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影響力失う文教族 重鎮の萩生田氏、財務省の攻勢「手法間違ってる」

質問に答える萩生田光一元文部科学相=東京都千代田区で2024年12月6日、内藤絵美撮影
質問に答える萩生田光一元文部科学相=東京都千代田区で2024年12月6日、内藤絵美撮影

 「ブラック職場」と言われる公立学校教員の処遇をどう改善するか。

 教員の給与を大幅に引き上げるとした文部科学省の案に対し、財務省が独自案を示して業務削減を迫った。

 自民党の「文教族」が影響力を失ったことが、教員給与を巡る財務省の攻勢を招いたとみる向きもある。

 文科省案の内容は自民党特命委員会が2023年5月にまとめた提言と重なる部分が多い。当時の特命委員長で、文教族の重鎮でもある萩生田光一元文科相は財務省案をどう考えているのか。【聞き手・斎藤文太郎、加藤美穂子】

 【関連記事】
 教員給与巡り財務省が文科省に異例「独自案」 背景に文教族の衰退?

給特法だけの問題ではない

 ――特命委では提言をまとめた当時の委員長でした。

 ◆文科相時代(19~21年)にたくさんの学校を訪問し、教員や関係者から多くの声を聞かせてもらいました。

 今、学校現場をトータルで変えていかないと、教員を志す人がどんどん少なくなってしまう。そうなったら子どもたちの教育が立ち行かなくなってしまうと思い、強い危機感で提言を取りまとめました。

 ――教員給与を規定する教員給与特別措置法(給特法)には当時からさまざまな意見はあったと思います。どう議論したのでしょう。

 ◆報道機関を含め、この問題が給特法の話に矮小(わいしょう)化されてしまったことを残念に思っています。新しい学校のスタイルを考えようと幅広く議論したつもりです。教職調整額を何%に上げれば全て解決するという話ではないんです。

 例えば小学校では約10もの教科を1人の担任が授業するケースもあるけど、そんなにマルチな人はいないですよ。さまざまな課題や障害を抱える子どもたちがいる中、40人近い子どもを1人の先生が目配りできる環境ではなくなっていると思います。

 昭和の時代の、もっと言えば戦後の、みんなが先生の言うことを全て聞くという学校はなくなってきているので、全部変えてかないといけないよねっていう話です。

 ――具体的にはどんな提案を盛り込みましたか。

 ◆少人数学級も必要だし、小学校でも一定学年以上は専科の先生を入れることも大事。講演とかで話すと後から批判も来るんですけど、運動が苦手な先生だと体育の授業はめちゃくちゃつまらない。自治体の首長部局とも協力して、例えば法律に関わることは弁護士にも頼む。

 そういうことをトータルで提案をしたつもりなんだけど、どうしても給特法ばかりに目がいって、ことの本質を見失ってるんじゃないかなと思うんです。

 まさに今、(報道機関が)財務省と文科省っていう構図で興味を持っていらっしゃるけど、そういう問題じゃない。このままでいいのか、日本の教育は、という問題意識でやってきたことなので、いろんなパーツを全部見直して、新しい形の学校を作ろうというのが我々の強い思いです。

 ――特命委の提言は、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の答申や文科省の25年度予算への概算要求におおむね反映されましたね。

 ◆これは言わない方がいいかもしれないけど、中教審が必ずしもニュートラルかっていうと、それは文科省の方針をよく理解した人たち。財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)と同じですよ。

 ある程度、大きな方向は共有してくれる人たち、言うなれば身内的な部分があることは否定しません。だけど、結果として専門性の高い中教審の先生方が議論した結果が特命委の提案に近づくってことはありがたいです。

財務省の手法は間違っている

 ――財務省案への評価を教えてください。

 ◆特命委は当時の岸田政権に対して申し入れをし、総理もそれを受け止めて「骨太の方針」を閣議決定したわけですよ。これは政府の…

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