北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel "Valley View" Atom gets Ivy Bridge graphics(NordicHardware)
Intel's Valleyview Atom SoC will come in multiple SKUs(VR-Zone)
Intel's Valley View Atom SoC leaks, said to have Ivy Bridge level graphics(VR-Zone)
Intel Valley View: Atom SoC With Ivy Bridge Graphics(Phoronix)
Intel's 22nm Valley View Atom SoC leaks out, may have Ivy Bridge graphics for 4x performance(The Verge)

IntelのAtomはお世辞にも十分な性能を有しているとは言えないものであったが、次の世代ではこれが変わる。次の世代のAtom―“ValleyView”では新型のCPUコアを最大4つ搭載し、GPUは“IvyBridge”と同等のものを搭載する。

“ValleyView”を中核とするプラットフォームは“Balboa Pier”と呼ばれる。そしてこの“ValleyView”では2008年以来Atomで使われてきた“Bonnell”系アーキテクチャから“Silvermont”アーキテクチャへの変更が行われる。“Silvermont”の詳細はまだ良くは分かっていないが、1つ言えることはOut-of-Orderアーキテクチャとなることである。加えて今では一般的となりつつあるTurboBoost technologyに類似した機能も搭載されるという。

“ValleyView”は最大4-coreとなる。そしてCPUコアそのものにも大幅な拡張が施される。
GPUに関しても“IvyBridge”が搭載するGen. 7のIntel graphics architectureのコアが搭載され、DirectX 11やOpenCL 1.1に対応するようになる。ただし、EU数に関しては“IvyBridge”(EU数:16)よりも少なくなるだろう。それでも現世代の“Cederview”に使われているPowerVR SGX540と比較すれば大幅な性能向上である。


この“ValleyView”はIntelのPC向けチップとしては初めてSoCと呼べるものとなる。つまり“ValleyView”ではCPUコアとGPUコア、ノースブリッジに加えてサウスブリッジまで1つのチップに統合するものとなる。メモリはDDR3 8GBまでに対応、I/OはUSB 3.0などに対応する。製造プロセスは22nmプロセスで、2013年第1四半期に予定されている。
“ValleyView”も現行の“Cedarview”と同様ファンレス環境でも運用できるものとなり、TDPは10Wかそれ未満に抑えられることになる。


VR-Zoneには“ValleyView”についてもう少し掘り下げて書かれています。I/OですがPCI-Express 2.0を4レーン、S-ATAは3.0Gbpsのものを2ポート、USBはGen. 3.0を2ポートとGen. 2.0を4ポート搭載します。またGigabitEthernetや画像出力としてDisplayPort, eDP, HDMIに対応します。

“ValleyView”には複数のSKUがあるとされ、組込み向けの“ValleyView”として“ValleyView 2”という名前も出ており、さらに一般向けとバッテリ駆動最適化向けの2つがあることが明かされています。
一般向けはメモリは先に述べたようにDDR3/DDR3Lに対応する他、ECCメモリにも対応するという話が出てきているようです。一方バッテリ駆動最適化向けはLPDDR2メモリのみをサポートすると書かれています。

ValleyView
製造プロセス22nm
CPUSkymontアーキテクチャ
Out-of-Order
2または4-core
GPUIntel graphics architecture Gen. 7
DirectX 11 / OpenCL 1.1対応
メモリDDR3(/DDR3L?) 8GB
ECCメモリに対応?
サウスブリッジPCI-Exp. Gen.2.0:4
S-ATA 3.0Gbps:2
USB 3.0:2 / USB 2.0:4
GigabitEthernet
DisplayPort, HDMI, eDP


上に一応“ValleyView”の特徴を表にしてまとめましたが、サウスブリッジの機能など一部は組込み向けとされる“ValleyView 2”のものを載せているため、PC向けでは変更が加わる可能性は大いにあり得ます。

なお、X-bit labsで最初に出てきた“ValleyView”の記事では32nmプロセスとなっていましたが今回の記事ではいずれも“ValleyView”は22nmプロセスと述べています。2013年第1四半期の登場であれば22nmプロセスの方がより可能性が高いでしょう。逆にそれまでは“Cedarview”が続くことになります。

(過去の関連エントリー)
“IvyBridge”のDirectX 11 GPUを内蔵したAtom SoC―“ValleyView”(2012年3月23日)

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