ワンマンまであと少し! 女性SSW玉手初美、一発録りのシングルからフリーDL&インタヴュー。売れろ!

東京都江戸川区出身の女性シンガー・ソングライター、ロックンローラー、玉手初美。ドラマーのオータコージ(曽我部恵一BAND、L.E.D. etc…)とのタッグで2枚のミニ・アルバムをリリース。前作から1年あまり、19歳から20歳に成長した彼女は今回から新たにベースのだーはらを加え、3人体制となって『デモ・トラックス』を発表。一発録りで録音されたその音の世界を「わるぐちばかり言いたいな」のフリー・ダウンロードで体感してもらいたい。
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一発録りのシングル
玉手初美 / デモ・トラックス
【配信価格】
16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC /
まとめ購入 324円(税込)
1. わるぐちばかり言いたいな
2. 自殺
3. 論文
初ワンマン・ライヴ
2016年12月10日(土)@下北沢DaisyBar
玉手初美 w/オータコージ、だーはら
OPEN / START 18:30/19:00
前売 / ¥2,000(+1drink別) *前売り特典(ライヴ当日お渡し)あり
当日 / ¥2,500(+1drink別)
チケット発売中
ローソンチケット http://l-tike.com Lコード:70523
イープラス http://eee.eplus.co.jp
DaisyBar店頭 問)DaisyBar 03-3421-0847
INTERVIEW : 玉手初美
20歳になった玉手初美。どう考えても時期尚早のワンマン・ライヴ。それでも彼女は挑戦する。壁にぶち当たり、集客に苦しみ、普通の生活に憧れ、それでも絶叫でしか歌うことができない。そんな不器用さが最高なんだ。彼女は、あなたと同じようにとても弱い。
インタヴュー : 飯田仁一郎
写真 : Jumpei Yamada
もともとあった既存曲が変わっていくのがすごく怖かった
──3人編成で活動するようになりましたが、それは玉手初美にとってどんな変化でしたか?
玉手初美(以下、玉手) : 最初はすっごく怖かったです。

──それはどうして?
玉手 : ちょうど今年の頭ぐらいにベースの人(だーはら)が一緒にやってくれることになったんですけど、もともとはオータさん(オータコージ)と2人で作っていたものに、その人のベースが加わってどんどん曲が変化していくのが怖かったです。サウンドが変わることでお客さんはどう思うのかなとか、今まで聞いてくれていた人たちが嫌いになっちゃうんじゃないかな、とか。
──ベースを入れようというのは誰の提案だったんですか?
玉手 : 元は自分が言い出したんです。ドラムと歌だけじゃ演奏できないと思った曲があって、新しくベースを入れたいって。でもその曲はいいとしても、もともとあった既存曲が変わっていくのがすごく怖かった。
──でも今は、良くなっていると思うから一緒にやっているんですよね?
玉手 : そうですね。今は、変化することを面白いことなんじゃないかなって思ってやっています。良くなっている部分もあると思うし、逆に前の方が良かったっていう部分もあると思うし。でも前と比べても何にもならないので、自分がその変化に負けなければ大丈夫なんじゃないかなと思います。
──玉手初美の音楽の、自分が一番聴いて欲しい部分ってどこなんですか?
玉手 : やっぱり一番見て欲しいのは歌詞と歌かなあ。
──それによってリスナーはどうなって欲しいですか?
玉手 : この前、自分の歌を聴いてお客さんがライヴに行くのが楽しみになったとか、引きこもりだったのが外に出歩くようになったっていう話を聞いて、それがすっごく嬉しかったんですよね。自分の歌で人が動く、何かを思うっていうのがすごく嬉しかった。どう感じてもらってもいいですけど、やっぱり力になってもらいたいし、その人が何かを得るのであれば得てもらいたい。自分でも分からないですけど、楽しんでもらいたいなあ。でも結局は、やっぱりどう思われてもいいんだと思います。「私はこう思ってるよ」っていう自分のエゴを歌っているだけなのかもしれない。

──なるほど。その二面性を持っているっていうことですね。玉手初美が描くバンド像に今は近づいていっていますか?
玉手 : うーん。多分まだ理想像を作っている段階だと思います。3人でやっていると、ライヴとか演奏中に、やっぱり自分の歌とギターが2人に負けてるなってすごく感じるんですよ。ベースが入ってすごく安定して、ギターの音も必要以上に歪ませる必要もなくなって、でもそういう部分に頼っている自分がいる。そういう自分にも、今負けていると思います。この前、ギターの音が出ないライヴがあったんですね。アコギでやったんですけど、音がもうハウっちゃって何の音も出なくて。で、そのときに初めて「ああ、自分ってこんなにギターとかベースに頼っていたんだ」って思ったんです。やっぱり聴いてもらいたいのは歌と歌詞だから、別にギターなんてなくても、歌があればいい。そういうのが理想かな。
──ギターなんてなくてもいい。。。
玉手 : 本当はベースもギターもあっていいんだけど、そこに頼らないでやれることが、まず自分の理想かなって思います。だからバンドの理想像に関しては、今は作っている段階です。
プラス思考でアウトプットとして出していけているんじゃないかなと思います
──昨年の6月に『細胞』をリリースするタイミングでインタヴューをさせていただきましたが、そのときから玉手初美の音楽はどう変わりましたか?
玉手 : 歌詞が変わりました。お客さんが自分のことを好きになって曲を聴いてくれて、その人たちに何かしらで関われたらなと思ったんです。以前は自分に対する歌詞が多かったんですけど、今は人のためというか、良い方向に行けるようになったんですよね。プラス思考になりました。
──なぜプラス思考になったのですか?
玉手 : 今、ひとりで生活をしているんですけど、ひとり暮らしって「全部どうでもいいや」って思ったら何もできなくなっちゃうから、逃げられないんですよね。逃げられないから頑張って生活をしていたんです。その中で「こうなりたい」とか「少しでもこうなればいい」とか、だんだん自分の生活に対しても音楽に対してもそうやって前向きに思うことが多くなった。
──つまり、今までは「なんで上手くいかないんだ」と思っていたけど、今は「こうなればいい」と思うようになってきたということ?
玉手 : そうですね。今までは「なんでこうなんだろう」っていう自分の気持ちを歌ってきたんです。

──前回のインタヴューでは「なんで親父は彼女を連れてきてんだ」って思ってたって言ってたもんね。
玉手 : (笑)。そうそう。でも今はそれを自分の中で噛み砕いて、プラス思考でアウトプットとして出していけているんじゃないかなと思います。
──「こうなればいい」と思ったのは具体的にどういうことなの?
玉手 : とりあえずお金がなくて。時給は高くなくてもいいから、長く続けられるものにしようと思ってひたすら頑張って働いたんです。
──アルバイトは何をしているんですか?
玉手 : へへへ。恥ずかしいな。普通のラーメン屋さんで働いています。
──玉手さんにとってラーメン屋で働くことや路上でライヴをすることは、ハッピーなことなんですか?
玉手 : 考えたことないですね。幸せか幸せじゃないかは分からないです。ラーメン屋さんで働くことも路上ライヴをすることも、必要か必要じゃないかって言ったらどっちでもいいんでしょうけど、でも… ただ、普通に楽しいです。
──路上ライヴもバイトも嫌じゃないんですね。
玉手 : うん。嫌じゃない、と思います。そう思わないようにしているだけかもしれないですけど。
ものの見方はプラス思考でも、根本的なところでマイナス思考なのかもしれない
──でも玉手さんの音楽は、ポジティヴになったとはいえ怒りとかエネルギーとか抑うつとか、そういうものが爆発する音楽ですよね。「仕事が嫌だ。私は路上なんかやりたいくないんだ。」って言ってくれると、あの激情に簡単に合点がいくんです。でも実はそうじゃないところが面白いなと思っていて。
玉手 : ふふふ。難しいですね。私も多分、そこまで自分のことを分かっていないと思います。
──2曲目なんか「自殺」ですよ。
玉手 : (笑)。
──「わるぐちばかりが言いたいな」って曲もあるし。
玉手 : うーん。なんでだろう。でも、考え方はマイナス思考なんじゃないですか。さっきプラス思考になったって言いましたけど、ものの見方はプラス思考でも、根本的なところでマイナス思考なのかもしれない。すみません。うまくお話しできないんですけど…。
──じゃあ一曲ずつ紐解いていきましょうか。「わるぐちばかり言いたいな」のエピソードを聞かせてもらえますか?
玉手 : これは、昔バイトしていた職場でのことを書きました。その職場は人間関係が最悪だったんですね。皆、裏ではこう言ってるけど表では違うことを言ってる。そういう、本当なのか嘘なのか分からないような人たちの中で働いていて、私もグチばかりが溜まっていってしまって。普通に悪口とかグチってあんまり言いたくないんですよ。「本当はやめたい」とか、「嘘つかれた」って誰かに言いたかったんですけどなかなか言えなかった。それでひとりで家でぼーっとしていたときに「歌詞を書こう」と思って。
──この歌詞の「最初に戻りたくない」っていうのはどういう意味ですか?
玉手 : 元々は私も悪口ばっかり言っていたし、嘘もついてた。でも今になってやっぱりそれはいけないことだと思ったし、その人たちのせいで自分を曲げたくなかったんです。それで「最初に戻りたくない」って書きました。
──なるほど。「自殺」は?
玉手 : この曲は小学生か中学生くらいのときにできた曲なんです。学校で自殺の講演会があって、そこで「今、世界で3分間に1人は自殺している」っていう話を聞いて、それで書いた曲です。
──この曲の歌詞は「自殺ダメ、絶対」みたいな感じではないですよね。「ちょっとおかしくない?」っていうぐらいの定義を投げかけている感じですか?
玉手 : 「死にたい」とかって皆思うだろうし、私は自殺に関しては別にダメなことではないと思うんですよ。でももちろん、良いものでもないと思います。

──この曲で一番言いたかったことはなんですか?
玉手 : 自殺について全然知らない人たちに、自殺のことをもっと知ってもらいたかったんです。自分はその講演会を聞いたときに初めて、「自殺ってこんなにたくさんあるんだ」っていうのを認識して、ちょっとおかしいんじゃないかなって思ったんですね。で、今になって死にたいとか、もう嫌だとか、そういうことを思うけどなかなか言えないし、多分理解もされないと思うし、逆に助けてあげようと思っても助けられないし。そういう気持ちを歌っています。
──なるほど。「ぱんく」はどういう歌詞なんですか?
玉手 : 「ぱんく」は何年か前にオータさんとやり始めた頃に作った曲で、自分がライヴ・ハウスの人に「何がしたいの?」って聞かれたことをそのまま歌詞にしました。当時はいちばん自分を探していたときで、音楽性が落ち着かなかったんですよ。今でも探しているんですけど、自分には何がいいのかとか、自分は何がやりたいのかとか、すごく自問自答していたんですよね。
──その自分の音楽性っていうのは、今は固まってきていますか?
玉手 : ある意味、音楽性っていう部分では広がってきていて。昔は「こっちがいい、あっちがいい」ってブレながら偏ったりしていたんですけど、今は「こういう歌詞の内容だからこういうメロディでもいいんじゃないかな」っていう風に広い視野で考えられるようになりました。
──この「大好きだったバンドのライヴを見て思った/すぐに消える」っていうのはどういうことですか?
玉手 : これは単純に私の価値観なんですけど、当時は売れるか売れないかっていうことをすっごく考えていて。例えばライヴハウスに行って本当にかっこいいバンドを見ても、「絶対売れないだろなあ、すぐに消えるんだろうなあ」って思っていたんですよ。でもそういうバンドってすごくかっこよかった。そのことを書きました。
自分の場所というか、そういうものが欲しいんだと思います
──以前玉手さんは「大きいステージに行きたい」と言っていましたが、売れるということに関してはどのように考えているんですか?
玉手 : え、売れたいです。
──なぜ売れたいんですか?
玉手 : 分からないですけど、単純な憧れかもしれないです。そういう自分の立ち位置が欲しい。認めてもらいたい。自分の場所というか、そういうものが欲しいんだと思います。
──12月にはワンマン・ライヴがありますが、どんなワンマンにしたいと思っていますか?
玉手 : それも正直、全然想像ができなかったんですよ。
──自分がワンマンをするなんて、と。
玉手 : それよりもお客さんが来るのかなっていうところで頭がいっぱいになってしまって、どんな本番にしたいかとか全然考えていなかったんです。で、この前スタジオでそのことをオータさんとか原田さんに話したら、普段のライヴの延長線って言ったらあれかもしれないですけど、「大丈夫だよ」って言ってくれて…。
──「自分でワンマンをしたい」っていうことより、「お客さんが来るのかなあ」っていうことの方が気になる(笑)。
玉手 : 正直(笑)。

──お客さんが来るためにどんなことをするのかは、何か考えているんですか?
玉手 : もう、チケット売れないかな、って。
──ずっと(笑)。
玉手 : でも少なくとも来てくれる人たちには、やっぱり何か残したいなって思います。大々的に「こんなワンマンにしてやろう」「あれをやってやろう」っていう大きな目論見はないですけど、ちゃんと届くようなライヴができたらなあって思います。
DISCOGRAPHY
2ndミニ・アルバム
玉手初美 / 細胞
【配信価格】
24bit/48kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / mp3
単曲 216円(税込) / まとめ購入 1,296円(税込)
1. 7月7日
2. 野外授業
3. ARGT
4. j-pop
5. ゆだちゃん
-BONUS TRACK-
6. 仮歌1
7. 仮歌2
>>インタヴューはこちら
1stミニ・アルバム
玉手初美 / 遺書
【配信価格】
ALAC、FLAC、WAV、mp3 / 単曲のみ 216円 まとめ価格 1,620円
1. 偽善者 / 2. 論文 / 3. 純情 / 4. 17才
5. 日記小説家 / 6. 姉妹ゲンカ / 7. 高校 / 8. 狂
玉手初美 : 作詞、作曲、歌唱、ギター演奏
オータコージ : サウンドプロデュース、ドラム演奏
松江潤 : ギター演奏(M-6,8)
横山裕章 : キーボード演奏(M-5)
池内亮 : 録音、ミックス
鎌田裕明(aLIVE) : 録音
中村宗一郎(ピースミュージック) : マスタリング
>>玉手初美の初インタヴューはこちら
シングル限定バージョン独占配信
玉手初美 / 狂(SINGLE VER.)
【配信価格】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/48kHz) / 単曲のみ 162円
衝撃の新人デビュー。6月11日先行、6月25日全国発売となるミニ・アルバム『遺書』にも収録される「狂」のシングル限定バージョンをオトトイ独占配信。圧倒的な表現力。破壊力。制御不能。全身から溢れ出るパワー、パンク・スピリット。オータコージによるフル・スイング・ドラミングとの2人だけの演奏。生温いシーンに対して宣戦布告。
>>シングル・リリース時の特集はこちら
PROFILE
玉手初美(タマテハツミ)
1996年6月生まれ20歳
地元での路上ライヴや東東京エリアでの弾き語りライヴ活動を行っていた中、ドラマーのオータコージ(曽我部恵一BAND、L.E.D.、OishiiOishii、空気公団のサポート、□□□(クチロロ)のサポートetc.) と出会い、意気投合。2人でのリハーサル、ライヴを重ね、1st MINI ALBUM『遺書』を完成させ、2014年6月にリリース。全曲、玉手初美による作詞作曲、また前作同様ドラム演奏及びプロデュースをオータコージが手掛けている。フェンダームスタングをマーシャルに直結してドライヴさせながら絶唱する突き抜け感のなかにも、メロディー・メーカーとしての才能も光る、いまの音楽シーンでは希有なグルーヴ感を持った最注目のアーティスト。