なぎなたとは? わかりやすく解説

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なぎ‐なた【長刀/×刀/眉刀】

読み方:なぎなた

長い柄の先に反り返った長い刃をつけた武器また、それを使う武術平安後期後三年の役ころから室町中期まで多く用いられた。戦国時代以後(やり)が多く用いられるようになり、江戸時代には主に女性武具とされた。

長刀草履」の略。


薙刀(なぎなた)

長巻ながまき)とも言う。元幅に比べて先幅が大きく返り大きくついた長い刀を長い柄の端部装着して対敵する相手や馬を薙ぎ払う目的使用され武具平安末期から鎌倉期実用時代には、滑り止め目的で握部を長く蛭巻にしたところから長巻とも称されるようになった時代が下がり江戸時代には鞘や柄部に蒔絵施され装飾的要素強くなる現代では、刃長が短かく先が張って腰に薙刀称される独特の喰違樋有するものを薙刀、刃長長く、元先の身幅の差が少なく先細りせずに、横手筋のない菖蒲似た造り込みのものを長巻呼び区別している。長大長巻切先反り矯正され切り詰められ一般の刀のように用いられたことがあり、これを長巻直し称する

なぎなた

歴史と沿革

なぎなたは「薙刀」や「長刀」とも記し、唐伝来の鉾(ほこ)の転身起源とする説があります突き刺し目的とした出現まで戦場人馬なぎ払ういわゆる斬撃目的とする武器として使われいましたが、その起源実際のところつまびらかではありません。しかし、平将門藤原純友起こした天慶の乱938年)を描いた合戦絵巻に長刀登場してます。また、平安中期源義家奥州清原家との争乱1086年)を記した後三年記」に「投刀(長刀)」の記述残ってます。

室町時代末期には戦場での地位譲りますが、刀剣に対して長い間合いを持つこの武器は、いわゆる専守防衛武術として僧兵武家の女子に継承されいきます明治以降もっぱら、なぎなたは女子武道として発展戦後GHQ武道禁止令をうけて衰退余儀なくされますが、日本の伝統文化であるなぎなたの復興を願う有志たちによって、1955年全日本なぎなた連盟発足します。新しいなぎなた」の理念掲げ文部省に正科教材として採択懇願書を提出し採用されました。

1968年4月文部省より財団法人認可を受け、全日本なぎなた連盟わが国唯一のなぎなた界を代表・統括する団体として正式に認められました。

1978年には日本体育協会加盟1990年12月8日国際なぎなた連盟INF発足1992年11月全国高等学校体育連盟加盟1995年3月の「第40回全日本なぎなた選手権大会」から皇后杯ご下賜決定2001年12月第1回全日本男子なぎなた選手権大会開催。現在では会員数65000名を超え世界10数カ国に普及発展し国際規模の「なぎなた」として、今、一大飛躍のときを迎えてます。


理念とルール

連盟謳った理念は、「なぎなたは、なぎなたの修錬により、心身ともに調和のとれた人材育成する」というもので、これを掲げて正道歩む指針としました。つまり、わが国固有の文化として歴史伝統のもとに培われてきた「なぎなた」は、日本の伝統的なものの考え方行動規範内包している運動文化といえ、その修練通じて真の日本文化継承者世に送り出すことにあります。この理念到達目標目的として、なぎなたの普及啓発つとめていきます

競技としてのなぎなたは、「試合競技」と「演技競技」の2つあります

1. 試合競技

2人試合者が、定められ部位(面、小手、胴、脛、咽喉)を確実に速く打突して勝負競います。なぎなた技には、振り上げ持ちかえ、振り返しなどがあり、左右上下からあらゆる方向へ打つことができます試合形式3本勝負原則で、定められ制限時間小・中学生は2分、高校生以上は3分)内に有効打突を2本先取した方が勝ち。ただし、延長戦小・中学生は1分、高校生以上は2分)を行なって所定本数達しないときは、1本勝ち、判定勝ちという判定なされます

反則となる行為

2. 演技競技
連盟定める「しかけ・応じ技」8本、または「形」7本のなかから指定され3本2人1組演技者によって行ない、その技の優劣競い合います勝敗判定方式。5名の審判員厳正的確に技の良否見定めて判定し過半数をもって勝敗決定します

試合演技それぞれに、技を繰り出し、真剣に競い合うなかから相互人格尊重し合う「礼」の心が生まれます。心のこもった礼儀態度は、相手に伝わるだけでなく、自己の人間性をも涵養かんよう)し、人間関係豊かに育むための基盤となります

また一方で、なぎなた競技一時油断許さない過酷な時間試合者に課します。当然、試合者には注意力集中力要求されます。それが気力充実もたらし、それを維持するなかから奥ゆかしさ伴った強さ逆境ものともしない活力溢れ人間形成促していくものと確信してます。



薙刀

読み方:なぎなた

  1. 薙刀。女陰隠語薙刀疵ともいふ。「巴のなぎなた朝日奈はくぐつて出」。
  2. 女根を形状により見立てた称呼。又薙刀疵ともいふ。
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なぎなた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/05 07:23 UTC 版)

なぎなた
使用武器 薙刀(木刀)、競技用なぎなた
発生国 日本
発生年 明治大正
源流 薙刀術
公式サイト 全日本なぎなた連盟
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なぎなたは、公益財団法人全日本なぎなた連盟が多くの薙刀術流派を統合し競技化した武道。現代日本における代表的な武道の一つである。一般に女性の武道というイメージが強いが、男性の競技者も存在する。

歴史

薙刀鎌倉時代から南北朝時代を経て室町時代にかけては歩兵の主武器であり、そこから薙刀術が生まれた。やがて戦国時代を迎えて戦術が発達した結果、個人の武勇よりも集団での効率性が重視されて、振り回して使うがゆえに野戦では味方を傷つけるリスクもある薙刀より、穂先が軽量で刺突に特化し部隊ごとの一斉突撃や敵騎兵などに対する防御に向いたに取って代わられた。そのころから戦場では使われなくなったが、さらに江戸時代に入り、戦場での有効性という観点が重要にならなくなると、むしろ平時において家を守るための「女薙刀」が発展し、男性の武術から女性の武術としての地位を確立したとされる。稽古用の防具も製作され、剣術竹刀稽古に相当する試合が行われるようになった。ただし、稽古道具を着用した当時の試合記録は現存しない[1] ため、あくまで推定の域に過ぎない。

昭和時代に入ると、1936年(昭和11年)文部省の通達により、女子の中等学校正課体育に薙刀・弓道を取り入れることが決議され、京都の武徳殿と東京の修徳館で薙刀の教員が養成された[1]1940年(昭和15年)薙刀の教材化を目的として、天道流と直心影流を中心に「薙刀道基本動作」が統一され、1941年(昭和16年)国民学校令の中で女児に対して薙刀を課せられたことも相まって、学校薙刀道が形成された[1]。しかし、敗戦後、戦時下で行われた学校薙刀道は廃止された。1953年(昭和28年)5月4日、戦後第1回「武徳会」において、天道流と直心影流の演舞披露が行われ、翌年「近畿ナギナタ連盟」が発足、その翌年には「全日本薙刀連盟」が発足する[1]。その後、文部省の指導によって平仮名書きの「なぎなた」へと名称を変更、1964年(昭和39年)には全日本なぎなた連盟でも「なぎなた」の名称が決定し、古武術から現代武道へと脱皮を果たす[1]

新しい「なぎなた」は、剣道などと異なり利き手を問わず技が左右対等に行われ、くり出し・くり込み・持ちかえ等の変化に富み、俊敏柔軟な動作で興味深く実施でき、均等的全身運動である点に特徴があるが、あくまでも学校教材であって技術的には武道ではないという指摘がある[2]第二次大戦前まで「剣に対する薙刀」として実施されていたが、現在は「なぎなた対なぎなた」として実施されている。

競技用なぎなたでの上段の構え
全日本なぎなた連盟
全日本なぎなた連盟はなぎなた競技の国内競技連盟。多くの薙刀術流派を統合。段級位制をとっている。日本武道協議会日本スポーツ協会国際なぎなた連盟日本オリンピック委員会に加盟。

参加流派

服装・用具

薙刀を模した、竹刀に似たなぎなた競技用なぎなたとも呼ぶ)、または薙刀の木刀を使う。競技用なぎなたは全長が2.1m - 2.25m、重量が650g以上と定められている。2cm幅の竹を2枚合わせた刃部(50cm+重なり15cm)をカシでできた柄部に白のビニールテープで千段巻きにして固定している。

白の稽古着に黒もしくは紺色の馬乗を着用することが決められている。袴の形状は剣道のものと大きく異なっている。上級者は黒地に白紋付きの上衣を着用することがある。稽古着の袖口は、競技中に相手競技者のなぎなた(切先)が入らないように、腕との隙間が広すぎないものがよいとされる。古流の天道流は袖口にゴムが入り、直心影流はゴムなしの稽古着を使用するといわれる。

防具剣道の防具に似ているが、面の面垂れが剣道のものと比べやや短い、胴の幅が狭い、垂れが短い、甲手の形状が異なる、両下腿に脛当てを着装するといった違いがある[3]

基本

構え

通常は最初左に構えるが5種類の構えは、それぞれ左右の半身どちらでも構えることができる。

中段の構え
半身に構え、元手(石突側の手)を後ろ足の付け根に置き、切先で相手の鳩尾を狙うように構える。
槍術にも通じる基本的な構えであり、攻撃にも防御にも転じやすい。
八相の構え
元手を前足側の腰骨、もう一方の手を後ろ足側の耳の横に置き、なぎなたを立てて構える。
もっとも攻撃的な構えの一つである。剣道の同名の構えと異なり、現代の試合等でも頻用される。
下段の構え
元手を後ろ足側の顔の横におき、刃筋を上向きにして前足の脛を守るように構える。
相手の中上段への攻撃はやや難しいが、相手の足元を攻めつつ自分を守る構え。
上段の構え
なぎなたを頭上にあげ、石突で相手を狙いつつ切っ先を振りかぶるように構える。
胴体や下段への防御は薄くなるが、攻撃的且つ気位のある構えである。
脇構え
両手をまっすぐ下ろし、石突で自分の正中を守りつつ相手を狙い、水平に構える。
上段への防御は弱く攻めに転ずるのにも時間がかかるが、相手から見ると攻撃の出所が見えにくく最もトリッキーでもあり、変化に応じて打突できる構えである。

体捌き

送り足歩み足開き足踏みかえ足継ぎ足などの歩法として指導される。

打突部位

(正面・側面)、小手咽喉(突き)の5か所。

突きは競技では成人にのみ許可されている。

形として胴への突き技があるが、試合競技においては禁止されている。

打突法

面・小手・脛を打突する方法として、振り上げ持ち替え振り返しの方法がある。

突き方としては直突繰り込み突きがある。

振り方

上下振り横振り斜め振り振り返しがある。

それらを連続して振ることを八方振りといい、上下振り、斜め振り(上から)、横振り、斜め振り(下から)を8呼間の場合、各4回ずつ行う。

打ち返し

振り上げて面、左右面、左右脛、間合いを取って振り上げて面の順番で行う。

基本的な打突で構成され、連続打ちの要領や間合いの取り方、体捌きなどを総合した練習として、ウォーミングアップや有効打突になるようにするための練習として行う。

全日本なぎなたの形仕掛け応じと呼ばれる演技の形の2種類がある。

仕掛け応じは二段技・三段技などの連続技、体捌き、払いや巻き落としなどの基本的な技法が盛り込まれており、繰り返し稽古をすることで正しい所作を習得する。

稽古方法

一人稽古

一人でなぎなたの操作方法や体捌きを練習すること。多くの場合姿見などに全身を写し、刃筋や姿勢が正しいか確認しながら行われる。

一対多数稽古

なぎなた独特の稽古。前に立つ一人の指揮者の号令に合わせて全員で体捌きや打突を行う。稽古前後のウォーミングアップやクーリングダウンとして行われる。

相対稽古

二人一組となって行う稽古。上述した打ち返しや仕掛け応じを行う。

防具稽古

防具を着装し、二人一組で行う。打ち返しなどの基本から地稽古、試合稽古といった実践的な稽古まで行う。

その他

もともと古流を稽古していた指導者も多く、その流派独自の形や稽古方法を取り入れている場合も少なくない。

競技

第56回全日本薙刀選手権大会の動画

優劣を競うものとして試合競技と演技競技がある。コートはいずれも一辺が12mの正方形と定められている。

試合競技

全日本なぎなた連盟の解説[4] に拠ると、防具を着装した競技者どうしの対戦により行われ、決められた制限時間の中で二本先取で勝敗を決する。防具稽古の成果を実践する場であることから、競技者間では「防具競技」「防具」と呼称されることが多い。個人試合と団体試合がある。

有効打突
面、小手、胴は物打ちでの打突のみが有効打突とされるが、脛は物打ちの他、柄での打突も有効とされる。
咽喉は切先での突きのみが有効となる。いずれの打突も気剣体一致の打突であり、残心がなければ有効とはならない。
高校生以下の試合競技においては柄脛や突き技は禁止とされている。

演技競技

合計八本ある演技の型を二人一組、しかけと応じで行う。一回の試合に行う演技は3本と決まっており、一年ごとに変わる。

高校生までは一~五本目の内の三本、それ以上は一~八本目までのうち三本を行う。

その他

リズムなぎなた

直心影流薙刀術を宗家として継承していた園部繁八によって開発された、音楽に合わせて打突や形を披露し、なぎなたの発展普及に貢献するものである。園部の回想によれば、修徳館でピアノ伴奏によるラジオ体操のリズムに合わせて薙刀の振りや突きの操作を行ったのがリズムなぎなた誕生の契機であり、やがて園部の後継者だけでなく、教師や武徳会出身者にまで伝播した[5]。教育教材としては、勝敗を決する競技とは異なり、基本を学ぶときに集団で取り組める教材として適しているとされる[5]

通常は大会や祭典などのエキシビジョンとして行われ、優劣を競うものではない。服装も規定の稽古着に制限されることはなく、内容も古流の形を取り入れたりと自由に構成することができる。

異種試合

各種武道大会などにおいて、剣道との異種試合が行われることがある。その際は脛打ちが有効とされることが多いことがある。

脚注

  1. ^ a b c d e 前畠ひとみ『「薙刀 (長刀)」から「なぎなた」へ』2006年12月20日。doi:10.18878/00001787https://doi.org/10.18878/000017872020年4月23日閲覧 
  2. ^ 榊田八重子『薙刀(古武道)の沿革と新しいなぎなたについて』1976年。doi:10.11214/budo1968.9.2_84https://doi.org/10.11214/budo1968.9.2_842020年4月23日閲覧 
  3. ^ なぎなたの服装・防具”. 公益財団法人全日本なぎなた連盟. 2020年4月23日閲覧。
  4. ^ なぎなたの見方”. 公益財団法人全日本なぎなた連盟. 2020年4月23日閲覧。
  5. ^ a b 福田啓子 (2013), 「リズムなぎなた」の発祥から伝播・発展に関する研究, 日本武道学会, doi:10.11214/budo.46.31, https://doi.org/10.11214/budo.46.31 2020年4月23日閲覧。 

参考文献

関連項目

外部リンク


なぎなた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 08:07 UTC 版)

五行の構え」の記事における「なぎなた」の解説

相手刃先向けた状態でやや上げ元手石突の手)を後ろ足付け根付近に構える。薙刀体の重心付近にあるため動きやすく、突き払い素早く出せるなど攻防バランス良い構えであり、試合開始時から中段にする選手が多い。ただし接近する使いにくいことや脛への攻撃咄嗟に払いにくいため、素早く下がるか下段移行することが多い。また膠着状態になった場合中段のまま腕を下げ水平に構え選手も多い。 真剣を用いた実戦では、相手と距離を取って攻撃しつつ半身になることで的を小さくできるなど攻防バランス良い構えであるが、前方スペースが必要で咄嗟に振り向くことが難しくなる右側中段の構え 写真右側中段の構えから振り返しで面を狙って攻撃している

※この「なぎなた」の解説は、「五行の構え」の解説の一部です。
「なぎなた」を含む「五行の構え」の記事については、「五行の構え」の概要を参照ください。

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なぎなた

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 06:07 UTC 版)

名詞

なぎなた長刀

  1. 長いの尖にをつけた、薙ぎ払うための長兵武器
  2. かな表記原則とする) 1.用いた武道一つ

発音(?)

な↗ぎなた

関連語

翻訳


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