Carlos De Rosa's Cross-Fade / Brain Dance
Label: Cuneiform Records
Rec. Date: Feb. 2009
Personnel: Mark Shim (ts), Vijay Iyer (p, elp), Carlos De Rosa (b, elb), Justin Brown (ds)
1. Circular Woes
2. For Otto
3. Maja
4. Headbanger's Bawl
5. Brain Dance
6. Terrane / A Phrase
7. Route 17
「Michele Rosewoman / The In Side Out」の記事で「最近のサイドマンとして参加したレコーディングでは、よりパワーアップしています。」と記したテナーサックス奏者Mark Shim参加アルバムのうちの一枚です(とは言っても、もう7年前のアルバムになりますが・・・)。
リーダーで初対面のベーシストCarlos De Rosaはwikiによると1970年生まれ、彼のHPには「New Yorkに来てから」からの記述しかなく、出自は(少なくとも私の情報収集力では)不明です。また、彼のHPには本作を含めて彼が参加した32枚のアルバムが掲載されており、私は全て未聴ですが名前を知っているところではAri Ambrose、Luis Perdomo、Samo Salamon、Rudresh Mahanthappaのアルバムに参加しているようです。ピアノはVijay Iyer・・・売れっ子ですね。彼の熱心なリスナーではありませんが、この10年ほどでしょうか、あれだけたくさんのアルバムをリリースしているので、さすがに何枚かは聴いています。ドラムのJustin Brownは2012年モンク・コンペティションのファイナリストとのことです。なおこの4人の共演というのは、私の知る限りでは本作が唯一です。
取り上げられた楽曲は全てリーダーのオリジナルです。非4ビート主体で変拍子を多用し、やはりM-Baseの流れを汲むメカニカルな現代ハードバップといったサウンドです。このブログで扱うアルバムには「M-Base」やら「メカニカル」云々といった表現がたびたび出てきますが、個人的にはこの手のサウンドには正直弱い(「弱い」=「好物」、念のため)ところです。
ベーシストのリーダーアルバムだけあって、ベースの露出は多いのですが、このような癖のあるサウンドのわりには、リーダーのプレイそのものはけっこうオーソドックスに聴こえます。特にアコースティック・ベースでの早いパッセージのソロを聴くと、ベース奏者としてしっかりとした技術の持ち主であることがよくわかります。ベースが全体のビートを堅実に支えて、一方のドラムは手数の多いショットを繰り出し、そのリズムに乗ってテナーとピアノが変態ソロを聴かせる・・・乱暴に言うとこんな構図のサウンドです。このアルバムでのベースとドラムのコンビネーションというか役割分担はうまくハマっていると思います。
お目当てのMark Shimはくすんだダークな音色で、細かく上下する息の長いフレーズを吹ききる個性全開のプレイで、このアルバムでの彼は好調そのものです。Vijay Iyerもいつもどおりの一筋縄ではいかない変態プレイで、この人のリズムの捉え方というかリズムの乗り方は、こういうサウンドにはピッタリだと思います。
Mark Shimの参加が唯一の理由で手に入れたアルバムでしたが、期待を裏切らない出来に大満足でした。初対面のミュージシャンのアルバムが大当たりというのは単純に嬉しいものです。
Rec. Date: Feb. 2009
Personnel: Mark Shim (ts), Vijay Iyer (p, elp), Carlos De Rosa (b, elb), Justin Brown (ds)
1. Circular Woes
2. For Otto
3. Maja
4. Headbanger's Bawl
5. Brain Dance
6. Terrane / A Phrase
7. Route 17
「Michele Rosewoman / The In Side Out」の記事で「最近のサイドマンとして参加したレコーディングでは、よりパワーアップしています。」と記したテナーサックス奏者Mark Shim参加アルバムのうちの一枚です(とは言っても、もう7年前のアルバムになりますが・・・)。
リーダーで初対面のベーシストCarlos De Rosaはwikiによると1970年生まれ、彼のHPには「New Yorkに来てから」からの記述しかなく、出自は(少なくとも私の情報収集力では)不明です。また、彼のHPには本作を含めて彼が参加した32枚のアルバムが掲載されており、私は全て未聴ですが名前を知っているところではAri Ambrose、Luis Perdomo、Samo Salamon、Rudresh Mahanthappaのアルバムに参加しているようです。ピアノはVijay Iyer・・・売れっ子ですね。彼の熱心なリスナーではありませんが、この10年ほどでしょうか、あれだけたくさんのアルバムをリリースしているので、さすがに何枚かは聴いています。ドラムのJustin Brownは2012年モンク・コンペティションのファイナリストとのことです。なおこの4人の共演というのは、私の知る限りでは本作が唯一です。
取り上げられた楽曲は全てリーダーのオリジナルです。非4ビート主体で変拍子を多用し、やはりM-Baseの流れを汲むメカニカルな現代ハードバップといったサウンドです。このブログで扱うアルバムには「M-Base」やら「メカニカル」云々といった表現がたびたび出てきますが、個人的にはこの手のサウンドには正直弱い(「弱い」=「好物」、念のため)ところです。
ベーシストのリーダーアルバムだけあって、ベースの露出は多いのですが、このような癖のあるサウンドのわりには、リーダーのプレイそのものはけっこうオーソドックスに聴こえます。特にアコースティック・ベースでの早いパッセージのソロを聴くと、ベース奏者としてしっかりとした技術の持ち主であることがよくわかります。ベースが全体のビートを堅実に支えて、一方のドラムは手数の多いショットを繰り出し、そのリズムに乗ってテナーとピアノが変態ソロを聴かせる・・・乱暴に言うとこんな構図のサウンドです。このアルバムでのベースとドラムのコンビネーションというか役割分担はうまくハマっていると思います。
お目当てのMark Shimはくすんだダークな音色で、細かく上下する息の長いフレーズを吹ききる個性全開のプレイで、このアルバムでの彼は好調そのものです。Vijay Iyerもいつもどおりの一筋縄ではいかない変態プレイで、この人のリズムの捉え方というかリズムの乗り方は、こういうサウンドにはピッタリだと思います。
Mark Shimの参加が唯一の理由で手に入れたアルバムでしたが、期待を裏切らない出来に大満足でした。初対面のミュージシャンのアルバムが大当たりというのは単純に嬉しいものです。