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 春夜  蘇軾

春宵一刻 値千金
花に清香有り 月に陰有り
歌管楼台 声細細
鞦韆院落 夜沈沈

  一刻千金にあたいする春の夜、
   その高価さを、一つ一つの対象に分けることはできないが、
   とりわけ清らかな香りをはなつ花、そしておぼろにかすむ月
   宵の口まで歌声や笛の音がにぎやかにきこえていた高楼からも、
   今はひそとの声もきこえぬ
   昼間は女どもがにぎやかに遊んでいた邸の中庭のぶらんこも、
   今は静かにたれさがり、夜はしんしんとふけていく