっこよく、そのギャップとかを見せていったほうが私たちらしいんだなって。それに気づいたら、だいぶ楽になりました(笑)。Q'ulleって名前はキュートとクールから来ているんで、やっぱりその2つは大事にね。
——今日のきんぐの話を聞いて、Q’ulleに対して個人的に思うことがバンバン出てきている様子が伺えて、とてもいいなと思いました。
ゆずき : Q'ulleでやりたいことが増えましたね。本当に個人的なんですけど、私は最近映画にはまってて。チェコ映画のヤン・シュヴァンクマイエルとかが好きなんです。だからいずれはヤンにPVの監督してもらいたいな。そういう楽しいことを考えてます。
——えっと、きんぐはQ'ulleではムードメーカー?
ゆずき : いや、そうではないですけど…。
——いや、その雰囲気がとてもいいなと思って。やりたいことがいろいろ出てくるのってとても素敵だし。おもしろいですよ、ちょっとおバカなキャラというか。失礼ですけど(笑)。
ゆずき : でも本当に私はふわふわしてます。「しっかりしてるね」って言われるのが最近辛いんです。私はよく携帯とかも水没させるんですね。ほかにも失敗したことをTwttterに書くと「珍しいね」って言われたりもするんですよ。それが私はすごい嫌で。そんなことないのにって思うんです。多分そういうイメージがあるんでしょうね。だからそういうことを言われるたびに「私はしっかりしなきゃいけないんだ」って思っちゃうんですよ。
——ほんとはそうじゃないのに。さっきのロックの話と一緒ですね。
ゆずき : でもいまは自分のこのふわふわを活かすというか。これまでは「変えなきゃ! ちゃんとしなきゃ!」って思うことがあったんですけど、最近はこういう人間がいてもいいんだって思えるようになって楽になりました。だから、しっかりしてるまなこといくらにはだいぶ助けてもらってる。だからそのぶん私にできること、衣装であったりとか、楽しいアイデア的なところでもっとメンバーを助けていきたいなと。あとはピリッとした場を落ち着かせたり、いい雰囲気をQ'ulleに持っていこうって最近は考えています。
INTERVIEW : いとくとら(Q'ulle)
──ではまず12月29日のO-EASTワンマンの感想を訊きたいです。
いとくとら(以下、いくら) : いやー楽しかったです。大変楽しかったです。渋谷WWWのときより自分たちの意見を取り入れてもらえるようになって。例えば前はダンスだと「ここはもっとここに視線を送ったほうがいいよ」とか指導されていたんですが、「もっとここはここが見たい」とか自分たちの考えも取り入れてもらったりして。ほかには、EASTはバンドさんと一緒にやったんですけど、バンド・アレンジされていると、いつも音を取っていた場所が変わってたりするんです。なので「そこはアレンジ変えないままで」とかお願いしたり。そういう話がWWWに比べてよくできたかなと。自分たちでライヴを作っていく感じが出てましたね。
──当日はバンド編成でライヴをしていましたけど、Q'ulleとバンドが一緒にやる意味ってなんだと思います?
いくら : まあ単純にかっこいいですよね。見た目もいいし。それにライヴってやっぱりナマモノだと思うので、その場で作っていくという部分に関して、音楽の面ではバンドのほうがいいですよね。O-EAST以降はバンドとのリハも定期的に入れてもらって、「もっとここをこうしたほうが歌いやすいかな」とか、バンドさんとの話し合いもできているので、前以上のものはできるはず。
──やっぱりQ'ulleのライヴは“ダンス”が大きなキーワードだと思うんです。そこに関してはO-EASTではどうでした?
いくら : まだ足りないですね。
──いくらさんが目指すQ'ulleのダンスの完成形ってなんなんでしょう。
いくら : 個々の底上げというか。一人ひとりのクオリティをもっと上げなければいけないと思いますね。私個人で言うと、いままでダンスを習ってきて経験はあるんですけど、それって全部先生が作った振り付けを覚えて踊っているだけなんです。自分で振り付けを作ることはあんまりなくて。フリー・スタイルが苦手なんですよ。だからよりクリエイティヴにならなきゃいけないなと思って。それを克服できたら、もっと自分を表現できるんじゃないかなと思うし。
──ただ上手く踊るだけじゃ意味がないってことですよね。
いくら : それが出てきた課題ですね。でもみんなで事前に公園で練習したりとかしてたんですよ(笑)。広いO-EASTのステージに見立てるために、バミリを自分たちで持っていって貼ったり。だから振り付けであったり、フォーメーションであったり、きっちりした部分はできてはいるんです。でもそこにプラスα、クリエイティヴさを足せていけたら、もっとアーティストに近づけるのではないかと思っています。
──いくらさん個人として歌に関してはどうですか。
いくら : 最近すごく歌うことが楽しくて。信じられない(笑)。いままでは苦手というか。人前で見せられるほどのものではないし、でもプロとしてやっていくなら、もちろん練習して努力して上手くならなきゃってものもありつつ…。とにかく歌うことで精一杯だったのが、最近はどう歌おうかなって考えられるようになりましたね。どこにアクセントつけて歌うか、語尾はどう伸ばしたらかっこいいか、この歌詞と合うかなとか考えながらやるのが楽しくて。
──そこは変わった部分ですね。あと結構Q'ulle自体の会話も増えてきたって聞きましたよ。
いくら : 会話は増えましたね。歌に関してもダンスに関しても、細かいところは話せてる。練習で集まったときとかですね。でも練習のときとかじゃなくて、オフでみんなで会ってるときもただダベってるだけではなくて、Q'ulleの話をしたりするようになったかも。ダンスとか歌のことじゃなくて、Q'ulleに対してどう思ってるかとか。
本当にいいものをつくらなきゃいけないなって考えのほうが強いかも
──リーダーのいくらさんからメンバーを見て、もちろん自分も含めてですが、もっと個々にこうしてほしいみたいなことってありますか?
いくら : なんだろう…。もちろん、私があくまでリーダーではあるけど、みんながリーダーでいてほしいというか。それぞれのQ'ulleに対する思い、Q'ulleをこうしていきたいっていうリーダー感がもっと強まればいいかなって。例えば私はダンスが得意だから、みんなにアドバイスできたらいいと思うし、歌だったらまなこが得意だから、いまみんなに「ここの歌い方を気をつけたほうがいいよ」って言っていて。一人ひとり、なにかでそういうことが言えたらいいなと思います。みんながリーダーであればもっとディスカッションできるし。そのためには自分がどうしたいかっていうのがあるといいですね。
──きんぐにも同じことを訊いたんですが、僕は1000人のキャパを超えたグループが、その次の壁を超えるのってなかなか難しいと思っていて。そこに対してなにか考えていたりします?
いくら : 私も結構そのとこについて考えていて。これまでQ'ulleは「WWWが埋まったらO-EAST。その次はダイバーシティでできる」って第一の目標である武道館に向かって会場のキャパシティを大きくしていってるわけじゃないですか。でもいままではただ「そのキャパシティを埋めるにはどうしたらいいか」って考え方になってしまっていたんですよ。
──あぁ、なるほど。
いくら : 例えば「ツイキャスをみんなでいっぱいやったほうがいい」とか。でもそうじゃないなって最近思っていて。なんかただキャパを埋めることにとらわれて必死になるんじゃなくて、結局はいいライヴをしないと次に繋がらないんですよ。だからお客さんを集めるようなことを考えるのも、もちろん大事だけど、それ以上にライヴの内容、技術面であったり、精神面であったりを鍛えなければ、結局埋めたところで意味がないですよね。そこがちゃんとしてれば、仮にもし今回のダイバーシティが埋まらなかったとしても、次には繋がると思うんです。だから私は本質的なことを忘れてはいけないなと感じていて。
──すばらしい。本当にその通りですよね。
いくら : ついつい焦りが出て、簡単なことなのに気づきにくかったなって。O-EASTもいいライヴができたから、もっかい来ようって思ってくれた人はいっぱいいるって私は信じてるんです。もちろんアピールもしなきゃいけないですけどね。だからまずはダイバーシティのライヴの中身。本当にいいものをつくらなきゃいけないなって考えのほうが強いかも。
──Zepp DiverCityの前にアジア・ツアーもあります。Q'ulleは初海外ライヴだそうですね。
いくら : そうですね、Q'ulle初海外です。私は「踊ってみた」の活動で中国とか行かせてもらっていて。そのときは結構Q'ulleの話もするんですよ。「私はQ'ulleの活動もしてて、今度中国に来るんだよ」って。あと現地の人がQ'ulleの曲で踊った動画をアップしてくれてたりとかして。ちょっとずつではあるけどQ'ulleも浸透してるって感じています。
──え、中国の人が「Q’ulleの曲で踊ってみた」動画をアップしてるってこと?
いくら : そうなんです! 私たちがアップした動画を見て覚えてくれたみたいで。5人でちゃんとパート分けして、フォーメーションとかも合わせて踊ってくれたり。中国で私たちの曲で踊ってくれる人がいるっていう。インターネットすばらしいって思いました(笑)。
別に自分のいま感じている思いを隠す必要はないなと思って
──じゃあ海外ライヴもとても楽しみですね。そして海外での公演を経て、10月15日にZeppでワンマンがあります。
いくら : もちろんライヴとして100点満点に近づけつつ、Q'ulleとしてのベスト、100%に近い状態を出せるように。私たちの力を出し切るってほうが大事かもしれない。今回のツアーはセトリとかもすごい長い時間をかけて考えていて。Zeppはちょっと変わるかもしれないんですけど、いまだかつてない感じになっています。ライヴでどうなるか楽しみなんです(笑)。今回の5thシングル「ALIVE」「再生論」はどっちもライヴ映えする曲なんですよね。聴いててもすごくかっこいいんですけど、「ALIVE」はみんなで一緒にできる振り付けがあったり。縦ノリだし、ジャンプするところとか。「再生論」はね、とにかくライヴで見てほしい。この曲はやってて楽しいんですよ。一人ひとりの見せ場が多いというか。側転があったり。ダンス押しですね。
──きんぐにしても、いくらちゃんにしても自信に溢れている感じがするんですよね。それはいまメンバー全体に共通する感覚?
いくら : うん。そんな気がします。ギラギラしてきましたよね。一緒に練習する時間も増えたし、単純に絆が深まった。
──とてもいい状態ですね。いくらさんのなかで、いまのQ'ulleはどんなグループなんでしょう。
いくら : よりアーティストに近づいてきていると思います。個人的な話になっちゃうんですけど、いままでQ'ulleはロック・アーティストだっていう概念にとらわれすぎていたんです。つまりかっこよくしなきゃいけないと思っていて。細かいことで言うと、ブログの更新もあまりしないほうがいいんじゃないかとか、私生活を出さないほうがいいんじゃないかとか。でも最近はブログを更新することにはまってるんですけど(笑)。
──あはは(笑)。きんぐもさっき話してたけど、メンバーみんなそこで悩みがあったんですね。
いくら : 私たちの良さのひとつとしてお客さんと近いっていうところもあると思うんです。ツイキャスを通してリアルタイムで会話したりとか、特典会もチェキ、 2ショットを撮ったりとか。その部分も大事にしていかなきゃいけないってことを考えると、別に自分のいま感じている思いを隠す必要はないなと思って。それをブログにするのも、その文章ひとつひとつを自分が書いていくんだから、それもアーティストへの道として大事なのかなって。あとは最近はポエムを書くことにはまってるんですよ。Q'ulleがアーティストに近づくための特訓というか(笑)。
──それはブログで読める?
いくら : あ、ブログではポエムっぽいのは書いてないです。私の携帯を覗き見すれば読めます(笑)。そのとき思いついたことをiPhoneのメモ帳に書くようにしていて。例えば悲しいことがあったとして、それを悲しいで終わらせることはもったいないじゃないですか。せっかくアーティストになるために頑張ってるんだから、なんで悲しいのか、どういう悲しさなのかを細かく記してるんです。いつか使えるかなと。
──みんなアーティストってところに向かっているんですね。今日は2人の話を聞いて、Q’ulleとしてひとつの目標を目指しながら、それぞれ違う考えを持ってきていることがわかりました。グループとしての幹が太くなったんじゃないかなと思います。いいモードですね。
いくら : グルーヴ高まってます。
──ありがとうございました!
インタヴュー : 飯田仁一郎
編集補助 : 鶯巣大輔
写真 : 雨宮透貴
これまでの記事もチェック!!
短期連載「Q'ulle goes to NEW WORLD」
>>ver.1 まなことやっこのインタヴューはこちら
>>ver.2 まぁむのインタヴューはこちら
短期連載「Q'ulleがマイクを持った理由」
ver.1 まなことやっこのインタヴューはこちら
ver.2 ゆずきとまぁむのインタヴューはこちら
ver.3 いとくとらとDECO*27のインタヴューはこちら
Q'ulleが辿り着いた1つめの"Answer"、その先へ踏み出す5人の”MONSTER"
過去シングルもハイレゾ配信中!
PROFILE
Q'ulle
動画投稿サイトの人気カテゴリ〈踊ってみた〉で人気を集めたDANCEROIDの元メンバーで結成されたガールズ・ユニット。 メンバーは、いとくとら、ゆずき、まぁむ、まなこ、やっこの5人。 踊りに特化したDANCEROIDの解散後、DECO*27をサウンド・プロデューサーに迎え、“歌って踊れるダンスロック・アーティスト”を目指し2014年10月に結成。 2015年1月、デビュー・シングルとなる『mic check one two』をリリース。ネットからリアルへと飛び出し、精力的な活動を展開。