以前、月4回時代に「一ヶ月ブッコ抜き特集」というのをやってました。 当時の4回のテーマ、ミニカー、ロボット玩具、トイガン、その他なんでもを 全てクリアするテーマがなかなか見つからなくて、そんなに実行できませんでしたが、 1つの作品をじっくり語るにはいい機会だったので、月3回となった今、少しはハードルが 下がったかなと、久々にやってみます。 取り上げるお題はこれまで当ブログには未登場の 『機動警察パトレイバー』で、一旬目の今回は、まずワタクシ的総論から始めます。
漫画、OVA、アニメ映画、TVシリーズ、実写版と様々なメディアで展開した 『機動警察パトレイバー』ですが、私が最初に接したのはゆうきまさみ先生の漫画版でした。
『少年サンデー』誌上で『究極超人あーる』を愛読してた私は、 次回作で本格的ロボット漫画が始まるというので大いに期待し、 『あーる』のヒロイン格だったさんごが主役になったし(野明とさんごが似てるという当時のギャグ)、 始まった頃の特車2課の雰囲気が光画部そのものだったので、極めて自然に移行できたのでした。 かくして先行のマンガ連載はゆうき先生によって行われましたが、この作品は ヘッドギアというクリエイター集団の共同原作によるもので、その担当分担は ・ゆうきまさみ:原案および漫画 ・出渕裕:メカニックデザイン ・高田明美:キャラクターデザイン ・伊藤和典:脚本 ・押井守:監督 ということになっており、それぞれがそれぞれの得意分野を受け持っています。 ヘッドギア体制は非常に強固で 漫画(1988年開始)、ova、映画1、tv版、新ova、映画2、映画3 実写版、実写映画版(2015年公開)、等の作品が作られましたが、 これだけ多岐に渡って、27年もの長期間作品展開されているに関わらず、 世界観の統一と水準の維持には成功しています。 その例としては、アニメ版の声優の統一や、アニメ映画版2と実写版映画との ストーリーの連続性がありますが、押井監督と伊藤脚本とが留意すれば済む ストーリーの連続性はともかくも、約10人程いるレギュラー登場人物の声優を ずっと統一し続けたのは、そうとう強い意志がないと不可能でしょう。 残念ながら近年レギュラー声優の数人が物故されたので、 もし今後本格的な新作が作られるとしたらその交代はやむを得ませんが、 ヘッドギアが管理し続ける限り、他の大きなキャスト変更は無いと思われます。
『パトレイバー』はレイバーという機械が多数出てくる世界観ですが、 この作品で語られるレイバーとは、
人間が操縦する「多足歩行型作業機械」で、正式名称「多足歩行式大型マニピュレーター」。 最初に登場した機種の名称(商標)が「レイバー90」であり、 当初はその開発メーカー篠原重工が商標を所有していたが、同社が手放した後は これらの作業機械に対する一般名称として普及した。 その後は様々な形態のレイバーが誕生し、必ずしも多足歩行タイプだけに限らなくなったが、 いずれのタイプも高い潜在的能力を有し、犯罪に使われた際には既存の警察力では 対抗できないために警察専用レイバー(パトレイバー)が開発された。
ということだそうです。 また劇中を貫く「バビロンプロジェクト」という概念が出てきますが、それは、
1995年に発生した東京南沖大地震によるガレキの処分を兼ねて堤防の内側を埋め立てることで 首都圏の土地不足の解消をするという、一石三鳥を狙った国家プロジェクト 「バビロンプロジェクト」のために日本国内のレイバーの大半が湾岸地帯に集中した結果、 レイバーによる事故はもちろん、レイバーを使用した様々な犯罪行為 (酔っ払いの乱闘騒ぎや窃盗からバビロンプロジェクト反対のエコテロリストによるテロ行為まで) が多発して社会問題となった。
というもので、設定上あまり数を増やせないパトレイバーの活躍が、 どうしても関東中心にならざるを得ないので、 だったらレイバーそのものを関東に集中させればいいやという、 ヘッドギア一派の極めて緻密な計算に基づいた大胆な発想だと思いますが(笑)、 東日本大震災が実際に起ってしまった現在からすると、 現実味をさらに増し比較されるようになったことは、 いかなヘッドギアの面々でも計算違いの、非常に興味深い設定となったのでした…。
基本的にパトレイバーは、レイバーに乗り込んで操縦するフォワードと、 その足元で小回りの聞く装甲車に乗り込み行動支持をするバックアップ(パー)、 さらにはキャリアカーの運転担当と3人一組で運用されます。 パトレイバーが配備されてる特車2課には第一、第二の2つの小隊があり、 エリートの南雲しのぶが指揮する第一小隊がメインの戦力ですが、 昼行灯ともカミソリとも異名を取る異色の人物、後藤喜一が指揮する第二小隊に なぜか主役機のイングラムが二台とも配備され、第一小隊は旧型レイバーで 苦戦を強いられてるのが不思議でしたが、展開の最後の方で、南雲は過去に過ちを犯したために 上層部に睨まれ、特車二課へと島流しされたことが判明し、それがゆえの新型の不配備になった のかもしれません。ただし、第一小隊への 新型機の配備を巡るお話はシリーズを通して 何度か再燃し、いくつもの印象的なエピソードを生んだし、最終的にはマシンスペックでは明らかに イングラムを凌駕する零式(ピースメイカー)が配備されるので、 この辺はヘッドギアのシリーズ構成の巧みさとみるべきでしょう。
今回はミニカー回なので、パトレイバーの指揮車の中から98式特型指揮車を取り上げます。 指揮車はレイバーの行動を指示する、ある意味、レイバーの操縦者よりも重要な役割を担う バックアッパーの搭乗車です。
初期はホンダシティを改造したような97式が登場してましたが、 他のミニパトとの違いが解りにくかったためか(笑)、やがて98式に替わります。
この独特の形状の98式は、実在のフェレット装甲車をモデルにしたと思われ、 実写版ではフェレットを改造した車体が登場しました。というのもフェレットは もともとの価格が安く、1万ドル=120万円程度で買える場合もあるために 撮影用車両のリース会社が持っていたようで、しかもその会社、 撮影終了後にヤフオクにその撮影車両を出して二度儲けようとしたようで、 開始950万円という強気の値段だったので売れなかったとのこと(笑)。 元車の10倍では売れるはずないとも、映画使用の実物だから破格の値段だったとも 言えそうですが、パトレイバーファンに必ずしも好評ではなかった 実写版らしい結末とも言えそうです(笑)。
98式指揮車は、キャラが立ってるのでパトレイバーの模型のスケールに合わせて いくつか商品が出ていますが、今回取り上げるのは2002年発売のキャラウィールです。
ダイキャスト完成品が定価600円で手に入るという素晴らしい商品で、 キャラウィールは基本的には収集対象外の私もちゃんと買っておきました。
スケール表示はありませんが、設定全長3.45mで、実寸6.5cmなので、 1/53計算となり、1/35~1/60程度のレイバーの模型と並べられそうですね。 今回の記事のために、買ってから実に15年ぶりにブリバリした訳ですが、 開けたからには今後の記事でも有効活用する予定です。 それでは今回はこの辺で!(・∀・)
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