今日の御題は、前からカテゴリーに項目はあったんですが、肝心のミニカーの紹介がまだだった 「ドリームカー」欄の第一弾です。当ブログでの「ドリームカー」とは何かというと、 プロトタイプやショーカー等の、市販もされないし映像作品にも出てこないけれど、 それ自体が高いキャラクター性を持ったクルマのことを意味します。 昔から、普通の乗用車より、レースカーやショーカーの方が好きだった私は、 ミニカーコレクションもそっちの方が圧倒的に多く、その中のいくつかは手元に健在なので、 そういうミニカーたちを選りすぐってお目に掛けようと思います。 所有オーバー30年以上の古いモノが多いので、多少コンディションの悪さは御勘弁下さい。m(_ _)m
さて、「ドリームカー」カテゴリーの第一回はシグマグランプリです。
このクルマは1969年にピニンファリーナが設計したショーカーで、現在も保管されているもようです。 ジェノバのショーで披露されたこのクルマは、F1というレースが元々持っている危険性を 大幅に低減させるために考案された様々な特徴を盛り込んで設計されました。
1969年当時のF1カーと言えば、ピニンファリーナと関係が深いフェラーリを例に考えてみると、 上の写真の312のように葉巻型の前後にウイングが付き始め、ようやく空力を考えだした頃でしょう。 たぶんボディの硬性も低いだろうから、シグマグランプリの幅広薄型のボディは硬性と重量軽減の 両方を当時の技術水準で可能な範囲で両立させようと考えられたものだったんじゃないでしょうか? またシグマでは、車輪が完全な剥き出しではなくなっているところにも特徴があり、 これは少なからずタイヤが巻き起こす空気抵抗を減らすのに、非常に役立ったと思われます。
現にフェラーリのF1はその翌年から徐々にボディ形状に変化がみられ、 上の写真の1973年の312B3では劇的にボディ形状が変化しています。 このわずか数年でここまでの激変を達成した陰には、ピニンファリーナの実例を伴った提言の 影響が大きかったと考えても不自然ではないと思います。
さて、このシグマグランプリは試作車なので直接の映像作品への登場は無いと思われますが、 日本で秘かにある著名ヒーローとの競演がなされていて、これがその証拠写真です(笑)。
(参考資料) これ、ヤフオクで見つけた画像ですが、アトムがハンドルを握っているクルマは まさしくシグマグランプリでしょ? さすがは手塚先生、目の付け所が違います! って、これ企画したのはまず間違いなくオモチャメーカーの社員でしょうけどね(爆)。 アトムとクルマ玩具の組み合わせは多く、特にブリキ玩具時代には消防車やロンドンバスと言った 定番から、それこそ文字通り「ドリームカー」というホバークラフト仕掛けのクルマに乗る オモチャも有りましたが、このシグマグランプリという特殊なクルマで商品化されたってことは、 このショーカーのインパクトが日本でもけっこう強く受け止められたってことなんでしょうね。
お見せしているミニカーはイタリアのマーキュリー社の1/43モデルで、全長10.3cmです。 幼少時に手に入れたモノなので、まぁ当時の最新鋭車種のミニカー化だったんでしょう。 1970年前後にユニード天神店のオモチャ売場のショーケースで見て、 そのカッコヨサに一目惚れして買ってもらったことを今でもはっきり憶えています。 大事にしてたので、今でもそこそこのコンディションで、チップがチョロチョロある以外は 大きな破損もなく、はがれてしまっていることが多い紙シール製のストライプも、 経年による変色はしてるもののちゃんと残っています。
特撮マニアにとって「シグマ」と言うと、タイトルにも使った『電人ザボーガー』の元フレーズに出てくる 悪の組織としてのイメージが強いでしょうが、それ以前にこのシグマグランプリと出会っていた 私にとっては、限りなくカッコいいイメージを持つ名前なのでした!(笑)
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