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2022-10

名店「菊乃井」村田店主の料理道

 本日発売の文藝春秋11月号に菊乃井村田吉弘さんのインタビューを寄稿しました。
 来る十月十七日、京都の名立たる料理人を三十人ほど引き連れてパリのルーブル美術館で、和食イベント(一般社団法人『北前船交流拡大機構』主催)をおこないます。われわれは料理をするだけですが、パリのスーパーシェフたちが「手伝いたい。うちの店を使ってくれ」言うて、興味を持ってくれています。
 和食を日本文化として世界に残す。これは僕らが長年追いかけてきた大きなテーマです。農林水産省や日本政府に働きかけて二〇一三年、和食を日本人の伝統的な食文化としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。和食を世界の三大料理(中華料理・フランス料理・トルコ料理)に並ぶ食文化として世界に広めたい。言うたら、今度のルーブルでのイベントもその一環ですねん。
和食を文化遺産登録できただけで、世界に五万六千軒しかなかった日本料理店が二・五倍の十六万八千軒に増えました。そんだけ世界中で日本料理をつくろう思う人が増えたいうことでしょう。その料理人たちは間違いなく日本食材を買うてくれます。世界中に日本料理店ができたら、農産物の輸出も増えます。
 なにしろ日本は外圧に弱い国ですから、世界が和食を文化遺産と認めたとなれば、政府に対しても日本料理が文化だといえる。
(以下略)

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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