『頭文字D』の2回目は「赤城の白い彗星」こと高橋涼介のRX7(FC3S)です。 劇中でのバトルの順番からだと啓介のFDが先ですが、とある理由でこっちを先にやります(笑)。
1985年に登場したRX7の2代目は、先代のフィアットX1/9風のデザインから全体的に太くなり ポルシェ924そっくりになりました。そのスタイリングは賛否両論ですが、 まさに「プアマンズポルシェ」そのものなんで、この言葉が本来持つシャレっ気が解らない ヤボ天には評判が悪かったんじゃないでしょうか?
FCは『頭文字D』連載開始時にはすでに後継のFDに変わっていたんですが、 そっちは全体的にスパルタンな感じがするのでやはり弟の啓介の方に相応しく、 冷静な兄の愛車をFCにしたのはなかなかシブイ選択だと思います。
高橋涼介は大病院の跡取り息子で、1年間の期限付きで彼が長年培ってきた「公道最速理論」の 完成を目指すために、弟とそして拓海をも仲間にした「プロジェクトD」を結成する訳ですが、 遠征費用は全て涼介持ちという高い遊びを続けるだけの財力があるんだから、 なにも型落ちFCを愛車にせずとも、それこそ本物のポルシェだって買えるだろうに という気もするんですが、そこにツッコむことはこのマンガのタブーでしょう…。 あ、あと1年という期限を気にするのもやはりタブーで、こっちは営業的な面で(笑)。
涼介のバトルは連載初期の拓海のと、ランエボ軍団の頭の須藤京一との二戦が主なもので、 一勝一敗の成績です。前は涼介が「白い彗星」としてブイブイ言わせてた頃の外伝が いつか書かれるかもと期待してた頃もあったけど、もはやその実現は望み薄でしょうねぇ…。
このFCは『湾岸ミッドナイト』でも重要な役割で登場します。城島洸一のエピソードがそれで、 雑誌にTVに活躍中の売れっ子の自動車評論家である城島は、かつてゼロという チューナーショップに属した走り屋で、その際に組み上げたFCは5年経った今でも TOPチューナーたちの記憶に刻まれているほどの素晴らしい完成度を誇っていました。 今ではTVや雑誌の向こうの一般大衆向けに極めて薄っぺらい内容のコンテンツを制作することに 慣れきっていた城島でしたが、TVのアシスタントを務めていたレイナに誘われ、 昔のチューナー仲間や、アキオと悪魔のZ、島とブラックバードらと出会うことによって 徐々に昔の情熱を呼び覚まされていくのでした。 国産チューン車の凄さを知り尽くしている彼が、中級者以下が読む雑誌向けに 「ポルシェターボに適うクルマはいない」とか、チューンすれば500馬力は当たり前のこの現在に 「400馬力以上のパワーは危険だ」等の心にも無いことを書かねばならないという非条理さ……。
心の張り合いを失った彼は、かつで自分が輝いていた頃の象徴であるあのFCを探しだし、 ふたたび湾岸で走り出そうとします。城島たちの技術の結晶だったそのFCは、 御殿場でガソリンスタンドを営む「伝説のプライベーター」こと林に引き取られていたため、 城島は普段転がしていたベンツを売って資金を作り、林に最高の状態に戻す整備を依頼し、 林はかつて北見チューンとも張り合ったその技術をフルにつぎ込んで、城島の依頼に応えます。 この城島のFCは、もともとサーキットトライアル用に組まれたクルマにふさわしく、 リアに大きなウイングを付けているのが特徴でしたが、 その特徴はそのままに最高の状態で城島の執念のクルマは復活したのでした。
こうして仕上がった車体のセッティングを富永に依頼し、慣らしも終えた城島は、 いよいよ悪魔のZとブラックバードに挑み善戦しますが、スピードの危険さとロータリーの限界を 熟知する彼は、300キロを目前にしながらもアクセルを最後まで踏み抜くことはできませんでした…。
しかし、確かな満足感は感じたのか、晴れやかな顔をしてバトルから下りていったのです……。 (画像はアニメ版第26話「選ばれし者」より)
お見せしているミニカーは、前回と同じコミックトミカEXです。 やはり同じ標準スケールで全長約11cm、つうより、ハチロクとFCの2台セットが市販の状態で、
しかもこのようなバトルジオラマ風のブリスターに封入されているのでした。
FCの紹介を急いだのはこの2台セットの存在と、『湾岸ミッドナイト』との車種のカブりが理由で、 『頭文字D』と『湾岸ミッドナイト』はそれぞれの主役は互いに遠慮してるようですが、 それ以外の車種はカブりまくりなのです(笑)。すでにレイナと中里のR32が被ってますが、 実はその他にもいくつかあるため並行して紹介できるようにと、一旦『湾岸ミッドナイト』を中断して 『頭文字D』の紹介を始めたのでした(笑)。
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