2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として急浮上したサマータイム(夏時間)導入論議は、夏の終わりとともにしぼみそうだ。自民党は27日、研究会を設けて検討を始めたが、今年度は中間報告にとどめる方針。推進派からは「もっと早く議論していれば……」とぼやきが漏れた。【野間口陽】
この夏、サマータイムが注目されたのは、猛暑に加え、五輪組織委員会会長の森喜朗元首相が8月、安倍晋三首相に直接要請したのがきっかけだった。首相から「党で先行して議論してほしい」と指示された遠藤利明元五輪担当相は、森氏と近い党内の文教族議員に働きかけを開始した。
しかし、サマータイムはもともと世論の賛否が分かれ、過去にも浮上しては流れた経緯がある。欧州連合(EU)の欧州委員会は今年8月、制度廃止を加盟国に提案することを決めた。タイミングの悪さは否めず、岸田文雄政調会長は「党の方向が定まらない中、政調会長のもとで特命委員会を置くのはまだ早い」と遠藤氏に難色を示したという。
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