露が日韓の攻撃リスト準備 東海村や奥尻島、関門トンネルも 英報道

停止中の東海第2原発(右側)。左側は廃炉作業中の東海原発=茨城県東海村で2018年7月17日、本社ヘリから藤井達也撮影 拡大
停止中の東海第2原発(右側)。左側は廃炉作業中の東海原発=茨城県東海村で2018年7月17日、本社ヘリから藤井達也撮影

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は12月31日、ロシア軍が日本や韓国との戦闘を想定し、両国の原子力発電所など計160カ所の攻撃対象リストを作成していたと伝えた。この機密文書の作成は2008~14年だが、同紙は「現在にも関係する戦略」との見方を示している。

 標的は原発や防衛施設のほか、道路やトンネル、橋といった民生インフラも含まれる。日本では、原発など原子力関連施設が集まる茨城県東海村、自衛隊の防空監視所がある北海道・奥尻島、山口県と福岡県を結ぶ関門トンネルなどが攻撃対象となっている。奥尻島の建物は、細かい寸法まで記載されているという。

 韓国では、浦項(ポハン)製鉄所や釜山(プサン)の化学工場などが標的に挙がっている。

 文書作成の詳細な経緯は不明。同紙によると、仮にロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国との戦争に突入した場合、東のアジア方面の守りが手薄になることを恐れ、あらかじめ日韓の主要施設をリスト化した可能性があるという。

 NATOで核軍縮・軍備管理を担当してきた元高官のウィリアム・アルバーク氏は、同紙に「文書は、欧州とアジアが(ロシアによる)戦闘の舞台として切り離せないことを示している」と述べた。

 同紙はペスコフ露大統領報道官にコメントを求めたが、応じなかったという。【ロンドン篠田航一】

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