Scott Colley / Initial Wisdom
Label: Palmetto Records
Rec. Date: Dec. 2001
Personnel: Ravi Coltrane (ts, ss), Adam Rogers (g), Scott Colley (b), Bill Stewart (ds)
1. The Susser [Colley]
2. Scorpios [Colley]
3. Far Rockaway [Colley]
4. Alpha [Ornette Coleman]
5. Trip [Colley]
6. Trouble in Paradise [Colley]
7. Barracudas [Miles Davis, Gil Evans]
8. Eccentric Circles [Colley]
9. Rubber Clock [Brian Camelio]
Chris Potter参加のピアノレストリオの編成だった「Scott Colley / This Place」の4年後、2001年録音のScott Colleyのリーダーアルバムです。
ドラムは上記と同じBill Stewart、サックスがChris PotterからRavi Coltraneに交代、それにAdam Rogersのギターが加わる4人編成です。
演奏される楽曲はOrnette Colemanの4曲目"Alpha"、Miles Davis - Gil Evansの7曲目"Barracudas"、それに9曲目以外はリーダーのオリジナルです。
Scott Colleyは「堅実なリズム」「正しい音程」「大きい音量」~ベーシストであれば全て持ち合わせていなければならない三つの要素~のバランスが実によく取れたベーシストだと私は思っていますが、有名なベーシストでも意外に「アレッ」と思ってしまうようなことがないわけではありません。例えば「有名どころ」ではRon CarterやCharlie Hadenの「やばい音程」、Eddie Gomezの「蚊が飛んでいるように」聴こえるかぼそい音・・・さすがにリズム感がやばい有名ベーシストはすぐには思いつきませんが。
「This Place」と違って和声楽器であるギターがいますので、Scott Colleyは上記の三つの要素に加えて、というか「堅実なリズム」の延長線上で、意識的にバンドのサウンドに「スペース」を設けようとして弾いているように聴こえます。このあたりを上手く文章にする力はありませんが、他の三人のプレイヤーが「動きやすい」スペースを意識的に設けている、と言うのでしょうか。特に贔屓のBill Stewartはそのスペースを上手に使って、彼にしてはいつもよりヘヴィーなドラミングを聴かせ、さらにそこにやり手のAdam Rogersが個性的なプレイで絡んでくる・・・このスリリングなリズム陣がこのアルバムの大きな特徴だと思います。
またこのアルバムでは、9曲目を除いて全編にわたってRavi Coltraneのテナーとソプラノが大きくフィーチャーされます。彼が参加した1997年録音の「Cindy Blackman / In the Now」から4年後、大きく成長した姿を見せてくれ、こちらも嬉しい限りです。特にギターが抜けてピアノレストリオで演奏されるOrnetteの4曲目やMiles - Gilの7曲目でのテナー、ソプラノが素晴らしい6曲目など、このアルバムでの彼のプレイは「深み」を感じさせ、なかなか聴かせます。ちなみに7曲目"Barracudas"は「Wayne Shorter / Etcetera(1965年録音、Blue Note)」に収録されていましたね。
最後になりますが、冒頭曲と終曲での「モロ」8ビートのBill Stewartのドラムにも痺れます。Bill Stewartのキャリア最初期、JB'sのMaceo ParkerやFred Wesleyのアルバムで聴かれた彼の小気味の良い8ビートのプレイを思い出します。
もう15年以上も前の録音ですが、今でも、このアルバムでのRavi Coltraneのプレイは、彼のベスト・パフォーマンスのひとつであると私は思っています。リズム陣も理想的ですし、メンバー全員の実力が充分に発揮されたアルバムです。
Rec. Date: Dec. 2001
Personnel: Ravi Coltrane (ts, ss), Adam Rogers (g), Scott Colley (b), Bill Stewart (ds)
1. The Susser [Colley]
2. Scorpios [Colley]
3. Far Rockaway [Colley]
4. Alpha [Ornette Coleman]
5. Trip [Colley]
6. Trouble in Paradise [Colley]
7. Barracudas [Miles Davis, Gil Evans]
8. Eccentric Circles [Colley]
9. Rubber Clock [Brian Camelio]
Chris Potter参加のピアノレストリオの編成だった「Scott Colley / This Place」の4年後、2001年録音のScott Colleyのリーダーアルバムです。
ドラムは上記と同じBill Stewart、サックスがChris PotterからRavi Coltraneに交代、それにAdam Rogersのギターが加わる4人編成です。
演奏される楽曲はOrnette Colemanの4曲目"Alpha"、Miles Davis - Gil Evansの7曲目"Barracudas"、それに9曲目以外はリーダーのオリジナルです。
Scott Colleyは「堅実なリズム」「正しい音程」「大きい音量」~ベーシストであれば全て持ち合わせていなければならない三つの要素~のバランスが実によく取れたベーシストだと私は思っていますが、有名なベーシストでも意外に「アレッ」と思ってしまうようなことがないわけではありません。例えば「有名どころ」ではRon CarterやCharlie Hadenの「やばい音程」、Eddie Gomezの「蚊が飛んでいるように」聴こえるかぼそい音・・・さすがにリズム感がやばい有名ベーシストはすぐには思いつきませんが。
「This Place」と違って和声楽器であるギターがいますので、Scott Colleyは上記の三つの要素に加えて、というか「堅実なリズム」の延長線上で、意識的にバンドのサウンドに「スペース」を設けようとして弾いているように聴こえます。このあたりを上手く文章にする力はありませんが、他の三人のプレイヤーが「動きやすい」スペースを意識的に設けている、と言うのでしょうか。特に贔屓のBill Stewartはそのスペースを上手に使って、彼にしてはいつもよりヘヴィーなドラミングを聴かせ、さらにそこにやり手のAdam Rogersが個性的なプレイで絡んでくる・・・このスリリングなリズム陣がこのアルバムの大きな特徴だと思います。
またこのアルバムでは、9曲目を除いて全編にわたってRavi Coltraneのテナーとソプラノが大きくフィーチャーされます。彼が参加した1997年録音の「Cindy Blackman / In the Now」から4年後、大きく成長した姿を見せてくれ、こちらも嬉しい限りです。特にギターが抜けてピアノレストリオで演奏されるOrnetteの4曲目やMiles - Gilの7曲目でのテナー、ソプラノが素晴らしい6曲目など、このアルバムでの彼のプレイは「深み」を感じさせ、なかなか聴かせます。ちなみに7曲目"Barracudas"は「Wayne Shorter / Etcetera(1965年録音、Blue Note)」に収録されていましたね。
最後になりますが、冒頭曲と終曲での「モロ」8ビートのBill Stewartのドラムにも痺れます。Bill Stewartのキャリア最初期、JB'sのMaceo ParkerやFred Wesleyのアルバムで聴かれた彼の小気味の良い8ビートのプレイを思い出します。
もう15年以上も前の録音ですが、今でも、このアルバムでのRavi Coltraneのプレイは、彼のベスト・パフォーマンスのひとつであると私は思っています。リズム陣も理想的ですし、メンバー全員の実力が充分に発揮されたアルバムです。