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ジェンダー(社会的に作られた性差)にとらわれない、平等な社会とは?格差解消のための課題を考えます。

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「女子に三角関数は必要ない」発言から10年 理系女子の環境に変化

昭和女子大付属昭和中学・高校の生徒20人を迎え、芝浦工業大の修士課程の女子学生(手前左)が研究を紹介したツアー=東京都江東区で2024年6月11日午後3時11分、西本紗保美撮影
昭和女子大付属昭和中学・高校の生徒20人を迎え、芝浦工業大の修士課程の女子学生(手前左)が研究を紹介したツアー=東京都江東区で2024年6月11日午後3時11分、西本紗保美撮影

 「女子に三角関数を教えて何になるのか」

 そんな首長の発言が問題となってから10年がたとうとしている。

 日本はいまだに理工系(STEM)分野を学ぶ女性比率が最下位という状況が続く。その背景には女性の学びに関する固定観念があるが、変化の兆しも見えつつある。

女子大学院生がロールモデルに

 「皆さんもなじみのある折り紙に、特殊なインキを印刷することで、紙が自動で折れ曲がります」

 芝浦工業大(東京都江東区)の「動的機能デバイス研究室」で2024年6月、昭和女子大付属昭和中学・高校の生徒計20人が、スライドを使った修士課程の女性3人の説明に真剣な様子で聴き入っていた。紙が自動的に折れ曲がる様子が実験で示されると「えー、すごい!」と歓声が上がった。

 公益財団法人「山田進太郎D&I財団」(東京都)が全国26大学や31の企業・研究機関と連携するツアー「Girls Meet STEM」の一場面だ。

 中学3年の沖本美幸さんは「今学校で学んでいる基礎知識が大学で使えると実感した。将来は理系の大学に進学したい」。同じく中3の西尾知花さんは「親から『理系の女子は少ない』と聞いて驚いた。理系にいくか迷っている女子のためになる取り組みだと思う」と話した。

 財団によると、11月までに50回の中高生向けツアーが開催され、1000人超が参加した。24年の経団連調査では約64%の企業が理工系女性の採用を増やすことを目指しているが、肝心の女性人材は不足している。財団の狙いは「ロールモデルやキャリア情報の不足を解消すること」という。

幼少期から始まる「数学ステレオタイプ」

 「なぜ理系に女性が少ないのか」の著書がある東京大カブリ数物連携宇宙研究機構の横山広美教授(科学技術社会論)は「日本の女子は優秀だが、…

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