今日からしばらくは『アローエンブレム グランプリの鷹』を取り上げます。 『サーキットの狼』により盛り上がったスーパーカーブームの熱気はアニメ界にも伝わり、 1976~77年には『マシン・ハヤブサ』『超スーパーカー・ガッタイガー』『激走!ルーベンカイザー』 『飛び出せ!マシーン飛龍』等が作られました。これらは当然ミニカー(合金玩具)として ポピニカを初め各社から商品化されましたが、あまりに数が多すぎたのか、 その人気は長続きせず、低視聴率・売り上げ不振に喘いだあげく 打ちきられた作品もあったくらいで、ブームの恐ろしさがよく解る結果となっています。 このブームの中で成功を収めた『サーキットの狼』と『赤いペガサス』が企画はあったものの TVアニメ化は実現しなかったことからも、この「スーパーカーブーム」の一過性及び、 マンガ先行作品のアニメ化にはいろいろな障害が多いことがうかがえますね。
『グランプリの鷹』はアニメ企画先行作品の中では、実在のF1界とシンクロさせたリアルな作劇で 成功した方で、2クールの予定が1クール延長されていますが、最後のF0編はあまりに絵空事に なりすぎたレースレギュレーション共々、賛否が分かれる結果に終わっているようです。
この作品の主役メカはトドロキスペシャルです。タイレルP34からインスパイアされたデザインで、 T1~T3の3種ありますが、ポピニカではパーツ付け替えでこの3タイプをフォローしています。 写真はスタンダードタイプの方で全長約11.5cm。
TOP写真では白いT1のパーツを使って、オープニングの6輪タイプを再現していますが、 (あれ? この写真よく見てたら、後輪が薄い四輪みたいにも思えてきました。ホントはどっちなんだろ…) やはりこのトドロキスペシャルは「8輪車」の方が有名でしょう。 このT1や黄色いT2では後輪の外側にもう1対タイヤを付けることにより、 そして赤いT3では後輪もタテ2列にすることによって8輪を構成するシステムですが、 実際に8輪あったら、タテ4列の方はまだしも、後ろにもう1対タイヤを付ける方は まともに走らないような気がしてしまいます。 まぁでも、そこはアニメならではのハッタリということで気にしないのが オヤクソクなのかも知れません(笑)。このトドロキスペシャルは人気商品だったので、 このスタンダードの他にポピニカでは一回り大型のデラックス版、そしてプラデラでも 同様の変形システムを採用したセットが出ており、写真だけだと非常に紛らわしいので、 オークション等では御注意下さい。
今回その8輪車仕様にしなかったのには訳があって、外側一対付けは 私の感覚では不格好に見えるのと、そうするととある寸法的に不都合が出ること。 それから、またとある理由で赤いマシンにしたくなかったことによるんですね。 それらの理由は追々、解明されることと思います(笑)。
この作品の音楽を担当したのは宮川泰です。1977年と言えば『宇宙戦艦ヤマト』の後、 『さらば宇宙戦艦ヤマト』の前という、アニメ劇伴作家としてはもっとも油が乗り切った時期の 作品だけに、お約束の勇壮な主題歌はもちろん、あの川島和子をフィーチャーした 大人のセンスあふれるスキャットや、エンディングの哀愁あふれるバラード等、 聴き応えのある音楽に溢れています。 幸い、今、日本コロムビアからCDが安価で再販されているので、 ヤマトファンの方もお聴きになってはいかがでしょうか?
テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用
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