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Michele Rosewoman / The In Side Out

Label: Advance Dance Disques
Rec. Date: Sept. 2005
Personnel: Michele Rosewoman (p, kyb, vo), Mark Shim (ts, midi wind controller), Miguel Zenon (as, ss), Brad Jones (b, elb), Derrek Phillips (ds), David Fiuczynski (g) [2, 4, 5, 8, 9, 11], Josh Roseman (tb) [1, 7], Olu Femi Mitchell (vo) [6], Pedro Pablo Martinez (per, vo) [6, 8]
Rosewoman Michele_200509_In side Out 
1. Cuerpolarity [Rosewoman]
2. Warm [Rosewoman]
3. Link [Rosewoman]
4. Guapo [Rosewoman]
5. Guapo Remix [Rosewoman]
6. Eshu Laroye [Rosewoman]
7. With You in Mind (for Duke) [Rosewoman]
8. The ER [Rosewoman]
9. The Fineness Of [Rosewoman]
10. Advance Dance [Rosewoman]
11. Life is for Learning [Marvin Gaye]

 女流ピアニストMichele Rosewoman(1953年西海岸生まれ)のアルバムです。
 主なメンバーはテナーのMark Shim、アルト・ソプラノのMiguel Zenon、6曲に参加するギターのDavid Fiuczynski、ベースのBrad Jonesなどです。
 リーダーのMicheleは1980年代末にお互いのリーダーアルバムでGreg Osbyと共演歴のあるM-Base一派出身のミュージシャンで、本作はQuintessenceというユニット名義の5作目にあたるアルバムです。

 アルバム全体として、非4ビートの変拍子を多用し、M-Baseらしい「メカニカル」なサウンドが基本となっています。本作は2005年録音ですが、1980年代後半から一貫してMicheleのサウンドづくりのスタンスはブレないですね。ただし6曲目はパーカッションやヴォーカルが入るアフリカン・テイスト、9曲目は懐かしのファンキー・テイスト(?)、ラストはリーダーのヴォーカルも聴けるMarvin Gayeの曲を取り上げるなど、少々薬味を加えています。

 リーダーは曲によってエレクトリックとアコースティックピアノをうまく使い分けて、いずれもいつもどおりの強面で攻撃的なプレイを聴かせてくれます。私が好んで聴く女流ピアニスト、例えばJoanne Brackeen、Geri Allen、Myra Melford・・・どうもゴリゴリに攻めてくる御姐さんが多いようです。
 Mark ShimもやはりM-Base周辺のテナー奏者で、1990年代後半にBlue Noteから出た2枚のリーダーアルバム、すなわち「Mind Over Matter(1997)」、「Turbulent Flow(1999)」は印象に残っています。後者で"Recorda-Me"(Joe Hendersonの「Page One」収録曲)を取り上げているように、彼の音色やフレージングには、間違いなく彼のアイドルであろうJoe Hendersonの強い影響が感じられます。本作では3、4、6、8、10曲目で彼らしい個性的なソロ~Joe Hendersonをベースに、彼なりの「抽象化(?)」を経て確立した個性とでも言えばよいのでしょうか~を披露します。上記Blue Noteのアルバム以降、リーダー作を出していませんが、最近のサイドマンとして参加したレコーディングでは、よりパワーアップしています。
 もうひとり、6曲に参加するギタリストのDavid Fiuczynskiがこのアルバムでは大活躍で、特に4、8曲目では鋭くこれまた攻撃的なプレイを聴かせます。この人は一体何がやりたいのだろうと首を傾げたくなるようなリーダーアルバムがあったりして、私にとってはどうも正体不明ですが、このアルバムでのプレイはOKです。Mark ShimとDavid Fiuczynskiがキレている8曲目がベストトラックでしょう。
 一方Miguel Zenonですが、このアルバムに関しては埋もれ気味というか影が薄い印象です。

 Michele Rosewomanの個性と音楽に対するブレない意志が反映されたアルバムで、Mark ShimとDavid Fiuczynskiの好演も嬉しい一枚です。

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Author:sin-sky
半世紀ジャズを聴いている新米高齢者♂です

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