誕生50周年記念の2016年トレーラーで大盛り上がりを見せたガメラでしたが、 以降の進展は明らかにされません。今年は夏に『シン・ゴジラ』が控えてるんで、 年末あたりにトレーラーの続きが観れたらいいんですが…。 ガメラシリーズには、昭和シリーズ、平成シリーズ、『小さき勇者たち』、2016トレーラーと、 大きく4つの世界観がありますが、そのうち私が一番好きなのは昭和ガメラです。
生まれて初めて観に行った映画が『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』で、ちょうど劇場に入った時、 シネスコ画面の端から端までを使ってギャオスが ガメラの腕に超音波メスを食い込ませるシーン だったこともあって、 初めて見た色のついた映像!(自宅のTVは白黒だった) 初めて見た大画面! 初めて聞いたガメラとギャオスの声!
という3つもの強い印象の相乗効果で心に深く刻まれ、 主人公が当時の自分と似てたせいもあって、完全に心を奪われてしまったんです(笑)。 この映画に大興奮した私は、以降の昭和ガメラシリーズは全て封切りで観ました。 あの『宇宙怪獣ガメラ』すら劇場に行ったのは我ながら律儀だと思いますが(笑)。
『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』はシリーズ3作で、ということはその前に 2作品『大怪獣ガメラ』と『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』がある訳ですが、 私の子供時代の博多では封切以後の再映でこの2本をかけてくれた劇場は無く、 TV放映で観ることはできたけど、怪獣映画は劇場大画面で真価を発揮するものなんで 残念に思っていて、幸い『大怪獣ガメラ』は、30年ほど前東京に出たての頃、 オールナイトの一本で観れたけど、『ガメラ対バルゴン』は劇場未見のまま。 2010年春には銀座シネパトスで『大魔神』との二本立てで4日間だけ上映され、 行きたかったけど都合がつかず悔しい思いをし、つい先日も京都みなみ座での オールナイトがあるので気にはなったけど、さすがに京都までは無理なので、 「5月に京橋フィルムセンターで2回だけ上映」という情報をつかんで、 「今度こそ!」とばかり出かけることにしました。
せっかくの機会だから、まだ持ってない30cm級バルゴンを手に入れてやろうと、 大井町フリマ→中野ブロードウェイ→京橋フィルムセンターの強行軍です(笑)。 バルゴンのこのサイズには、私が知っている範囲では、
⑴ボークスのレジン製GKオリエントヒーローシリーズ(川岸敬巌原型)のと、
(参考写真)
⑵トイザらスで売っていたエクスプラス造型の全長約33cmソフビと
(参考写真)
⑶後にエクスプラスが自社で出した全長50cm超になる大型の物がありますが、
(参考写真)
⑴は古いのでまず見つからないだろうし、⑶は超高値だしで、 ⑵のやや小型のでいいから欲しかったんですが、大井町でいきなり遭遇。 でも値段が3500円でオク価格1500円の倍以上なのでスルーし、中野に行くと、 とあるレンタルショーケースに2000円で発見し、コレコレとばかりお迎えしました。
フリマのは普通のバルゴンのイメージの茶色だったけど、中野のは深緑っぽいし、 背中には紫色の塗装がある変わった仕様だったんですが、(゚ε゚)キニシナイ!!
やがて京橋に移動。4時上映開始で3時半から発券とのことだったんですが、 2時50分位に会場に着くと、すでに1階のロビーは待ってる人が多数…。 でも整理番号が定員300人中45番で座れること確実なので、安心してそのまま待ち、 座席も一番好みの位置を確保できたのでいい気分で上映開始です。 フィルムセンター上映だし、冒頭に「フィルムセンター所有フィルムで上映」みたいな 断り書きが出たので、相当古いフィルムなのかと思ったけど、不具合は出だしにちょっと コマ飛びが解る個所があったのと、最初音割れしてた程度で、 音はすぐ調整されたので、以降最後まで快適に観ることができました。
映画そのものは昭和シリーズ中一番の傑作だし、音楽も木下忠治なので重厚で、 全くゴジラシリーズに引けを取らぬ出来栄えでした。
そもそも今回の上映はSFや怪獣映画特集ではなく「木下忠治の映画音楽」特集の一環で、 彼のキャリアの中では異色の怪獣映画なので選定されたようです。
木下と言えばTBS『水戸黄門』シリーズの音楽に一番親しみがあり、 最初に『ガメバル』の音楽を聴いた時に聞き覚えがあったので不思議に思ったら、 『水戸黄門』と同じ作曲家と解り納得したものでした(笑)。 いや歴史的には『ガメバル』が先ですけどねw
モニターではさんざん観たこの映画だけど、大スクリーンはやっぱすごかったです。
まず虹の谷のシ~ンで、洞窟の壁にバルゴン幼体みたいな像だかミイラだかが 張り付いてたけど、コレ、今まで気づいてなかったんですよ(苦笑)。 あの洞窟に原住民は近寄らないそうだから、あの小さいのはもしかしたら 大きくなるまでの間にサソリに刺されて死んだ子が、そのままミイラ化したのかもなぁ…('A`)
バルゴン誕生の神戸港のシ~ンの迫力もスゴく、あまり指摘されない バルゴンが船の中で巨大化しちゃったせいで、生まれてすぐに海に落っこちて、
全身から紫の血液を吹き出させながら必死に港へとたどり着いた様子もはっきりと解ります。 なんて不憫なんだバルゴン。( TДT) それから、こっちはよく言われる、ガメラとバルゴンの四足同士の ワイド画面いっぱいの戦いも、モニターだとチョコチョコしてるだけだけど、 大スクリーンでは細かい動きまで解って迫力満点! 凍らされたガメラが最後の力を振り絞って、安易に近づいたバルゴンの横っつらに 爪パンチを食らわして、バルゴンが出血するシーンの痛みが 普段モニターで見る数倍伝わってきたし、 いや、まさに予算潤沢な怪獣映画を劇場で観る幸せを全身で感じました。\(^o^)/
この映画はよく大人向けだと言われますが、今回気づいたのは、主人公の兄にも、 小野寺にもちゃんと妻がいること。どっちもスナック経営してるお水の女っぽいけど、 家庭を営む大人です。そう言えば虹の谷で死んだオッサンも「妻に贅沢させる」 みたいなこと言ってたからちゃんとした家庭人でしたね。 だからそこからはみ出してる主人公(会社の金でパイロット免許を取っておきながら、 直ぐに辞めてることで彼もまた恩知らずのハミダシ者なことが解る)の最後の 「独りぼっちだ」というセリフと、カレンの「独りじゃないわ」が際立つ訳で、 全昭和ガメラシリーズを手がけた脚本家、高橋二三が人間もちゃんと見つめることができた人 だった事が解ります。バイラス以降の昭和シリーズの脚本がいろいろアレなのは、彼は生前 「どんな脚本でも書ける」と豪語してたんで、そういう注文に応じてただけなんでしょうねぇ…。
帰宅後、映画の興奮の余韻も覚めやらぬまま、入手したバルゴンを愛でていましたが、 よく見ると、一切の刻印が無いのと、背中の紫色塗装がトゲを中心に左側だけにしか無いことに 気付きました。ということはコレひょっとして劇中、バックミラー作戦で反射された 悪魔の虹で自傷したあの傷口を表現してあるのかと感心しきりです! このソフビの色違いは他にもあったし、刻印が無い事からパチモノかもと思って さらに調べると、なんとエクスプラスのバルゴンにはいくつかバージョン違いがあったようで、 最初にフリマで見た茶色と中野の深緑のは単なる色違いではなく、 茶色い方はSEGAのプライズ景品として製造されたモノで、全身ビミョーに造型に 差がありますが、決定的なのは後足のトゲが、茶色い方はボディから生えてるけど、 深緑のには脚から生えてること。つまりそっくりだけど別原型ですな。
こんなん写真だけを別々に見てたら絶対に気付かない程度の差異なんで、 なんでわざわざ原形作り直したのか不思議に思って更に調べると、 深緑の袋入りを見つけたのでこれがパチモノじゃないことが解り一安心(笑)。 パッケージに深緑のは1999年、茶色い方には2002年の印字があるので、先に深緑のを出し、 あとから茶色のを出したようです、茶色いのはガレージキット界で有名な高垣利信原型だと 解ってますが、はっきりしない深緑の方も雰囲気はそっくりなんで同じかも…。 足の棘は足の付根のボディから生えてるのが正解だし、茶色の方が全体のバランスが良いんで、 3年の間に気付いた点を反映させたのかもと想像してたら、茶色い方の取説に 「ボークスキャスト版バルゴンの廉価版として、ビリケンあたりから同サイズのバルゴンが 出るかと待っていたが、一向に出ないので高垣氏原型で出した」という意味の一文が 掲載されてるそうなんで、高垣氏がそのオーダーに応じ、自分のバルゴンを手直ししたのかも?
せっかく手に入れた初期作品ですが、他のに比べてノッペリした感じがちょっとマヌケです(笑)。 それでできる範囲で修正しようと、ちょっと目が小さく感じたのをリペし、 顔を加熱してちょっと絞りを加えたら、このようになりました。
ちょっと上にある市販状態よりはずいぶん良くなったと思うんですがいかがでしょうか?(・∀・)
エクスプラスという会社は、本業はアパレル関係のようで、 最初の10年余りはトイ部門には手を付けていなかったようです。 HPの1998年に「株式会社アールアイシー設立 トイビジネスへ進出」とありますが、 この頃RICというメーカーがあったことは憶えてるし、RICすなわちリックで、 今のエクスプラス自社サイトが「少年リック」というのはこれが起源かと納得。 メディコムトイも本業はアパレルらしいし、現行マルサンも元会社は繊維関係だから、 今のマニア系ソフビは繊維業界に支えられてるとも言えますねぇ…(°∀° )
RIC時代はトイザラスで1000~3000円程度の値付けだったし、プライズは景品だったんで、 最初期のエクスプラスは安値大量生産の路線だったのが、売れ残りが多数出回ってる 事実から考えてそれでは維持できなくて、高値少数販売に移行していったんでしょう…。 今やたらエクスプラス商品はヤフオクで高値が付くけど、それはテンバイヤーの仕業で、 新発売時に買えば通常サイズで1体1.5万円前後と、マルブルスタンダードサイズが 6000~8000円してる今、まぁ理解できる価格帯です…。 ということでfziroは、テンバイヤーの餌食になる前のエクスプラスを応援してます!\(^o^)/
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