週刊現代「黒い万博」(前編)
かつてコロナ特効薬の「嘘のようなホントの話」と紹介されたうがい消毒液があった。それに近い受け止め方をされてきたのではないか。大阪大学発の創薬ベンチャー「アンジェス」の新型コロナウイルスワクチンのことである。ウイルスの遺伝情報を操作する「国内初のDNAワクチン」と鳴り物入りで2020年3月から開発を始めた。翌4月には、大阪府知事の吉村洋文が「オール大阪でバックアップしたい。9月にも実用化したい」と大きく鼻を膨らませ、アンジェスも「年内100万人にワクチンを提供したい」と大風呂敷きを広げて臨床試験に入った。
もっとも、そこから鳴かず飛ばず。昨年11月には最終段階の臨床試験を断念。さる9月、ついに開発中止の発表を余儀なくされたのである。
この国内産ワクチン開発の中心人物がアンジェスの創業者で、阪大大学院医学系研究科寄附講座教授の森下竜一(60)、その人である。大阪の学者なので東京ではさほど知名度がないかもしれないが、政府内ではかなりの有名人だ。
(以下略)
五輪汚職と同じような黒い構図があります。