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2013-06

大詰め「ソフトバンク」の米通信会社争奪戦の危うさ

 今日発売のアサヒ芸能「森功のニッポン裏経済新聞」は、ソフトバンクによる米通信大手「スプリングネクステル」の買収について書きました。

「こちらは優位な提案をしているので、買収金額を見直す必要はない」
 そう大見えを切っていたソフトバンクの孫正義社長が、一転、15億ドル(1500億円)もの買収金額の上乗せを決めた。携帯電話事業で米国第3位のスプリント・ネクステルを巡る買収合戦が、いよいよ大詰めを迎えている。ソフトバンクに相対するのが、米衛星放送大手のディッシュ・ネットワークだ。
 スプリント社の争奪戦は互いに買値を吊りあげるチキンレースのようだ。買収株を2兆100億円で買い取るとしたソフトバンクに対し、ライバルのディッシュは2兆5500億円で発行済み株式の全株式を買い取ると提示。するとソフトバンクは想定から1500億円も上乗せして78%の株を2兆1600億円で買うと対抗した。1%当たりにすると、ディッシュの255億円に対しソフトバンクは276億円。ソフトバンクが上回るという計算だ。(中略)
仮に予定通り買収できれば、世界6位のNTTや8位のKDDIを抜き、米AT&Tと並ぶ3位の通信事業者になる。だが、ここでもまた問題が持ち上がった。ソフトバンクの取引先である中国の通信機器会社「華為技術」と「中興通訊」に、米下院の情報特別委員会が米国へのサイバー攻撃部隊である疑いを指摘。当然、ソフトバンクにも、疑いの目が向けられたのである。中国によるサイバー攻撃問題は、先のオバマ、習近平会談でも取り沙汰されたほどの懸案事項。ソフトバンクにもまだまだ眼を光らせるに違いない。
 そんなソフトバンクにとってもっと厄介なのは、資金繰りだ。

 かなり危ない橋を渡っているようです。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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