即位の礼パレード見ないと「非国民」? 小林節さんと真面目に天皇制を考える

小林節慶大名誉教授=東京都千代田区で2019年10月31日午後3時29分、滝川大貴撮影
小林節慶大名誉教授=東京都千代田区で2019年10月31日午後3時29分、滝川大貴撮影

 天皇の「即位礼正殿の儀」が行われた先月22日、この日を休日・休校にしなかった会社や大学をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で「非国民」と呼ぶ人たちがいた。10日のパレードを見なかったら、これも非国民と非難されるのだろうか? いったい日本はどうしたのだろう。新天皇即位の祝賀行事はまだ続く。そもそも天皇制とは何なのか。憲法との関係はどうなっているのか。真面目に考えよう、と憲法学者の小林節・慶応大学名誉教授(70)に会いに行った。【國枝すみれ/統合デジタル取材センター】

「非国民」という考えは大日本帝国型の全体主義

 ――非国民発言をどう思いますか。

 ◆天皇は憲法上で唯一の世襲制の公務員ですから、「代替わり」は不可避です。ただし、大日本帝国憲法下で主権者であった天皇の即位を臣民が祝すことと、現在の日本国憲法下で、主権者である国民が象徴天皇の代替わりにどう対応すべきか、はおのずと異なるはずです。国民はこぞって即位の日は休業して祝さなければ非国民だという同調圧力はまさに、「大日本帝国型の全体主義」で「個人の尊厳(個人主義)」を基調とする日本国憲法と矛盾します。明確に否定すべきです。

 ――「今日、働いた私は非国民です」のように、自虐的ギャグとして使っている人もいました。軽い気持ちで使っている人が多いと思います。

 ◆大変危険です。大日本帝国で「非国民」と批判されることは、重いことでした。おそらく「非国民」の言い出しっぺであろう右派団体「日本会議」の人たちなどはきっとそういう思いでこの言葉を使っています。国民が天皇の即位に敬意を払わなければ間違いだ、という勘違いを独り歩きさせたらいけません。

 大日本帝国憲法の下で、天皇は主権者でした。「神聖にして不可侵」。立法、行政、司法の3…

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