ずいぶんごぶさたになってしまいましたが、動画コンテンツ『写真屋放言』を更新いたしました。
早いものでもう13回目です。
今回は撮影システムをフジのXシリーズに1本化したお話です。
iPhone6s
メンテナンスに出していたX-T1も戻ってきまして、めでたくX-Pro2との2台持ち体勢となった今日この頃でございます。
…と思ったら花粉の大襲来に負けまして(今年の花粉はキッついですね)半病人のような状態で過ごすこともしばしば。晴れた空を恨めしく見上げながら家に引きこもってることも多かった今年の春でございますが、それでもアレグラを飲んで(笑)がんばって撮影に出かけております。
そうそう、上の写真でご覧いただけるように、X2台持ちとなった記念に、カメラストラップも新調いたしました。マップカメラで取り扱っている「蔵(CURA)」という国産の革製品メーカーのストラップを見つけまして、半額セールだったことをいいことに色違いで2台分購入いたしました。
Xシリーズはストラップ取り付け部が一眼レフのようなスリット式の金具じゃなくて、ライカのようなリング式なんですね。(ペンタKシリーズもそうですね) 現在主流のナイロンテープ式のカメラストラップがどうしても好きじゃなかった(取り付けにくい、クルクル回ってねじれる…)んですが、CURAの革ストラップはリング式なんですね。同様の方式はアルチザン&アーティストやライカ純正など一部のメーカーでは作ってますが、やはりなかなか少数派で。CURAの製品を見つけたのはラッキーでした。しかもちゃんと本革で、ブラックとブラウンもいいカンジです。
現在、ブラックをT1に、ブラウンをPro2に装着しております。
さて、そんなこんなで最近の撮影でございますが、XF100-400mmは一段ほど絞ったほうがシャープだということがわかりまして、このところずっとF7.1〜F8くらいで撮影しております。さらに鮮明な野鳥の画像が得られるようになりまして、ますますご機嫌に撮影しております(笑)。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/8.0 400.0 mm 1/1250 ISO250 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/8.0 400.0 mm 1/1000 ISO640 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 400.0 mm 1/2000 ISO640 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 400.0 mm 1/250 ISO5000 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 280.4 mm 1/1600 ISO2000 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 400.0 mm 1/500 ISO640 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 400.0 mm 1/2500 ISO400 Flash (off, did not fire)
以上の写真は全てJPG撮って出し。Lightroomに取り込んで露出の微調整とトリミングくらいは行いますが、もうRAW現像はしなくなりました。だってRAW+JPGで現像して比べてみても、フィルムシミュレーションのJPGに勝てないですもん(笑)。
じゃあそれで撮影がイージーになったかというとそうでもありません。JPG撮って出しで完結するためには、撮影前にカメラの設定(フィルムシミュレーションの選択と、それに伴うシャドーやハイライトのトーン調整など)をしっかりする必要があるからです。撮影時の露出の設定もさらにシビアですし、現場で考えることは逆に増えてるわけですが、それはもうのぞむところ、ですからね。
超望遠レンズも含めてカメラ2台、レンズ4本をドンケF2ひとつで出かけられますし、フジに乗り換えてホントによかったと思う今日この頃でございます。
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1DXは手放しちゃったわけですからね。鳥撮りもスナップもX-Pro2だけです。
そこで、2週間使ってみた感想など、改めて書いてみようと思います。前回のファーストインプレッションとちょっと被る部分はありますが、お付き合いください。
正直、1DXを手放すのは迷いがありました。組み合わせて使っていたSIGMA150-600mmSportsはいいレンズでまったく不満はありませんでしたし(重さ以外)、ファームアップの話もありましたしね。AFがさらに高速化するファームアップなんて言われると心が揺らぎます。
しかし、X-Pro2の出来の良さに感動し、フルサイズから完全に富士フイルムのみに移行してみて、いまのところ後悔はありません。
それどころか、ますます撮影が楽しいですね(笑)。
もちろん、鳥撮りにおいてはAF性能にイラっとくることは多いです。たとえばこんな場面ですね。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 406.8 mm 1/500 ISO2000 Flash (off, did not fire)
たびたび申し上げてますが、AFの空抜けです。このような、空中の枝に止まったエナガなどは、1点AFでもどーしても一発で合焦しません。
動きの速いエナガがいい場所に来てくれたチャンスに空抜けが起きると思わず声が出ますね。一瞬カメラをぶん投げたくなります。
しかし、富士フイルムなら今後のファームアップできっと修正してくれることでしょう(笑)。期待して待つことにして、それまではだましだまし使いつつ、たまにブログで訴えていくことにしましょう(笑)。
AFの空抜け、なんとかしてください!とね。
ご覧のように、決まれば画質はばっちりですからね。
動物園撮影にもチャレンジしてみました。ゴールデンターキンのような金網のない状態で飼育されている動物なら、結果はもうばっちりです。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 280.4 mm 1/320 ISO400 Flash (off, did not fire)
金網の近くを歩くユキヒョウでは、苦労するかと思いきや、意外にもAFはそれほど迷いませんでした。
まあ大口径の100-400mmレンズですから、金網は近すぎて合焦できないという事情はありますけどね。
AF-Cもよく追いかけてくれます。このあたりはT1より進歩してる部分ではないでしょうか。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0 mm 1/640 ISO1000 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 290.6 mm 1/640 ISO400 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 290.6 mm 1/640 ISO640 Flash (off, did not fire)
ACROSモードを使ったモノクロスナップも楽しいです。何気ない日常がドラマになります。
Fujifilm X-Pro2
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
ƒ/2.8 18.0 mm 1/125 ISO1600 Flash (off, did not fire)
XF60mmマクロもスナップに重宝します。AFもスパッと素早く合焦します。60mmマクロのAFが遅いなんて誰が言ったんでしょう?(笑)
おそらくはこれもX-Pro2のおかげなんでしょうね。
Fujifilm X-Pro2
XF60mmF2.4 R Macro
ƒ/4.0 60.0 mm 1/125 ISO200 Flash (off, did not fire)
細かい木の枝が遠景にありますが、恐ろしく解像してます。
D810に負けないなんてレビューがありましたが、密集した木の枝がこれだけ描写されているのを見ると、それもあながち大げさではないかもと思えます。
Fujifilm X-Pro2
XF60mmF2.4 R Macro
ƒ/5.6 60.0 mm 1/250 ISO1600 Flash (off, did not fire)
Fujifilm X-Pro2
XF60mmF2.4 R Macro
ƒ/5.6 60.0 mm 1/250 ISO1000 Flash (off, did not fire)
ちなみに、上3枚のスクエアサイズスナップは、ハイブリッドマルチビューファインダーのOVFのみで撮影してみました。
いままで一眼レフだけでやってきたので、ライカなどのレンジファインダーの経験はありませんでしたが、新鮮で楽しいですね。
レンズを通した画像をファインダーで見ることができる一眼レフに比べて、レンジファインダーは素通しの窓です。被写界深度どころかレンズの画角すら反映されません。
しかし、X-Pro2のハイブリッドマルチビューファインダーは、OVF状態でも様々な手段で撮影を助けてくれるデジタルなシステムです。これが非常によくできてるんですね。
ファインダーの中の出来事をiPhoneで撮影して簡単な動画を作ってみたので、ご覧ください。
(フレーム枠が正方形なのはうっかりアスペクト比をスクエア設定のままで撮影してしまったためです)
一眼レフで育ってきた俺のようなデジタル世代には実に新鮮な光景です(笑)。フレームの中にレンズが写り込んじゃうんですから!
右下にレンズによる死角ができるのはどうしようもない構造的な問題ですから、そういうもんだと割りきるしかないですよね。
レンズを交換してもファインダーの中の光景に変化がないのもそういうもんです。レンジファインダーなんだから仕方ない。
そのかわり、デジタルの仕組みで、今装着してるレンズの画角は枠で表してくれます。見えてる中で、ここを切り取ってるんだ、とすぐわかります。でも枠の外が見えるのってけっこう便利です。枠の外で起きてることは、次の瞬間には枠の中に入り込んでくるものかもしれませんしね。
昔から頑固なライカ派、レンジファインダー派の人たちがいることは知ってましたが、なるほどこういう世界を愛するのは分かる気がする、と思いましたね。もちろん、フィルム時代のレンジファインダーはこんな便利なものはないですし、苦労があったことは想像に難くないですが、その分楽しいんだろうなあとは思えます。
デジタルの時代になって、その楽しさを、ネガな部分をテクノロジーで補いつつ味わえるというのは、世界で富士フイルムだけが提案するカメラの世界です。こういうのって、やっぱりニッチなんだろうなあとは思いつつ、もう少し一般的にも知られてもいいんじゃないかと思いますよね。
そんな新しい世界も含めて、いまのところX-Pro2に大変満足しているのでした。カメラ天板に早速小さな傷がついちゃったのはちょっとショックですけどね……(笑)。
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iPhone6s
もう数日経ちましたが、とうとうCanon 1DXを下取りに出しまして、FUJIFILM X-Pro2がやってきました。
これで完全にFUJIFILMメインのカメラマンになったわけです。
いやあ、まさか2年半でここまでフジに染まってしまうとは、俺も思いませんでした(笑)。
上の写真は、XF100-400mm、XF50-140mm、XF90mm、XF60mmマクロ(Pro2と一緒に購入です)、XF10-24mm、XF18-55mmとなってます。このほかに、オーバーホールに出してるX-T1、XF35mmとサブのX-M1もあるわけで、いつの間にかレンズ7本、ボディ3台と成ってます。
iPhone6s
さて、X-Pro2です。
従来の1600万画素で統一のX-Tranceセンサーから、とうとう2400万画素のX-Trance CMOS IIIとなって、現代風の高画素APS-C機となりました。2400万画素というとフルサイズで言うところの5000万画素以上の世界です。
まあ、画素数が上がるのは画面サイズも大きくなって、トリミング耐性も上がるってことで歓迎ですが、高感度には弱くなったりしますね。しかしフジはもともとノイズの処理が優秀で、APS-Cではピカイチの高感度耐性を誇ります。
X-Pro2になってもX-T1と同等の高感度が使えるということで、まずは一安心。
iPhone6s
まあ、そんなスペック的なことより、手にして実感したことは、X-T1に比べて格段に上がった本体の質感です。
T1だと各ボタンの押し具合、リングの回した感触などに「まあ仕方ないよな、こんな感じで」といったエクスキューズがあったように思います。実際十字キーの密かな仕様変更(笑)などがあったりして、まだまだ富士フイルムとしても経験値が足りなかったんでしょう。
それが今回、見違えるほどの質感向上を遂げています。
中でもT1で一番嫌いだった前面にあるAFモードダイヤル(SCMのダイヤルです)が、格段にしっかりとした感触になっています。T1ではスカスカで、中間のAF-Cできちんと止まらないことがあったんですが、今回はコクッとしっかり止まります。
本当はもっと大きめのしっかりとしたダイヤルにして欲しいと思ってたんですが、まあこれならオーケー、ってところでしょうか。
今回のウリであるシャッタースピードとISOの一体となったダイヤルも、確かに古いフイルムカメラの時みたいで味がありますが、正直なところちょっと微妙な気がします(笑)。持ち上げて回す、というギミックの耐久性に疑問が…持ち上げきれないで回してしまうと、ギアをなめてしまいそうで怖いです。
この部分に関しては、慌てずじっくり操作する必要がありそうですね。でも、好きか嫌いかで言ったら、好きです(笑)。
もうひとつ、特筆すべきはシャッターフィーリングです。一眼レフのようなミラーが落ちる感触こそありませんが、小気味よくカシャっと決まります。今回新しくメカニカルで1/8000までのシャッターが切れるようになっていますが、その新いシャッターユニットが秀逸な感触なんですね。これは素晴らしいです。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0 mm 1/2500 ISO5000 Flash (off, did not fire)
さて、では作例を。こちらは購入して次の日に撮りに行った善福寺公園のジョウビタキくん。木の枝の間から見える瞳にきっちりフォーカスが来てますね。確か撮って出しのPROVIAだったと思います。
ISOは5000まで上がってますが、さすがのノイズリダクションですね。NRの調整値は、T1ではプラスマイナス2までだったんですが、今回プラスマイナス4まで調整できるようになりました。
ただ、初回に気をつけなきゃいけないのが、デフォルトのフォーカスモードはレリーズ優先になってるんですよね。こういった小鳥の撮影だと、動きの速い小鳥にフォーカスを一瞬で合わせて撮る必要があるわけで、その時にレリーズ優先だとフォーカスが合いきってなくてもシャッターが切れてしまいますから、持ち帰ってみるとイマイチピン甘、となってしまう可能性があります。(特に連写)
ここは忘れずに、フォーカス優先に設定しておく必要があると思います。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 270.6 mm 1/640 ISO5000 Flash (off, did not fire)
明治神宮に初めて行きまして、アオジを撮りました。明治神宮の鳥達はどうも人に警戒心が薄いようで、すぐ1mくらいの傍まで来ました。XF100-400mmは最短1.75mmですから、だいぶのけぞって撮りましたね(笑)。
これも撮って出しのPROVIA、フォーカスはバッチリ、ガチピンでございます。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0 mm 1/500 ISO800 Flash (off, did not fire)
もう1枚明治神宮で、ヤマガラもすぐ近くまで来てくれました。ISO800なら、ノイズの気配もありません。
ちなみにX-Pro2のウリである「アドバンスドハイブリッドマルチビューファインダー」、要はEVF-OVF切り替えレンジファインダーなんですが、カメラの左肩にファインダーがある関係上、100-400mmのような望遠レンズだとレンズの光軸から視線がずれます。EVFでも慣れないと若干の違和感はありますね。
もちろん、400mmではOVFは使えません。OVFが使えるのは140mmまでです。
ちなみにOVFではレンジファインダーですから、ファインダーは素通しでレンズの画角が白い枠で表されます。望遠になるにつれ、白い枠がどんどん小さくなっていくわけです。ズームレンズではズームリングの動きに合わせて白い枠の大きさが変わって面白い(笑)。
そしてもちろん近い距離の被写体だと、パララックス(視差)はかなり大きいです。X-Pro2では自動パララックス補正機能があって、シャッター半押しすると枠が動いてズレを補正してくれるんですが、それでもまだちょっとズレがあります。その辺は慣れと割り切りが必要かと。用途に応じてEVFと使い分けが必要ですね。
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0 mm 1/400 ISO1250 Flash (off, did not fire)
もう1枚ヤマガラを。こういった縦位置の動物や人物撮影だと、顔の位置にフォーカスポイントを持ってくる必要があります。そこで今回から新採用になった背面フォーカスレバーです。Canonの1D、5Dクラスだとこういったコントローラーがあったんですが、まさかのフジ機に採用とは。嬉しい限りです。しかもレバー押し込みでポイントが中央に戻る仕組みも同じ。これがあるとないでは大違い。これがあるだけでT1に戻れなくなりそうです。
あとできるならば、縦位置横位置のフォーカス位置設定を記憶してくれるとベストです。この辺、ファームアップで対応してくれませんかね?
Fujifilm X-Pro2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/7.1 100.0 mm 1/500 ISO5000 Flash (off, did not fire)
さて、今回X-Pro2のもう一つのウリ(ウリ多いな(笑))が、新しいモノクロモード「ACROS」でしょう。
超微粒子で知られる白黒フィルム「ACROS」の名を冠した新フィルムシミュレーション。より滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現が特徴。一般的な白黒モードとは一線を画する超高画質な黒白写真表現が可能です。
というACROSモードで撮ったのが上の写真。今回はまだあまり作例を撮ってないのでこの程度なのですが、なんせ中間の階調が豊かという印象。とても味わい深く美しいモノクロモードで、人物を撮ると抜群にかっこいい写真になります。
ぜひこれでポートレートを撮ってみたいです。そうしたらまたそれで記事にしたいですね。
というわけで、長々とやってきましたが、今回のX-Pro2、富士フイルムのXシリーズがまたひとつ、新しいステージに上がったと思わせる素晴らしいカメラです。1DXをドナドナしても惜しくないと思わせてくれる期待以上の仕上がり。これから長いことエースとして活躍してくれるでしょうカメラでございました。
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