第9回中央委員会総会
志位委員長の幹部会報告
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志位和夫委員長が13日、第9回中央委員会総会でおこなった幹部会報告は次の通りです。
みなさん、おはようございます。CS通信、インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつをおくります。私は、幹部会を代表して、第9回中央委員会総会への報告をおこないます。
報告の冒頭に、さきの衆議院選挙で、日本共産党を支持してくださった有権者のみなさん、大奮闘してくださった党支持者、後援会員、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。
総選挙の結果をどうとらえ、わが党が「建設的野党」としてどういう役割を果たすかについての基本点は、すでに9月9日におこなった党創立87周年の「記念講演」で明らかにしています。
幹部会報告では、「記念講演」を前提にしつつ、内外情勢のいくつかの問題と日本共産党の立場、総選挙の総括と教訓、参議院選挙の勝利にむけた基本方針について、報告します。また、第25回党大会の招集日と議題について提案するとともに、大会にむけた党活動の方針を提起します。
1、内外情勢のいくつかの問題と、日本共産党の立場
報告の第一の主題として、内外情勢のいくつかの問題と、日本共産党の立場についてのべます。
「過渡的な性格をもった政権」と「建設的野党」の役割
8月30日に投開票された総選挙では、自公政権退場の審判が下り、民主党中心の政権がつくられました。
「記念講演」では、民主党政権について、「過渡的な性格をもった政権」と特徴づけました。すなわち、民主党の政策・路線には、「財界中心」、「軍事同盟中心」という自民党政治の「二つの政治悪」から抜け出す立場はいまのところ見られませんし、国民の利益に反する問題点も少なくありませんが、部分的には国民の要求を反映した政策も打ち出されています。「過渡的」と特徴づけたのは、そういう意味であります。
日本共産党は、主権者・国民の力が作り出した日本政治のこの新しい局面のもとで、「建設的野党」として二つの仕事にとりくみます。第一は、現実政治を前に動かし、国民の要求を実現するという仕事であります。すなわち、民主党政権のもとで、積極的に政策提言をおこない、「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対する、問題点をただす」という役割を果たします。第二に、「財界中心」、「軍事同盟中心」という日本の政治のゆがみを大本からただし、「国民が主人公」の新しい日本をめざす仕事にとりくみます。
政権からの退場をせまられた自民党と公明党は、それぞれ新しい執行部体制をつくりましたが、率直にいって、両党とも、これまで自らが犯してきた暮らしと平和を壊す間違った政治への反省の姿勢はまったくみられません。これまでの行動への抜本的な反省がなければ、いくら「健全野党」、「是々非々」などと標ぼうしてみても、前向きの対応はできないでしょう。
総選挙後の新しい政党状況のなかで、どんな問題でも国民の利益にたって「建設的野党」としての役割を果たせる政党は、日本共産党をおいてほかにありません。日本の政治の前向きの変化のプロセスをさらにすすめるうえで、わが党が果たすべき役割と責任は重大です。新しい情勢のもとで、わが党の真価もまた試されているということを肝に銘じて奮闘しようではありませんか。
民主党政権は発足したばかりで、それぞれの大臣などがさまざまな発言をおこなっていますが、この政権の行方がどうなるかは、現時点では不透明な問題が多いというのが、現状であります。わが党は、今後の国会論戦などをつうじて、事実にもとづいて見定め、対応していきます。
幹部会報告では、現時点で党の立場を明らかにしておくべき、内外情勢のいくつかの問題について、提起します。
暮らしの切実な要求にこたえ、国民生活の危機を打開するたたかいを
第一は、暮らしの切実な要求にこたえ、国民生活の危機を打開するたたかいを、あらゆる分野で大きく発展させることであります。
国民要求、総選挙政策を出発点に、あらゆる分野で
総選挙後も、国民生活の危機はますます深刻になっています。失業率、有効求人倍率は、史上最悪水準を記録しています。この1年間に、民間企業の年間給与は平均7万6千円も減り、対前年比で1・7%減と、史上最大の減少幅となっています。中小企業の経営危機と倒産も深刻な状態がつづいています。農業をめぐっても、農産物価格の下落にくわえて、各地での気象被害による作物の不作が、農業経営の危機に追い打ちをかけています。
どんな問題でも、私たちのたたかいの出発点は、国民の切実な要求と、わが党が総選挙で国民に公約した政策であります。その実行のために、広範な国民と手を携えて、たたかいをおこし、発展させることをよびかけるものです。新政権に「良いことには協力」するという場合であっても、その実現をたしかなものとし、また、その不十分な点、問題点をただし、より良いものとして実行させるためには、国民のたたかいが不可欠であります。
(1)雇用問題では、失業者が増える一方で、失業給付が切れ、このままでは今年末に昨年の「派遣村」を上回る深刻な事態が起こりかねない状態であります。失業給付の臨時延長を求めるとともに、雇用保険の対象とならず生活に困窮しているすべての失業者にたいする生活支援を緊急に求めてたたかいます。
また、大手自動車メーカーなどで、短期の「使い捨て」を前提とした非正規雇用の再開の動きが広がっていますが、再び「非正規切り」を横行させてはなりません。労働者派遣法を早期に抜本改正するとともに、期間工など直接雇用についても有期雇用への法的規制を強化することが必要であります。「雇用は正社員が当たり前の社会」にむけた一大闘争をおこそうではありませんか。
(2)社会保障では、削減から拡充への政策転換を求めるたたかいを、あらゆる分野で発展させましょう。世界に類のない差別法である後期高齢者医療制度は、放置すれば保険料が上がりつづけるなど、その害悪はいっそう深刻になります。「新制度ができるまでは廃止しない」という問題の先送りでなく、すみやかに撤廃し、老人保健制度に戻すことを求めてたたかいます。あわせて医療費窓口負担ゼロをめざし、その第一歩として、高齢者と子どもの医療費を国の制度として無料にする運動を大いに広げようではありませんか。
民主党政権は、生活保護の母子加算の復活を表明しましたが、あわせて老齢加算を復活し、国民の生存権を守る制度の再構築をめざします。障害者自立支援法の応益負担の廃止も急務であります。さらに、要介護認定制度改悪による「介護取り上げ」、高すぎる保険料・利用料など、欠陥だらけの介護保険制度を根底から見直し、安心できる制度への改革をめざします。
(3)中小零細企業の危機への対応としては、借金返済に困窮している企業への支援の検討も必要ですが、それにとどまらず仕事の確保も含めた総合的な緊急対策が急務であります。わが党が、総選挙政策で提起したように、(1)雇用の7割を支えている中小企業向けの雇用調整助成金を抜本拡充すること、(2)三大メガバンクなどによる貸し渋りをやめさせ、信用保証制度の抜本的な拡充・改善で資金繰りを支えること、(3)大企業による違法な「下請け切り」をやめさせ、仕事と収入を確保すること、(4)中小企業が倒産・廃業しないために緊急の休業補償・直接支援をおこなうこと――これらの「四つの緊急課題」にとりくむことを強く求めるものです。わが党は選挙戦のなかでも、「町工場は日本の宝」、いまこれを守る政治の責任を果たしてこそ日本経済の未来はある、と訴えてきましたが、この見地でのたたかいを大いにすすめたいと思います。
(4)日本農業の再生は、地域経済の活性化のうえでも、食料自給率を引き上げるうえでも、国民的課題であります。民主党の政策の重大な弱点は、「戸別所得補償」をいいますが、これが日米FTA(自由貿易協定)の推進など、輸入自由化推進をすすめる手段と位置づけられていることであります。これでは日本農業を再生し、自給率引き上げをはかることはできません。
わが党が主張しているように、(1)価格保障と所得補償を組み合わせて、再生産が可能な農業収入を保障することと、(2)関税など国境措置を維持・強化し、農産物輸入の歯止めない自由化にストップをかけることの双方をしっかりすすめてこそ、再生の道は開かれます。そのための国民的合意づくりにとりくみます。緊急措置として、ミニマムアクセス米の「義務的」輸入の中止、政府による備蓄米の買い入れによって、米価を下支えすることを求めます。
(5)子育て支援についてのべます。子育て支援への経済的給付――「手当」の拡大は当然ですが、その財源を扶養控除、配偶者控除の廃止など、庶民増税に求めることには、わが党は反対であります。国民の一部を犠牲にして一部に回すというやり方では、国民の理解は得られないということを、率直に指摘しなくてはなりません。また、「手当」の増額だけでなく、長時間労働の是正、認可保育園の大幅拡充で待機児童をゼロにするなど、「仕事と子育てが両立できる社会」をめざす総合的対策が必要であります。
あわせて、高校の学費を公立・私立ともに無償化をめざし、給付制奨学金を創設する運動にとりくみ、すみやかな実現を勝ち取ろうではありませんか。
(6)地球温暖化対策の着実な推進を求めるたたかいについてのべます。鳩山首相が、9月の気候変動首脳会議で、温室効果ガスについて、「1990年比で2020年までに25%削減をめざす」と表明したことを、わが党は歓迎するものです。問題は、今後、これをどうやって実行するかにあります。実行のためには、最大の温室効果ガス排出源である産業界に対し、公的削減協定の締結など、実効ある措置をとらせることができるかどうかが、最大の焦点となってきます。日本経団連などは「国際競争力が損なわれる」などを盾に、これに激しく抵抗していますが、EU内で操業している日本の大手自動車メーカーなどは、ヨーロッパでは公的削減協定を締結しているわけで、ヨーロッパでできて日本でできないという道理はありません。民主党政権が、ここに踏み込めるかどうかが、問われています。
(7)消費税増税反対、減税を求めるたたかいについてのべます。2011年度までに消費税増税法案を通すと宣言した自公政権が退場したことは、増税を阻止する条件を開くものとなりました。しかし、増税反対のたたかいを緩めるわけにはいきません。日本経団連は、10月2日に発表した「平成22年度税制改正に関する提言」で、消費税率を2015年度までに10%、2025年度までに17~18%に引き上げ、一方、法人実効税率を40%から30%に引き下げることを要求しています。民主党も、向こう4年間は増税の実施はしないというものの、将来的に年金財源としての消費税の引き上げが必要だと主張しています。
軍事費と大企業・大資産家優遇という「二つの聖域」にメスを入れれば、消費税に頼らなくても社会保障を支える財源はつくれることを広く明らかにしていくことと一体に、消費税増税反対、食料品非課税を求める世論と運動を大いに広げようではありませんか。
二つの点に留意して、たたかいの発展を
新しい情勢のもとで、国民要求にもとづくたたかいをすすめるうえで、つぎの二つの点に留意してとりくむことを訴えたいと思います。
(1)一つは、自民党のこれまでの支持基盤が大規模に崩壊するもとで、従来の枠を大きく超えた国民各層との対話と共同の可能性が大きく広がっており、それをくみつくした活動の攻勢的な発展が求められているということです。
たとえば、これまで自民党の支持基盤とされてきた農協で、大きな変動が起こりつつあります。JA全中(全国農業協同組合中央会)は、10月8日、第25回全国大会を開催し、今後の農政運動の方針として、「政府・与党をはじめ、全ての政党に対して生産現場の農家組合員の声を主張し、国政に反映するという国民運動」をおこなうことを明記した特別決議を採択しました。「全ての政党」にたいして、いわば「全方位」で、農家の声を主張する方向への転換であります。全国大会には、大会史上初めて日本共産党の代表が招待され、私が参加しましたが、あいさつには盛大な拍手を寄せていただきました。私の後にあいさつに立った国民新党の代表が「自民党には拍手がなく、共産党には大きな拍手がおき、時代は変わった」ということをのべる一幕もありました。これまでも全国各地で農協関係者との対話と共同がすすんできましたが、中央段階でこうした関係の発展がつくられたことは重要であります。
また、日本医師会は、5月に発表した「医療崩壊から脱出するための緊急提言」で、高すぎる医療費の窓口負担が受診抑制を招いているとして、その軽減を打ち出しました。現役世代を3割負担から2割負担に、70歳から74歳の高齢者は2割負担への引き上げを中止し1割負担に、高齢者で現役並み所得者の3割負担もやめ1割負担にというものであります。わが党の提案とは個々には一致していない部分もありますが、民主党、自民党など、他党がこの問題には踏み込めていないもとで、医療費の窓口負担の軽減という方向を主張するのは、日本共産党と日本医師会という構図になっています。ここでも共同の新たな条件があります。
さらに、総選挙にむけてとりくまれた各地の演説会に、保守系の自治体首長、議員などが参加し、期待のあいさつを寄せてくれたところも少なくありません。総選挙後の地方議会では、住民の利益にたった意見書や決議が次々と採択されるなど、状況の大きな変化も生まれています。
このように情勢の大激動が起こっている。従来の保守層もふくめて、あらゆる分野でこれまでにない共同の可能性が生まれています。視野を大きく広げて、国民の中に飛び込み、胸襟を開いて話し合い、一致する要求での共同のたたかいを大きく広げようではありませんか。
(2)いま一つは、国民要求実現には、財界・大企業の抵抗と圧力を打ち破る世論と運動が不可欠であるということであります。
総選挙で下された「自公政権ノー」という国民の審判は、この政権を牛耳っていた財界・大企業へのきびしい批判ともなりました。このもとで、日本経団連などのなかには、政治への影響力をどのようにして維持するかについて、方向喪失、動揺、混迷も生まれています。同時に、これまでの自らの身勝手な行動に自省・反省をくわえ、大企業としての社会的責任を果たそうという方向転換が見られるわけでもありません。
とくに労働者派遣法の改正、温室効果ガスの大幅削減などでは、相変わらず「国際競争力」論などを盾にとっての身勝手な反対論を繰り返しています。また、法人税減税と一体の消費税増税の旗振りを開始しています。
こうした財界・大企業の抵抗と圧力を打ち破ってこそ、国民要求実現の道は開かれます。また、民主党政権が、国民の利益にかなう方向の政治を実行するためには、「財界中心」の政治からの脱却が必要であり、新政権の姿勢が試される最大の試金石の一つがここにあります。
わが党は、国民の世論と運動と連帯し、事実と道理にたった論陣を張ることによって、財界・大企業の身勝手な抵抗と圧力を打ち破り、国民要求実現の道を開くために力をつくします。ここに「建設的野党」としての日本共産党ならではの重大な使命があることを強調したいと思うのであります。
(出所:日本共産党HP 2009年10月15日(木)「しんぶん赤旗」)
志位委員長の幹部会報告
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志位和夫委員長が13日、第9回中央委員会総会でおこなった幹部会報告は次の通りです。
みなさん、おはようございます。CS通信、インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつをおくります。私は、幹部会を代表して、第9回中央委員会総会への報告をおこないます。
報告の冒頭に、さきの衆議院選挙で、日本共産党を支持してくださった有権者のみなさん、大奮闘してくださった党支持者、後援会員、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。
総選挙の結果をどうとらえ、わが党が「建設的野党」としてどういう役割を果たすかについての基本点は、すでに9月9日におこなった党創立87周年の「記念講演」で明らかにしています。
幹部会報告では、「記念講演」を前提にしつつ、内外情勢のいくつかの問題と日本共産党の立場、総選挙の総括と教訓、参議院選挙の勝利にむけた基本方針について、報告します。また、第25回党大会の招集日と議題について提案するとともに、大会にむけた党活動の方針を提起します。
1、内外情勢のいくつかの問題と、日本共産党の立場
報告の第一の主題として、内外情勢のいくつかの問題と、日本共産党の立場についてのべます。
「過渡的な性格をもった政権」と「建設的野党」の役割
8月30日に投開票された総選挙では、自公政権退場の審判が下り、民主党中心の政権がつくられました。
「記念講演」では、民主党政権について、「過渡的な性格をもった政権」と特徴づけました。すなわち、民主党の政策・路線には、「財界中心」、「軍事同盟中心」という自民党政治の「二つの政治悪」から抜け出す立場はいまのところ見られませんし、国民の利益に反する問題点も少なくありませんが、部分的には国民の要求を反映した政策も打ち出されています。「過渡的」と特徴づけたのは、そういう意味であります。
日本共産党は、主権者・国民の力が作り出した日本政治のこの新しい局面のもとで、「建設的野党」として二つの仕事にとりくみます。第一は、現実政治を前に動かし、国民の要求を実現するという仕事であります。すなわち、民主党政権のもとで、積極的に政策提言をおこない、「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対する、問題点をただす」という役割を果たします。第二に、「財界中心」、「軍事同盟中心」という日本の政治のゆがみを大本からただし、「国民が主人公」の新しい日本をめざす仕事にとりくみます。
政権からの退場をせまられた自民党と公明党は、それぞれ新しい執行部体制をつくりましたが、率直にいって、両党とも、これまで自らが犯してきた暮らしと平和を壊す間違った政治への反省の姿勢はまったくみられません。これまでの行動への抜本的な反省がなければ、いくら「健全野党」、「是々非々」などと標ぼうしてみても、前向きの対応はできないでしょう。
総選挙後の新しい政党状況のなかで、どんな問題でも国民の利益にたって「建設的野党」としての役割を果たせる政党は、日本共産党をおいてほかにありません。日本の政治の前向きの変化のプロセスをさらにすすめるうえで、わが党が果たすべき役割と責任は重大です。新しい情勢のもとで、わが党の真価もまた試されているということを肝に銘じて奮闘しようではありませんか。
民主党政権は発足したばかりで、それぞれの大臣などがさまざまな発言をおこなっていますが、この政権の行方がどうなるかは、現時点では不透明な問題が多いというのが、現状であります。わが党は、今後の国会論戦などをつうじて、事実にもとづいて見定め、対応していきます。
幹部会報告では、現時点で党の立場を明らかにしておくべき、内外情勢のいくつかの問題について、提起します。
暮らしの切実な要求にこたえ、国民生活の危機を打開するたたかいを
第一は、暮らしの切実な要求にこたえ、国民生活の危機を打開するたたかいを、あらゆる分野で大きく発展させることであります。
国民要求、総選挙政策を出発点に、あらゆる分野で
総選挙後も、国民生活の危機はますます深刻になっています。失業率、有効求人倍率は、史上最悪水準を記録しています。この1年間に、民間企業の年間給与は平均7万6千円も減り、対前年比で1・7%減と、史上最大の減少幅となっています。中小企業の経営危機と倒産も深刻な状態がつづいています。農業をめぐっても、農産物価格の下落にくわえて、各地での気象被害による作物の不作が、農業経営の危機に追い打ちをかけています。
どんな問題でも、私たちのたたかいの出発点は、国民の切実な要求と、わが党が総選挙で国民に公約した政策であります。その実行のために、広範な国民と手を携えて、たたかいをおこし、発展させることをよびかけるものです。新政権に「良いことには協力」するという場合であっても、その実現をたしかなものとし、また、その不十分な点、問題点をただし、より良いものとして実行させるためには、国民のたたかいが不可欠であります。
(1)雇用問題では、失業者が増える一方で、失業給付が切れ、このままでは今年末に昨年の「派遣村」を上回る深刻な事態が起こりかねない状態であります。失業給付の臨時延長を求めるとともに、雇用保険の対象とならず生活に困窮しているすべての失業者にたいする生活支援を緊急に求めてたたかいます。
また、大手自動車メーカーなどで、短期の「使い捨て」を前提とした非正規雇用の再開の動きが広がっていますが、再び「非正規切り」を横行させてはなりません。労働者派遣法を早期に抜本改正するとともに、期間工など直接雇用についても有期雇用への法的規制を強化することが必要であります。「雇用は正社員が当たり前の社会」にむけた一大闘争をおこそうではありませんか。
(2)社会保障では、削減から拡充への政策転換を求めるたたかいを、あらゆる分野で発展させましょう。世界に類のない差別法である後期高齢者医療制度は、放置すれば保険料が上がりつづけるなど、その害悪はいっそう深刻になります。「新制度ができるまでは廃止しない」という問題の先送りでなく、すみやかに撤廃し、老人保健制度に戻すことを求めてたたかいます。あわせて医療費窓口負担ゼロをめざし、その第一歩として、高齢者と子どもの医療費を国の制度として無料にする運動を大いに広げようではありませんか。
民主党政権は、生活保護の母子加算の復活を表明しましたが、あわせて老齢加算を復活し、国民の生存権を守る制度の再構築をめざします。障害者自立支援法の応益負担の廃止も急務であります。さらに、要介護認定制度改悪による「介護取り上げ」、高すぎる保険料・利用料など、欠陥だらけの介護保険制度を根底から見直し、安心できる制度への改革をめざします。
(3)中小零細企業の危機への対応としては、借金返済に困窮している企業への支援の検討も必要ですが、それにとどまらず仕事の確保も含めた総合的な緊急対策が急務であります。わが党が、総選挙政策で提起したように、(1)雇用の7割を支えている中小企業向けの雇用調整助成金を抜本拡充すること、(2)三大メガバンクなどによる貸し渋りをやめさせ、信用保証制度の抜本的な拡充・改善で資金繰りを支えること、(3)大企業による違法な「下請け切り」をやめさせ、仕事と収入を確保すること、(4)中小企業が倒産・廃業しないために緊急の休業補償・直接支援をおこなうこと――これらの「四つの緊急課題」にとりくむことを強く求めるものです。わが党は選挙戦のなかでも、「町工場は日本の宝」、いまこれを守る政治の責任を果たしてこそ日本経済の未来はある、と訴えてきましたが、この見地でのたたかいを大いにすすめたいと思います。
(4)日本農業の再生は、地域経済の活性化のうえでも、食料自給率を引き上げるうえでも、国民的課題であります。民主党の政策の重大な弱点は、「戸別所得補償」をいいますが、これが日米FTA(自由貿易協定)の推進など、輸入自由化推進をすすめる手段と位置づけられていることであります。これでは日本農業を再生し、自給率引き上げをはかることはできません。
わが党が主張しているように、(1)価格保障と所得補償を組み合わせて、再生産が可能な農業収入を保障することと、(2)関税など国境措置を維持・強化し、農産物輸入の歯止めない自由化にストップをかけることの双方をしっかりすすめてこそ、再生の道は開かれます。そのための国民的合意づくりにとりくみます。緊急措置として、ミニマムアクセス米の「義務的」輸入の中止、政府による備蓄米の買い入れによって、米価を下支えすることを求めます。
(5)子育て支援についてのべます。子育て支援への経済的給付――「手当」の拡大は当然ですが、その財源を扶養控除、配偶者控除の廃止など、庶民増税に求めることには、わが党は反対であります。国民の一部を犠牲にして一部に回すというやり方では、国民の理解は得られないということを、率直に指摘しなくてはなりません。また、「手当」の増額だけでなく、長時間労働の是正、認可保育園の大幅拡充で待機児童をゼロにするなど、「仕事と子育てが両立できる社会」をめざす総合的対策が必要であります。
あわせて、高校の学費を公立・私立ともに無償化をめざし、給付制奨学金を創設する運動にとりくみ、すみやかな実現を勝ち取ろうではありませんか。
(6)地球温暖化対策の着実な推進を求めるたたかいについてのべます。鳩山首相が、9月の気候変動首脳会議で、温室効果ガスについて、「1990年比で2020年までに25%削減をめざす」と表明したことを、わが党は歓迎するものです。問題は、今後、これをどうやって実行するかにあります。実行のためには、最大の温室効果ガス排出源である産業界に対し、公的削減協定の締結など、実効ある措置をとらせることができるかどうかが、最大の焦点となってきます。日本経団連などは「国際競争力が損なわれる」などを盾に、これに激しく抵抗していますが、EU内で操業している日本の大手自動車メーカーなどは、ヨーロッパでは公的削減協定を締結しているわけで、ヨーロッパでできて日本でできないという道理はありません。民主党政権が、ここに踏み込めるかどうかが、問われています。
(7)消費税増税反対、減税を求めるたたかいについてのべます。2011年度までに消費税増税法案を通すと宣言した自公政権が退場したことは、増税を阻止する条件を開くものとなりました。しかし、増税反対のたたかいを緩めるわけにはいきません。日本経団連は、10月2日に発表した「平成22年度税制改正に関する提言」で、消費税率を2015年度までに10%、2025年度までに17~18%に引き上げ、一方、法人実効税率を40%から30%に引き下げることを要求しています。民主党も、向こう4年間は増税の実施はしないというものの、将来的に年金財源としての消費税の引き上げが必要だと主張しています。
軍事費と大企業・大資産家優遇という「二つの聖域」にメスを入れれば、消費税に頼らなくても社会保障を支える財源はつくれることを広く明らかにしていくことと一体に、消費税増税反対、食料品非課税を求める世論と運動を大いに広げようではありませんか。
二つの点に留意して、たたかいの発展を
新しい情勢のもとで、国民要求にもとづくたたかいをすすめるうえで、つぎの二つの点に留意してとりくむことを訴えたいと思います。
(1)一つは、自民党のこれまでの支持基盤が大規模に崩壊するもとで、従来の枠を大きく超えた国民各層との対話と共同の可能性が大きく広がっており、それをくみつくした活動の攻勢的な発展が求められているということです。
たとえば、これまで自民党の支持基盤とされてきた農協で、大きな変動が起こりつつあります。JA全中(全国農業協同組合中央会)は、10月8日、第25回全国大会を開催し、今後の農政運動の方針として、「政府・与党をはじめ、全ての政党に対して生産現場の農家組合員の声を主張し、国政に反映するという国民運動」をおこなうことを明記した特別決議を採択しました。「全ての政党」にたいして、いわば「全方位」で、農家の声を主張する方向への転換であります。全国大会には、大会史上初めて日本共産党の代表が招待され、私が参加しましたが、あいさつには盛大な拍手を寄せていただきました。私の後にあいさつに立った国民新党の代表が「自民党には拍手がなく、共産党には大きな拍手がおき、時代は変わった」ということをのべる一幕もありました。これまでも全国各地で農協関係者との対話と共同がすすんできましたが、中央段階でこうした関係の発展がつくられたことは重要であります。
また、日本医師会は、5月に発表した「医療崩壊から脱出するための緊急提言」で、高すぎる医療費の窓口負担が受診抑制を招いているとして、その軽減を打ち出しました。現役世代を3割負担から2割負担に、70歳から74歳の高齢者は2割負担への引き上げを中止し1割負担に、高齢者で現役並み所得者の3割負担もやめ1割負担にというものであります。わが党の提案とは個々には一致していない部分もありますが、民主党、自民党など、他党がこの問題には踏み込めていないもとで、医療費の窓口負担の軽減という方向を主張するのは、日本共産党と日本医師会という構図になっています。ここでも共同の新たな条件があります。
さらに、総選挙にむけてとりくまれた各地の演説会に、保守系の自治体首長、議員などが参加し、期待のあいさつを寄せてくれたところも少なくありません。総選挙後の地方議会では、住民の利益にたった意見書や決議が次々と採択されるなど、状況の大きな変化も生まれています。
このように情勢の大激動が起こっている。従来の保守層もふくめて、あらゆる分野でこれまでにない共同の可能性が生まれています。視野を大きく広げて、国民の中に飛び込み、胸襟を開いて話し合い、一致する要求での共同のたたかいを大きく広げようではありませんか。
(2)いま一つは、国民要求実現には、財界・大企業の抵抗と圧力を打ち破る世論と運動が不可欠であるということであります。
総選挙で下された「自公政権ノー」という国民の審判は、この政権を牛耳っていた財界・大企業へのきびしい批判ともなりました。このもとで、日本経団連などのなかには、政治への影響力をどのようにして維持するかについて、方向喪失、動揺、混迷も生まれています。同時に、これまでの自らの身勝手な行動に自省・反省をくわえ、大企業としての社会的責任を果たそうという方向転換が見られるわけでもありません。
とくに労働者派遣法の改正、温室効果ガスの大幅削減などでは、相変わらず「国際競争力」論などを盾にとっての身勝手な反対論を繰り返しています。また、法人税減税と一体の消費税増税の旗振りを開始しています。
こうした財界・大企業の抵抗と圧力を打ち破ってこそ、国民要求実現の道は開かれます。また、民主党政権が、国民の利益にかなう方向の政治を実行するためには、「財界中心」の政治からの脱却が必要であり、新政権の姿勢が試される最大の試金石の一つがここにあります。
わが党は、国民の世論と運動と連帯し、事実と道理にたった論陣を張ることによって、財界・大企業の身勝手な抵抗と圧力を打ち破り、国民要求実現の道を開くために力をつくします。ここに「建設的野党」としての日本共産党ならではの重大な使命があることを強調したいと思うのであります。
(出所:日本共産党HP 2009年10月15日(木)「しんぶん赤旗」)
利用増による渋滞によって、排ガスが増加するだけでなく、運送会社や高速バス会社は予定の時間通りに走れず事業に支障を来たすので、無料化に反対している。渋滞はマイナスの経済効果となる。
自家用車の利用増及び走行距離の増加によって、排ガスが増加して地球温暖化および健康被害を加速させる。
本来、モーダルシフトによって、自家用車から公共交通機関へ移行させて、ガソリン使用量及び二酸化炭素の排出量を減らして省エネルギー及び温暖化対策とするべきであるが、その逆を推進しようとしている。
民主党は税金投入によって物流費が下がると言っているが、商品価格に占める高速料金は1%以下しかない。
新聞社による全国の知事へのアンケート調査では、高速無料化を評価した知事は岩手、徳島、沖縄のわずか3知事だけ。
NHKのアンケート調査では、高速無料化賛成は17%そして反対は45%。
敵は霞が関だなんて言ってますが、組合が幹部をつるしあげるんならそれこそ社会保険庁じゃないですか。
公務員の人件費の削減こそ一番のマニュフェスト。即刻実行して頂きたいものです。
それは何か。簡単で明快
「国会で影響力のある議席数を確保すること」
これがあれば、いかなる場合も確実に責任ある立場で物を発言し影響力を持てるからね。
それが「国民に対する責任」だよ。
つまり「国民から支持される政党」になることが一番の政党の責任でもある。
なぜなら、自らの政策を実行できる立場になることが必要だから。
確かな野党と言っている時点で、それを放棄しているんだけど・・・・
民間なら、それは「その後の待遇差」に直結することが多いから、やっている側も(忙しくても)ある程度納得の部分はある。
公務員の問題点は、その「楽な仕事」ですら、民間平均以上の待遇があること。
公務員だって、激務の部署や人はいるだろう。そういう人に「相応の」待遇は私は否定しない。
そうじゃない人にも、それにあった「相応の」待遇にすれば、かなりの金額が削減できると思うんだが。
私の考えは「一律削減は反対」だね。
「採用利権」などなくなるでしょうね。
現状では高級車1台分の投資価値があるんだな
しかも採用を決めるのは市長や市職員ではなく、周囲の訳の分からん取り巻きたち。
自分は取り巻きの下でゼニ(ガマン料)もらっていたから・・・結果的に悪事に加担したのかも知れないが。。。
ぶっちゃけ500万円で、40年完全身分保障、福利厚生120%、高額な退職金、おいしい共済年金が担保されるならば、投資としては安いものでしょう。
その分、「非正規公務員」が悲鳴を上げているのだが
こんな状態だからゴマすり公務員が出世して、真面目な公務員が左遷。
これじゃ~まずいよ
輸出で稼げなくなれば、ふんだんに輸入に頼ってきた食料や資源の供給だってどうなることか。もっとも、極端な円安になるまで経済が落ち込めばそれはそれで自律反転の目もあるのかも知れないが。ただ、国内はコストプッシュインフレで年金なんてガタガタなんだろうな。