「PMPを取得せよ」と上司にいわれたら、最初にとる5つの対策
最近、仕事だけでなく人も任されるようになった。死の行進を生き延びてきた。細かい指示ではなく目標と締め切りだけを渡されるようになった―― そんなあなたを上司が呼びつけて、
「おまえ、PMP取りなさい。今年じゅうにヨロシク」
と告げられる。
(゚Д゚)ハァ?
顔文字通りの表情をつくるあなたを無視して、上司はこうまくしたてる。
「SE→PMキャリアを目指すなら、PMPは必須」
「なぁに、受験料は出すから安心しろ(合格したらね)」
「受験条件である35時間の研修は、そのうち受けさせてやる」
「でも実務に影響のないようにヨロシク」
PMPって何? 研修が必要なの? そんなあなたが次にしなければことは何だろう? このエントリを参考にしてほしい。
- 必要なサイトをチェック
- PMBOKガイドを入手&チェック
- 受験日を決めて、逆算してスケジュールを立てる
- 周囲に宣言する
- 勉強を開始する
■1 必要なサイトをチェック
「PMPって何?」という質問にズバリ答えてくれるサイトをチェックしておこう。ポータルの本家本元はPMIだが、全部英語だ(しかも迷いやすいサイトだ)。まずはPMIの東京支部をブックマークしておこう。
PMI東京支部
Project Management Institute(PMI)←本家本元
で、知りたいこと――試験の目的、合格率、資格者数、出題範囲、取得方法、申し込み手続き、試験実施要領――は、以下にまとめてある。
ただ、予告なく変更されることがある。自分でチェックするのは大変なので、メールマガジンを利用しよう。生々しい試験対策情報を得ることができるぞ。
PMP試験対策(有限会社システムマネジメントアンドコントロール)
あと、古いし手前ミソになるが、このblogでも「まとめ」をやっているぞ。
試験の際、必ずお世話になるのが受験ポータルのプロメトリックだ。Oraclemaster とかSJCでお世話になった方もいるかもしれないが、念のため。
■2 PMBOKガイドを入手&チェック
PMBOKガイドとは、電話帳ぐらいのペーパーバックだ。ムダにデカいし、重い、紙質も悪いと三拍子揃っているが、、これがないとはじまらない。
実をいうと、上司のいう「会社で用意する研修」で無償で支給されるはず。だが、それを待っていては始まらない。会社からすると、「受験日までに受講させておけばいい」という意識なので、しばらく放置される可能性がある。やきもきするより、5,000円出して買っておけ(どうせボロボロになるし)。
入手してパラパラしたら、あまりのとっかかりのなさに絶望するだろう。だが安心しろ、巻末にレジュメがある。気づかずに最初からとっかかるとツボるので、全体像を把握しよう。
PMBOKガイドは、三部構成となっている。
1. プロジェクトマネジメントフレームワーク
2. 単一プロジェクトのプロジェクトマネジメント標準
3. プロジェクトマネジメント知識エリア
1と2で70ページ、3が230ページある。1と2はがんばって読んでほしい。3が大変そうだが、実はp.337から始まる「付録F」で5ページに要約されている。PMBOKガイドの全体像をすばやく知るには、1と2の70ページと、「付録F」の5ページを読めばいい。もちろんここだけでは足りないが、「結局なんなの?」はこの75ページでOK。
■3 受験日を決めて、逆算してスケジュールを立てる
上司はこういった→「今年中にヨロシク」。プロメトリックでチェックしてみよう。
向こう3ヶ月の試験空き席状況を知ることができる。ちなみに、日本で4ヶ所しか受けることができないので、試験会場から遠い人は要注意。今年の年末なら――12月中旬あたりがリミットになる。プロメトリックは米国資本の会社なのでクリスマスはお休みしてたはず。
で、「その日」から逆算してスケジュールをたてよう。
会社がやってくれる「研修」は、PMPを受験するために最低限必要な35時間の座学だ。もちろんこれだけでは足りない。トータルで150-170時間ぐらいの勉強が必要になる。あたりまえだが、時間やったら合格するというものではなく、もっと少ない時間で受かる人もいれば、時間かけたのに不合格の人もいる(わたしの場合、200時間ぐらい)。
■4 周囲に宣言する
これ超重要。
やり始めると分かるが、かなり孤独な勉強になる。覚えるべき用語、身につけるべき考え方(PMIイズム)、計算問題が大量に出てきて、ウンザリして投げ出したくなるはず。
そういうときに、「勉強仲間」がいると心強い。一緒にやれなくても「あいつもやってるんだ」と思うだけでココロが上向くもの。非現実的な事例があっても、「あれはおかしいよなー」とか話のタネになるし。
とにかく、仲間を見つけるためには、まず自分で宣言しなきゃ。ひっこみがつかなくなるぐらいにね。
■5 勉強を開始する
あとは、するだけ――とはいっても、「具体的に何をどうするの?」という疑問が出てくるだろう。一番時間をかける勉強は、「PMBOKガイドを理解→練習問題を解く→PMBOKガイドで確認」だろう。そこで転ばぬ先の杖。よくある失敗は、PMBOKガイドばかり頑張って問題に接していないこと。PMP試験の問題は、ちょっとクセがある。だから沢山やって慣れておくべし。
「会社が準備してくれる研修」が Global Knowledge だったら、おめでとう!たっぷり練習問題が渡されるぞ(600問)。2回ぐらい解いておこう。それでも不安な方は、カブトムシ本をオススメしておく。「PMBOKガイド→練習問題」のサイクル以外なら、
- 自分なりの「まとめ」をつくる(マインドマップみたいになるはず)
- クリティカルパス、アーンドバリュー等の計算問題を確実に解けるように
- 用語集をチェック(←忘れられがち)
参考書+問題集でピカイチなのが「PMP Exam Prep」、通称「リタ本」(Ritaという方が書いているので)。なんといっても、読むだけでPMIイズム(PMPらしい考え方)がマスターできるから。PMP取るならバイブルといってもいい。3回読んで解いたら合格できるぞ。
――ただし、英語なんだよなー。平易な言い回しで読みやすいが、英語読みなれていないとそれだけ時間がかかる。タイムオーバーのリスクはあるが、それだけの価値はある。
先にも述べたが、「カブトムシ本」とは「PMP試験実戦問題」のこと。とにかく問題数が豊富なのがいい。単純な「インプット-ツール・技法-アウトプット」の記憶問題から、「こんなときPMはどうする?」的な問題まで全部そろっている。また、ひっかけ問題も意図して載せており、そこが「実戦」と謳っているところだろう。「PMBOK読んだだけ」で立ち向かうにはあまりに無防備すぎるから。
――ただし、誤りがあるのが玉に瑕。実践的良問ぞろいはいいけれど、解答や解説のところどころが誤っている。レビューしてなさそうな解説を見ると、自分のプロジェクト経験だけで答えるのは危険ということを、著者自身が身をもって示してくれることが分かる。誤答・誤解説が地雷のように埋まっているため、結局解答を信用せずに原典(PMBOK)を舐めるように読まなければならなかった。結果的にそれがPMBOKの繰り返し読みにつながったのだから、よしとするべしか…
あと、翔泳社の「PMP教科書」もやったが、わたしには合わなかったといっておく。参考書なら、(やってはいないが)書店でチェックした限り、「PMP試験合格虎の巻」がよさげ。
がんばれ、まなめ王子、ついったーと釘宮を自粛すれば勉強時間とれるよ!
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コメント
「萌えドリル」とかあるくらいだから
「ツンデレPMPドリル」があったら勉強もはかどるのであろうか?
投稿: | 2008.05.26 12:07
あはは、読者はとーっても限られるでしょうね
投稿: Dain | 2008.05.26 23:44