韓国とソウルの各警察トップを内乱容疑で拘束 異例の事態に

ソウル警察庁の庁舎=ソウル市で2024年5月22日、福岡静哉撮影 拡大
ソウル警察庁の庁舎=ソウル市で2024年5月22日、福岡静哉撮影

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」宣布について捜査する警察の捜査本部は11日未明、警察トップの趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官とソウル警察庁トップの金峰植(キム・ボンシク)長官を内乱容疑で拘束した。

 3日夜、国会議員らが国会に入ろうとするのを妨害した疑いが持たれている。警察トップや、ソウル警察トップが拘束されるのは初めて。趙長官は国会封鎖を指示した疑いがもたれている。金長官も、趙長官の指示でソウル警察庁の指揮下にある国会警備隊に対し、同様の指示をした疑いがあるという。

 また、ソウル中央地裁は10日深夜、尹氏に戒厳令を進言した金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相について、「犯罪容疑が重大で証拠隠滅の恐れがある」として検察が請求していた内乱容疑などでの逮捕状請求を認めた。検察は直ちに金氏を逮捕した。検察は内乱の首謀者は尹氏だと見ており、尹氏への捜査が本格化する。

 3日夜は国会が戒厳令の解除要求決議を可決した。尹氏は憲法の規定でこれに従う義務があり、4日未明、戒厳令の解除を正式に表明した。この際、警察官らが国会敷地内に入ろうとする国会議員らを妨げたと報じられている。国会に入れず、採決に参加できなかった議員もいた。

 趙長官は、3日夜に国会封鎖を指示した疑いがもたれている。金長官も、趙長官の指示でソウル警察庁の指揮下にある国会警備隊に対し、同様の指示をした疑いがあるという。

 韓国メディアによると、趙長官は国会での質疑で、自身が国会の封鎖を指示したと説明していた。

 警察の捜査本部は、両長官の携帯電話を押収し、捜査を進めていた。【ソウル福岡静哉】

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