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「コロナ下の友達作り」の正体 街で連絡先交換、記者が接触続けると

若者に声をかけ、居酒屋を尋ねる男2人組(右側)。この日は確認できただけで約7時間、50人に声をかけた=JR高円寺駅周辺で2021年5月、小鍜冶孝志撮影(画像の一部を加工しています)
若者に声をかけ、居酒屋を尋ねる男2人組(右側)。この日は確認できただけで約7時間、50人に声をかけた=JR高円寺駅周辺で2021年5月、小鍜冶孝志撮影(画像の一部を加工しています)

 東京や大阪の主要駅前で「いい居酒屋知らない?」と声をかける若者の集団が、実は「マルチ商法」の疑いがある組織の末端だった。若者は不特定多数に近づき連絡先を交換。「友達」として飲み会やフットサルで交流を深めつつ「ビジネスオーナーになって、一緒に夢をかなえよう」と商品購入を持ちかける。新型コロナウイルス下での人恋しさを逆手にとった驚くべき手口とは。【小鍜冶孝志】

居酒屋の場所聞いてきた男の正体

 東京都杉並区のJR高円寺駅前。ラフな服装をした20~30代の男2人が、行き交う人を品定めするように目で追っている。若い男性を見つけると、2人は目配せし、親しげに話しかけた。「近くでいい居酒屋知らない?」。突然の出来事に驚きながら、男性は場所を教えた。2人は年齢や職業などを矢継ぎ早に質問。「ありがとう。今度飲みに行こう」。1人が携帯電話を出し、男性は連絡先交換に応じた。しかし男2人は男性が紹介した店に目もくれず、再び1人で歩く若者を見つけては「居酒屋知らない?」と声をかけた。

 記者は昨年春から夏にかけて、新宿、渋谷など都内の主要駅で、少なくとも90人が同様の声かけをするのを確認した。SNSでも「『いい居酒屋知らない?』と声をかけられた。何者?」などと話題になっており、記者も3回、声をかけられた。そこで居酒屋の場所を尋ねてきた30代男性のNと連絡先交換に応じ、約3カ月間、接触した。

 連絡先を交換した翌日、Nから早速、高田馬場駅近くの貸会議室での飲み会に誘われた。「コロナ禍で飲む機会がなくて寂しいよな。俺は顔が広い。仲間呼んであるから」。20~30代の男女10人が集まり、全員があだ名で呼び合っていた。約3時間過ごした帰り道、Nから仕事や生活に満足しているか質問された。Nは本を差し出し「この本、すごい有名。感想聞かせてよ」。ネット検索すると、「マルチ商法で勧誘者が使う」との注意喚起があった…

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