
久しぶりの更新というのは何か”新しくて画期的な”機材を導入したとき、と相場が決まっております。
ただ今回は、”新しくて画期的”ってイメージとはちょっと違う、むしろ”新しい方向性”の機材でございます。
そう、なんと今回はLeica M2という歴史的名器を購入するに至ったのです。
もちろんフィルムのライカです。ええ、自分でもびっくりですとも(笑)。

Fujifilm X-T3
Touit 2.8/50M
ƒ/14.0 50.0 mm 2 ISO400
ACROS Warm+2
思えば、自分の中のフィルムカメラのブームというのはここ数年のうちに何度か来てました。
最初のときは”昔のフィルムカメラは安い”ということを発見して(笑)、ヤフオクでCanon A-1を購入しました。(値段は忘れましたが…)。しかし、アナログのオートAEが妙に煩雑でわかりにくく、レンズがあまりいい状態ではなかったこともありすぐに飽きて終了しました。
二度目のブームは、知人から”ゼンザブロニカ”を譲っていただいたときです。いわゆるブローニーフィルムを使う中判フィルムカメラですね。このときはブログ記事にもしました。見返すと5年前でしたね。
〜『ゼンザブロニカがやってきた』 2014年6月12日
このときはこの古い中判カメラにかなりハマりまして、しばらく夢中でした。ヤフオクで交換レンズも手に入れたりして。
しかしそのうち、重さと現像コストにめげて、最近はすっかり防湿庫にしまいっぱなしになってました。
というわけで、自分的には3度目のフィルムカメラブームでございます。しかし、前2回と違うところがあります。
今回はなんと、ちゃんとコストをかけていい状態の品物を自分で購入したこと、です(笑)。
なので、本気度合いが違うのですよ。

Apple iPhone 11 Pro Max
iPhone 11 Pro Max back dual camera 6mm f/2
ƒ/2.0 6.0 mm 1/33 250
いまウチにあるオールドカメラ達です(あ、Canon A1忘れたw)
左にあるMAMIYA6、このサイズで6x6の中判カメラなんですが、先日友人宅から引き取ってきたものです。
しかしさすがに実家のおじいちゃんが保存していたまんまの状態では劣化が激しく、ファインダーのくもり、レンズ後玉のカビもあり、レンズシャッター機構などもオーバーホールが必要な状態でして、いま使えるものではありませんでした。
しかしレンズ前玉やレンズの蛇腹などはキレイな状態なので、そのうちキレイに手入れして使えるようにしたいなあと思っています。
まあ、これに関しては本題ではありませんので……(笑)

Fujifilm X-T3
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0 mm 1sec ISO400
ACROS Warm+2
というわけで、ライカM2ですよ。
もちろん、ワタシも人並みにライカに対する憧れはありました。現代のデジタルライカの法外な価格には思うことはありますが、フィルムライカに関してはずっと欲しいと思ってましたね。特にライカMシリーズの始祖たるライカM3とその普及版たるM2に関しては、やはり別格のレジェンドとしてリスペクトしておりました。
バルナックタイプによって、35mmフィルムカメラという世間一般にイメージする”カメラ”の形を作り上げたライカですが、真に35mmフィルムカメラが一般に普及したのは、やはりM型ライカによってです。戦後10年ほどたったあの時代、ドイツと日本という敗戦国、枢軸国によってカメラという道具が作り出されたのが面白い事実ですよね。
(実際は、ドイツがライカというレンジファインダーカメラで先行し、後を追う日本が一眼レフカメラによってシェアを逆転したというストーリーがあったわけですが)
そんなカメラの歴史ですが、ワタシが手にしているこのライカM2もまさに歴史的な逸品でして、なんと1965年製です。
なのに全くキズもなくピカピカのミントコンディション。オーナーたるワタシが1964年製でもうかなりガタが来ているのとは対照的です(笑)。
ちなみにレンズはさらに古くて、1955年製のライカズミクロン50mmF2です。しかしこれも奇跡的なミントコンディションで、前玉にうっすらとした磨きキズが見られるくらいで、使用するには全く問題のない極上品です。
Mマウントの沈胴式ズミクロン50は2年ほどしか製造されていないそうですが、やはりオールドライカには沈胴式レンズが似合うんじゃないかと……まずは標準画角として50mmから、ですしね。

Apple iPhone 11 Pro Max
iPhone 11 Pro Max back triple camera 4.25mm f/1.8
ƒ/1.8 4.2 mm 1/50 ISO200
ズミクロンの絞り羽根……美しいですね(笑)。
X-T3で試写してみましたが、現代のデジカメに装着しても全く問題のない写りです。もちろん逆光にはフレアが出ますが、それも含めて普通に工夫しながら楽しんで使えるレンズだと思いました。
このレベルのレンズが、コンピュータもなかった65年前に作られていたこと、驚くべきことです。
が、しかし、ズミクロンに関しましてはまた後日、作例など見ていただきたいと思います。
今日についてはあくまでM2のお話、でございます(笑)。

Fujifilm X-T3
Touit 2.8/50M
ƒ/3.2 50.0 mm 1/20 ISO400
ACROS Warm+2
実はワタシ、当然のように来月発売開始される新しい富士フイルムX-Pro3の予約をしておりました。
まあ、DRブラックモデルだとして、予算は23諭吉……だとしたらアレとアレとアレを処分すれば資金はできるな、と。普通に資金繰りの予定も立てておったのですよ。
そんな折り、ずっと訪れてみたいと思っていた吉祥寺の新しいお店、クラシックカメラを扱っているORLAYA CAMERA(オルレアカメラ)さんに行ってみたのですよ。
そこで出会ったのが、この極上コンディションのライカM2だったのです。
どうやら、前オーナーさんはライカコレクターで、カメラをほとんど使用しないで飾ってあったんだそうです。53年間も!
なので、今回販売されるにあたって専門家にメンテナンスに出しても、経年で劣化する消耗部品以外は全く手を入れる必要がなかったそうです。
半世紀の間眠っていたライカ、ピカピカの新品同様の伝説のライカM2を手にしたとたん、ワタシは迷わず購入を宣言しその場で内金を入れたのでした(笑)。
幸いなことに、オルレアカメラさんが良心的な価格で譲ってくれたおかげで、X-Pro3を購入するより安く、M2とズミクロン50のセットを購入することができました。一時期より価格が上がっているとはいえ、かつては「ライカ1台家1軒」と言われたフィルムライカも我々に手が届く価格で購入することができるのです。
ワタシのように、お気に入りのデジタルカメラも3年経てば陳腐化する、そんな現状にうんざりしてる方は、もう一度フィルムカメラに目を向けてみるのもいいかもしれません。
もちろん、ワタシはフィルムとデジタルを融合させたカメラライフを目指したいと思っております。んがしかし、まずはフィルムカメラという新しい世界を本気で手なずけるところから始めなければなりません。
なんせほとんどフィルムカメラの経験のない、完全デジタルネイティブなカメラマンです。
55歳の新しい挑戦、というわけです(笑)。
おっかなびっくり、四苦八苦しながらしかしかなりワクワクしている最近のワタシなのでした。

Apple iPhone 11 Pro Max
iPhone 11 Pro Max back dual camera 6mm f/2
ƒ/2.0 6.0 mm 1/122 ISO100
コメント
X-pro3を購入されると思っていたので、レビューを楽しみにしていたのですが、まさかのフィルムライカ!!
スゴいの一言です(笑)
私も写ルンですしかフィルムカメラを使ったことが無いので、フィルムカメラの撮影感覚・味わいをレビューして頂けると嬉しいです。
>太郎さん
ワタシ自身もびっくりですw
でもずっと前からあったのですよ。ライカへのあこがれや、フィルムカメラと真剣に向き合ったことがないことのコンプレックスや、新製品ごとに当然のようにお布施を強いられるデジタルカメラ業界のことや…w
それらが今回の出会いによって一気に吹き出したってカンジでしょうか。
もちろん、そんな遠くない将来、X-Pro3は購入すると思いますけどねw まずはフィルムライカとじっくり向き合ってみたいと思っております。