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「迫る」は人物の内面を探ったり、出来事の背景を掘り下げたりする大型読み物です。

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カリブの仏領、極右が大勝(その1) 「反差別」の島、命侵した農薬

マルティニクのフォールドフランス湾。美しい光景だが農薬クロルデコンに汚染され、湾内の漁は全面的に禁止されている。地元の漁師は「クロルデコンが暮らしと海のつながりを断ち切った」と言う=6月8日、久野華代撮影
マルティニクのフォールドフランス湾。美しい光景だが農薬クロルデコンに汚染され、湾内の漁は全面的に禁止されている。地元の漁師は「クロルデコンが暮らしと海のつながりを断ち切った」と言う=6月8日、久野華代撮影

 聞いたこともない言葉が旅の始まりだった。「クロルデコンのせいだよ」

 カリブ海に浮かぶフランス領の島、マルティニク。今年4月に行われた仏大統領選の決選投票で、極右「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏が、この島で「勝利」を収めたことは衝撃だった。その理由を、島出身でパリに住むアデイ・ルネコライユさん(35)に尋ねると、耳慣れない、このキーワードが飛び出したのだった。

 フランス全体でマクロン大統領はほぼ6割の得票率で再選した。だがマルティニクではルペン氏が6割の得票率を占め、マクロン氏が「敗北」するという本土とは逆の結果になった。

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