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キャラクターミニカー秘密基地
劇中車キャラクターミニカーを中心に 陸海空で大活躍するスーパーメカの模型が集まる秘密基地でしたが、開始後7年を迎え「映像作品に登場の様々なキャラの玩具」を紹介するブログとして拡大再開店です
プロフィール

FZIRO

Author:FZIRO
ミニカーコレクターからも、
合金コレクターからも異端視される
劇中車のキャラクターミニカー、
それも標準スケール物を中心に
ひたすら集め続けています。
マイナーなジャンルでしたが
この頃はキャラウィールや
カーズのおかげで、少しは
市民権を得られてきたかな?(笑)
なお、このブログの内容は、
いわゆる「日記」ではないので、
コメントや御質問があったら、
古い項目にも御遠慮なくどうぞ!

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さよなら、ロジャー…
ロジャー・ムーアが今年の5月23日に満89歳で亡くなりました。
tv版『カジノ・ロワイヤル』のバリー・ネルソンと
1967年版『カジノ・ロワイヤル』のデヴィッド・ニーブンがすでに故人なので、
ジェームズ・ボンドを演じた役者の死去は初めてではないですが、
イオンプロ制作007シリーズのボンド役者の死は初めてで、
ロジャー・ムーアは近年までメディア露出も多く
特に病気だったとも知らされてなかったので驚きは大きかったです。

bond madam tassou
今年の2月に東京のマダム・タッソーでリアルなボンドスターたちの蝋人形に触れ、
実際の目では見たことのないボンドスターたちを少し身近に感じたばかりだったのに…。

007シリーズを主力コンテンツの一つとする当ブログとしても無視はできないので、
今回は「ロジャー・ムーア追悼特集」で、BGMはやはりこちらをどうぞ!


私が007シリーズを見始めたのは1970年代中盤で、まさに3代目ロジャー・ムーアの時代。
まだ十代半ばの私にはショーン・コネリーのアクの強さより、ムーアの解りやすいハンサムぶり
の方が好ましく、初めて新作封切りを観に行った『私を愛したスパイ』が大傑作だったこともあり、
ムーアボンドの大ファンになったのですが、映画誌等では「やはりボンドはコネリーに限る」という
風潮が一般的で、ムーアが軽んじられてるのに大いに不満でしたね。

ムーアシネアルバム
だから芳賀書店のシネアルバムでコネリーに続いてムーアも出た時はさっそく買いこんで、
大喜びで眺めましたが、まだボンド映画の資料が少なかった頃なので得るものは大きかったです。
ムーアは実はコネリーより3才年上で、1973年のボンド就任時は40代中盤でした。
それでも中年太りが激しかった当時のコネリーより格段に若々しく、それから連続7作品に登板し、
最後の映画作品『美しき獲物たち』の時はたぶん58才で、これは実は
コロンビア版『カジノロワイヤル』のデヴィット・ニーブンの年齢と同じでなんですね(笑)。
『ユアアイズオンリー』以降、毎回のように噂されたロジャー・ムーアのボンド引退でしたが、
いくら外見はまだ若いムーアでも、とっくに引退してる設定のデヴィット・ニーブンのトシを超えては
さすがに拙かろうと、この作品で引退が決まったのかも?(°∀° )

ロジャー・ムーアの訃報が伝えられた時、net上のいろんなところで言及されてたけど、
おおむね温かい言葉で彼のボンドを懐かしむ声が多かったのには、
ちょっと意外だったけど嬉しかったです。考えてみれば、もう映画シリーズが始まって55年が経ち、
コネリー時代をリアルタイムで知ってる年齢層はnet世代より上になってます。
流石にそれだけ経つと、風俗や描写に現代とのズレが生じ、冷酷で女には強引な態度で接する
コネリー・ボンドの個性が、あまり好評価されなくなっても無理はありません。
若い層の間では「今、007シリーズで観るに値するのはブロスナン以降。
それ以前はタルくて観てらんない」という極論を言う連中までいる始末ですから…。

追悼でいろんな好意的なロジャー・ムーアに関するエピソードが語られたけど、
一番印象的だったのが、次のような話でした。
昔、ムーアが現役のボンド役者だった頃、ある少年がムーアと出くわしました。
その子はまだ現実と映画の区別がついてなかったので「ジェームズ・ボンドがいる」
とサインをねだったら快く応じてくれたけど「ロジャー・ムーア」という署名だけだったので
不満を漏らしたら「申し訳ないが、ブロフェルドに私の居場所がバレてしまうから
本当の名前は書けない。君も協力して欲しい」と答えたので、
少年は「今僕は、ジェームズ・ボンドと同じ任務に就いたんだ」と有頂天になったそうなんです。
後に大人になった彼は脚本家としてロジャーと仕事をする機会に恵まれたので、
かつてのことを話すと「憶えてないけど、君がジェームズ・ボンドと会えたことを喜ばしく思う」と
言ってくれたそうです。それも当たり前で、かつての少年にとっては一生に一度きりのことでも、
ムーアにとっては数限りなくあったことで、もう少年はそれが理解できる大人になってたんで、
不満は無かったんですが、撮影終了後、自分の車に向かうムーアが脚本家の脇をすり抜け、
並んだところで立ち止まり左右に視線を走らせ眉を持ち上げ、ヒソヒソ声でこう言ったそうです。
「もちろん、かつての出会いは憶えていたさ。だが私がそう言わなかったのは、
回りにいるスタッフの誰かが、ブロフェルドの部下とも限らないからなんだ!」
この言葉を聞いてかつての少年はまた有頂天になり、
ロジャーのことがもっともっと好きになったのでした…。


いや~、本当にネ申対応。歴代のボンド役者でもここまでしてくれるのはロジャーだけでしょう。
コネリーはそもそもサインしてくれないだろうし(爆)、
レーゼンビーだと少年ファンがボンドだと見てくれないだろうし(泣)、
ダルトンは時間があったらしてくれるだろうけど、ここまでは親切じゃないだろうし(笑)、
ブロスナンは馘首にされたこと逆恨みしてるから絶対してくれないだろうし、
現役のクレイグは人だかりで近づけないでしょう。
親切で引退後もイオンプロとの関係が良好で、ユーモアに溢れたロジャー・ボンドならではですね!


VTAK TAXI MAIN
今日のメインは、そのロジャー・ボンドの『美しき獲物たち』から、ルノーのタクシーです。
これは封切り時にはコーギーが一時的に倒産してたので、マッチボックスから小スケール
のだけが出て、後にコーギーが復活して ボンドカーをたくさん出した頃に、
標準スケールがラインナップされ、全長約11cmのダイキャスト製で出ました。
VTAK TAXI 3SIDES
ギミックは何もありませんが、ナンバープレートが007になってるのがゲーコマかな?(°∀° )


そしてもっと時代が下がって、例の「カーコレクション」マガジンの最初期にもラインナップされ、
ノーマルのタクシーと、走っているうちに大破し前2輪になった状態のが出たんですよね。
前2輪だけのは本国では定期購読の特典だったという話もありますが、
数冊でポシャった日本版は別のクルマが特典だったのでよく解りません。
中野ブロードウェイのアイテムショップにけっこう高値で大破バージョンは売ってたんですが、
その少し前にコーギー版を買ってたのでスルーしました。


ROGER MOORE ALL
最後に追悼特集らしく、いつもより大盤振る舞いで、
その辺にあるロジャー時代のグッズをいくつか並べてみました。(クリックで拡大します)
背景はロジャーの主演作のポスターと、おそらく『死ぬのは奴らだ』時に撮られた
宣伝用スチルをコラージュしたブリキ看板です。これ1枚でロジャー主演作が一望できる
スグレモノで、ショーンのもあったんですが、売ってるのを気づいた時は売り切れ。( TДT)
他のボンドのもあればいいけど、他のボンドは主演作が多くないんで
何人か組み合わせないと無理かな?
あ、次回作出演を決めたらしいクレイグがもしかしたら2人の記録に並ぶかもしれませんね。
前に並べてるアイテムはこれまで紹介済みのが多いですが、
正規紹介前のも混じってるので、詳しい説明は無しで、その時をお待ち下さい(笑)。

さよなら、ロジャー・ムーア、
君ほど上手く演ったボンド役者は他にいない……。

テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用

兄さんのロボット…
今月の2旬目はロボット玩具でいきます。
「古い玩具色々沢山/のらくろ/おまけ玩具/古玩具/ソフビ/昭和レトロ/おもちゃ/ジャンク品」
というタイトルの出品が先日、ヤフオクにありました。
10周年で記事を書いて以来、『のらくろ』を研究中でヲチかけてたんで引っかかったんですが、
そのメインの写真を見て驚きました。
600x400-2017060700138.jpg
「のらくろ」ってのは写真を四等分したら右下の部分にあるブロウ一体成形の
駄玩具のことでしょう。物は悪くないけど、右目のシールが完全にはがれて
失くなってるんで、そんなに欲しくありません。
でも、その上にある青いクルマに目が止まったんですよね。
これって『ガッチャマン』のG2号っぽいじゃないですか!
さらによく見ると、その上に先端部は無いけどゴッドフェニックスもあります。
『ガッチャマン』関係は他にもあって、写真左下の白い大きなブーメランの更に下にある
「黄色い大きな長細いプラモ」はG3号のジャンクでしょうし、
その右上に小さなG4も有りますね(笑)。

次に目に付いたのは右上に写ってるボロットです。このボロットはリメイクアニメ
じゃなくて、昔のオモチャであることは間違いなく、均一に夜行色になってるんで
塗装じゃなくて夜光塗料を樹脂に混ぜて成形してあるように見えます。
たぶん古谷製菓のモノで、銀色成型色のはよく見ますが夜行仕様は初めて見ました。
20cm級の大型で、銀色のは8千円程度で落ちてますが、
夜行仕様なのでさらに珍色価値が付くかも?

他にもボロットの左下に『キャプテンスカーレット』の追跡先頭車の
プラ製玩具もあるし、バンデル星人や黄金バットの駄菓子屋玩具もあるなぁ…。

と全体をツラヅラと見回して、箱入り未組なら30万とか付いてるG3号の
プラモジャンクの破損具合をもう一度良く見ようとその辺りを注視したら、
ふと、中央左端のカメラのオモチャの下あたり、左端に見切れている
両腕の無いロボットに気づきました。あれ、これどっかで見たことあるなぁと
じっくり見て、ガビーン(゚ロ゚ノ)ノ!!
こ、これは、『レッドバロン』のライバルの
飛竜じゃないですかぁ!

飛竜とはレッドバロンと同じく、紅健一郎博士によって作られ、
万国ロボット博覧会に日本代表として展示されるも、鉄面党に強奪され、
健一郎博士にソックリなアンドロイドを操縦席に乗せて襲ってきたため、
最初はレッドバロンは全く反撃できず、片腕をもがれる大被害を被り、
アンドロイドの罠がバレてからは、レッドバロンに抱きついたまま超高熱を発して
操縦者もろとも、レッドバロンを溶かそうとした強敵です。


初期登場ロボットの中では最強の敵なので、人気も高くいくつか商品化されましたが、
今回の写真のブツのシャープなモールドはソフビじゃないプラモデルだし、
G3号や白いブーメランと比較してけっこう大きいから、駄菓子屋パチプラモじゃなくて、
幻のマルイのリモコンじゃないのか? と気づいて心拍数上がりましたよ、ええ(°∀° )

マルイ飛竜箱絵(参考写真)
マルイの飛竜と言えば、『レッドバロン』関係では最難関の激レアアイテム。
箱入り未組だとウン十万、完成品でも3万は下りません。

hiryuu3hennge.jpg
なぜそんなに高騰するのかと言えば、もう金型が無くて再販不能なんですよ。
その過程も複雑で、こちらの比較参考写真を御覧ください。
まず1973年に左端のオリジナルの状態で新発売されましたが、
1980年前後には早くも型が改変されジャガーランダーと改名され、ゼンマイ動力で発売されました。
中央の2体(パーツ差し替えで、ロボット状態とメカアニマル状態になる)がそのジャガーランダーですが、
この時点で、オリジナルとは全く別のロボットとなり、パーツを詳細に見比べていくと
なんとか面影が拾える程度にまで改変されています。
そしてガンプラブームでこれがさらなる改変を受け、右端の「コンバットメカ ウォーカースーツ05タイプ」
というザクもどきに成り果ててしまって、ここまで来たら、もう全く面影はありませんね…('A`)

今回のブツは両腕が無いのでコレクターは敬遠しそうだけど、
ワタシ的には欠品パーツは作れそうなのでむしろ好都合。
そもそも何の説明もなく「のらくろ」の中にチョロっと混じってるので、
レッドバロンコレクターでも飛竜の全身像を記憶してる程の
コアな人じゃないと気づかないかも?(°∀° )

ということでヲチ入れて終わりを待ったら、終了間際でも1800円で止まってます。
これはもしかしてと参戦し、まず3千円入れたら、さすがに更新されました。
でもめげません。実はそのちょっと前に、粘ったけど2万を超えて
敗退したブツがあったんで予算が残ってたんですよ!(゚∀゚)アヒャ
つうことで、30分ほど張り合った結果、見事に6810円で落札。
税金と送料を加えると約8千円の出費となりました。

無事に落札できたとは言え、そんなに値段が上がらなかったので取り消されたり、
途中で無くなって届かないこともなくはないので、
数日ワクワクハラハラしながら待ったら、無事に到着。
手元でよく見ると、素組ではなくて、ムラだらけだけど全身塗装されてました。
たぶん当時勝った子供が一所懸命に塗ったんだろうなぁ…。
違った色を塗ってる箇所も多々あるけど、頑張ってますよ! (°∀° )

飛竜メイン
それはそれで味があるんだけど、幻のプラモデルなんで残念ながら再塗装決定。
ということで腕をスチレンボードでスクラッチビルドし、再塗装したのがこちら!
両手先の握りこぶしは感じを出すためにレッドバロンのを
おゆまるで型取りし、石粉粘土で作りました。
ひざの星形模様は頑張った元の持ち主に敬意を表し、そのまま利用してます(笑)。

飛竜3sides
ああ、放送中の1973年に学校帰りにいつも立ち寄ってたおもちゃ屋で
同じくマルイのレッドバロンと並んで積まれていたこのキット。
レッドバロンだけは即買いしたけど、小学生のお小遣いではそれが精一杯で
いつの間にか誰かに買われていったこのキットを44年ぶりにやっと手に入れ
レッドバロンと並べることが出来て感無量です。

飛竜RD
では最期にペアで出たレッドバロンとの2ショットを御覧下さい。
ひょっとしてNET初公開かも?(°∀° )
両腕が自作パーツなのはキニ(゚ε゚)シナイ

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ホーリー・キャットは借りパク上等の女ペテン師?!
tiffanytaxi.jpg
早めの夏休みも終わって今日から再開ですが、
第一週でミニカーネタなので、最近、アメリカから取り寄せたコレ、
NYのイエローキャブで映画は『ティファニーで朝食を』(1961)です。

tiffany poster
あまりにも有名なこの映画、主人公ホリーは名前の無い猫と同居していますが、
原作ではこう説明されてます。。
「かわいそうに名前だってないんだから。名前がないのってけっこう不便なのよね。
でも私にはこの子に名前をつける権利はない。
ほんとに誰かにちゃんと飼われるまで、名前をもらうのは待ってもらうことになる。
この子とはある日、川べりで巡り会ったの。
私たちはお互い誰のものでもない、独立した人格なわけ。私もこの子も。
自分といろんなものごとがひとつになれる場所を見つけたとわかるまで、
私はなんにも所有したくないの。
そういう場所がどこにあるのか、今のところまだわからない。
でもそれがどんなところだかはちゃんとわかっている」、彼女は微笑んで、猫を床に下ろした。
「それはティファニーみたいなところなの」と彼女は言った。


ホリーの憧れの場所、ティファニー。有名な金持ちをパーティーで引っ掛けて、
その奥方に収まることを狙ってるホリーは、期待はずれの相手だった場合は、
デートの途中でチップに50ドル建て替えてもらってトイレに立ったままドロン、
というタチの悪い娼婦じみたことを繰り返して日銭を稼いでいます。('A`) 
当然ビンボーで、1年住んでるのにロクに家具も無い部屋で猫と住んでますが、
そんな彼女にとっては、ティファニーで買い物するなんて夢のまた夢でしょう。
彼女のフルネームはホリー・ゴライトリー(Holly Golightly)で、Holly は
劇中では「旅行中」という意味らしいですが、原義はセイヨウヒイラギ。
赤い実をつけるけど苦いので鳥は食べないそうです。発音が「神聖な」と同じなのは、
クリスマスの飾りとしてキリスト教に取り入れられたからかもしれません(笑)。
Golightly とはgo+light+lyで、
go lightは「借りた金で賭ける」という意味。
つまり「金を借り倒しては逃亡の旅を続けるクセの強い風来坊・詐欺師」で、
彼女の自堕落な生活そのマンマの名前ですね(笑)。


映画では冒頭、早朝にタクシーで乗り付けたホリーが、閉まってるティファニーの
ショーウィンドウの前でパンとコーヒーの質素な朝食を摂るところで始まります。
原作には無いこのシーンは、髪にメッシュを入れ、ジバンシーのファッションに
身を包んだホリーの、その艶やかな外見を際立たせていると共に、
ちゃんと空袋とカップをゴミ箱に捨てるイイ娘だってこともさり気なく描いていますね。
このティファニー前のホリーの行動を「一仕事終えた娼婦」だと決めつけてる
映画レビューも多いですが、劇中では「頭の中が真っ赤になるほど気分が悪くなったときに、
気分を落ち着かせるためにタクシーでティファニーに行く」と説明されているし、
誰とも知れぬ男のベッドから抜け出しタクシーに乗るところは描かれてないので、
このシーンが映画オリジナルである以上、「一仕事終えた後の娼婦」と決めつけるのは早計です。
実際、アパートに戻ったホリーを車に乗った男が待っていて、トイレに立ったまま消えたホリーを
なじってるので、あそこは「婚活で期待外れだった男から逃げ出した後」と見るべきでしょう。

ティファニー前のシーンで最初に主旋律を奏でる物悲しい響きは、ずっと何の楽器か
解らなかったけど、楽隊経験のある友人のおかげで、ハーモニカだと解りました。
解ってみれば確かにその音だけど、オケ演奏でハモニカを使ってるとは
思いませんよね、フツー。(°∀° )
どこか物悲しいホリーにピッタシのハーモニカの響きですが、原作では
「ある晴れた朝、目をさまし、ティファニーで朝食を食べるようになっても、
あたし自身というものは失いたくないのね」
というセリフがあり、
『ティファニーで朝食を』というのが、そんな無理が効くほどの金持ちになる 
という意味なのと、たとえオトコの財力でそうなっても心は売らない、という、
ホリーの悲しい決意の言葉になってます…。( TДT)

そんな自堕落ギリギリの生活を送るホリーの上の階に越してくるのが、作家の卵のポールで、
まだ著作は1作しか無く当然食えないから、中年の装飾家のパトロンがいる囲われ者です。
「自堕落な女を清貧の青年が救う」というのが当時のハリウッドラブロマンスの典型だけど、
自堕落ギリギリの女を自堕落な男が救う捻った構成にしてある辺り、原作者カポーティの味でしょう。
女装飾家をパトリシア・ニールが演じてるのは、間違いなく狙った配役で、パットがロアルド・ダールと
結婚しておきながら、愛してたのはずっとポール・ニューマンだったという
当時は周知の事実にかこつけたんでしょうね。


オードリーがあまり美声とは言えない声でギターを弾きながらたどたどしく窓辺で
「ムーンリバー」を歌い、それをポールがニコニコしながら見てるってシーンがあって、
当時就任したてのパラマウント映画新社長が不要だから切れと主張したのに、
オードリーが頑として応じなかったらしいですが、
あのシーンはホリーが無理して艶ぶってることを示す格好のシーンであると共に、
ポールとホリーが「親友」であることを適切に表現しているんだから、
社長に見る目が無かったというべきでしょう。            
この「ムーンリバー」という歌もクセモノで、ハッピーエンドに被さるから恋人同士の心象風景の比喩と
思ったら、なんと作詞者ジョニー・マーサーの故郷、ジョージア州サバナに実在する川の名前だそう。
ストレートに歌詞を解釈すれば「いつかこの川に漕ぎ出してどこまでも遠くに行ってやる」って
決意の歌だから、恋人じゃなく、川を旧友に見立てた少年の歌なんですね…。
そういえば歌詞に出てくる「ハックルベリー・フレンド」ってトム・ソーヤの親友のことだし…。
だからいかにもボーイッシュなオードリーがこの歌を唄い、ポールがニコニコ顔で聞いてるのは
二人の仲が清いことを暗示してるんですね。
カポーティはホリーの役にはマリリン・モンローが理想的と思っていたそうで、
オファーはされたけど断られたそうです。
モンローにしてみれば、あらすじだと1956年の『バス停留所』と大差無いし、
また娼婦役なのも抵抗があったとのこと…。
正反対のヘプバーンにしたってすんなり決まった訳ではなく、「娼婦の映画じゃなく
自由に生きようとする女性の役」だと説得されて渋々引き受けたらしいです。
冒頭のシーンを、よく見れば娼婦じゃないように描いてるのは
オードリーの要望だったんでしょうね。 

ラストも小説では、タクシーから放り出した猫は見つからず、ポールに捜索をまかせ
ホリーは旅立ち、たまにハガキが来たりはしてもそのまま行方知れずに…。
それでも律儀なポールはキャットを探し続けるけど、見つからず、
ある日、幸せそうな雰囲気の家の窓辺で、キャットがなごんでるのを見つけ
「ホリーもあんな風に安住の地を見つけてたらいいな」と思うという、切ない展開なんですね…。

カポーティは、ホロ苦い感じの原作のラストを甘ったるいハリウッド的なハッピーエンドに変えられ
立腹していたという話もありますが、映画では結ばれるエンドではあるんだけど、
完全なハッピーじゃなくて、やっとつかんだ大金持ちとの結婚が待つ南米行きが
逮捕でオジャンになり捨て鉢になったホリーが、タクシーを止めてキャットを雨の街に捨て、
そのまま行こうとするので、ポールが怒って降りて探しに行く展開です。
その時にティファニーで無理言って彫ってもらった刻印入りオマケリングをホリーに突きつけ
「キミは自分で作った牢獄に閉じこもってるだけで、それは自分から出ないと一生そのままだ」
みたいなセリフを言うんですね。その直前に女パトロンにホリーのことを告げ、
自分から囲われ部屋から出ていったポールだから言える説得力溢れるセリフなんで
ホリーも改心したようですが、やっと作品が売れ始めた駆け出し作家と、
奥さん願望だけの家事オンチ女では、前途多難でしょうねぇ…。(°∀° )

なんでこんなにポールがキャットに肩入れするかは、彼の唯一の著作の題が
「9つの命」なことからすぐ解ります。「9つの命」とは「猫が持つ命の数」で、
そんなタイトルの話を書くからにはポールは相当なネコ好き違いないですからね(笑)。
そう言えばキャットも初対面時にイキナリ、ポールの肩を踏み台にして
上の棚に飛び乗ってたけど、彼が猫好きだって察したんでしょう…。
猫嫌いなオーラを発してる人には普通は猫は近づきませんから(笑)
このキャットちゃん、相当調教が行き届いていると見えて、終盤、ホリーが 
ポールに振る舞おうと料理をしてて、圧力鍋の中身をドッカンと天井まで
飛ばしちゃうシーンがあるけど、鍋の後ろの壁の上のお気に入りの棚に乗ってるキャットは、
その寸前までは二人の動きにチョコマカ反応してたのに、音の瞬間は微動だにしません。
メチャメチャにもがいで逃げ出したブロフェルドのネコみたいになるかと思ったのに
意外だったけど、音がデカすぎて腰を抜かしてたのかもしれないです…( TДT)
映画で猫ちゃんを取り戻したってことは「一つになれる場所を見つけた」ってことで、
映画のラストは、ジバンシーに身を包み社交界で生きていこうとしたホリーは、
雨に打たれてすっかり化粧も流れ、本名のルラメイに戻って
同じように誠実さを取り戻したポールと結ばれるということなんでしょう…。 
まぁ、それも悪くないけど、女寅さんでいつも「旅行中」のホリーの方が好きだなぁ(笑)。

つうことで今日のミニカーは、ホリーが多用するタクシーです。
1957 Plymouth Savoy
劇中いくつかのパターンがありますが、ラストシーンで猫ちゃんを放り出したのは
黄色いプリムスのサヴォイの1957年型。

tiffany taxi 3sides
この品はディンキーで全長約10.6cmの標準スケール。商品名はPLYMOUTH PLAZAです。
ヴィンテージのディンキーともなると日本では相当高値なんで
他の品とセットにしてセカイモン経由でebayで手に入れました。
劇中と屋根の色が違いますが、こういう色のタクシーも出てくるし、
程度のいいヴィンテージディンキーをリペする度胸も無いのでキニ(゚ε゚)シナイ。

つうことで、再開の今回は、誰でも知ってる名作映画を、
どこの映画レビューアーとも違った角度で突っ込み、
そして極めてオーソドックスなミニカーを取り上げるという、
このブログの基本に帰った記事にしてみましたが、お気に召していただければ幸いです。

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