2199『さらばドメルといわせないでくれ!』(2)-(さらばver.) ※(1)の続きです((2)とは別展開で(3)には続きません。) 旧作どおり、七色星団でのヤマトとの決戦で圧倒的優位に立つも、逆回転したドリルミサイルによりガミラス主要艦隊をほとんど失ったドメル。
暗黒星雲に入りこんだヤマトに追いつき、ドメル艦から爆雷を投下するが、このままではヤマトに止めを刺すことはできない。
ドメルは第三艦橋に接舷した後ヤマトに進入することを決意。白兵戦で最後の戦い挑んだ---。
◆ ◆ ◆
ヤマト乗組員とドメル配下の双方に多大な犠牲を払いながらも、第一艦橋まで辿りついたドメルは艦長代理の古代と対峙した。
「私はガミラス銀河方面作戦司令長官ドメルだ!ヤマト艦長はおまえか?」
「艦長は病気で臥せっている。私は・・・艦長代理の古代だ。」
「よし。銃を構えろ、古代!一対一で決着をつけようではないか!」
ドメルは銃口を真っ直ぐに古代に向けた。
「ドメル司令。こんな無益な戦いはもうやめにしましょう。あなたは血の通った人間同士が殺しあうなんて馬鹿げているとは思わないのですか?ガミラス星に戻ってデスラー総統に停戦するよう伝えてください!」
必死でドメルの説得を試みる古代。
じりじりとにじり寄るドメルに圧倒され、古代は腰のホルスターの手をかけながらも、一歩、二歩と後退した。
(このままでは、古代が撃たれてしまう・・・。)
ドメルの背後を保安部長の伊東の銃口が狙う。
「危ないっ!」
やっとの思いでドメルに追いついき物陰から様子を伺っていたエリーサが、ドメルの前に躍り出た。
コスモガンの青白い閃光に胸を打ち抜かれ、ゆっくりと倒れるエリーサ・・・。
「エリーサ・・・」
呆然と立ち尽くすドメルを保安部の数名がすばやく取り囲み、喉元に銃を突きつける。
「まだ話し合いは終わっていない。銃を降ろせ。」
睨みつけて命令する古代に対し、伊東はチッっと舌打ちし顎で銃を引くよう部下に合図を送る。
「ドメル司令。この女性はもしかしてあなたの大切な人・・・だったのですか?」
ドメルは質問に答えずエリーサに近づくと、彼女の開いたままの目蓋をそっと塞ぎ、まだ温かい体の下に手を差し入れゆっくりと抱き上げた。
「もう一度言わせてください、ドメル司令。双方が愛する人や家族を守るためにはじめたこの戦いの結末が、こんな事になるなんて・・・間違っています。他者を侵して得る幸せではなく、何か別のもっと良い方法があったはずです。それを探すのは今からでも決して遅くはありません。どうか・・・お願いします。」
「わかった・・・。」
ドメルはエリーサを抱き上げたまま、古代に背を向けた。
「ありがとう。ドメル司令---。」
「だが、俺も軍人だ。自分の最後は自分で決めさせてくれ。」
ドメルはエリーサの亡骸を抱いたままドメラーズ艦に戻って行った。
「いいんですか?艦長代理?敵艦ごとヤマトに突っ込んで来たらどうするんです?」
「いや・・・。彼も男だ。それはないだろう。何とかガミラス星に辿りついてデスラー総統を説得してくれれば良いのだが・・・。」
そして数分後・・・
艦長代理・古代進の願いも空しく、ドメルは第三艦橋に接舷したまま、自爆スイッチの引き金を引いた・・・。
◆ ◆ ◆
・・・俺はこの世に生を受けたときから死ぬまで軍人だ。
何千人、何万人もの命をこの手にかけたその罪を・・・地獄の底で償い続ける覚悟はとっくにできている。
だから、息子や妻が目の前で殺されたって、俺にとっては地獄の予行演習みたいなものだ・・・。
古代・・・お前にその覚悟はあるのか?
end
2013.1.29
ようこん
(あとがき)
タイトルからするとこっちの方が面白かったかな・・・。
あ~でも、コレ(ドメル艦がヤマトに突っ込み、さらばバリの白兵戦)、リンク貼らせて頂いてるK助さんが考えていらっしゃいましたね~。すみませ~~ん。
甘~いラブラブ二次小説を読むのは好きなんだけど、自分が書くと若干後味の悪い(←コレ大事ポイント)熱血硬派辛口風味の方が落ち着く事が今回のドメルシリーズで判明。
オリジナルで漫画描いても二次小説書いても、結局本性は一緒なのよね~~。なんてこったい!
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