GW開けで再開です! 連休中は現実世界ではほとんど遠出はせずに、 もっぱら異世界への旅を楽しんでいましたが、その世界の乗り物は商品化されてないので、 いずれまた機会があれば書こうと思います。 さて、その代わりと言っては何ですが(笑)、異世界を多く描いて商品化も 多数成されているシリーズとして『スタートレック』を取り上げます。
このシリーズ、元は1960年代後半に、日本では『宇宙大作戦』や『宇宙パトロール』 というタイトルで放映されたTV番組で、カーク船長率いるUSSエンタープライズ号が、 副長のミスター・スポックやドクター・マッコイ等の有能なクルーの働きに助けられ、 深宇宙で繰り広げる驚異の物語は大人気を博しました。(通称はTOS)。 3シーズンで一旦打ち切られて後も人気は冷めやらず、 まずアニメーションとして、1973年に復活(アニメシリーズで通称はTAS)、 この時はTOSで語られなかった同じ航海時の物語という設定で、 エンタープライズ号やクルーの制服は基本的にTOSと同じでした。
その後、1977年頃にTV版の第2シリーズ「(スタートレック)フェイズⅡ」が企画され、 エンタープライズの新デザインも決まり最初の1クールの脚本も完成したところへ、 最初の『スターウォーズ』や『未知との遭遇』の大ヒットで空前のSFブームとなったため、 製作元のパラマウントはそのブームに乗っかるべく、この「フェイズⅡ」の企画を 大予算の劇場用映画に変更することを決定し、1本目の脚本「In Thy Image」を膨らませて あの「ビージャーが地球を襲う」話である最初の劇場版『スタートレック』(略称TMP)が 製作されたのです。
当時はツルモトルームが編集していた日本版の『スターログ』が発売されていた頃で、 もちろんインターネットなんて普及してなかったので、もっぱら海外SF映像の情報は それに頼りっきりで、上でお見せした「フェイズⅡの新エンプラ」の画像も映画版として 紹介されてました。このデザインは葉巻状の船体中央下部分の先頭にTOS版と同じ パラボラアンテナが付いているのが特徴で、TMPの最初のポスターでも同じデザインの イラストが使われたので、「映画版初期デザイン」という説明は間違ってはいませんね。 当時は日本では「フェイズⅡ」のことなんか誰も知らなかったので説明を省いたか、 あるいは本国でもまだ「フェイズⅡ」の存在は未公表だったのかもしれません……。
当時の福岡における『スタートレック』状況と言えば、まだまだ呼称は『宇宙大作戦』で(笑)、 再放送をわりと良くやってくれたので飛び飛びバラバラながら観たことはあって、 しかしまだ家庭用ビデオが普及してはなかったので、全体像をつかむところまではいかず、 一番親しんだのは早川書房のジェイムズ・ブリッシュによるノベライズでした。 これはまず新書サイズのSFシリーズで2冊が1969年に出ましたがずっと品切れで入手不能。
その後、71~72年に『地球上陸命令』『二重人間スポック!』の2冊が文庫で出て中断してたのが、 76年にいきなり『暗闇の悪魔』が出たと思ったら、翌77年にSFシリーズの2冊が 『見えざる破壊者』『謎の精神寄生体』として復活したので、 5冊ズラッと揃った背表紙を見てニンマリしてたらその後は中断することも無く、 1981年の『上陸休暇中止』まで全作を翻訳してくれたので、繰り返し読んだものでした。
映画版が動いてるなんて知る由もないので、ハヤカワの翻訳ラッシュには驚きましたが、 76年の『暗闇の悪魔』は無関係だったかもしれないけど、SFシリーズ2冊の復刊や、 完全刊行は間違いなく映画企画絡みでしょうね。ちゃんとハヤカワはTMPの ジーン・ロッデンベリー名義のノベライズも出してるしなぁ…。しかも最初は大判の ソフトカバー単行本で出しやがったんで、高いけど我慢して買って読んで、 後に文庫本で出し直したときは、その1冊だけ欠けるのがイヤで、また買いましたよ('A`)
映画シリーズが始まってからは2~3年毎に新作が封切られるわ、 87年以降は「ネクストジェネレーション」(TNG)が、 90年代には『ディープスペースナイン』(DS9)や『ヴォイジャー』(VOY)が、 2000年代には『エンタープライズ』(ENT)が始まるわで、 スタトレマニアには歓喜を通り越していささか辟易気味の時代となる訳ですが、 世の中の嗜好がスタトレ風の風刺や社会問題を含んだものから単純なアクション指向へと 変わったこともあり、ついにENTは途中打ち切りになってしまいます。
ENTはTOSの100年前という設定で、地球最初の深宇宙探査船で エンタープライズ(NX-01)と名付けられた宇宙船が舞台ですが、 この機体はデザインがTOSのエンプラの100年前のものにはとても見えないし、 TMPでの歴代エンタープライズのパネルにも出ていないために、もともと不評だったので、 打ち切りも無理ないなぁと思いましたが、尻切れトンボのままで終わらせる訳にもいかず、 これまで見ていたENTの物語は実はホロデッキの再生映像だったという驚異のオチが 付けられ、ライカーとトロイがその再生を止めて去っていく悲しい結びが撮影されました。 でもそれだけではあんまりだと思ったのか、最後の最後に、 TOSから連綿と受け継がれたあのナレーションが、語り手を、 ピカード、カーク、そしてENTの艦長であるアーチャーによってリレーされて 希望に満ちた明日へとエンタープライズが飛んでいくシーンが付け足され、 なんとかシリーズとしての未来は大丈夫だと感じさせてくれています。ヽ(´ー`)ノ
さて、今回お見せしている模型はフルタの食玩で、『スタートレックIV 故郷への長い道』 ラストシーンで初登場し、以降カークの乗艦となった1701-Aタイプです。
本来は純白の機体を、ライトで染まってる感じを表現しようと部分塗装し、 青く塗ればまだ良かったのを緑にして大失敗してる模型ですが(爆)、 エンプラのこのタイプは人気商品で高いのが多い中、これだけは不人気で安いので そのうち再塗装するつもりで、そのままになってます(笑)。 PVC製で、全長約12.5cmと大きさ的にも手頃です。
前作でカークはスポックを救うために1701改を乗っ取り惑星ジュネシスに向かいますが、 クリンゴンとの戦闘で大破し、やむなく自損させたしまったので、 この4作目ではクリンゴン船を乗っ取り地球を救う大冒険を果たします(笑)。 本来なら懲罰モノのカークの特攻ですが(笑)、地球を何度も救った稀代の英雄を 厳罰に処することもできないので、「2階級降格し大佐に戻しある船の艦長を命ずる」との 温情判決となり、同様に降格された共犯の旧クルーと共にその宇宙船がいるドックに向かいます。 そのあたりのシチュエーションはとっても洒落てるので御覧下さい!
最初は「どんな船でもガマンしよう」とか言ってたのに、遠くからエクセルシオールが 見えてきたら、これまでエンプラ改装型とさんざ比較されたので文句言いまくって、 最後に1701-Aが見えたら全員満面の笑顔となり、カークが気持ちを代表して一言。 この4作目の副題はThe Voyage Home だったので、このカークのセリフ、 Welcome Home!が、とっても効いてるんですよね!ヽ(´ー`)ノ
最近の映画界ではバットマンや007等の歴史を誇るシリーズのリセットが大流行ですが、 TVレギュラーが打ち切られ、映画版の収益も半減していたスタートレックシリーズにも その嵐は押し寄せ、映画版11作目の2009年の『スター・トレック』では キャストを一新したカークたちの若き日が描かれました。 ただこの作品では不評だったときの安全弁のつもりなのか、 レナード・ニモイ演じる老スポックも登場し、かつてのシリーズによくあった パラレルワールドであるようにもとれる描き方がされていますが、 幸か不幸か前作の約6倍もの興収を上げたので、今後この世界観での続編が 作られていくことは間違いないでしょう。 私は基本的にリセットモノは嫌いなのでこの映画は未見ですが、 当たっちゃったものはショウガナイので、次回作ができるまでには観ようと思ってます。 人類の冒険が続くなら、やっぱ見届けないとね(笑)。
さて、4年目に突入した当ブログですが、始めた頃とは事情が諸々変わり、 更新するのがなかなか難しい状況になってきました。 自分で納得できる水準を保ったまま更新するのは週に一回が限度だと思うので、 本年度は週刊ペースで月曜を目標に、無理だったらまぁ週中のどっかに(笑)、 記事を書いていこうと思いますので、どうか気長にお待ち下さい。m(_ _)m
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