『
調査会法情報』さんが12月10日付『
調査会法情報081210(強制連行・沖縄戦・公文書)』で取り上げてらっしゃったのを、後追い(^^;
なお、当ブログでの先行エントリは、2008/05/29付『
第2次不二越訴訟控訴審第1回口頭弁論が28日に開催』、、、って、あれ?第二回が飛んでしまった。
『戦時中に「女子挺身隊(ていしんたい)」として強制連行され過酷な労働を強いられたとして、韓国人女性ら23人が機械メーカー「不二越」(本社・富山市)と国に慰謝料など1億380万円の損害賠償と謝罪を求めている』、「第2次不二越訴訟」の控訴審第3回口頭弁論が8日に名古屋高裁金沢支部で開かれた、という話。それに先立つ12月5日時点で、
「第2次不二越訴訟」を支援する北陸連絡会は4日、控訴審の第3回口頭弁論(8日)で、国際法などを研究する教授ら2人の証人採用を求める署名を名古屋高裁金沢支部に提出した。前回と合わせて署名は1万人を超えた。
(中略)8日に採否が決まる。同日、証言する予定だった原告の成順任(ソンスニム)さん(78)は体調を崩し来日できなくなった。
ということだった。
そして、8日に出た報道で
(略)
口頭弁論で弁護団は「日韓の協定の解釈に誤りがある」として学識者を証人採用するよう求めました。これに対し名古屋高裁金沢支部は、朝鮮近代史が専門の新潟国際情報大学の吉沢文寿准教授を証人として採用することを認めました。次の弁論は来年3月4日に開かれます。
続いて、9日に出た報道で
(略)
原告側はこの日までに、日韓請求権協定締結当時の外務省が「放棄されるのは国の請求権であって個人のものではない」との見解を示した内部資料を提出した。また、学者2人のうち、吉澤文寿・新潟国際情報大准教授が証人として認められた。
(中略)
この日、原告側は準備書面で「同協定締結当時の日本政府の公式解釈は、放棄されるのは国の請求権のことだった」と主張。「個人の請求権自体を直接放棄することが目的だった」とする国側の主張は、当時の政府の意思に反しているとした。(後略)
9日の報道がもう一つあって、
(略)
渡辺修明裁判長は原告側から証人請求があった新潟国際情報大の吉沢文寿准教授(朝鮮現代史)を採用、来年三月四日の次回弁論での尋問を認めた。もう一人、神戸大の五十嵐正博教授(国際法)の証人請求は留保した。
国側が「サンフランシスコ平和条約と日韓請求権協定で韓国の国民には日本への請求権はない」と主張。これに対し、原告側は「条約と協定は法的性格が異なる」と反論。同条約は請求権放棄の枠組みに当てはまらないとして「意図的な混同だ」と訴えた。(後略)
請求権云々の辺り、司法に強いどなたかが説明に来てくれるのを期待しつつ、見つけた情報を保存。
『
不条理日記』さんの2007年06月04日付『
「日韓請求権協定」と個人の請求権について』
(略)
しかし、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年6月22日 署名)によって、大韓民国の国民が日本政府や日本企業に対し補償を求めることは出来ない、と判断することは誤りである。
この協定の第二条は、
(中略)
となっている。たしかに全ての補償問題が「解決」されたと述べているようであるが、日韓の両国民に対し請求権を失わせるものではない。
(中略)
さらに、この日韓の協定について1991年8月の参院予算委員会で当時の外務省条約局長が次のように答弁している。
121 - 参 - 予算委員会 - 3号
平成03年08月27日
100/297
○ 政府委員(柳井俊二君) ただいまアジア局長から御答弁申し上げたことに尽きると思いますけれども、あえて私の方から若干補足させていただきますと、先生御承知のとおり、いわゆる日韓請求権協定におきまして両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決したわけでございます。
その意味するところでございますが、日韓両国間において存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることはできない、こういう意味でございます
このように「いわゆる日韓請求権協定」に於ける「個人の請求権」の扱いは、
日本政府が韓国政府に対し、あるいは韓国政府が日本政府に対し、
自国民の財産の返還や被害の補償を要求することはない、ということを宣言しただけなのである。
日本国民が韓国政府に対し、あるいは韓国の国民が日本政府に対し、財産の返還や被害の補償を求めることは、この協定とは無関係なのである。(後略)
『
関釜裁判を支援する会』さんの『
「日韓協定によって解決済み」論に対する山本弁護士の反論』
(略)
しかし、1991年8月27日以降の国会答弁においては、政府は日韓協定の規定は外交保護権の放棄にすぎず、個人の請求権は消滅していないことを認めるようになった。
(中略)
2 日韓協定二条三項の趣旨
政府が個人に代わってその請求権を消滅させる協定を結ぶことはできない。一審被告の主張の通り、日韓協定二条三項は個人の権利を消滅させるものではなく、外交保護権の相互放棄を定めた規定にすぎない。
このことは実は協定締結当時から日本政府は十分に意識していた。(後略)
『
47ニュース』2005/01/17 01:23付『
日韓外交文書の要旨 韓国政府が公開』
【ソウル17日共同】韓国政府が17日公開した外交文書の要旨は次の通り。 【1964年3月11日 外務省から駐日大使あて訓令】協定で請求権が北朝鮮地域まで及ぶことへの可否は協定文に明文化せず、代わりに両政府が適切な説明で自国民を納得させる。
(大幅に中略)
【同年6月19日 韓国代表が外相に向けた至急暗号文】(請求権問題解決を定めた)二条がまだ妥結できない。打開に向け訓令を願う。
『
[AML 6246] Fwd: [renko-ml][04535] 「日韓会談文書・全面公開を求める会」ホームページからも入会手続できます!』2006年 3月 10日 (金) 付の一部、
日韓協定によって解決されたのは、日韓双方の政府が保有する外交保護権のみであり、個人の請求権は消滅していません。
日韓協定によって個人請求権まで解決されたというのであれば、日韓会談で何が話し合われたのか、そしてどのようにして協定が締結されたのかが明らかにされるべきでしょう。しかしながら、日本政府は、日韓協定締結から40年以上経過しているにもかかわらず、日韓会談文書を実質上非公開にしています。
2005年に韓国政府は日韓会談にかんする外交文書を全面公開しました。
しかし、日韓会談の全貌を知るためには、日本政府による文書公開が必要不可欠です。
それで、今現在は日韓会談文書の公開がどうなったのかと探してみると、、、2008年 5月 11日付で、
私達は2006年4月に外務省に対して情報公開法に基づく日韓会談文書の全面公開を請求していましたが、この程、多数の部分開示、不開示部分があるとは言え、5万ページに上る文書開示を実現しました。韓国で開示された文書が3万5千ページですので量的にもそれを超えるものです。特に日本政府の内部検討の文書も相当数開示対象に入っていることは極めて重要だといえます。
『
日韓会談文書・全面公開を求める会』ホームページを確認してみると、第2次不二越訴訟控訴審第3回口頭弁論に焦点を絞った情報は見当たらなかったのだが、この会の請求によって公開された文書が、
日韓請求権協定締結当時の外務省が「放棄されるのは国の請求権であって個人のものではない」との見解を示した内部資料を提出した。
の内部資料なのかもしれない。
ということは、この裁判の行方、今までと違った方向に行く可能性は結構それなりに、、、あるのだろうか。
『
不条理日記』さんの2007年06月04日付『
「日韓請求権協定」と個人の請求権について』
(略)
しかし、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年6月22日 署名)によって、大韓民国の国民が日本政府や日本企業に対し補償を求めることは出来ない、と判断することは誤りである。
この協定の第二条は、
(中略)
となっている。たしかに全ての補償問題が「解決」されたと述べているようであるが、日韓の両国民に対し請求権を失わせるものではない。
(中略)
さらに、この日韓の協定について1991年8月の参院予算委員会で当時の外務省条約局長が次のように答弁している。
121 - 参 - 予算委員会 - 3号
平成03年08月27日
100/297
○ 政府委員(柳井俊二君) ただいまアジア局長から御答弁申し上げたことに尽きると思いますけれども、あえて私の方から若干補足させていただきますと、先生御承知のとおり、いわゆる日韓請求権協定におきまして両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決したわけでございます。
その意味するところでございますが、日韓両国間において存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることはできない、こういう意味でございます
このように「いわゆる日韓請求権協定」に於ける「個人の請求権」の扱いは、
日本政府が韓国政府に対し、あるいは韓国政府が日本政府に対し、
自国民の財産の返還や被害の補償を要求することはない、ということを宣言しただけなのである。
日本国民が韓国政府に対し、あるいは韓国の国民が日本政府に対し、財産の返還や被害の補償を求めることは、この協定とは無関係なのである。(後略)
『
関釜裁判を支援する会』さんの『
「日韓協定によって解決済み」論に対する山本弁護士の反論』
(略)
しかし、1991年8月27日以降の国会答弁においては、政府は日韓協定の規定は外交保護権の放棄にすぎず、個人の請求権は消滅していないことを認めるようになった。
(中略)
2 日韓協定二条三項の趣旨
政府が個人に代わってその請求権を消滅させる協定を結ぶことはできない。一審被告の主張の通り、日韓協定二条三項は個人の権利を消滅させるものではなく、外交保護権の相互放棄を定めた規定にすぎない。
このことは実は協定締結当時から日本政府は十分に意識していた。(後略)
『
47ニュース』2005/01/17 01:23付『
日韓外交文書の要旨 韓国政府が公開』
【ソウル17日共同】韓国政府が17日公開した外交文書の要旨は次の通り。 【1964年3月11日 外務省から駐日大使あて訓令】協定で請求権が北朝鮮地域まで及ぶことへの可否は協定文に明文化せず、代わりに両政府が適切な説明で自国民を納得させる。
(大幅に中略)
【同年6月19日 韓国代表が外相に向けた至急暗号文】(請求権問題解決を定めた)二条がまだ妥結できない。打開に向け訓令を願う。
『
[AML 6246] Fwd: [renko-ml][04535] 「日韓会談文書・全面公開を求める会」ホームページからも入会手続できます!』2006年 3月 10日 (金) 付の一部、
日韓協定によって解決されたのは、日韓双方の政府が保有する外交保護権のみであり、個人の請求権は消滅していません。
日韓協定によって個人請求権まで解決されたというのであれば、日韓会談で何が話し合われたのか、そしてどのようにして協定が締結されたのかが明らかにされるべきでしょう。しかしながら、日本政府は、日韓協定締結から40年以上経過しているにもかかわらず、日韓会談文書を実質上非公開にしています。
2005年に韓国政府は日韓会談にかんする外交文書を全面公開しました。
しかし、日韓会談の全貌を知るためには、日本政府による文書公開が必要不可欠です。
それで、今現在は日韓会談文書の公開がどうなったのかと探してみると、、、2008年 5月 11日付で、
私達は2006年4月に外務省に対して情報公開法に基づく日韓会談文書の全面公開を請求していましたが、この程、多数の部分開示、不開示部分があるとは言え、5万ページに上る文書開示を実現しました。韓国で開示された文書が3万5千ページですので量的にもそれを超えるものです。特に日本政府の内部検討の文書も相当数開示対象に入っていることは極めて重要だといえます。
『
日韓会談文書・全面公開を求める会』ホームページを確認してみると、第2次不二越訴訟控訴審第3回口頭弁論に焦点を絞った情報は見当たらなかったのだが、この会の請求によって公開された文書が、
日韓請求権協定締結当時の外務省が「放棄されるのは国の請求権であって個人のものではない」との見解を示した内部資料を提出した。
の内部資料なのかもしれない。
ということは、この裁判の行方、今までと違った方向に行く可能性は結構それなりに、、、あるのだろうか。
No. 5473
こんにちは
トラバありがとうございます。
日韓条約で個人の請求権は放棄されてないって、去年初めて慰安婦問題を調べたときにやったのを思い出しました^^
(不条理日記さんが引用してらっしゃった「従軍慰安婦と戦後補償」を引用していたサイトがあったのですが、今はもう無くなってました。残念。)
他にもその時に見た資料をあげておきますね。
慰安婦立法参考人質疑議事録より参考人戸塚悦郎先生の発言
…例えば、北朝鮮に対しては条約はないんですね。台湾との条約は日本が破棄したわけであります。これはないんですね。それから、韓国に対しても、違法行為について個人の請求権を放棄するという条文はどこにもない。中国に対しては、日本は賠償というものは全く払っていない、あれだけの被害を与えて一銭も払っていない、それで誠実に対応したと、こういうふうに言っているんですね。
中国とは、確かに日中平和条約ございますし、日中共同声明ございます。しかし、その中に個人の請求権の放棄という言葉は一言も入っていない。当時は、もう既にジュネーブ条約によって日本も中国も個人の請求権の放棄を禁止されておりました。だから、できなかったというのが私の考えであります。北朝鮮に対しても、今、北朝鮮が個人の請求権を放棄しようとしてもジュネーブ条約の拘束のためにできない、そういう状況であります。
これを、条約によって解決してきたかのような発言を繰り返すということで、言わば国民もあるいは被害国の人たちもだましてきたと、この態度に問題があるのじゃないか…
戸塚先生は個人の請求権放棄を禁止したジュネーブ条約についてここで詳しくふれてます
国家間の条約により、国家が勝手に個人に代わって個人の請求権を放棄するのは、「被保護者の地位に不利な影響を及ぼし、またはこの条約で定める被保護者に与える権利を制限する」いかなる特別協定の締結をも禁じているジュネーブ第4条約7条に違反する。ということです。
この参考文献では日中共同声明について個人の請求権が放棄されてないことを説明してますが、ジュネーブ第4条約を批准したのは1953年で、日韓条約は1965年に結ばれてますから、この説明はそのまま日韓条約にあてはまると思います。
No. 5474
このコメントは管理人のみ閲覧できます
No. 5475
>秋原葉月さん
ありがとうございます。
そういう理屈付で、そうなっているんですね
(<-指示代名詞ばっかり(^^;)
>国家間の条約により、国家が勝手に個人に代わって個人の請求権を放棄するのは、「被保護者の地位に不利な影響を及ぼし、またはこの条約で定める被保護者に与える権利を制限する」いかなる特別協定の締結をも禁じているジュネーブ第4条約7条に違反する。ということです。
<
ご紹介いただいたのが「155-参-内閣委員会-12号 平成14年12月12日」で、
http://www.jca.apc.org/~fsaito/sexslave-sankouninn.html
なぜか、参議院では収録されてませんね。なんででしょ???
後ほどじっくり読んでみます。
それと、「第154回国会 参議院憲法調査会 第8号」でも以下の記述を見つけました。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/keika_g/154_08g.htm
_________________________
一九七二年の日中共同声明を見ても、戦争賠償だけは放棄されていますけれども、個人は書かれておりません。当時、日中で個人の重大人権侵害に対して個人の請求権を放棄するという条約を結ぶことはジュネーブ条約に違反するということで、できないようになっていたのであります。したがって、やっていないんだろうというのが私の推測です。
また、朝鮮民主主義人民共和国と日本の間では条約はございません。
それから、日韓でございますけれども、これはそれこそICJの意見書もございますし、国連のレポートもございますけれども、違法行為については全く言及がなくて、終わっていないと考えられます。
_________________________
でも、日中共同声明がでてくると、うーんと思ってしまいました。
この前、日中共同声明が解決済みとする最高裁判決がでてしまいましたよね。。。
新しい資料がどれだけ後押しになるのか、エントリにはああ書いたけど頼りない気分なのはたしかです。
そしてまた、立法救済とかいう話になったら、大騒ぎでしょうね…?(^^;
それにしても、
>国家間の条約により、国家が勝手に個人に代わって個人の請求権を放棄するのは(中略)いかなる特別協定の締結をも禁じているジュネーブ第4条約7条に違反する。ということです。
<
そりゃそうだろうと納得するのですが、国家と自分を不可分としているとでも表現すればいいのか、、、の人には、理解が難しい話なんですかねぇ。
>2008/12/12 13:22 No. 5474様
ありがとうございます。
おかげさまで見つかりました。
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[よのなか]罰せられない犯罪@日本
このエコノミストの記事、とても憂鬱になった。被害者の女性をこんなに苦しませるなんて… The Status of Forces Agreement | Jane’s story | The Economist THIS story is of no material importance to Japan. It is the story of Jane. And it is a story of a very sma
[2008/12/11 16:55]
URL
おこじょの日記