 今日の御題は、前回とはトラックつながりですが、2/11の各新聞の記事にこういうのがありました。 記事によって情報の欠落があったため、何紙分かを私が要約したので、まずそれからお読み下さい。
中学1年の時、テレビで航空自衛隊の戦闘機が飛ぶのを見て憧れた少女が、 その夢に向かって歩み始めようとした時、事件は起こった。
埼玉に住む川口瑠美子さんは石川県輪島市の日本航空石川高校の推薦入試を受けようと、 入試前日の1月16日に母(48)と自宅を出発。新幹線で同日深夜に 新潟県のJR長岡駅まで着いたが、乗り換え予定の夜行列車が大雪で運休してしまう…。
このままでは間に合わないし、経済的事情で、 推薦に受からないと石川高校への進学が不可能となってしまうのだ! 長岡駅のホームで両手で顔を覆って泣く瑠美子さんに、母はヒッチハイクを提案。 「絶対あきらめない」とつぶやいた。
約1m50cmも歩道に積もった雪をかき分け進みつつ、母はオレンジ色の傘を広げて大きく振ったが、 車は無情にも通り過ぎ、いたずらに2時間余りが過ぎた。 あるガソリンスタンドにたどり着いた二人は、1台だけ止まっている大型トラックを見つけた。 運転手を捜して頼みこむと、神戸まで行くというその男は「金沢までなら」と引き受けてくれた。
実は瑠美子さんの母親はフィリピン出身で、日本語が得意ではないし、 疲れのため車内でほとんど口を開かなかったが、何気なく「子どもはいるんですか」と尋ねると 「中3の娘がいるよ」と、ガッチリした体型でTシャツ姿のヨコヤマと名乗る運転手は答えたそうだ。
瑠美子さんは後ろの簡易ベッドでしばらく眠り、目を覚ますと、夜は白みかけ金沢市が近づいていた。 約束ではここで降りることになっているが、これから先はどうしたらいいのか 母子が考えあぐねていると、人ごととは思えなくなったのか、 「よし、輪島まで行っちゃる」と ぶっきらぼうに運転手は叫び、トラックの向きを変えた。 スピードを上げ先行車を次々と追い抜いたトラックは、無事に集合時間10分前に到着。 安堵の笑みを浮かべる瑠美子さん母子に、運転手は「がんばれよ!」と励まし、そのまま走り去った。 連絡先を聞こうとしたが教えてくれなかったという…。
携帯電話で事情を告げられ、気をもんでいた石川高校の校長も一安心し、無事、入試は開始される。 推薦の科目である作文は偶然にも「わたしが感動したこと」という表題だった。 興奮覚めやらぬ瑠美子さんは、規定の400字詰め原稿用紙1枚いっぱいに、 強い意志でここまで連れてきてくれた母への感謝と、遠回りで送ってくれたヨコヤマさんのことを書き、 「人の優しさにふれることができ、感動、感謝、他にも色々と感じることができ、良かった」と結んだ。
きっとその迫真の作文が功を奏したのだろう、自宅に合格通知が届いたのはその3日後のことだった。 真っ先にヨコヤマさんに知らせたかったが、連絡先は解らない。 「感謝の気持ちを周りの人に少しずつ返していきたい」と思っている瑠美子さんは、 その気持ちを胸に抱いて、いつの日か大空を羽ばたくことだろう! (写真はイメージ画像です)
世知辛い今の御時世には珍しい心温まる話です。 この記事が書き込まれていた掲示板には、現地の人の書き込みもあって、 「金沢から輪島までは、有料道路を使っても普通に行けば3時間弱はかかる」そうです。 当日は大雪だから、いくら運転手さんが急いでもさらに時間がかかったでしょうし、 往復だと7~10時間のロスだから、神戸に行く予定のヨコヤマさんは、それだけ遅れたことになります。 トラック深夜便は通常はギリギリの予定は組まないものなんで、数時間ならリカバーできるけど、 さすがにこれだけ遅れると荷主から怒られたんじゃないかと思いますが、 ヨコヤマさんのその後は解らないので、どうだったかも解りません……。
無愛想だけど実は人のいいトラック運転手と言えば、やはり『トラック野郎』シリーズを思い出します。 菅原文太と愛川欽也のコンビで、1975年の『御意見無用』を皮切りに 東映で製作されたこのシリーズは、そのドハデなデコトラと文太兄ぃ扮する桃次郎の男意気が、 実際のトラック野郎を始めとする男性陣に大受けで、ついにはシリーズ全10本を数えました。
毎回桃次郎が恋するあたりは明らかに「寅さん」シリーズからのイタダキですが、 こちらは人情だけでなく、桃さんが運転する大型デコトラ(寅w)の激走シーンも売り物で 毎回登場する、同じくらいキテレツなライバルたちのデコトラとのバトルは大迫力でした。
もう映画のシリーズは作られていませんが、今でもデコトラはトラック野郎に人気で 映画と同じような飾り付けをしたトラックは今でも走っています。 実は近くにそういう飾り付けを請け負うショップがあって、家の前の道をそこへ通う 大型トラックがタマに通って、そういう時は家が揺れるほどの地響きがするんですが、 デコトラを見るのは好きなので、その代償と諦めてます(笑)。 さらにはトラック野郎は模型界でも人気は健在で、大は電飾付き1/32程度の 大型スケールのラジコンやプラモから、小はチョロQまで現役商品です。
 今日お見せしているのはポピニカの『トラック野郎』「生まれてすみません」です。 76年にこちら、そして77年に「天下御免」と「度胸一番星」の3種類が発売されたこのミニカーは ポピニカコレクションの最難関の一つで、箱付きミントなら5万以上はするシロモノ…。 もちろんビンボーな私にそんなもの買うカネは無く、これはジャンク再生品です。 3種の違いはデコレーションで、トラック自体は基本的に同じで、 全長14.5cmのトラックにしては小振りなサイズながら電飾が施されているのが泣かせます。
私の手に入れた個体は、本体は紫色に塗られ、細かいパーツは折れ、 タイヤも写真では溶けかかってるように見えるというもの凄い状態でした。 それでも20件も入札されたのはさすがの人気だけど、結局、約2500円で落ちました。ヽ(´ー`)ノ
手元に来てからじっくりチェックすると、紫色はマジックか何かでベットリ落書きされたもので、 これはもうどうしようもないし、完品の写真を見てみると、下地の銀は塗装のようなので、 シンナーで落とせるだけ落としてから全体をくるみ塗装しました。 タイヤが溶けてるように見えたのは、なぜかセロテープが巻き付けてあって、 それが経年でベトベトしてるだけだったんで、剥がして、シンナーで洗浄しました。
さらに完品と見比べると、正面上のアーチ状の飾りは根本からへし折れてました。 それからコンテナ最前部の3つの文句入りの飾りも土台から無くなってます。 この「文句」ってのはトラック野郎の心意気を表したもので、 人により書いてあることは違うんですが、このポピニカの場合は商品名にもなってる 「生まれてすみません」を始め、計9ヶ所にシール貼りで表現してあるんですが、 全面的に剥がれて無くなっています。
こういう状態でとても電飾が生きてるようには見えなかったので、 そっちは全然期待してなかったんですが、スイッチ部分は壊れているものの、 直接電池をつなぐと見事に点灯するじゃないですか!
 これはうれしい誤算で、その喜びのあまり、当初は銀色に塗るだけで、それ以上手を入れず、 資料として仕舞っておこうと思ったこのジャンクを、全面レストアする気になってきました。 アーチは電光がそこまで浸透するようになってたっぽいので、透明プラ板を削り出し、 本当は透明の突起が出ている部分は、中空になってる綿棒の軸棒を切って貼り付けます。 コンテナ天井の飾りも透明樹脂で作り、銀でくるみ塗装しました。 文句シールは、パソコンで作るのが一番いいんだけど、 例によってプリンタ死亡中なんで、ローテクにも手書きです…。
今でも多数の商品が出て好評なことからも解るように、トラック野郎の人気は健在なんで、 最近、特撮やアニメ以外の自社制作作品にヒットが無い東映が、 この実話をトラック野郎の新シリーズとして制作しないかなぁ?
もちろん主演は菅原文太&愛川欽也とコンビと行きたいところだけど、 今の文太さんに「中3の娘がいる」というのは無理がありすぎるので(笑)、 的場浩司を代わりにキャスティングというのはどうでしょう?
その代わり文太さんは、携帯で母子を励ます校長役で貫禄を示してもらって、
去っていくヨコヤマさんのトラックを校門から見送りながら、 「トラック野郎に悪い奴はいませんよ、昔も今も…」 トカナントカつぶやいてもらったら、オールドファンも感激でしょう。ヽ(´ー`)ノ
母親は48才だって言うから、ワンパターン配役だけど年齢も近いし、 ルビー・モレノでいいや(w
娘はテキトーなアイドル、新人を抜擢してもいいなぁ…。 たとえばこの川島海荷ちゃんあたりで…。 年もピタリだし、ルビーと同傾向の顔立ちだし(笑)。
あ、キンキンの出番が無いなぁ…。じゃ、ガソリンスタンドの店員役で、 母子を見かねてトラックの運ちゃんに口を利く役で、 やもめのジョナサンらしい人情味を見せると(写真略w)。
『新トラック野郎~人情母子旅~』、ウケると思うけどなぁ!
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