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2013-06

参院選「4争点」でも野党は「応援団」か「自共対決」

 来る7月4日の公示に向け、参院選における与野党の選挙公約が出そろいました。日経新聞などが取り上げている4大争点は「アベノミクスへの評価」「TPP」「憲法改正」「原発」。どこも独自色を出そうとしてる、なんて書いていますけど、とてもそうは思えません。
 たとえばアベノミクス。辛うじて民主が日銀の金融緩和や財政出動への批判ポーズをとっているけど、アベノミクスについては危ういという程度でいまだ評価が定まらず世論に訴えるほどの効果がないのは自明。また、自民党の補完勢力と揶揄されるみんなの党や維新の会などに至っては、TPPや憲法改正で、安倍さんの言いにくい部分を公約に掲げている始末。まるで自民の応援団です。さらに連立与党の公明は、原発政策や憲法改正について自民に遠慮して踏み込みが足りず、腰砕け感が否めません。
 つまるところ、どこも具体的な政策がなく、マニフェストと呼べない。具体策を打ち出すとあとが怖いからか、そこが各党の限界を如実に物語っているように感じます。自民にとって唯一の対立軸が共産党、これでは先の都議選同様、参院選も自共対決……。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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