 アメリカの愛国心に訴える前回に続き、今日の御題もアメリカの軍関係で『沈黙の戦艦』を取り上げます。 スティーブン・セガール主演の沈黙シリーズ第一弾で、日本では17本を数える長寿シリーズですが、 実はアメリカでは『沈黙の戦艦』と『暴走特急』の2本しかありません。 というのは他の15本は全く関係無い、多くはビデオ用の低予算作品を、 日本でだけ「沈黙ナントカ」と名付けてリリースしたからで、こういうインチキは 昔のマカロニウエスタンとかホラーもの、空手のドラゴン映画等ではよくありましたが、 1990年代に入ってやってるのは珍しい例だと思います(笑)。
 そもそも第一弾の『沈黙の戦艦』にしたって、原題はUnder Siege なので、 「完全包囲中」や「完全制圧中」という意味で、戦艦ミズーリが乗っ取られた状態を差します。 それを「制圧中だから沈黙してる」と発想の飛躍をし、漫画の『沈黙の艦隊』に引っかけて 『沈黙の戦艦』という邦題にしたんでしょうから、これ自体はなかなかの名邦題だと思います。 ちなみに『暴走特急』の方の原題はストレートにUnder Siege 2なので、 邦題が『沈黙の特急』とならなかったのが不思議です。「沈黙シリーズ第3弾」と唱ってあるから、 配給元が違って「沈黙」が使えなくなっていた訳ではなさそうなんですが…。
また、なぜアメリカでは「沈黙シリーズ」は2本しか無いかと言うと、この2本目がコケて 製作費を回収できなかったからで、実はスティーブン・セガールが人気を保ってるのは 日本だけというのが本当のところなんです。このあたり本人が長く日本に住んで 日本人との間に子供まで為しているせいなんでしょうかねぇ?
 さてこの『沈黙の戦艦』は先ほどちょっと触れましたが、戦艦ミズーリが、 搭載された核搭載トマホーク巡航ミサイルのブラックマーケットへの転売を狙う トミー・リー・ジョーンズ扮するテロリストに乗っ取られますが、 コックとして働いていたセガール扮するライバックが元海軍特殊部隊「SEAL」の 対テロ部隊の指揮官だったため、単身で壮絶な奪回戦を開始するというストーリーで、 そのセガールのあり得ない強さが大いに受けた作品です。
 この出世作で「史上最強のコック」という、強いんだか弱いんだかよく解らない キャッチフレーズを手に入れたセガールは、 以降、名ばかりの「沈黙シリーズ」でタイプキャストを演じ続けるわけですが、 これも今の映画界には珍しい話で、いろいろとヘリクツ付けて続編出演を拒む俳優も多い中、 ここまで続けばむしろ賞賛すべきじゃないでしょうか?ヽ(´ー`)ノ 最新作では「沈黙の~」の「~」の部分を公募するという苦肉の策なのかグッドアイデアなのか よく解らないキャンペーンを張ったりして、そういうインチキ臭さもたまらない魅力です。 最近のセガ-ルはトシのせいもあって太り気味で動きも鈍くなってるんですが、 そういう男が強いというブックもいいところの展開も、 プロレスファンにとってはたまらない魅力なんじゃないでしょうか?(テキトーw
 さて、この映画、戦艦ミズーリが舞台という設定ですが、細かい撮影は係留されている 戦艦アラバマの外観をミズーリ風に改造して行われましたが、 最初と最後等に写る全景はちゃんとミズーリを使ってます。 戦艦ミズーリはアイオワ級の3番艦で現在までに米軍が就航させた最後の戦艦となりますね。
 お見せしてるのはフィラデルフィアのBACHMANN(バッハマン?)というメーカー(生産は香港)の Mini-Shipsというプラスチック製のシリーズです。スケールは1/1930というハンパなものですが、 たぶんパッケージサイズを一定に保つためでしょう。
 このイラストはパッケージ裏に描かれたものですが、いかにもそれらしいイイ感じですよねぇ…。
この模型を上の画面スチルと同じようなアングルで撮るとこうなります。
 細かい艤装が違っているように見えるのは、たぶんこの模型が第二次大戦準拠で作られている からじゃないかと思いますが、そのあたり詳しい方、御教授願えると幸いです。m(_ _)m
ところで、このおよそ15cm前後の船舶玩具って、昔懐かしい50円のプラモと同じような大きさだし、 今日で言えばフルタの軍艦コレクションがまさにそのサイズですね。 下半分は赤い部分で分割でき、フルハルとウォーターラインのどっちでも飾れますが、 フルハルでも底面は平らなのでそのまま疑似海面に置いた状態が今日の一連の写真です。
 ミズーリは現在ではハワイの真珠湾で記念艦として公開保存されています。 アイオワ級で戦艦大和とほぼ互角の規模を誇る大戦艦なんで、 一度でいいからハワイに行ってその大きさを体感したいものですが、 日本軍の奇襲で沈められ、文字通り「沈黙の戦艦」になったアリゾナの隣に係留されていて、 (写真の白い回廊がアリゾナの沈没地点の上に設けられたモニュメント) 場所が場所だけに日本人が行くと冷たい視線の集中砲火を浴びるらしく、実行に移せません。 特に民主党政権がアメリカを激怒させてる今となってはそれも加熱してるだろうから、 早く沈静化してくれることを心から祈ります。
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