
梅雨入りしたはずなのに、最近は昼間は30℃に迫ろうかという暑さで、 すっかり参ってしまってるので、またまた深海へのお散歩です。 つうことで今日の御題は『原子力潜水艦シービュー号・(海底科学作戦)』、 原題はお誂え向きの“Voyage to the bottom of the sea”(海の底への航海)です(笑)。

この『シービュー号』、元はと言えば『地球の危機』(原題はTV版と同じ)という1961年の映画です。 コナン・ドイルの『失われた世界』を映画化し、アメリカではヒットさせた (そのトカゲメイク恐竜はマニアの失笑を買ったけれどw)アーウィン・アレンが 次なる古典冒険譚としてベルヌの『海底2万哩』の映画化を狙いますが、ディズニーのあの名作の すぐ後だったため、そこからのインスパイアで作ったのが『地球の危機』でした。 3年後、TV化に際しアレンは映画で40万ドルかけて作ったシービュー号のセットやミニチュアを そのまま流用する頭の良さを見せ、TV予算とは思えない特撮が見られるシリーズを創りました。 上の写真左のオリジナルポスターで大イカと戦ってるのは原典の名残ですね。 実際の映画では大ダコが襲って来ますが(笑)。

TV版の第1シーズンはモノクロだったせいか、大人向けサスペンス要素が強かったんですが、 カラー化された第2シーズン以降は、モンスターとの戦いやフライングサブのハデな特撮画面等、 子供にも強くアピールする要素が増え、ミイラ男や狼男がシービュー号船内を徘徊するという、 どこが「科学作戦」なんだかよく解らないお話もありました(笑)。上の写真はその中でも印象深い 巨大モンスターとの戦いのスチルを表紙に使った向こうの本です。 非常事態なんで、防護壁を降ろして艦首の窓をふさいでいるのが解りますね。

話がちょうどそこに向いたところで、シービュー号の最大の特徴と言えば、 やはりその名前の由来でもある「海の景色」が見れる艦首の展望デッキでしょう。 この展望デッキは途中で改修されていて、映画と第一シーズンでは窓の数が 4つ×上下2段の計8つですが、第2シーズン以降は4つの1段だけになります。 これは上の右の写真のようにフライングサブを艦首下部に収納するための変更らしいんですが、 その辺の事情が劇中ではっきり説明されたかどうか記憶になく、海中を進むときには4つ窓なのに、 上の左の写真のような浮上する際等のバンクフィルムでは窓8つのままの旧型がアップになるし、 雑誌記事等でも8つ窓として図解されていたというチグハグさでした。 それに何よりも当時一番身近なシービュー号だったミドリのプラモデルは、 8つ窓なのにフライングサブ格納可能だったので、窓の数は4つなのか8つなのか 日本の子供たちには長らくの謎だった訳ですが、家庭用ビデオが一般的でない時代ならではの エピソードでしょうね(笑)。

ということでミドリのプラモデルです。50円サイズの「ベビーシービュー号」から、 手に取ったこともない高級品の「ビッグシービュー号」まで、確か4種類あったと思います。 ミドリの潜水艦プラモではアンダーソン作品のスティングレイが同時発売されていたので、 元々のスケールを考えて、スティングレイは50円か、あるいは敵のトラフグ号(メカニカルフィッシュ) に合わせて150円サイズを買い、シービュー号の方は大きめの150円か300円サイズを買うのが お小遣いに限りのある当時の庶民の子供のオヤクソクでしたね(笑)。 そりゃお金持ちの子はどっちもビッグ版を買ってもらってたでしょうけど…_| ̄|○

今回お見せしているのはミドリ倒産後、ユニオン模型で再販されたバージョンです。 元300円売りのモーター動力だった「大型シービュー号」という全長30cmのキットで、 ユニオンは動力をオミットしたものの、マークを自社のそれに変更した他は 元箱のイメージのまま再販してくれ、しかも確か2度目の再販のこの時は ベビーシービュー号をおまけに付けるという、けっこうマニア泣かせの企画ぶりでした(笑)。 このキットは艦首下にフライングサブを搭載可能なのが最大の特徴で、 フライングサブが欲しくてたまらない子供は、ビッグは無理でも頑張ってこれを買ったものです。 なにせビッグに付いてる奴より大きいんだから存在感あったし(笑)。

この「大型」は若干寸詰まり気味なんで、きっと「ビッグ」というのはその辺を 改修してあったんだと思いますが、高嶺の花だったんでよく解りません。 上のカタログの写真にも「ビッグ」は載ってないし…。

フライングサブと言えば、オーロラで発売され、後にモノグラムに引き継がれた ディスプレイモデルがあったけど、輸入品だから高価だし、 博多ではオーロラ時代は見たこと無かったですね。 1980年頃、上の写真のモノグラム版は見つけて買ったけど、結局、組んでません(笑)。
シービュー号の色は、プロップの写真を見る限りグレイが正しいんだと思いますが、 箱絵のイメージが強いのでメタリックダークブルーに塗ってあります。 艦橋上のレーダーのアンテナも本当は無いようですが、これも箱絵のイメージ通りに付けました。 あまり真剣に手を入れだすとそのウチに4つ目に改造しないといけなくなるので、 あくまでも昔見たイメージのシービュー号ということで(笑)。
では最後に、また簡単な特撮画像を作ったのでクリックして大画面で御覧下さい!

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