Intelの10nmプロセスが過去に類を見ない難産であることはもはや周知の事実であるが、2019年にようやく実質的な最初の製品である“Ice Lake-U”が登場した。
そして搭載製品も多数ではないものの登場している。
代表的なものがMicrosoftのSurface Laptop 3 (13.5インチモデル)とSurface Pro 7だろう。
私事であるが、6年使い続けていた“IvyBridge”―Core i7 3612QM搭載ノート―VAIO Z21がとうとう起動不能となった。長きの酷使に耐え続け、またOSもWindows 7とサポート打ち切り直前であったこともあって、“Ice Lake-U”が登場したこのタイミングでノートPCを新調することにした。
そして搭載製品も多数ではないものの登場している。
代表的なものがMicrosoftのSurface Laptop 3 (13.5インチモデル)とSurface Pro 7だろう。
私事であるが、6年使い続けていた“IvyBridge”―Core i7 3612QM搭載ノート―VAIO Z21がとうとう起動不能となった。長きの酷使に耐え続け、またOSもWindows 7とサポート打ち切り直前であったこともあって、“Ice Lake-U”が登場したこのタイミングでノートPCを新調することにした。
Surface Pro 7である。
物理キーボードは必須であるため、付属のキーボード付きカバーを購入した。公称値はCore i7モデルが790gであり、キーボード付きカバーの分だけ重量は増していると思うが、それでも軽い。先代のCore i7 3612QM搭載のVAIO Z21も当時としては高性能な4-core CPU搭載で1.2kg程度を実現していたが、6年の月日は長く、今では4-core搭載で1kgを切ってしまうのだ。
そして注目されるのがそのCPUであるCore i7 1065G7、TDP15Wの“Ice Lake-U”最上位モデルである。
CPU-Z 1.91だと最上段がCore i7 1035G7と怪しげなモデル名になってしまっている。Specificationの項目ではCore i7 1065G7と表示されているが・・・。Technologyの項目には燦然と10nmの文字が輝いている。また命令セットを見るとAVX512Fの文字が確認できる。
キャッシュ構成も“Sunny Cove”のそれで、48KBのL1 Data cache、512KBのL2 cacheが長らく続いてきた“Skylake”系コアではないことを主張している。
ちなみに、ノートPCには月の和名をつけている。最初のDual-core(Core Duo T2300E (“Yonah”))搭載ノートを初代として睦月とし、先代のVAIO Z21は4代目の卯月、今回は5代目なので皐月である。
・・・今では睦月型駆逐艦を思い浮かべる人も多そうであるが、当然のことながらCore Duoの時代には某これくしょんは存在していない。
では、早速Core i7 1065G7の測定に移りたい。本来であれば先代のCore i7 3612QMと比較してやるのが妥当なのだが、あいにく先代のノートは起動不能であり、さりとて単独ベンチマークも寂しいのでRyzen Masterで50W相当で動かしているRyzen 5 3400Gを添える。TDP15WのMobile CPUとTDP50W相当のデスクトップAPUではいくらコア数が同じでも後者が当然有利であるが、単独で数字だけ並べるのも寂しいのでご容赦いただきたい。
・・・とは言ったものの、実行できたベンチマークは少ない。
Core i7 1065G7 | Ryzen 5 3400G | ||
PCMark10 | Ovarall | 4177 | 4648 |
Essentials | 8756 | 8653 | |
Productivity | 6771 | 6878 | |
Digital Content Creation | 3336 | 4579 | |
Blender bmw27 | 13m55s | 8m10s | |
CineBench R15 | Open GL | 62.06 | 72.10 |
CPU | 729 | 849 | |
CineBench 20 | CPU single | 313 | 398 |
CPU | 1288 | 1885 |
3DMarkも試したのだが・・・途中で止まってしまい計測不能であった。以下に“Ice Lake-U”の各種ベンチマークのスクリーンショットを掲載する。良識の範囲であればご自由に使っていただいてかまわない。
そして気になったのが負荷時のCPUコアの周波数の推移である。Surface Pro 7の中位モデルはCore i5 1035G4を搭載している。このモデルはファンレス駆動であるのだが、最下位のCore i3 1005G1と比較するとサーマルスロットリングが多発するという報告がいくつかのメディアで見られた。Core i7 1065G7搭載モデルはファンが搭載されており、これが15gの差となっている(Core i5, i3モデルは775gとi7搭載モデル(790g)よりもわずかに軽い)。
Core i7 1065G7の周波数はBase 1.30GHz / Boost 3.90GHzである。OCCTで負荷をかけ、その周波数の推移を見てみることにした。
OCCT開始直後。CPU周波数は3.40GHz近くまで上昇する。
だが3.40GHz付近を維持できるのは30秒ほどの模様で、すぐに2.10GHz付近に落ち着く。
4分30秒後、2.10GHzの維持も難しくなり、1.50GHz付近まで落ちる。
中央の温度のグラフを見るとわかりやすいが、最初3.40GHz付近まで上昇するが、温度が90℃を超えるため、ここで周波数が2.10GHzへ落とされ、温度は70℃付近を維持するようになる。しばらくは周波数2.10GHzを維持するものの、じりじりと温度が上がり、4分30秒程度の段階でさらに周波数が1.50GHzに落ち、温度は60℃台後半で推移する。
Boostの周波数を盛りすぎじゃないか、という声が聞こえてきそうであるが、Surface Pro 7の小さな筐体でこの推移なら優秀な方だろう。まさかSurface Pro 7でゴリゴリにエンコードをするとか、重い3Dゲームを行うということはあるまい(後者はそもそも動かない可能性がありそうだが)。ただ、重めの用途として比較的想定されやすいのはペンタブレット代わりとして、Surface Pro 7とSurface Penを組み合わせ、CLIP Studioを動かすというものだろうか。この場合は長時間動作が想定されるが、OCCTのように極度の負荷がかかり続けるわけではないので問題は無かろうか。
・・・これ、ひょっとしたら追記するかも(期待はしないでください)。
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この記事へのコメント
OCCTやってる時の筐体は結構熱くなるんですか?
2020/03/17(Tue) 00:49 | URL | LGA774 #-[ 編集]
Surface Pro 7…ファンレスだったんだ(驚愕)
2020/03/17(Tue) 00:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
rigaya氏がIceLakeのQSVの検証してるけど
すごいいいよ
すごいいいよ
2020/03/17(Tue) 02:02 | URL | LGA774 #yMzpI2c.[ 編集]
正直、このCPU実装したITXのボードが欲しい。
2020/03/17(Tue) 07:05 | URL | LGA774 #-[ 編集]
>4分30秒程度の段階でさらに周波数が1.50GHzに落ち
涙無くして語れない、、、😢
涙無くして語れない、、、😢
2020/03/17(Tue) 09:08 | URL | LGA774 #Y85ZE23.[ 編集]
さすが10 nmコレクター
2020/03/17(Tue) 11:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
オールインワンのメイン機として使う人も結構ありそう。
ただ、4 Coreで1.5GHzまで落ちるとかなり残念性能ですね。価格差がすべて数分間のBoostにかかっていると思えば高いのか安いのかw
ただ、4 Coreで1.5GHzまで落ちるとかなり残念性能ですね。価格差がすべて数分間のBoostにかかっていると思えば高いのか安いのかw
2020/03/17(Tue) 12:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
30秒でブースト終了はどうなんだろう。
サーマルスロットリングが働いた結果、下位SKUのCPUと同等の性能しか出せなかったら悲しいよね。
サーマルスロットリングが働いた結果、下位SKUのCPUと同等の性能しか出せなかったら悲しいよね。
2020/03/17(Tue) 16:05 | URL | LGA774 #-[ 編集]
pro3のSSDが壊れた時の悪夢が蘇った・・・
2020/03/17(Tue) 16:46 | URL | LGA774 #-[ 編集]
IceLakeのNUCが欲しかったけどTiger lakeまでお預けかな
2020/03/17(Tue) 19:52 | URL | LGA774 #VBspMhGI[ 編集]
>170945
・・・すげーっ!
Turingのnvencを完全に超えてるね。
それどころか、ソフトウェアエンコと比較できるレベルまでHEVCの性能を上げるとは。
ソシオネクストとかの放送向けのハードウェアエンコーダには負けるだろうけど、PC向けではナンバーワンの画質だからintelはもっと宣伝してもいいと思う。
・・・すげーっ!
Turingのnvencを完全に超えてるね。
それどころか、ソフトウェアエンコと比較できるレベルまでHEVCの性能を上げるとは。
ソシオネクストとかの放送向けのハードウェアエンコーダには負けるだろうけど、PC向けではナンバーワンの画質だからintelはもっと宣伝してもいいと思う。
いいですねえ
次はTiger lakeも期待してます
次はTiger lakeも期待してます
2020/03/18(Wed) 16:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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