〈SECOND ROYAL RECOEDS〉から新たなホープ登場! 4ピース・バンド、she saidの新作を無料配信
いま京都のインディ・シーンにおいて着実にその存在感を高めている、she said。ギター / ヴォーカルの佐合志保を中心とした4人のメンバーはいずれも大学生。切なく愛おしくみずみずしい、胸焦がれるオルタナティヴの感性に溢れた彼女たちが、homecomings等を輩出する〈SECOND ROYAL RECOEDS〉から初の全国流通作『So Lonely but Never Alone』をリリース。 独自のポップ・センスを含んだ全7曲を、OTOTOYでは歌詞ブックレットPDFとともに配信。しかも収録曲「dim shape」を期間限定フリー・ダウンロードでお届け! まずは試聴を!! 彼女たちの音楽性に迫るインタヴューとともに、 お楽しみいただけたら幸いだ。
収録曲「dim shape」のフリー・ダウンロードはこちらから!!
she said / So Lonely but Never Alone
【Track List】
01. hatred feel
02. you bastard
03. dim shape
04. He'll forget me
05. can't
06. dizzy
07. scene
【配信形態】
16bit/44.1kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / MP3
※ファイル形式について
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC : 単曲257円(税込) まとめ購入 : 1,620円(税込)
AAC / MP3 : 単曲205円(税込) まとめ購入 : 1,080円(税込)
この作品をご購入いただくと、歌詞ブックレットPDFが付属します
INTERVIEW : she said
she saidを初めて聴いた時、関西で活躍したgolden syrup loversというバンドを思い出した。まだ大学生のshe saidは、USのオルタナティヴ・バンドや、Homecomingsのような京都のバンド、そして、もう活動していないバンド等と、意識せずとも不思議と共鳴しながら前に進んでいく。その軽快な佇まいに、golden syrup loversを観た時に感じた同じ魅力を感じ、ついつい惹かれてしまうのです。
インタヴュー : 飯田仁一郎
写真 : 田伏愛
自分が好きなものに寄せていきたいタイプなので、他の3人がそれをギリ食い止めてるところでオリジナリティが生まれているのかも
——結成はいつですか?
佐合志保(Vo.Gt)(以下、佐合) : 2013年6月くらいですね。
——誰が声をかけたんですか?
佐合 : 私が2回生の時で、サークルでバンドを組んでなかったので。
——立命館大学のロック・コミューン(※)?
※ : くるりやキセル、Limited Express (has gone?)等を輩出した音楽サークル。
佐合 : はい。後輩に声をかけようと思って集まったのが、ベースの森岡くんとギターの愛須さんで。最初はサークルの別の子がドラムを叩いてくれてたんですけど辞めてしまって、名古屋から海地くんが入りました。
——なるほど。海地くんは名古屋の人なの?
尾島海地(Dr.) : もともと名古屋で、僕とベースの誠也さんが高校の後輩先輩で。一緒に銀杏BOYZのコピバンとかやってたんですよ。ゴーイング・ステディーとか。
——全然ゴイステとか銀杏やりそうじゃないけど… じゃあ今も名古屋住んでるの?
尾島 : 今も僕だけ名古屋に住んで名古屋の大学に通ってます。
——なるほど。で、他の3人は立命館大学か。19歳なんだよね?
尾島 : 僕は19歳です。
佐合 : わたし浪人なんで22歳です。
愛須理保子(Gt. Cho.) : わたしと森岡が同い年で今年21です。
——佐合さんだけ先輩なんだ。
佐合 : その当時、サークルの人数が少なくて同期でバンドを組めなくて。後輩で入ってきた森岡くんは結構趣味が合うかなって感じで。
森岡誠也(Ba.) : 最初自己紹介しあう時に、「好きな音楽なんですか?」って聞いたら、ソニック・ユースとかダイナソーJr.とかすごいかっこいい趣味をしてる人だなあと思って。
佐合 : 女の子のコーラスは絶対入れたかったので、最初はベースを女の子にしようと思ったんですけど、男になってしまって。
森岡 : すみません(笑)。
——なんで女性コーラスを入れたかったの?
佐合 : 最初、ベースはルート弾きばっかりでいいから、コーラスをがんがんしてほしかったんです。ギターはもうちょっと弾いてほしいから、ベースは女の子コーラスでギターは男の子で上手い子がいいなって思ったんですけど。でもまあやってみたら全く違う感じになって、それでもいいなって思います。
——佐合さんの中ではそれなりにどんなバンドにしたいっていうビジョンがあったんだ。
佐合 : 全然オリジナリティとか無いような、洋楽のパクリの延長みたいのが最初はやりたくて。
——ほう。なんでそんなバンドをやりたかったんですか?
佐合 : ただ自分が好きだったから、同じようなことがしたいと思って。だから最初は自分らしさとかいらないと思ってました。
——今はいると思ってる?
佐合 : 今はいると思いますね。やってるうちに、周りから「ほかには無い感じだね。」とかたまに言われたりして。
——なるほど、オリジナリティを意識したんだ。その当時、どんなバンドがしたかったんですか?
佐合 : 当時は、ブリーダーズみたいなのとか、女の子のコーラスが入る90年代バンドというか。ベースがずーっとルート弾きで、意味分かんないところで女の子のコーラスが入ってるみたいのがやりたかったんですけど。
——90年代のオルタナティヴのどういうところが魅力的だったんですか?
佐合 : 正直あまりわかっていないんですけど、ただずっと聴いてました。何がきっかけだったのかな… ニルヴァーナが最初好きだったんですけど、それから聴いていったら、その辺にいった感じで。
——いつ頃ニルヴァーナが好きだったの?
佐合 : 聴き始めたのは中3ぐらいからで、高校入ってからスマパン聴いたりして、最終的にウィーザー、ペイブメント、デスキャブにハマりました。
——それ、友達いなかったんじゃない?
佐合 : いました普通に(笑)!
——ええ、だって高校でニルヴァーナとかスマパンって…。森岡くんは?
森岡 : ベースを始めたきっかけは中学の時に聞いたゆらゆら帝国です。高校の時とか今とかはbloodthirsty butchersがすごい好きで。和音とかベースに入れたいなって思ってたんで、(佐合が)「ルート弾きがいい」とかいうのに、和音とか入れたがっちゃって変わっちゃいました。
佐合 : でもまあ合うしいいかなとか思ってたら、こんな感じになっちゃいました。
——ベース・ラインを考えてる時に、佐合さんにダメ出しされるんじゃない?
森岡 : 動きすぎとかめっちゃ言われます! でもこういうベース弾けたらいいなっていうのは、ビルト・トゥ・スピルとかモデスト・マウスとかそういうあたりから影響を受けましたね。
——90年代のオルタナティヴなんですね。尾島さんは?
尾島 : こういう90年代のバンドも好きなんですけど、僕はもうちょっとクラッシック・ロック寄りで。80年代のポスト・パンクの頃のインディー・ロックみたいな、例えばリプレイスメンツとかスミスとかが一番好きですね。あとはアメリカのハードコア・パンクが特に好きです。
——じゃあ2人の感じとは少し違うんだ。
尾島 : まあ2人が聴いているものも聴くので、共通事項ではあるんですけど。
佐合 : でもやっぱ全員好きな音楽は違うと思うよ。
——確かに。でももちろんそれはバンドにとって大事なことですよね、一緒だとつまらない。愛須さんは?
愛須 : 私はすごくベタなんですけど、最初は中1の頃に友達からBUMP OF CHICKENを借りたのが始まりで、それからその友達とROCKIN'ON JAPANを死ぬほど読んでました。その時めちゃくちゃELLEGARDENを好きになりました。高校生の頃はあんまり音楽聴いてなかったです。大学入ってからは佐合さんたちの好きな音楽をいろいろ聴きながら、結局今は現行のインディーズっていうか。
佐合 : ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートとか好きなんでしょ?
——結構今のなんだね。
佐合 : そう考えると結構バラバラなんですね...。
——やっぱり、好きな音楽が違う4人が集まってた時に、さっき言ってたオリジナリティっていうのは見えてきつつあるの?
佐合 : 私は自分が好きなものに寄せていきたいタイプなので、他の3人がそれをギリ食い止めてるところでオリジナリティが生まれているのかもしれないです(笑)。
前はバンドすらやる意味ないんじゃないかっていう諦めだった
——今の京都で同世代のバンドに対してはどう思っている?
佐合 : 一番同世代で影響を受けたのはAnd Summer Clubですね。リード・ギターが女の子なんですけど、めちゃうまくて。もっと女の子とか関係なく、ギターうまくならんといかんなって思いました。
——みんなはどうですか? 名古屋とかは。
尾島 : 名古屋は京都とかと全然雰囲気が違いますね。京都のAnd Summer Clubとかフルティーンズみたいなバンドはあんまりいないんじゃないかな。学生で、海外からの影響を受けつつ自分たちのオリジナルのバンドをやっているような人たちは珍しいです。そういう意味で京都はすごいなって感じますね。
——京都に来るのはどれくらいの頻度なの? 結構練習するでしょ。
佐合 : 実際、出来ても月に2回くらいです。ライヴ前日入りとかして、そこで詰め込んでって感じですね。
——それ大変じゃない?
佐合 : 大変だし、もっと練習したくてやきもきしてますね。仕方ないけど!
尾島 : いつもバス使って来てます。
佐合 : 来てくれるだけでありがたいよ。練習少ないとか文句言ったらいけないなって。
——それはやっぱり、佐合さんは、尾島くんがshe saidに必要な音だからって思ってるってことですよね。
佐合 : そうです、じゃないとわざわざ来てもらったりしないので。
尾島 : 照れくさいですね(笑)。
——それ以外、みなさん同世代から影響を受けたりしましたか?
森岡 : 同世代ではないですが、Homecomingsは、ぼくらの結成のきっかけでもあるというか。ぼくが入学してすぐ4月の〈感染ライヴ〉で、メンツがHomecomingsとodd eyesとかだったんですけど。そこで佐合さんと会って、あの時のHomecomingsすごくよかったよねっていう話になって。
佐合 : その時初めて見たんですよ。もうめっちゃかっこよくて。2年も前だから正直記憶が曖昧なんですけど、でもその時「自分らも早くバンドをやらねば。」ってなったのは覚えてます。
——佐合さんがやりたいバンド像に近かったのかな。ぼくもshe saidにとってHomecomingsは切っても切れない存在なのかなって感じます。
愛須 : Homecomingsは、わたしも佐合さんと森岡が見た年の学祭で見ました。実際ライヴ見たら、まとまりが違って。その時のshe saidは全然まとまってないっていうか、一人一人バラバラだった気がわたしはするんですけど。
——インディーズのいろんなバンドがある中で、目標になるポジションだったのかな。
佐合 : 目標にするのはおこがましい! 諦めの境地って感じで見てました。
——それは今でもそうなの?
佐合 : 今でもやっぱ違うわあって。でも別の諦めです。前はバンドすらやる意味ないんじゃないかっていう諦めだった。
——それは諦めでもあり悔しさでもある?
佐合 : そうですね。今は方向性とかが違うっていうのがわかってきて、でもこの安定感はうちらには出せんなあっていう目で見てます。
——今、京都に限らず全国にいろんなバンドがいるじゃないですか。Yogee New WavesとかYkiki Beatとか、そういう人たちと一緒にやる機会は?
佐合 : そういう東京の有名なバンドとやったことは全然ないんで、やってみたいです。
——彼らのお客さんの前でも、she saidはいけそうな気がするけどね。
佐合 : いやー、やりたいという気持ちはあるけど、受け入れていただけるのか不安ではあります。
愛須 : 結構違うと思うけどね。
尾島 : そう、オシャレさがないんですよ(笑)。
——オシャレさで売ってるわけじゃないんですか?
佐合 : わたしはオシャレ目指したかったんですけど、なんか無理だったからやめようと思って。
——なんで無理だったんですか?
佐合 : や、このメンツ…。
一同 : あははは(笑)。
——でもshe saidの音で、SECOND ROYAL RECORDS(※)ってなったらそれなりにみんなオシャレ度は上げてくるよ。それは間違いない。
※ : she saidが所属している京都を拠点にしたレーベル。
尾島 : でも天然のダサさっていうか…。
愛須 : 「天然でダサい」って(笑)。
もうずっとやってたいって感じです
——she saidの音楽の特徴的な部分って、自分たちではどこだと思ってますか?
愛須 : わたしはギター2本が重なる感じが好きですね。コード弾くより、ギター単音が2本聞こえるみたいな。
尾島 : 女子陣がコーラスをして歌ってっていうのと、女の子がビッグ・マフ使って荒い音出すのはかっこいいって思いますね。あと誠也さんのベースが動き回る感じも。
佐合 : やっぱ、ギター2本と女子コーラスですかね。
森岡 : メロですかね。ヴォーカルのメロいいなあって。
——ぼくもshe saidのメロが好きですよ。
佐合 : え、それ聞けてよかったです。昔すごいメロに気を遣ってたのに、森岡に「え、そんな気遣ってたんですか? 」って言われちゃって、she saidはメロじゃないんだって思ってた。
——みなさん、SECOND ROYAL RECORDSにはなにを期待しますか? レーベルに所属して、世の中にCDを出すうえで、今までの学生バンドとは見られ方が変わってくるじゃないですか。
尾島 : SECOND ROYAL RECORDSは京都に拠点を置きつつも、全国と繋がってるじゃないですか。それを通して新しく聴いてくれる人が増えればいいなって思います。
——なるほど、佐合さんはどんなことを期待します?
佐合 : アルバム出すにあたって、自分たちだけでは出来んかったと思って。わたし曲作るのは好きなんですけど1曲単位でしか見てないから、アルバム単位で考えたことない。でもSECOND ROYAL RECORDSでそういう架け橋というか、レコーディングをさせてもらって、出してくれるっていうのは大きいです。なかったらやれてないと思うし、嬉しかった。
——いま、佐合さん4回生でしたっけ。バンドは続けていくんですか?
佐合 : はい。
——今後どうなりたいっていうビジョンはあるんですか? 食いたいとか、2枚目作りたいとか、武道館埋めたいとか。
佐合 : 食いたいとは思ってないです。その時自分がいいって思ってる曲にうまく寄せながらずっと出来たら楽しいなって思います。
——自分がやりたい音楽をやり続けるっていうのが大事なんですね。
尾島 : 2枚目を作るっていうのはデカイです。名古屋に住んでるのでなかなか曲が作れなくて。
佐合 : 曲自体はあるんですけど、アレンジに時間がかかっちゃうんですよね。練習にも間が空いちゃうと、アルバム単位の構想ができなくて1曲単位になってきちゃうので。
——なるほど、森岡さんや愛須さんはshe saidのビジョンとかはあるんですか?
森岡 : 自分の時間を大事にしつつ、コンスタントにライヴをしたり、次のアルバムを作っていきたいです。
愛須 : 自分の生活があって、その傍らでバンドをするって思ってますけど、でもやっぱりできるところまでやりたいっていうか。アルバムとかも出さしてもらってここまできたら、もうずっとやってたいって感じです。
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LIVE INFORMATION
she said "So Lonely but Never Alone" RELEASE TOUR
2015年1/17(日)@名古屋K.Dハポン
2015年1/30(土)@京都nano
2015年1/31(日)@下北沢THREE
2015年10月24日 (土)@今池HUCK FINN
2015年11月7日 (土)@京都GATTACA
2015年11月21日 (土)@四条大宮246
PROFILE
she said
佐合志保(Vo.Gt)、愛須理保子(Gt.Cho)、森岡誠也(Ba)、尾島海地(Dr)による4人組バンド。メンバーはいずれも大学生で、過去にくるりやキセル等を輩出したことで知られる立命館大学の軽音サークル「ロック・コミューン」が母体となっている。
結成は2013年と日は浅いながら、京都屈指のフロア・ライヴ「感染LIVE」、ベッド主宰による来来来チームの来京イベント、元Vivian Girlsのキャシー・ラモーン来日、さらに同バンドのベーシストであるケイティーのソロ、LA SERA来日公演と、幾つものエピックなイベントへと出演。
2015年6月〈SECOND ROYAL RECORDS〉より7インチ・シングル『dim shape / hatred feel』をリリース。8月にはHomecomings、ラッキーオールドサン、マイミーンズを各地ゲストに迎え、東京のガールズ3ピースSaToAとスプリットツアーを開催した。