「慰安婦」関係の情報をチェックしていて、韓国語報道がたくさん出ていると、ぎくりとする。特に厳寒期だと。これは、去年、その時期に韓国の「慰安婦」被害者の方の訃報が相次いだためだ。高齢の方には寒さが堪えるだろうと思えるだけに、今年もその時期に韓国語報道が出る度にいちいちヒヤリとしていて、 1月20日には90歳で亡くなられたハン・オクスン(한옥선)さんの訃報を伝え聞いていたが、いつの間にか暖かい季節に移っていた。とはいえ無論、だからといって他の被害者の方達皆さんがお元気なわけではないのは自明ではあった。 加減がお悪い方が多いのは聞き及んでいたが、訃報がお二人分続いていたのを知ったのは、この報道を見てからだった。 聯合ニュース 2009/05/28 21:34付「 고향도 못간 '위안부' 할머니 별세 (故郷に戻れなかった『慰安婦』ハルモニ死去)」 蔚山(ウルサン)にお住まいの ユン・ドゥリ(尹頭理、윤두리)さんが、28日に享年81歳で亡くなられたとのことだ。聯合ニュースが報じるには、1928年に釜山で生まれて15歳の時に「慰安婦」とされたユンさんだそうだが (韓国挺身隊問題対策協議会=挺身隊対策協の発表)、「 滝尾英二著『在朝日本人の女性たち ―「史料」からのアプローチの試み― 』1994年2月16日 (近代天皇制、植民地支配に関する資料)」に、もう少し詳細な記述があった。
(略) 一九四二年、十五歳でゴム工場に働きに行くが、軍服工場に移った。そこの日本人の課長に下心を持たれたのでまた職場を変えることとなり、釜山鎮駅の前を通りかかった。その時派出所の前で巡査に呼び止められ、そのまま釜山影島(ヨンド)の第一慰安所に連行され、慰安婦生活をさせられるようになった。 (略) 慰安所の経営者は日本人の高山(たかやま)という人で、慰安所の監視は軍隊がしていました。山下(やました)という日本人軍属が玄関に座っていて、軍人たちが来れば空いた部屋に入れと部屋を決めるのでした。 (略) 一日平均三十~四十人ほどの相手をしました。主に釜山から来た海軍と陸軍の軍人でした。特に船が着く日は多く、土曜日、日曜日にはさらに多くなりました。」 出典は「韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会編、従軍慰安婦問題ウリヨソンネットワーク訳『証言 強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』」とのこと。 そして、聯合ニュースでは、
解放後も、1年余り転々と食堂に勤めてから家に戻ったが、暮らし向きが苦しい上に、慰安婦生活が原因の心理的・肉体的苦痛が癒えることが無く、結局は故郷を離れてソウルに出、1986年からは蔚山に居着き、苦労して生活してきた。 ユンさんは、「故郷は慰安婦をさせられていた記憶が思い出されるから帰りたくない」と度々語っていたという。また、ユンさんは、日本政府の「国民基金」を拒絶し、真の謝罪と賠償を希望していた、一生を台無しにしたのに言い逃れを続ける日本政府に対し終生怒りを持ち続けたと、挺身対策協は伝えた。 ナヌムの家では、生前のユンさんをこう記していた 。 (略) 15才から工場で働いていたが、交番に呼び込まれ、そのまま慰安所へと送られた。高齢にも関らず、夜道で女性を追いかけ回している男を見ると、一発のパンチで打ちのめしてしまうほどの勢いで襲いかかる。教会へ通うのを日課にしている。
ユンさんの追加情報を探しに、サイト「 「慰安婦」決議に応え今こそ真の解決を!」を確認に行って、もうお一方の訃報がでていたことを知った。5月23日に、 慶尚南道トンヨン居住の被害者、12月半ばから闘病生活を続けておられたキム・ジョンエさんが亡くなられていたという。報道が出ていなかったのは、ご家族が望まれなかったそうだ。 ―1921年 トンヨンで生まれる ―1940年 20歳の年に、網元で働いているところ強制的に拉致され、中国に連れて行かれ5年間「過酷な慰安婦」生活を強いられる ―1945年 南京から釜山へ汽車に乗って帰国した後、船に乗ってトンヨンに帰郷 ―生計手段は工場・農作業・魚の行商など ―結婚はせず甥姪を育て一人で暮らす ―1993年 日本軍「慰安婦」被害者として政府に登録 ―2009年5月23日夜11時30分ごろ 恨多い生涯を終える
キム・ジョンエさんの他の消息はちょっと探し出せなかった。キムさんの情報が少ないこと、キムさんのご家族が報道を望まれなかったことが重い。被害を公表できないままに亡くなった被害者は、とてもたくさんいらっしゃるのだろう。これは韓国に限らない。もちろん日本にも。私も 日本人被害者のお名前はほとんど知ることができないでいるから、せめて、お名前を知ることのできた被害者の方には、と思う。 キム・ジョンエさん、 ユン・ドゥリさんのご冥福をお祈りします。 そして、2009-05-28付中國新聞網より、「 海南慰安婦再向日本最高法院上訴 (海南の慰安婦被害者、日本の最高裁に上訴)」。 亡き黃玉鳳さん、譚玉蓮さんの継承人を含む10人の被害者らが、 5月26日に訴訟の委任状に署名し、最高裁上告の手続を採ったそうだ。日本に赴く陳金玉さんは、共に被害を受けた姐妹達のために、生きている限り最後まで闘うつもりであると語っているという。 さらに、今日はもう一件。 日経ネットが28日23:01付で、アムネスティが死刑・代用監獄・貧困などの問題と共に、『 従軍慰安婦問題でも国際社会の圧力にもかかわらず政府が生存者への十分な賠償に応じていない』と年次報告 で述べていると報じている。 原文はこちら。 「 Japan | Amnesty International Report 2009」 該当箇所はこの冒頭部分の後半だろう。 The number of executions increased. Prisoners continued to face prolonged periods of solitary confinement and inadequate access to medical care. Under the daiyo kangoku pre-trial detention system, police interrogated suspects without lawyers and often in the absence of electronic recording. Despite international pressure, the Japanese government failed to accept full responsibility or provide adequate reparations to the survivors of Japan’s World War II military sexual slavery system.
…国際的圧力にもかかわらず日本政府は、第二次世界大戦中の軍用性奴隷制度の被害者に充分な賠償を提供することや、責任を認めることができなかった、と。 そして、後の方にも言及が。 Violence against women and girls
Parliaments in Taiwan and South Korea passed resolutions calling for justice for the survivors of Japan’s military sexual slavery system during World War II. The UN Human Rights Committee recommended that Japan apologize and accept legal responsibility for the “comfort women” system. The city councils of Takarazuka, Kiyose and Sapporo passed resolutions calling on the Japanese government to resolve this issue.
女性と女子に対する暴力行為
台湾および韓国議会は、第二次世界大戦中における日本軍性奴隷制度被害者への正義を求める決議を可決した。国連の人権理事会は、「慰安婦」制度に対する法的な責任の受諾と謝罪を勧告した。宝塚、清瀬、札幌市議会は日本政府に問題解決を要請する意見書を採択した。
福岡市議会の意見書は間に合わなかったのかな。 …この方面でも、日本の女性差別に関する感覚の鈍さは、国際的な認知を受け続けるのだろうな。いや、 こっちの話が、つい念頭に。
反日の予定がなんだか親日になってしまった小籠包のリベンジのため、鶏出汁を取るべく、ガラを買いに行ったら、またこれしか売ってなかった。 グラム30円で300g。 白ネギの青いトコと生姜のかけらを入れて、圧力鍋で蒸気が出るまで加圧。その時点で一旦火を止めて冷めるまで放置。冷めたら、料理ばさみで適当に細かく切って、後は手で握りつぶして肉部分を細かくし、再度加圧。蒸気が上がってから2-30分ぐらいで、抽出終了。冷めてから力一杯絞ると、白濁した味の濃い出汁が取れるので、これをいろいろに使ったので、そのレポート(及び、若干おまけ)。 もちろん、小籠包がメインなんだけど、あれは100ccぐらいしか使わないから、まず、別用途に使ったので、こっちを先にエントリにして 自慢しておこうという話。 いつも材料入手困難なおいしそーな料理をアップするどらねこさんが、材料入手容易なレシピをあげてくれていたので、これは試さないとね。 『 ぶーさんのビール煮チーズ焼き』 まずは、豚肩ロースをゲット。
…なんか、しまりのない肉で、どべーっとしている。ならば仕方ない。 縛った。 亀甲縛りは難易度が高く、あまり綺麗に縛れなかった。野菜屑を入れて、鶏出汁も入れて沸騰したトコに投入。 そして。 > 私の場合、あまりの処理方法がないので、肉が小さいこともあって350ml缶。 全部入れて2時間煮込み。そういえば肉にクレイジーソルトと黒胡椒を振ったけど、煮汁には味をつけていなかったような。 煮上がったのは、都合により2日ほど冷蔵庫待機。その後、1センチほどの厚さにスライスして、煮汁を入れたグラタン皿に入れ、溶けるチーズをのせて、オーブントースターで10分ほど。 御馳走様でした。大変美味しかったです。 そして、目をつけていた、 なごなぐさんの手羽元のタマネギ煮込み(注、なごなぐさんに手羽元が生えているわけではない)。 タマネギ二個を薄切りにして、茶色くなるまでしつこく炒めて、鶏出汁投入。日本酒と醤油で薄い目に味付け。 沸騰してから、手羽元1パック、6本程入りを全部投入。後はひたすら煮込むのみ。 少し焦げてしまったのだが、それが香ばしさを添えて、これまた大変美味しかった。茶色くなるまで炒めたタマネギに醤油味という発想がなかったので、最初、え?と思ったのだが、これがよくあって旨い。関東炊きにレタスを入れる土地柄と聞くだけに、料理に対する発想が柔軟なんだなぁと改めて感嘆したのだった。 御馳走様でした。タマネギって偉大だにゃぁ。 そして、CookPadで見かけた お手軽蒸しパン。 最初っから耐熱ガラスの器で作ったり(^^; 全粒の薄力小麦粉大匙5、ベーキングパウダー小匙1に三温糖を大匙1とをよく混ぜておき、牛乳を大匙1.5を混ぜておく。 そこに、なんと、マヨネーズを入れる。計量スプーンではかると洗うのが面倒なので目分量で小匙山盛り1ぐらい。 そしてさらに牛乳大匙2をいれて、全体に均一に混ざったら、電子レンジ500Wで2分。 ふかふか蒸しパンのできあがり。 そしてそして。さすがにもう店頭からは消えたけど、今シーズン最後の生で買った竹の子の用途の一つ。しょっちゅう作っている 中華風肉味噌は竹の子を入れるのだが、いつもは水煮を買ってきて入れていたわけ。これが、自分であく抜きからした竹の子を使うと美味しいだろうと思ったのでやってみた。 絶品でございました。
2009/05/05のこと、 どこのマスコミも科学部はしょぼいというもっぱらの評判を裏付けるかのような記事が、朝日新聞の科学面「アスパラクラブ」に掲載された。 『 aサロン_科学面にようこそ_DO科学/「3」を究める』 科学もへったくれもない、どこの呪術社会の「科学」なんだと腐したくなるこの記事のとんでもなさは、『 今日の科学:pokoponにっき』(2009.05.22付)が批判していたが、批判すればよいと言うものではない。この記事はあろうことか、不思議なパワーがあるのは「3」ではなく「4」であると指摘しているのだ。トンデモをトンデモで批判しても、まとめてトンデモなだけである。 だが、この 右翼blogであると運営者が自称しているブログのエントリを、勇気ある論者が「一見科学的な装いを凝らしてはいるが、思い込みに基づいた非科学的な記事であると言わざるをえない」として、敢然と批判した。 『 pokoponにっきの科学に対する認識を問う:みみずくからの伝言』(2009/5/22付) …なんということだろう。敢然と勇気をもって批判するのはいいが、批判すること自体が目的となっては本末転倒である。これでは批判偶数組と揶揄されるのも宜なるかなと評せざるを得ない。このエントリは、「なんといっても不思議な数は4ではなくて2であろう」と主張して、根拠を列挙するのである。 こうした批判を批判なのか、批判批判を批判なのか、だんだん混乱してきた状況に、さらに勇気あるブロガーが一石を投じた。 『 5は至高の数字 - みつどん曇天日記』 ……なんということだろう。このブロガーも「5の魔力」「あらゆる言語に5は含まれる」として、具体的な根拠を列挙するのである。私はあまりのことに呆れ果ててしまった。
先日、積読の山 (笑)の背表紙を見ていると、ふとある本のタイトルが目についた。 「疾病は警告する ー人間の歴史を動かす感染症の魔力ー」濱田篤郎著(洋泉社) 多分、去年か一昨年ぐらいに古本屋で買ったおぼろげな記憶がある (<-そのまま放置していたorz)。2004年8月の初版で、ちょうどSARSの収束後のタイミングに出た、感染症の専門家による新書だ。著者の濱田医師は、昨今のインフルエンザでもメディアで発言している、海外感染症の専門家だ。 内容は歴史上で確認できる人類に流行した感染症を紹介するもの。ハンセン病、ペスト、梅毒、天然痘、マラリア、コレラ、結核、黄熱、インフルエンザ、発疹チフス、エイズ、そしてSARSが取り上げられているが、それぞれの感染症が社会へ及ぼした影響や、感染症が動かした歴史、感染症と闘った医師達の努力を紹介する文章は、文章そのものが上手く、非常に読みやすくて面白い本だった。 そして、歴史を動かした感染症を紹介した後、それをふまえたSARSへの考察はとても興味深かった。
2003年のSARS流行を振り返れば、そこには人間社会が経験した疾病の縮図を見ることができる。
感染力の強い飛沫感染で伝搬することは、天然痘に類似するものであり、この病が抵抗力のない新大陸のインディオへ瞬時に蔓延したように、SARSも世界中に拡散していった。こうして拡散したSARSが人心にもたらす強い恐怖と、それに伴うヒステリックなほどの社会の対応は、中世の黒死病流行や19世紀のコレラの流行を彷彿とさせる。また、患者を忌み嫌い、不当な差別を招くような風潮は、ハンセン病やエイズの流行において経験されたものである。(略)。
P.219 「疾病は警告する」終章 「疫病の発する人間社会への警告」 強調は引用者、以降も同じく
そして。 航空機による高速移動が可能になった現代社会で、SARSは短期間で世界中に蔓延する最初の疾病となった。患者数8000人以上、死者831人という犠牲を記録しながらも、この現代の疾病は世界的流行からわずか4ヶ月あまりで収束を迎えたわけである。この最大の厚労は、すでに述べたように、情報化社会の基盤となるインターネットなどの先端通信技術によるところが大きい、だが、その一方で、情報化社会に発生したが故に、その被害が拡大したとの見方もある。 SARSの流行による患者数や死亡者数は歴史上の疾病に比べてけっして多い数ではない。それでも、世界中の人々はこの疾病の恐怖に震撼した。日本国内では患者が発生しなかったにもかかわらず、国民は誰しもがその恐怖を体験した。(略) 日本国民はSARSそのものではなく、その恐怖という病に感染してしまったのである。 さらにその被害は、恐怖という心理的な問題だけにとどまらなかった。(略)流行地域から入国する人々への不当な差別を招いた。これに加えて、経済的な影響も見逃せない。
P.216-7 「疾病は警告する」12章 SF小説「復活の日」との恐るべき近似
正直、SARS流行時の記憶をたぐり寄せてこのところのA/H1N1インフルエンザ流行へのリアクションと比較しても、国内二次感染の報道が出る以前から、SARSほどではなかったような気がする。そんな時点に、この本を読んだのだが。なんだか、黒死病流行時代から、人間の意識は変わってないのかなぁと言う気分になった。 そう思ったのは、以下の報道を目にしたから。 asahi.com 2009年5月1日4時59分付『 途絶えた客足、在日メキシコ人店主「関係ないのに…」』より (略) 横浜市中区の繁華街にあるメキシコ料理店「ロス・アミーゴス」。(略)この夜の来客は2人。30人が入る店内は先週まで、予約なしでは座れないこともあった。それが豚インフルエンザ問題の発覚後、客足がぱったりと途絶えた。 (略) 料理などを通して20年間、日本にメキシコの文化を紹介してきた。今回の騒ぎを「ただごとではない」と感じたのは、店の前を通った女性が「メキシコ料理だ。怖い怖い」と言って避けていったときだ。
日本に住むメキシコ人の友人からも同じような相談の電話が来ているという。(後略)
MSN産経2009.5.14 21:42付『 「帰ってくるな」「謝れ」…大阪・寝屋川市や学校に中傷殺到』より (略) 寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。
「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせたり、生徒や教員を個人的に中傷したりする内容の電話もかかっているという。(後略)
ZAKZAK 2009/05/14付『 新型インフルエンザ、寝屋川で“パンデミック”状態』より (略) マスコミの対応が火に油を注いだ面も強い。厚労省の発表後、生徒が通っている高校には報道陣が殺到。「高校の前に(報道陣が)集まり、目につく生徒らに手当たり次第に声をかけまくってました。感染した生徒らがそこにいるわけちゃうのに…。まるで犯罪者みたいな扱いでしたよ」と寝屋川市の市政関係者は憤る。 (略)電話は12日までに市に51件、府教委と学校には100件超が寄せられ、多くは市や学校の対応を非難するものだった。「なんで、あんな高校が留学するのか」などという根拠のない批判や「謝れ」「賠償しろ」など、脅迫めいた理不尽な要求をする者もいたという。(後略)
↑妙な「パンデミック」の使い方をする、このメディアが口清くマスコミの対応を批判しているのも妙な話ではある。 asahi.com 2009年5月18日17時4分付『 学会にも影 渡航自粛で軒並み欠席「なぜ日本だけ…」』より (略) 「科学的な判断が可能な皆様には、過剰反応ではない客観的な判断をお願いします」。レーザー技術の日本人研究者ら約190人に最近、こんな電子メールが届いた。31日から米国メリーランド州で開かれる国際学会への参加を呼びかけるためだ。
メールには、米国にいる学会関係者が、日本の研究者の学会欠席が目立つと指摘していることが書かれていた。他国の研究者にそのような動きはないらしく、「なぜ日本だけが……」と不思議がられ、新型インフルエンザを「トウキョウフルー(東京インフルエンザ)」と呼ぶ現地の研究者もいるという。
この学会に参加する電気通信大の植田憲一教授は「日本からだけ大量のキャンセルが出る事態になると、国際舞台での日本の存在感が下がることが心配だ」と話している。(後略)
asahi.com 2009年5月19日18時42分付『 「東海道新幹線は止めない」新型インフルでJR東海社長』より JR東海の松本正之社長は19日の記者会見で新型インフルエンザに関し、「新幹線を止めれば日本経済がマヒする。これからも止めない前提で措置を考える」と述べ、国内感染が関西以外に広がっても、東海道新幹線の運行を続ける方針を明らかにした(後略)
…いや、私は、そもそも、新幹線を止めるという発想が出てくること自体に驚きましたよ。 『 ジェンダーとメディア・ブログ』さんの2009-05-22付『 「大阪に行ってきた」と言ったらバイ菌のように扱われた』より (略) 一番前の席に座っている子たちは、自分の口を押さえていやそうな顔をわたしに向けている。「あー、わたしがバイ菌もっていると思っているんだね」と聞いたら「うん」とうなづいていう。「だって、大阪行ってきたんでしょう?」と。なんだか大阪行ってきた人には接触したくないと思っているらしい。「だって、緊急連絡網来たんだよー」「担任のK先生に報告した?」「大阪で新型インフルエンザが感染していること知っていますか?」としきりにいう。それと、「大阪でマスクしていた?」と聞く。わたしが「うん、大阪ではマスクしていたよ」というと、「あー、それならだいじょうぶだ」とか安心したようにいう子も。マスクしていりゃいいってもんでもないでしょうに。 (略) なんとなく遠ざけるなどの対応が差別を生んできたことについても一言言っておいた。当事者になってみるとよく実感できることよー。今度は大阪や神戸の人や行ってきた人たちが差別の対象になっているのかもしれない。最初、メキシコから発生したために、日本でもちょっと前にはメキシコ人やメキシコ料理店がバイ菌感染者みたいに扱われたが、それが差別なんだよということも伝えた。
スポーツ報知 2009年5月18日17時4分付『 洗足学園高に中傷電話約50件…生徒が首都圏初新型インフル感染』より (略) 私立洗足学園高校は21日、同じ敷地内にある幼稚園から大学院までのすべての学校を27日まで休園、休校とすることを明らかにした。前田隆芳校長は涙を流し「お騒がせして申し訳ない」と謝罪。しかし同校にはこの日、「責任を取れ」「バカ野郎」などの抗議や中傷の電話が50件以上あったという。これまで感染が判明した関西の高校にも同様の事態が起きている。 (略) 一方で、同校には21日早朝から抗議や中傷の電話が殺到。職員9人が対応に追われ、夕方までに約50件以上の電話があったという。大声で主張をまくしたて一方的に電話を切ってしまうパターンが多く、「何で生徒をニューヨークに行かせたのか」「社会的な不安を与えた責任を取れ」などの内容だったという。
同様の電話は、最初に新型インフルエンザが確認された兵庫や大阪の高校でもあった。神戸高校には「市民祭りが中止になった責任を取れ」という筋違いの抗議も。インフルエンザに感染した生徒の個人情報の開示を求める電話も複数あったという。(後略)
毎日新聞 2009年5月21日 21時27分付『 新型インフル:「確定前の公表やめて」ネット中傷恐れ要望』より (略) 感染者を差別するネットの書き込みが公表にまで悪影響を及ぼしている。(略) 川崎市によると、女子生徒は20日午後3時ごろ、市内の感染症指定医療機関の簡易検査で、インフルエンザA型陽性と判明した。動揺した母親が「公表すれば、疑い例でも兵庫や大阪と同じようにインターネット上で批判される。娘がショックを受け自殺するかもしれない」と訴えた。市幹部らは協議の末「本当に感染していた場合、聞き取り調査などで女子生徒の協力は不可欠」と判断し、母親の意向を尊重して感染確定まで公表しないことを決めた。(後略)
というようなリアクションを追ってきたもので、こんな報道を見ても、仕方ないなぁとしか思えなかった。 MSN産経(共同配信)2009.5.22 13:24付『 【新型インフル】米紙、日本の騒ぎぶり報道「パラノイアな国」』より 22日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、神戸発のルポで新型インフルエンザ拡大によって一部、パニック状態になっている日本の対応を紹介。日本社会にもともと「衛生状態への強迫観念」があるとした上で、特に感染症など海外からの病気には「パラノイア(偏執症)な国」だと伝えた。(後略)
…でも、 この記事のブックマークコメントを見ると、アメリカにいわれたくないといった意見が目立つのが意外だった。 5月1日時点のこと。 『 感染症診療の原則』さんの『 怖いのは深夜の記者会見と報道』より (改行は適宜改編)うわずった声が響くので起きてしまったら・・それはNHKの放送でした。 ウイルスよりも用語を間違えたどたどしくひきつった顔の大臣とてんぱった女子絵アナウンサーの読みが怖~い。
ぎょえ。なんでしょうね。この会見は。パニック会見をしながら国民の皆さん冷静に、、、というのは・・(--#) (略) フェーズ4以降訓練ではプレス発表訓練も入っていましたが、こういうのやっちゃだめですよ、というサンプルで示した記者会見そのものです。 (略) まず、深夜に大臣が言うほどの内容か? それから、すごーーーーーく基本的なことですが、感染症で「シロ」「クロ」という表現はしないというのは常識。どういう印象を与えるか。 (略) 最後、大臣は記者の質問にヒートアップして「横浜市にきいてください」(略)キレてどうするよ・・
(略) 「現在PCRで解析不能です」を繰り返しながらパニックにならないでください、もリスコミとしては最悪ですね。この時点でプレストークしている国はありません。解析不能だったので調べたら○○だったというのがプレス発表すべきことですから。 どういうルートでどのタイミングでどの表現で発表をするかって大事ですね。(後略)
とはいえ、こういう対応をしているところもある。 『 てっく煮ブログ』さんの2009年05月23日付『 新型インフルに対する京都大学の対応がかっこよすぎる』 『 ジェンダーとメディア・ブログ』さんの2009-05-23付『 インフルエンザ・パニックへの緊急アピール』から 「九州薬害HIV訴訟原告団 / 九州薬害HIV訴訟弁護団」による2009年5月21日付「新型インフルエンザ対策 及び 報道に関する 緊急アピール」の一節より(改行は適宜改編) (略) 私たちは、このような行政やマス・メディアの対応をみるにつけ、1980年代後半のエイズ・パニックを思い起こさざるを得ません。
感染の恐怖を煽ることを感染症対策の柱とした行政と、それに無批判に乗ったマスコミの過剰報道により、感染者たちは、職場や学校から排除され、医療からさえも拒まれました。1989年にはエイズ予防法が成立し、圧倒的多数の感染者は、感染の事実を誰にも告げることができず、社会からの孤立を強いられました。
この状況は、いまもなお続いています。この時期に社会を席巻したHIV感染者に対する差別・偏見は、いまもなお日本社会に根深く残っているのです。
同様のことは、ハンセン病問題にも言えるはずです。
1996年に成立した感染症予防法が、その前文で、「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。/このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている」と謳っているのは、このような過去の感染症対策に対する反省があったはずです。
ところが、今回の新型インフルエンザに対する行政、マスコミの対応には、そのような過去の感染症対策に対する反省が全く活かされていません。
感染者は、何よりもまず「治療を必要としている患者」として扱われるべきであり、「社会防衛の対象となる感染源」として扱われるべきではありません。感染源としての扱いは、感染者が医療にアクセスすることを妨げ、結果的には感染者の潜伏に繋がります。感染者の人権に配慮しない感染症対策は、感染症予防策としても拙劣です。
私たちは、行政担当者及びマス・メディアの方々に、過去の感染症対策の反省と、新型インフルエンザの感染力・毒力の正確な評価に基づいた冷静な対応を強く求めるものです。
さらに参考; 「 PSJ渋谷研究所X」さんの2009年05月23日付『 感染者バッシングの反社会性』
2009/05/16に公開したエントリ;「 日本の仏教界が、韓国に歴史事実を謝罪」に、 はてなブックマークでで、matasaburoさんからこんなコメントを頂いた。 このケースの場合マスコミが報道しない理由はどういうあたりにあるのでしょうか? 朝日から読売まですべて報道しないということですよね。
この「和合碑」除幕式そのものは13日で、韓国でも13日から報道されはじめていたトピックである。もし、日本のマスコミが取り上げるつもりなら、上記エントリの公開のタイミングなら確実に出ているはず、というのが経験的な事実 (なので、先のエントリのように書いていた)。実際、今現在検索してもこの件に関する日本のマスコミによる報道はネット上で拾えない。 matasaburoさんは理由を問われているが、私にしても明確な答えはない。しかし、エントリ公開時点でそう書いた根拠は、明確に言語化はできないがあるにはある。以下に私が踏まえている情報を、新しい物から遡って挙げてみよう。
18日に公開したエントリ;「 <緊急>裁判員制度による性犯罪被害者個人情報流出に反対する要請への賛同署名を(追記有)」にて、アジア女性資料センターさんの『 裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請』への賛同署名を募る広報に協力させていただいたが (応じて下さった皆様、ありがとうございます)、毎日新聞が2009年5月19日20時56分付で『 裁判員制度:性犯罪被害者の2次被害防止を 女性団体要望』として、報じていた。 既に最高裁は、被害者名を出さずに大まかな情報を伝え、思い当たる人物がいるか候補者に尋ねるなどの運用をし、候補者には口外しないよう求めるとしているが、女性たちは「最高裁は各地裁にガイドラインを示して」などと不安を訴えた。
08年1年間に起訴された対象事件2324件のうち、性犯罪は約2割の468件ある。
当ブログにおいては、 SIVAさんから「これ、デマですよみたいに書いてるブロガーも散見する」とお知らせいただいていたし、 「被害者名を出さずに大まかな情報を伝え」といった路線で「大変な誤解です」と発言している方もいたらしいと聞き及んでいるので、最高裁の返答にまつわる詳細を知りたいと考えていた。 そして、今日、20日付で、アジア女性資料センターさんが報告エントリを上げて下さっていた。 『 最高裁申し入れのご報告』 一部引用させていただくと、
最高裁側から聞けたのは、次のことです。 対応された秘書課の方は、担当部署(=刑事局)からの説明として、口頭で以下の内容の文書を読み上げられました(文書そのものはもらえませんでした)。
・被害者を特定できる情報を公開の法廷で明らかにしないことに決定されたり、そうなるような事件の場合には、被害者のプライバシー保護のために、情報提供のやり方を慎重に考える。 ・具体的なやり方としては、起訴状に記載された事実以上の情報は伝えないとか、犯行場所が被害者の自宅の場合には住所は知らせないことが考えられる。 ・被害者を特定できる情報を明らかにしない旨の決定がされたり、そうなるような事件の場合、氏名などは知らせず、住所も●区在住などとして、候補者の方から思い当たる人あげてもらうということも考えられる。 ・選任されなかった候補者に、被害者特定情報を口外しないよう求める、筆記をしないよう求めることが考えられる。 ・実際にどうするかは、被害者の秘匿性をかんがえて、事案ごとに決める。
この説明によると、やはり、実際に選任されなかった裁判員候補者にも、被害者の氏名など、個人を特定できる情報が伝えられてしまうようです。そして、そういう方たちには、情報を漏らさないように「お願いする」以外の手段は考えられていないようでした。「慎重に考える」とされたケースの場合も、こういう方策が考えられる、ああいう方策が考えられる、という可能性のお話はありましたが、「こういう場合には確実にこういう手段をとります」、という明確な説明はありませんでした。
強調等は引用者(以降も同じく)。 各地方裁判所任せという話らしく、やはり 読売新聞にあった通り、最高裁から対策の指針を示す意志は無さそうにしかみえない。 また、 「市民参加」をうたうのであれば、制度開始前にできるだけ不安を払拭するような説明があってしかるべきだと思いますが、これほど多くの人々、とりわけ犯罪被害者たちの声になぜ誠意をもって応えようとしないのか、理解に苦しみます。被害者を特定できる情報が、100人に上る候補者すべてに伝えられることはないようだと言われていますが(しかしこの点も最高裁側から明確な説明はありませんでした)、少なければいいという話ではありません。守秘義務のない候補者が被害者を特定できる情報を得てしまうという問題は残っています。
「少なければいい」という問題ではないという点に同意しつつ、これではやはり、その「知ってしまった人」次第で個人情報が流出してしまいかねず、その歯止めは善意に期待するだけのように見える。 そして、「 しかしこの点も最高裁側から明確な説明はありませんでした」の箇所は、この件に関して動いて下さっている「 akira's room」さんが、これに先立って関係各所に電凸したレポートをアップして下さった20日付エントリ; 「 被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1)」 とその続きを見れば、何故かがぼんやりながら解ってきた。 akiraさんのエントリでは、まず、直接電話で問い合わせを入れた「てんとうむし」さんが受け取った最高裁からの返答が掲載されているが、「考えられます」が3連続続いた後に、「最高裁から一定の方針は示さないとのことでした」と、口頭での回答を受けたそうである。文書ではFAXですらも渡さなかったらしい。これはアジア女性資料センターの要請行動に対しても同じくだったようだ。そして、 また同時に性犯罪に関して選任手続きを延期する、もしくは性犯罪を裁判員制度の対象外にする、ということを検討することを要望として伝えましたが「意見としては受け取れるが、裁判所は検討できる立場にない」「要望を受け取って法律を変える立場にない」という答えだったそうです。
また、被害者情報の裁判員候補者への開示は、個々の事案によって異なるとしか返答はなかったそうだ。臨場感溢れるレポートは、akiraさんのエントリを御覧頂くとして。 そして、akiraさんも最高裁に電話で問い合わせたところ、 Q1.選任手続きの際に被害者の個人情報がどこまで候補者に開示されるのか? A.どこまで開示するかは、事件を担当する裁判所にゆだねられている
Q2.最高裁判所として、何らかの方針や指針を出す予定はあるか? A.現時点ではない
アジア女性資料センターからの情報とも見事に一致する、方針のなさであったようだ。 そして、エントリは「 被害者のプライバシーは本当に守られるのか(2)」に続く。 「どこまで開示するかは、事件を担当する裁判所にゆだねられている」つまり、それぞれの地裁に聞けということなので、福岡地裁にも電話をしました。
Q.裁判員選任手続きにおいて、被害者の個人情報はどこまで開示されるか? A.事案によって違う。担当裁判官の判断によっても変わると思う。
そんな曖昧な…orz さらに、akiraさんは法務省の「法務省刑事局総務課裁判員制度啓発推進室」にも問い合わせて下さったとのこと。 まずは、5/6付けの読売新聞の記事を読んで電話していることを告げた上で、裁判員選任手続きで事件の概要説明がされるが、被害者の住所、氏名など情報も開示されると聞いているが本当ですか。と質問しました。 「そうですね。被告人、被害者の情報も含め、どのような事件で起訴されているかという説明がされます」との答えが。 (略) しかし、事件概要説明のあとの質問票に「この事件関係者ですか」という質問がある以上、情報がないと答えられないのではないですか?と重ねて聞くと 「申請をした被害者の個人情報は保護されるので、それを出すとは思えないのですけど」という、個人的な意見(?)をいただきました。 「実際の運用は裁判所なので、最高裁の方に聞いて貰うしかない」とも。
(略) 法務省はこの件に対してどう考えているか聞きたくて電話したこと(略)、一定の方針がないことで被害者はとても不安に思っていることも伝えました。
また、しばらく悩んでいましたが、「裁判員制度では、事件関係者から危害を加えられるおそれのある例外的な事件については,裁判官のみで審理することになっています。そういう例外的な事件として扱うのではないでしょうか」という個人的な憶測を述べられました。 もしそうしてくださるならそれが一番ですが、それを決めるのも裁判所なのですよね?という質問には、「そうなりますね」との答え。
長い間、書類をめくる音が聞こえたあと「今のところ、どういう場合に開示しないかという規定はありません」
法務省としては、こういった問題点を把握していたのでしょうか?と聞くと 「いままで問題点として、あがっていましたでしょうか?」と逆に質問され、絶句。
どうやら、「裁判員制度の推進はするけれど運用には関知しない」とのこと。なんか、呆然としてくる話だ。 さらには、 また、アジア女性資料センター様からの情報では以下のようなものもあります。 【裁判員制度】性暴力事件被害者のプライバシー確保についての申し入れ 7「被害者の情報保護については、各地裁に対応を委ねる」件について。申し入れの参加者が行なった独自の調査では、「被害者の個人情報を開示しないわけにはいかない」と回答した地方裁判所が複数あった。
『 「守秘義務のない多数の裁判員候補者に性犯罪の被害者名が知られる」というのは大変な誤解』との発言があったときくが、やはり、これは黙って見守っていた方が良かったなんて思えない。声を上げてくれる方達がいらっしゃったこと、アジア女性資料センターさんが『 裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請』を起こして下さったこと、共に賛同して下さった人達がいてくださったことに感謝している。 akiraさん、今後も情報の発信をよろしくお願いします。
その他、参考にしたURL; デルタG 5月20日付『 【裁判員制度】最高裁への申し入れ続報』 日経ネット2009年5月20日付『 性犯罪被害者の個人情報保護を 裁判員制度で女性団体など要請』 裁判員制度Q&A 『 裁判所には裁判員候補者として何人くらい呼ばれるのですか。』 裁判員制度Q&A 『 裁判員になることは辞退できないのですか。 』 裁判員制度Q&A 『 年齢,性別,職業などのバランスは考慮要素とされるのですか。』 裁判員制度Q&A 『 被告人に顔や身元を知られたりしても,危険はないのですか。』 裁判員ネット 『 裁判員はどのようにして選ばれるか』 裁判員制度 『 見てなっとく 選任手続』 また、『 てらまち・ねっと』さんの19日付のエントリ『 性犯罪被害者名も裁判員候補に開示/選外の殆どの候補には守秘義務なし/制度は欠陥だらけでスタート』にて知ったのだが、 元警官婦女暴行致傷事件 裁判員制度県内初適用か 2009年5月16日 読売新聞 21日に始まる裁判員制度で、鹿児島地検は県警の元警察官が婦女暴行致傷容疑で逮捕された事件の公判が、同制度の適用となる可能性が高いことを明らかにした。 (略) 同地検の江藤靖典・次席検事は「捜査状況にもよるが、起訴は21日以降で、裁判員制度適用の県内第1号となる公算が大きい」と話している。
鹿児島でも要請行動が起こっているが、この件なのだろう。 西日本新聞2009年5月20日 00:32付『 【はじまる裁判員】 鹿児島の市民 「性犯罪被害者 保護を」 候補選任時の情報流出懸念 地裁に要請書 「防止措置が不十分」』 要請を受けた鹿児島地裁では『同地裁総務課は「各裁判官の判断となるので回答する権限がない」としている』 南日本新聞2009 05/20 09:15『 性犯罪被害者情報の保護を 鹿地裁に要請書』 KTS鹿児島テレビ2009年05月19日『 裁判員制度性暴力被害者安全求め要請書』
(18:00、追記) はてなブックマークでこんな報道を知り気にはなっていたが、話題が重い上に、裁判員制度に関する情報にも疎いため、関連情報を調べる時間が取れないこともあってエントリに取り上げられずにいた。 九州発 読売新聞2009年5月6日付 (略) 裁判員は事件と無関係でなければならず、数十人から約100人の候補者に被害者の氏名などを伝えることになる。選任されなかったほとんどの人は、裁判員法が定める守秘義務を負う必要がない。(略)
性犯罪のうち裁判員制度対象の重大事件は強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷事件。2008年の全国の対象事件2324件のうち約2割を占める。
被害者のほとんどが、被害を他人に知られたくないと強く願っている。(略)ところが裁判員の選任手続きでは、候補者に事件との関係の有無を確認する。そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは避けられないという。また、裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及ばず、情報を他人に教えても罰せられることはない。
最高裁も「情報流出による二次被害の恐れが考えられる」と懸念するが、対策の指針は示さない予定で、最終的には各地裁で対応を判断することになりそうだという。
性犯罪の被害体験を書籍にした方は、 「被害を届け出ない女性は今でも多いのに、対策もないまま制度が始まるなんて」と憤る。
性犯罪のうち、被害者がけがを負ったりPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにかかったりする「致傷」事件になると、裁判員裁判の対象になる。「そうなることを嫌がる被害者が、心や体の傷を負っても申告しない事態が起きる恐れもある。重罰を求める気持ちが強くても、かなわなくなる」と(略)
その後、『 akira's room』さんが14日に関連情報をまとめてエントリにあげて下さった。 『 裁判員制度に新たな問題点が浮上』 一部引用させていただくと、 裁判員制度が導入される事件の中には、「強盗強姦」「強姦致死、致傷」「強制わいせつ致死・致傷」のような性犯罪が含まれています。 刑事訴訟法は被害者の申し出があれば氏名や住所などを法廷で伏せるよう定めていますが、事前に漏れてしまうのであれば何の意味も持ちません。 また、公判前に多数の人(被害者からしてみれば不特定多数の人と言うことになりましょう)に、自分のプライバシーが知られてしまうとしたら、被害者の心理的な重圧はいかばかりでしょうか。
裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及びません。候補者は守秘義務違反で罰せられることはないのです。 もし情報が流出してしまったら誰から漏れたのかなどは調べようがないだろうと思いますし、もし訴えるとしても被害者はさらなる負担をおわざるを得ません。
また、性犯罪においては他の事件にはない、被害者へ批判や二次加害が後を絶ちません。このように性暴力被害は一般に未だ偏見の多い分野です。一般市民から選ばれた裁判員に公正な判断ができるのかという強い危惧を抱いています。
当面考えられる対策として、性犯罪事件には裁判員制度を導入しない事を強く望みます。
そして、こういった問題には常に取り組んでくださっている、アジア女性資料センター様が緊急要請を開始してくださったとのことで、ご連絡いただいた。裁判員制度が始まるのは21日。ということで、賛同署名を携えた最高裁への申し入れは19日。 とても〆切間際ではあるのですが、女性団体の方達が情報を得たのがakiraさんのアクション後だったかも?ぐらいの話なので、ご協力いただける方、どうぞよろしくお願いします。 以下、賛同署名要請文の転載;
以下、強調は当方によります。〆切の明記はないようですが(^^; 最高裁への申し入れは19日だそうです。 ***大至急!**転載転送大歓迎** /////////////////////////////////////////////////////////////// 裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの確保を求める緊急要請にご賛同ください /////////////////////////////////////////////////////////////// みなさま
5月6日付読売新聞九州版で報じられたように、21日に開始される裁判員制度の裁判員選任手続きにおいて、性暴力事件被害者の氏名が裁判員候補者に開示されてしまうことが明らかになりました。しかし最高裁はこの問題について対策指針を出していません。 http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm 被害者保護の手段を講じることなく制度を開始してしまわないよう、緊急の要請を行うことにしました。21日まで時間がありませんが、できるだけ多くの団体・個人の声を届けたいと思いますので、どうぞご協力をお願いいたします。 なお最高裁への申し入れを19日に予定しています。
●賛同署名の集約先● 以下のフォームを利用して[email protected]にお送りください。 ------------------------------------ 裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請に賛同します。
●団体賛同の方 団体名: ●個人賛同の方 氏名: 肩書き(あれば): ------------------------------------
要請書 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの確保を求めます /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
最高裁判所長官 竹崎博允 様
私たちは、性暴力被害者の権利回復の観点から、5月21日より開始される裁判員制度における性暴力犯罪の取り扱い、とりわけ被害者のプライバシー保護について、重大な懸念を抱くものです。
裁判員が参加する刑事裁判が対象とする事件には、性暴力犯罪である強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷が含まれますが、これらは対象事件の2割以上を占めると予想されています。にもかかわらず、報道によれば、性暴力犯罪事件においても、他の事件と同様に、それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し事件の概要と被害者の氏名が知らされるとのことです。
裁判員候補者が事件の情報を漏洩することは「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の秘密漏示罪の対象とはならず、漏洩を防止する確実な手段は整備されていません。しかし最高裁判所はこの問題に対する対策の指針を出さず、各地方裁判所に解決をゆだねる方針であると報じられています。これでは、地裁によってまちまちな解決策となり、被害者のプライバシー保護が公平に保障されない可能性が否めません。現在刑事裁判において被害者のプライバシーが保障されていることとも大きく矛盾します。
性暴力犯罪は他の犯罪と異なり、性・ジェンダーに関わる社会的偏見ゆえに、しばしば被害者の側に責任が転嫁されたり、スティグマが付与されてきました。適切な配慮が行われなければ、裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となる危険性があります。こうした性暴力犯罪の特殊な性質が考慮されることなく、他の刑事事件と同様の選任手続きが行われれば、被害者に二次被害発生の不安を呼び起こすだけでなく、二次被害を避けるために、被害にあっても被害届を出さないといった傾向を助長することにもなりかねません。
一般市民が参加する裁判員制度で性暴力犯罪を取り扱う上では、性・ジェンダー偏見を排除するために十分な配慮を払い、被害者のプライバシーと安全を確保することが必要不可欠です。事件情報の漏洩を確実に防止する措置を講じることなく、拙速に裁判員制度を開始すれば、この制度そのものが、被害者にさらなる加害を招き、性暴力犯罪の訴追と被害者の救済を阻害する原因となりかねません。被害当事者および支援者との協議のうえ確実な安全保護の措置が講じられるまで、裁判員制度の開始を延期するか、それが困難な場合は、性犯罪に関連する事件について裁判員選任手続きを開始しないよう要請いたします。
「適切な配慮が行われなければ、裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となる危険性」 あるいは、 「性暴力犯罪の特殊な性質が考慮されることなく、他の刑事事件と同様の選任手続きが行われれば、被害者に二次被害発生の不安を呼び起こすだけでなく、二次被害を避けるために、被害にあっても被害届を出さないといった傾向を助長することに」の箇所は、下記の『 みどりの一期一会』さんの2008-11-28付『 「性差別の理解少なく」 「女性に冷たい」~問題だらけで見切り発車の「裁判員制度」』経由の中日新聞 2008年11月27日付記事『【特報】裁判員制度 女性に冷たい』を参照してもらえれば、具体的にどのような懸念があるかは解りやすいのではないだろうか。 (以下、強調は引用者)性犯罪、家庭内暴力 対象の20%以上 性差別の理解少なく/配慮なき尋問 被害者追い詰め
裁判員制度をめぐる議論で素通りされた課題がある。レイプなど性にまつわる犯罪だ。泣き寝入りしがちな被害たち。法廷で市民の前に姿をさらす心理的圧力や、尋問による精神的苦痛の恐れは一段と高くなる。「市民感覚」という常識も偏見をぬぐえるとは限らない。「裁判員制度が、告訴を阻害しかねない」という懸念の声が上がっている。(田原牧)
□■被害届出せぬ 「法廷で一般の人たちにあれこれ聞かれると思っただけで、被害届は出しにくくなる」。自らの性犯罪被害を実名で語っている小林美佳さんは顔をしかめた。 小林さんは8年前、男性二人組に襲われ、性的暴行を受けた。事件は未解決で時効。今年4月手記を出版し、電子メールでの相談を始めた。 これまでセクハラ(性的嫌がらせ)含め、700人の被害者からメールが来た。迷う相談者には、他の被害者の体験も含め警察や裁判所の対応をありのまま伝えている。(略)
□■課題に上らず 裁判員制度の対象犯罪には通常強姦は含まれない。だが、強姦致死傷や強制わいせつ致死傷などは入る。昨年事件数に当てはめると別表のとおり、扱う事件の20.3%が対象で、家庭内暴力(DV)絡みの事件を足せば、それ以上になる。しかし、裁判員制度をめぐる法曹界の議論で、性犯罪被害者やDV殺人では加害者になりうる女性への配慮が課題に上ったことはなかった。(略)
□■男女比は無視 (略) だが、そんな原田弁護士でも『弁護士の間ではジェンダーを意識する人はまれだし、いまは裁判員制度への実務の準備で手いっぱい」という。 「実際、法曹界も裁判員のジェンダー構成(男女のバランス)を無視したし、乳児や幼児を抱える保護者の参加についても、託児施設を準備するより辞退の理由としてしまった。女性の人権への配慮という観点がまるで抜けている」 現状でも女性への偏見が横行する法廷。偏見に無自覚な「世間常識」の重石が加わることで、性犯罪被害者の人権が押しつぶされかねない--当事者や支援者たちはそんな不安を募らせている。
…ただでさえこんな話だったのに気付いていなかったorz 『託児施設を準備するより辞退の理由としてしまった』『現状でも女性への偏見が横行する法廷』の手配であれば、今回、やっと私も(教えてもらって)気付いたような問題に配慮がないのも当然と思えるのが何ともはや… こんな問題が今頃浮上してくるようでは、性犯罪被害を裁判員制度で裁く時に、「適切な配慮」や「性暴力犯罪の特殊な性質が考慮」されるなんて、有り得ない。絶対無理。 すくなくとも、性犯罪被害は裁判員制度で裁くべきではないだろう。
15日付でアップした『 日本の仏教界が、韓国に歴史事実を謝罪』の ブックマークにて、kanimasterさんとkarpaさんが 人類和合共生祈願碑についての2008年6月14日付の情報を教えてくださった(ありがとうございます)。 2008年6月14日付の情報が掲載されていたのは、 「100余年の歴史を持つ総合的な宗教文化専門紙」、 中外日報。ということは?と思って探すと、すぐに見つかった。 中外日報社の2009年5月16日付で、
(略) 日韓仏教交流協議会の宮林昭彦会長(浄土宗大本山光明寺法主)は祈願碑に関連し、「加害・被害の関係を超え、仏教的な立場から韓国におわびしなければならない」と強調した。 (略) 二〇〇五年の第二十六回大会(韓国・修徳寺)では、宮林会長が初めて過去の植民地支配などに反省を表明。同会長はさらに韓国・海印寺での第二十八回大会で、世界平和を祈るモニュメント建設を提唱し、韓国側も賛成。これが第三十回大会記念の祈願碑の計画に結び付いた。
完成した祈願碑は黒色の御影石製で、台座などを含めた高さが約四メートル。裏面に両国語で、千四百年前の日本への仏教伝来が「両国友好親善の原点」だとする一方、植民地支配など「不幸な」歴史に対して日本側は「反省と懺悔の念」を深くしていると明記。友情のきずなをさらに強めて人類の平和を希求するのが両国仏教徒の責務だとした上で、人道上の見地から戦争犠牲者を慰霊し「明るい未来を誓う」としている。側面には日韓仏教文化交流の功労者の氏名を刻んでいる。
碑文に反省や懺悔の文言を盛り込むことには反対の意見もあったが「歴史を清算し、今後、両国が共同で新事業を進めるために」(西郊良光理事長)必要だと判断したという。 (略) 韓国の智冠会長(曹渓宗総務院長)は挨拶で、反省表明をした上に碑の建立を提唱した宮林会長の「決断に驚嘆せざるを得ない」「懺悔から始まる真正性だけが心の傷を癒やすことができる」などと日本側の姿勢をたたえた。
宮林会長は、両国仏教界が東京・浄土宗祐天寺にある朝鮮半島出身の戦死者の遺骨返還運動を進めていることに触れて、「運動は恩讐を超えて和合共生実現をめざすもの。これこそ仏教精神の究極の誓願だ」などと語った。 (略) 大会ではまた、西郊理事長と持田日勇(日蓮宗本山藻原寺貫首)、藤田隆乗(真言宗智山派大本山川崎大師平間寺貫首)の両副会長らが、日本軍慰安婦だった女性たちが暮らす福祉施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問。入居者八人の歓待を受けた。
という訳で、韓国で報じられている内容は、日本側でも宗教専門紙には報じられた訳だ。ただし、今現在でも、大手の新聞社では記事が見当たらないので、その気になってこっち方面の情報を集めている人プラスアルファほどの人しか知らない情報だろうとは思われる。 なお、去年の6月の時の様子も一部。 日韓の仏教者が集う第二十九回「日韓・韓日仏教文化交流大会」(主催=日韓仏教交流協議会)が、九日から十三日の日程で札幌市の曹洞宗中央寺などを会場に開かれた。両国の仏教者約二百三十人が参加し、中央寺で平和祈願法要を厳修。共同宣言では節目となる来年、韓国で開催される第三十回大会での「人類和合共生祈願の碑」建立地が、韓国京畿道驪州郡の曹渓宗神勒寺に決定したと発表された。
平和祈願法要は十日、大会総裁で曹洞宗大本山永平寺副貫首、中央寺住職の南澤道人氏が導師を勤めて執り行なわれた。 (中略) 挨拶で宮林会長は一月に東京・祐天寺に預託されていた朝鮮半島出身旧軍人・軍属の遺骨の一部、百一体が返還されたことに触れ「遺骨返還は今後も続きますが、これを機会に歴史観を越えて互恵和合共生の理念をますます深めてまいりたい」と語った。(後略)
日韓仏教交流協議会の宮林昭彦会長は浄土宗、去年の第二十九回「日韓・韓日仏教文化交流大会」は曹洞宗のお寺で。宮林会長が植民地支配などに反省を表明したのは、2005年以来という。 なら、こちらの動きとも、ある意味連動しているのだろうか。 『 Apes! Not Monkeys! はてな別館』さんの2007-11-18付『 西本願寺と戦争責任』 2007年の9月に、浄土真宗本願寺派は『第2次世界大戦中に故大谷光照・前門主が発した「一死君国に殉ぜんは義勇の極み」など戦争協力を促すものもあった』『前門主の「消息(文書)」を公式に失効させ』たのだそうだ。
YONHAP NEWS 5月14日9時53分配信 『 <インタビュー>訪韓した日韓仏教交流協議会の宮林昭彦会長』
13日から14日にかけて、「慰安婦」に関係するらしい韓国語報道がどっさりでていたので驚いたら、タイトルのような報道が韓国マスコミで一斉に取り上げていた。日本語版を出している各紙も含まれているので、日本語版が出ないかなーと待っているのだが(^^; どうも、このエントリを書いている時点では見当たらない。 聯合ニュース2009.5.13付 ハンキョレ新聞2009/05/14 02:41:0付 東亜日報 2009-05-14 02:57 朝鮮日報 2009.05.13 15:11付 SBSニュース 2009-05-13 20:44付 上記の報道を、聯合ニュースを主に、他の報道で補ってまとめると、
13日の午前、第30次韓日仏教交流大会が、 京畿道(キョンギド)、驪州(ヨジュ)神勒寺(シルルクサ)にて、 日本側僧侶120人あまりを含む日韓の僧侶と信徒400人あまりの参加によって、 韓日仏教文化交流協議会と日韓仏教交流協議会の主催で開催されたという。
この大会では、世界平和祈願大法会の後、両国の会長である韓国の曹渓宗(チョゲジョン)の智冠(チグァン)総務院長、日本の浄土宗大本山光明寺の宮林昭彦法主らは、日本側の過去の歴史における反省を刻んだ人類和合共生祈願碑を除幕した。
建設は日本側が提案し、碑文案は宮林昭彦法主が作製した。 碑文は、百済時代に日本へ仏教を伝えた韓国の役割が大きかったとし、これが両国親善の原点になる点を強調しながら、その後に「不幸なことが何度もあり、特に近世に日本が韓国国民に多大な苦痛を及ぼした歴史的な事実に対して反省と懺悔の念を強くもつ」と記されている。 人類和合共生祈願碑は、神勒寺(シルルクサ)寺跡碑の傍に並べて建立され、高さ3m、幅70cm、厚み30cmの烏石製で、前面にはチグァン総務院長による「人類和合共生祈願碑」の碑名を刻み、裏面に宮林昭彦法主の文を国語と漢文混用で、日本語と共に刻んだ。
除幕式後、日本の僧侶の代表4名を含む10名あまりの僧侶が、京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)にあるナヌムの家を訪ねて元「慰安婦」の女性らを見舞い、 日本側僧侶は、ベッドに横になっていた「慰安婦」被害者ハルモニの手をとって慰め、謝罪した。
他の僧侶らは、利川(イチョン)ミランダホテルにて「人類和合の実成を指向する」という主題で学術セミナーを開き、韓日仏教界が和合して世界平和に尽くそうという内容を入れた共同宣言文を採択した。
韓日仏教文化交流は、30年の歴史をもつ仏教徒間民間交流大会であり、両国仏教界は1977年1次大会を最初に、今大会まで毎年、主題を定めて国際学術セミナーを開催し、両国仏教交流と友好促進のための世界平和祈願大法会を奉行している。
ある大会関係者は「日本仏教界が、過去の出来事に対して遺憾の念を示して懺悔する発言は何度かあったが、碑文に刻んで建立したのは今回が初めて」としながら、「朝鮮の最後の国母だった明成皇后の実家である驪州で日本仏教界が懺悔の意味を込めた記念碑を建てることには意義がある」と評価した。
曹渓宗総務院長は「今後とも両国の共生のために、仏教徒らが共に努力してほしい」と語った。
SBSニュースではこうも報じていた。 懺悔の碑文を刻んだ日本の僧侶達は、「慰安婦」被害者達を尋ね、直接謝罪することも忘れなかった。本気が受け取れない上っ面の言葉に傷つくのが常だったハルモニは声を震わせていた。「私たちは金儲けのために慰安婦となったわけではないのに、そんな風に言う根も葉もない言葉に胸が張り裂けそうでした。なのに、このお坊さん達が来てくれて、本当に感謝しています。」
真正な懺悔と反省を現した日本仏教界の大きな一歩が、日本社会全体にどんな波紋を及ぼすかが、今後注目されます。
…すみません、マスコミが黙殺するので、うっかりしたら日本社会はこういう出来事があったこと自体を知る機会がないのです。だから、波紋が及びようは、大抵の場合ありません。 (で、ここで取り上げておくのだけど)
とおもったら、除幕式前時点の報道を聯合ニュース日本語版に発見。 聯合ニュース2009/05/12 16:01付「 日本仏教界「懺悔の念深く」、驪州に和合共生記念碑」 碑文や仏教文化交流大会に関する記述と、上記、自動翻訳利用なんちゃって超意訳には食い違いはない事を確認。韓国語報道の方が、もちろん詳細だし、除幕式後の出来事は当然、事前報道にはなし。
先日、『 みつどん曇天日記』さんがこんなエントリを上げてらした。 『 レシピはブログで』 ふと見ると、私もよく拝見している美味しそうなブログと並べて、当ブログもご紹介いただいていた。のはいいが、このエントリ自体がまた、強烈な食い意地テロ攻撃(^^; 撃沈者多数(^^; これは、反撃に出なければ。 さて、みつどんさんのエントリによると どらねこ日誌 科学と生活のイーハトーヴ complex_cat Gazing at the Celestial Blue
このブログ様方は、しょっちゅう参考にさせて頂いてます。いつもすいませんねぇ。それにしても猫多いな。
思うに、ブログのレシピエントリーは料理の一部始終を、失敗も交えて公開していることと、その人独自の「こだわり」がハッキリ出ている事、そしてなにより、公開した後コメント・TB等でフィードバックがある事が重要なポイントなのではないでしょうか。
このエントリの結果、「 この国の料理の大半は猫が作っている」という衝撃の事実も暴露されてしまっていた。衝撃の事実はともかく、こだわりといえば、『 科学と生活のイーハトーヴ』さんは素材の持ち味を生かした美味しそうな料理、『 どらねこ日誌』さんは簡単そうに書いているくせに難易度の高そうな(おまけに材料入手難度も高そうな)美食、『 complex_cat』さんは「そんな材料手に入りません(号泣)」な自力再現まず不可能な為に恨めしく見ているのみになりがちな美味しそうな料理と、それぞれ特徴があるようだ。 なら、当ブログでも、実績を上げている路線での食い意地テロをせめばなるまい。 となると、やはりあれですね。 反日。
なんといっても当ブログは、最近でこそ注目度は低いが、かの 「反日ブログ監視所」様からはここと ここ(こっちは「憲法改正社」になってから)にトラックバックを頂き、 隼機関様からは速攻で認定を頂いたぐらい、反日度は高い。 先ごろ話題になった、 外務省・総務省・文科省や警察庁までをも反日認定する「国民が知らない反日の実態」様の目には止まっていないのだが、 自己申告に赴いたり、目に止まる為に ブログタイトルを「九条」にするほど努力している人達もいることだし、私も食い意地テロついでにささやかながら努力してみよう (<-ついでとは不心得な)。 さて反日料理というと、和食じゃなきゃ、どうせ何でも反日だろうと思うのだが (新聞社は産経以外は反日らしいし)、やはり反日の王道といえば中国か韓国。 そこで、今回のテロはこれ♪ CookPad「 意外と簡単♪自家製☆ 小龍包 ☆」 広東料理の達人「 小龍包(しょうろんぽう)」 ボブとアンジー「 小龍包 レシピ(ID:15323) の材料・作り方をご紹介します。」 CookPad「 小籠包」 俺のつまみ「 汁があふれる! 手作り小龍包」 魔法の台所「 自分勝手な小籠包の作り方(レシピ変更版)」 小麦料理レシピ大魔王「 肉汁の出る本格的小籠包(ショウロンポウ)の作り方」 ざっと見、皮の作り方はベーキングパウダーが入ったりイーストが入ったりしているが、膨らむ系の材料を入れてないパターンもあり。共通しているのは皮に少し脂肪が入るところか。肉餡は、本格的にやる人は豚骨やら豚皮からスープをとるようだが、大抵はゼラチン利用。他の要素を見てみるに、豚肉に白ネギ生姜といったところで共通。 んじゃ、適当につくってみよー (って、結局、適当かよっ)。なので、以下は、覚え書き(^^; 皮は、強力粉120gにラード5gに塩ひとつまみ、水は適量でこねて室温待機 (寝かすともいう)。 実は今回、ふと食べたくなって、思いつきではじめたため、鶏出汁の冷凍が切らしている。なので、いりこ出汁を使ってみる (ぉぃ)。出汁60ccに紹興酒適当に醤油小匙半分、買ってきたゼラチンパウダーは、5g分包だったので面倒だから一袋全部入れる。本来は240ccのゼリー用らしい。 計量カップが耐熱ガラス製なので、そのままレンジ行き。 肉餡は、豚ひき100gに白ネギ5センチほど生姜一かけとオイスターソースを少しに、余っていたニラを4本ほど入れた(おかげで緑色の肉餡になった)。ちなみに、ニラを入れているレシピはなかったけど、なんとなく。肉がしっかり粘るまでバーミックスで撹拌、固まったスープのゼリーを入れてさらに撹拌して肉餡完成。 皮は、包む直前に八等分。餃子の要領と同じで中心厚めで端を薄くのばす。この分量だと直径10センチあまりになった。包み方はリンクを貼ったWEBページ等の説明によると、人差し指と親指で輪を作ったところに皮をのせ、肉餡をのせ、皮を引っ張り上げながらヒダを作るそうな。という解説にしたがって包んでみたが結局、以前、 なぁんも考えずに作ったモモ(ネパール餃子)と同じ形になったような気がする(^^; なお、ニラを入れすぎたのか、この分量だと肉餡がほぼ1個分余った。包み終わった小籠包は、胡麻油を塗ったお皿にのせて待機。 キャベツを敷いて、9分ほど蒸す。 できあがり、ちゃんと汁が溢れる^^ もちろんとても美味しかった。 のだが、、、反省点が一点。 いりこ出汁を使ったため、オイスターソースも入れたにもかかわらず、溢れるスープの味が和風だった(^^; こんな事では、反日度が甘い。次回はちゃんと、鶏出汁で作ろうと思ったのだった。
という情報を、いつも参考にさせていただいている (けど、トラックバックが通らない)「 調査会法情報」さんの10日付エントリ「 調査会法情報090510 (元米兵捕虜・旧軍毒ガス・公文書)」で見かけた。ここですかさず「まさか」と思ってしまうわたくし、日本政府に対する信頼感に満ちあふれているようだ。 以下、紹介されていた新聞記事。私がとる前に魚拓が撮られていたから、このエントリを書いている間に Apemanさんがエントリを上げられるかもしれない (注;と予想してみたけど、16:00時点でまだだった(^^;)。
第二次世界大戦中にフィリピンを占領した旧日本軍が捕虜を数日間歩かせ、多数が死亡したとされる「バターン死の行進」を巡り、日本政府が駐米大使を通じ、元米兵捕虜の団体に謝罪していたことが9日、分かった。行進の現場「バターン半島」に日本が言及して謝罪したのは初めて。(後略)
…「日本政府が駐米大使を通じ」で、それで「公式謝罪」でいいのだろうか?と素朴な疑問に駆られるのは私だけだろうか。他の報道を探してみたが、日経のこのごく短い記事しか見当たらない。日本人の大部分が、そんなことがあったの?みたいな状態で、「公式謝罪」と称していいのだろうか…。 例えば、私の観測方面における例では、 オーストラリア政府がアボリジニの人達に公式謝罪した時は議会に謝罪決議をあげて首相がスピーチをし、 カナダの場合も、首相が先住民族代表を議場に招いて公式謝罪スピーチをした。ちなみに、日本の場合は、 「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が両院で採択されたけど、 橋本首相(当時)が個人として謝罪したとの情報はあっても、公式な謝罪はしていない。謝れない国だなぁと思っていたのに 日本政府が「公式謝罪した」とタイトルのついた報道がでていたので驚いたが、「国民のどれだけが知っているのだろう?」な何かの表明(日経報道では「日本政府が駐米大使を通じ」とあるから、下記を参照するに手紙の可能性も高い)を「公式謝罪」としていいのだろうか。 被害当事者の代表として活動してこられた 「全米バターン・コレヒドール防衛兵の会」会長;レスター・テニー氏は、この謝罪で喜んでくださっているようではあるものの、加害国の国民である一個人(私だけど)は今ひとつ釈然とできないでいる。 US-Japan Dialogue on POWsでは、4月9日に以下の記事が公開されていたようだ。 (略) 私たちの不運な歴史は昨年11月、私が、駐米日本大使と大使夫人と個人的に面談したことで、概ね決着しました。私はついに、日本の高官に私の物語を語ることができたのです。彼は、私の屈辱を聞き、私の傷を見つめ、そして私が捕虜のトラウマを乗り越えるのをこれまで助けてくれた日本人の友人たちのことを知りました。
私は大使に、私たち捕虜が正義を得られるよう、彼の政府に3つの依頼をすることを支援して欲しいと、頼みました。それは (1)政府からの正式謝罪(2)戦時中の捕虜労働に謝罪をするよう企業に呼びかけること(3)和解プロジェクトに加えてもらうこと、です。
12月になり、日本大使は、私が何十年も待っていたニュースを届けてくれました。彼の手紙には、日本政府が 「フィリピンのバターン半島とコレヒドール島で悲劇的な体験をした人々も含めて、多くの人々に多大の損害と苦痛を与えたことに、心からのお詫びを申し上げます。」 と書いてありました。
この肯定的意思表示に続き、2月には、“全ての元捕虜”に謝罪するという閣議決定を受けたステートメントが、日本の国会議員に伝えられました。それは、捕虜を特定する、或いは日本帝国によって傷つけられた特別なグループを特定する、初めての公式謝罪でした。
私たち捕虜は、長い間求めてきたこの謝罪を受け入れます。そして今こそ全ての関係者がそれを聞き、受け入れるために、日本がこの謝罪を公けに発表するようお願いします。私の他の二つの依頼にも、間もなくよい返事が貰えると信じています。70年近い年月がかかりましたが、日本が捕虜を不当に取り扱ったと認めたことで、歴史的正義が達成され、日米関係がより満ち足りたものとなるのです。平和な同盟国としての未来こそ、私たちが最初から望んでいたことでした。
多分、ここで言及されている12月の手紙が日経で「9日、分かった」と報じられた「公式謝罪」ではなかろうか。明らかになったのが今のタイミングなのは、前掲の日経報道によると「 メンバーの高齢化で今月末に解散する」からなのかもしれない。 2月に国会議員に伝えられたという「“全ての元捕虜”に謝罪するという閣議決定を受けたステートメント」「それは、捕虜を特定する、或いは日本帝国によって傷つけられた特別なグループを特定する、初めての公式謝罪」とは、私は少なくとも報道で見かけた記憶はないし(巡回先のブログで話題になっていた記憶もない)、「日本がこの謝罪を公けに発表」もされていないはずだ。 謝罪は被害者に受け入れてもらえるのが第一に必要な要素。ではあるのだが、本当に、こういう「公式謝罪」でいいんだろうか? 本当にいいの?それで?という釈然としない気分がぬぐえない。 以下、事件の被害証言の一部と、関連して印象に残った文章をメモ。 (略) 降服の後、私たちは直ちに炎天下のバターン半島を、食糧も水も、医療も休憩も与えられず、105キロの道のりを行進させられました。今日、「バターン死の行進」は、第二次大戦中の最悪の戦争犯罪の一つとして記憶されています。
私は、水を飲もうとしただけで撃たれたり、早く歩けなくてタンクに轢かれたり、一歩も進めなくなって銃剣で刺されたり、銃を突きつけられて病気の捕虜を生き埋めにすることを強いられた仲間たちのことを、決して忘れないでしょう。私自身も、馬に乗った日本人将校が日本刀を私の肩に振り下ろした時に負った深い傷跡を、今でも抱いています。
「バターン死の行進」に生き延びた者たちには、3年余の想像を絶する残虐な収容生活が待っていました。私も含めて多くの捕虜が“地獄船”に乗せられ、水も衛生施設も無い船倉に肩と肩が触れ合うほど詰め込まれた後、日本帝国全土の工場、鉱山、港湾に送られました。生き残った者は文字通り、戦時生産のために日本の私企業に売られたのです。
私は危険な三井鉱山で石炭を掘りました。全ての捕虜がそうだったように、私はこき使われ、殴られ、辱められ、飢えました。
他方、"捕虜の恥辱"という倒錯的価値観に支配された日本軍は、敵の投降者に対しても同じ価値観を強要した。 (略) こうした事態は、(略)バターン半島における「死の行進」の原因ともなった。バターン半島で捕虜となった米国・フィリピン連合軍の将兵の場合、そのほとんどが飢餓やマラリアや赤痢や脚気等で活力を消耗していた。一方、コレヒドール島攻略に手間取り頭に血が上っていた日本軍は、敵の捕虜の状態など顧みる余地もなく、作戦に邪魔になる捕虜達を戦線の後方にしゃにむに構想すること以外思いをめぐらす暇はなかったのである。悲劇はこうして起こった。 (略) 「行進の途中、大きな掘り抜き井戸の前で停止を命じられた。(中略)捕虜は水を眺めるだけで飲むことを許されなかった。列から駆けだして水を飲もうとする者は撃たれたり、銃剣でさされた。死体はその場に置き去りにされた。先に進むにつれ目にする光景はますますひどくなった。(略)」
護送についていた日本兵は当たり前のように捕虜から身の回り品をはぎとり、竹の杖で殴りつけた。捕虜は何度も何度も"身体検査"を受け、歯ブラシ、万年筆、指輪、石鹸など手当たり次第に奪われた。ある将校は、結婚指輪をもぎとろうとした日本兵に抵抗したため、指輪ごと指を蛮刀で切り落とされた。
森本忠夫著、貧国強兵 第5章 虚構の崩壊 P.238
「私はレイテ沖海戦で乗艦が撃沈され米軍の捕虜となり、レイテ捕虜収容所に一年間収容されていました」と一市民関山栄次は、ある新聞の投稿記事の中で書いている。
「ここには約千二百人の日本人捕虜がいましたが全員が、同胞が命を賭けて戦っているとき安閑と的中に生をむさぼっていることを恥じ、ときには死にたいという衝動にもかられました。しかし日がたつにつれ米軍の態度がわれわれの常識と違うのに気付きました。監視のMPも軍医もみな親切だし衣類、食料、たばこなどに至るまで米兵並みに支給されます。掲示板には、捕虜は本国の家族と文通し必要品を送ってもらうこともできると書かれ、私たちははじめてジュネーブ捕虜条約なるものがあると知りました。ある日、収容所長のアバキャン中尉が意気消沈している私たちを集めて、「あなたたちは最後まで逃げずに勇敢に戦ったのだから決して卑屈になることはない。あなたたちは英雄なのだ」と言うのでした。長年、玉砕教育を受けてきた私たちにとっては驚きでした。
森本忠夫著、貧国強兵 第4章 強兵の形成 P.213、強調は引用者
気がつくのが遅い目ではあるのだが、なんだか強烈な違和感を感じる記事が目についたので、お持ち帰り。 大元は、医療介護CBニュースだが登録してないと読めないかもしれないので、同じ内容を配信していたライブドアニュースで魚拓取得。 医療介護CBニュース 2009/05/02 12:00配信分で、「 性の問題、その治療とは」( 魚拓) 「 榎本クリニック」という、「精神神経科、心療内科」などを守備範囲とする医療法人の理事長という話の医学博士をもつ榎本稔医師のインタビュー記事。 「性依存症」である性犯罪の加害者に対する治療プログラムを普及させようという話のようで、それ自体は、もちろん、大変賛同できる試みである。また、9日に『幅広く性の諸問題を扱う「日本『性とこころ』関連問題学会」』を立ち上げるのだそうで、その対会長も務められる、ということなのだが。。。 このインタビュー記事、インタビュアーがこう切り出す。 「性の多様化が叫ばれていますが、同時にさまざまな問題が浮かび上がってきていると指摘する声があります。」その答で、いきなり、はぁ???となった。
昔は姦通罪で女性が厳しく取り締まられていましたが、戦後、男女交際が自由になりました。いわゆる性の規制緩和、自由になってきたんですね。これが性の多様化に結びついたということです。
そもそものインタビューの柱が、性犯罪加害者をなんとかしなくちゃという話だったはずで、インタビュアーも「問題がありますね」と切り出した文脈にしか読めないのだが、そこで、「姦通罪で女性が厳しく取り締まられていました」ときて、「さまざまな問題」と連動している「性の多様化」に結びついているって。 さまざまな問題の原因が、「女性が厳しく取り締まられ」無くなったという理屈になっているような気がしきりとするのだが…orz そして榎本医師のお答えはそのままこう続く。 性の問題というのは、社会が作り出す病気だと僕は思います。そして、何も今更始まったことではない。 男の性意識、性欲は基本的にずっと変わっていない。ただ、それを社会的に規制しようとすると、いろいろな問題が出てくるのではないかと考えています。
「男の性意識、性欲は基本的にずっと変わっていない」で、性の問題は「今更始まったことではない」。そして、性の問題は「社会が作り出す病気」で、「社会的に規制」するから問題が出てくるって。。。 その前振りが「昔は姦通罪で女性が厳しく取り締まられていた」だし。なんか、凄いことをおっしゃっているような気が、しきりとするんだが…orz 続いて、インタビュアーがこう合いの手を入れる。 「インターネットの発達などによる急速な情報化社会への転換の影響を危惧する声もあります。」 これは統計を取っていないので断言はできません。(中略) 情報を選択する力がある時に見るのと、まだその力がないような幼い時に見るのとでは、違うと思います。女性と交際した経験があって、女性の裸に対してある程度免疫がある人が見る場合は、倒錯的なものを見たとしても情報を選択できますよね。これは有害だ、これは有害でないと。それが子どものように情報の選択力が全くない場合、そういうものなのだと思ってしまいます。(略)
「女性の裸に対してある程度免疫がある人が見る場合」…? で、それも「思ってしまいます」といいつつ、断言しちゃっておいでのようだ。統計はお取りなんだろうか? 「榎本クリニックは性依存症者に対する治療的な試みとして、SAGを開催するなど、全国でもまれな取り組みを進めています。」 誤解しないでほしいのですが、性犯罪者イコール性依存症ではありません。反復性があって、衝動的、強迫的、貪欲的であるという依存症の定義を満たしている必要があります。例えば、強姦や痴漢が一回だけで終わっている人もいる。性依存症というのは病気なので、一回で終わっている人はそうではないと判断していますが、一回でも行動化してしまうことが「病気」に相当するのか、これは難しいところです。
…なんか、言語化が難しい摩擦の大きい引っかかりをしきりと感じるのだが、とりあえず、統計的には「強姦や痴漢が一回だけで終わっている人」が少ないのか多いのかに関しては言及なさっていないようである。 今までの性犯罪の処遇の歴史というのは、犯人が性依存症であっても、厳罰を追求するだけで、治療は一切行われませんでした。 ただ、2004年に起きた奈良県の少女誘拐殺人事件がきっかけで、変化が起きました。この犯人は、過去に児童に対する性的犯罪の前科があり、何回か繰り返しているということが分かりました。ここで、初めて厳罰化だけでなく、更生するには治療が必要だという視点が加わったのです。 また、海外では性犯罪者に対する司法と連携したプログラムがあり、実際に成果を上げています。
…もちろん、最初から言明しているとおり、更正のために治療を試みることは、当然、そうすべきだと考えるだし、試みられてこなかったことは憂うべき後進っぷりだろう。でも。。。 わたしたちは、治療を「依存症」という枠組みでやっていますが、依存症かどうかというのは断言できない側面を持っています。ただ、繰り返しているし、衝動性が高いし、強迫的で、貪欲的であるという「依存症」の条件を満たしている。では、それを実証するような研究があるかというとほとんどない。
…依存症かどうかは実証されていないようではある。 ただ、多くの人に理解されて、支持されないとこの取り組みの普及はできません。その中で、一番分かりやすい枠組みというのは、依存症でした。 ですから、これは政治的な戦略です。やはり、多くの人に支持されて初めてこの取り組みは実を結んでいくと考えています。
…実証されていないながらも、まず、治療プログラムの受け入れのために必要という点は了解できる話ではある。なんだけど、話の前提に、摩擦の大きい引っかかりをしきりと感じて仕方ない。 ちょっと中略して、 「性依存症は他の依存症と違い、性犯罪につながりやすく、結果として被害者が出てしまうという問題がありませんか。」 その通りです。性犯罪が起きると世間の目は被害者側につくわけです。「なんというひどい犯人だ、あいつはどうにかしないといけない、もう閉じ込めておけ」という声の中で、加害者(が性依存症であった場合)の治療プログラムを行うにしても、「あいつは治るわけない」と思われるわけです。では、そういうプログラムをやっているところは、もしかしたら加害行為に加担しているのではないかと思う人もいるわけですよ。
榎本医師のロジックが解らない…orz。 「結果として被害者が出てしまう」という指摘に、「その通りです」と答えてるように見えるんだが…orz 被害を無くそうという発想がかなり薄い(婉曲表現)のだろうか、もしかして。 また、実際に、性犯罪が報道された場合、加害者のポジション、被害者のポジションによっては、かならずしも「世間の目は被害者側につく」訳ではない事例を何度も目にしてきたのだが、なんなんだろう、このやりとり。。。 そして、こう続く。 ここで、使えるのがアディクションモデルです。被害者が加害者を理解するのは無理ですが、回復のための治療を受けていく過程の中で、加害者について考えるときが必ず出てきます。その時に、あれは性依存症という病気なのだという理解の仕方ができることで自分の問題を整理するときに有効であると感じます。
狂犬にかまれたと思って忘れてしまえって、古典的な説得ですね、わかります。 って事でいいのだろうか…? ただ、病気という枠組みをつくることで、加害者の中には開き直る人が出てくる。俺は病気だ、俺は悪くない、病気だから仕方ないじゃないかと。つまり、病気であるということには、メリット・デメリットがあり、あまりにも病理化してしまうと、本人が背負う責任を免じさせてしまう機能を持っている。この辺りが非常にデリケートなところです。
一応、加害者が悪いと言うことは認識されているようではあるのだが、でもやっぱり、なんだかなぁと思ったのだった。 なお、このインタビュー記事はこう結ばれる。 学会の中でも「性犯罪者は更生できるのか」という根本的な議論をしたいと考えています。 結局、性依存症、性同一性障害、結婚活動の話もすべて性とこころということをフィールドに、そこから派生している問題です。これを学術的に、エビデンスをしっかりと積み重ねた議論をできる場所が日本にあるのかというとありません。それでうちの特徴としてなかったら作ろうと(笑)。
…えーっと、そこを議論するんですか? この榎本医師って、この関連では他にどんな主張をしているのだろうと検索してみたが、この路線の意見はネット上では見つけられなかった。 だが、「 奥村徹弁護士の見解」ブログ2009-05-02付記事にて「ある事件でお世話になりました」として、紹介されているのを見かけた。このブログは見た覚えがある。おぼろげな記憶を掘り起こして思い出した。 2007年の10月に、岩国基地所属のアメリカ海兵隊員が未成年女性を集団レイプした事件の際、広島県知事が「盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」等発言した時に、 強姦事件の弁護人は当然、被害者の過失として主張しますし、裁判所も多少考慮すると思います。
知事が、「日本女性会議2007ひろしま」で、そんなこと言ってはダメという趣旨なんでしょうか? (略) 弁護士も、被害者の過失とか、過失相殺とかを、公然と発言すると非難されるかも知れません。
とエントリを上げていた弁護士さんだった。なんか、納得した。
意見をうかがいたいこともあって、「 Imaginary Lines」さんの2007-10-21付「 あきれた」に、トラックバック。
このところ、休みになると「 異次元鶏はむ」を作製して、平日の朝ご飯はベーグルに鶏はむとしゃれ込むのだが、鶏はむも軽くスモークをかけると旨さが増す。以前、 エントリでベーコン作製にもちらっと触れたことがあるが、スモークすること自体は難しい調理方法ではない。スモーク用のチップも東急ハンズで売っている。スモークの後にはボイルの工程があるのだが、このボイルをミスるとゆで汁に旨味が逃げたまっずい燻製品になってしまう。しかし、そのステップも「異次元調理法」と使えば大丈夫。 と、いろいろ、レシピが充実してきたとあるゴールデンウィーク。年度末の過重労働が終わり、年度頭の恒例ハードワークも一段落ついて、次の〆切を気にしつつ英気を養うと称して、美味いものを食べようと目論んでいた連休のある日。 豚肉の固まりが安く売っていた。 ラッキーと思った、わたくし。ハムの作製を思い立った。すでにグラム39円の鶏胸肉を買っていたが、豚腿の塊もお買い上げ。そして、別のスーパーにも立ち寄ると、ここでは豚ヒレの塊がさらに安く売っていた(^^; …肉が増えたところで、調理の手間はほとんど変わらないから、この際、作って冷凍しておこう(^^; 買ってきた肉の塊は、1.5%の塩と、0.5%の三温糖、ブラックペパーとオールスパイスを適当に振って冷蔵庫で丸二日漬け込み。スモークするステップの前に、ざっと表面についているスパイスを洗い流し、肉を拭いておく。 そして、タコ糸で巻いて整形のステップだ。さて、ここからが今回のメインイベント(だったらしい)。
以前、「 異次元鶏はむ」作製時のエントリで、自分の下手くそで芸のないグルグル巻の肉の縛り方にがっくし来ていたのだ。いかにすれば、 こちらのような味わいのある肉の縛り方ができるのだろうか? 考えたわたくし、検索してみた。検索語は、、、書くのは控えておこう(^^; それにしても、参考サイトがたくさんあるのには驚いた(^^;;; リンクは貼らないので、興味のある方は、適当な語で検索してみていただければ(^^;;;;; なお、モデルさんに男性と女性、双方いらっさる事にも驚いた んで、今後、ハムを作る時用に、縛り方をメモしておこうというのが、このエントリの趣旨 (毎回、ああいうサイトを検索して見に行ってるのも、面白すぎるし)。 腿肉で試して、ヒレ肉で二回目に縛ったのが、以下。 まず、タコ糸は長い目、1メートル超に切って、二つにおり、先を輪っかにして、何個か結び目を作っておく。 先の輪っかを広げて肉に添えて(結び目が多かったので二つほどほどいた)、反対側のも二本を広げて肉にかけて、縦を間延びさせないようにひっぱる。 で、後でクロスさせつつ、あらかじめ結び目を作っておいた部分に通すとこんな風に。なお、これは菱形縛りと呼ぶらしい。 裏っかわ。 やってみると簡単。もともとは、みなみさとさんやお友達の皆様が趣味で縛る専用の方法というわけではなく、米俵などを縛る方法だとか。お肉の成型方法としても、けっこう優れものかもしれない、とは、実際にやってみた感想。 んで、スモークした。 異次元ボイルの後、糸をはずしてみると… …当然と言うべきか、縛った後がしっかり残っている(^^; 自分で遊ぶ分にはともかく、他人様に見られたら何事かと思われそうである(^^;;;;;; どうせならネタにと思いつつハムを作ってしまった(^^; 縛り方のWEBページを公開していた方達も、まさか、ハムの作り方の参考にされているとは思うまい。
ひどい話だと思う。初報は毎日という噂だが、私は確認していなくて、気がつくと同様の報道が各紙から出ていた。『感染している可能性が低いにもかかわらず、発熱などを訴えた人の診察を拒否するケースが東京都内の病院で相次ぎ、2日朝から5日正午までに計92件にのぼる』件。 ここでは、日経から。 (略) 過剰ともいえる病院側の対応について、都感染症対策課は「病院は冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。
同課によると、診察拒否は、都が設置した発熱相談センターへの相談電話で判明。大学病院が断ったケースもあった。
感染国への渡航歴がないのに発熱相談センターに相談することを勧められたという人が大半だが、同センターから一般病院での受診を勧められたのに診察を拒否されたケースもあった。中には「成田空港に勤務している」「友人に外国人がいる」と話したことで拒否された人もいたという。
まず、何をもって「診察拒否」と呼んでいるのだろう? たとえば、大分県は中津市の「新型インフルエンザ感染防止対策のお知らせ」にはこうある。 (略)新型インフルエンザの感染を心配されている方や新型インフルエンザの症状(通常のインフルエンザの症状に類似した発熱、脱力、食欲不振、発咳などがみられる。また、鼻汁、咽頭痛、吐気、下痢がみられることがある。)が現れた場合は、まずは電話で北部保健所へご相談ください。新型インフルエンザの診療を行う医療機関をご紹介します。 (略) 院内感染を防止するための対応として、医療機関では受け入れ準備が必要です。 直接医療機関を受診することは避けてください。
…なんで、中津市から引用してきたかというと、非常にまっとうなことが書いてあるにもかかわらず、ちゃんと呼びかけている公的機関があまり見当たらなかったからだ。 岩手日報からも引用しておこう。
新型インフルエンザの国内感染防止対策が動き出し、県内の医療機関や消防組織も初期段階での感染封じ込めや、感染拡大後の対応に向け準備を進めている。
新型インフルエンザの感染者が直接病院や診療所を訪れると、院内感染の恐れがある。このため関連機関は、感染者が医療機関を受診する前に保健所の発熱相談センターに相談するよう呼びかける。(後略)
もう一つ、 県は1日、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に対応する「発熱外来」を設置した県内の14病院を公表した。各病院では、医師や看護師の医療体制、院内感染の防護措置などに努める一方、「新型インフルエンザの症状の疑いがある人は、直接病院に行くのではなく、まず保健所に連絡して指示を仰いでほしい」と呼びかけている。(中略) 中濃厚生病院は、玄関などに「流行地域への渡航、または渡航者と接触した可能性のある方は、院内に入らず、まず携帯電話で連絡するように」という紙を張り出した。
県立多治見病院は、正面玄関に「発熱外来の患者は本館南で受け付ける」と案内。本館南にある「感染病用の電話相談室」を受付窓口として院内感染防止に努める。久美愛厚生病院は、マスク、ゴーグル、手袋などを付けて院内感染の防御措置を取る。(後略)
…新型インフルエンザ感染の疑いを自己申告している患者さんを、直接、医療機関が受け入れていないことを十把一絡げに非難するのは、あまりにも短絡だろう。 4月28日時点でWHOが発表した感染国は9ヶ国、それが 5月1日時点では14ヶ国になり、 5月5日時点では21ヶ国であり、二次感染例もどんどん確認されている。最悪に備えるべき立場の医療関係者が、すでに日本に新型インフルエンザウイルスが入っている可能性はあると考えても、それは過剰ではない。「感染国への渡航歴がないのに発熱相談センターに相談することを勧められた」ことを非難した記事を書く、記者の発想はひどい。 もちろん、「同センターから一般病院での受診を勧められたのに診察を拒否されたケースもあった」の部分は、確かに過剰反応とそしられても妥当なのだが、記事全体の論調には呆れた。 そもそも、病院に来ている人達は、健康な人ではないのだ(だから来るんだけど)。健康な人より、免疫機能の働きは弱っている。治療目的で、免疫機能を抑制する作用を併せ持つ薬品を処方されている人だって多い。そこに感染力の強いインフルエンザウイルスが入り込んだらと、警戒するのはごく当然なことなのに。 (略)県や市町村は「県新型インフル対策行動計画」に基づき、症状に応じた患者の振り分け(トリアージ)を行うため、公民館やスポーツ施設などの公共施設を利用した発熱外来の設置準備にも取り掛かることにしている。
秋田組合総合病院(秋田市)は、新型インフル発生が認定された28日、院内の一般外来から離れたスペースに専用の診察室を設けた。感染の疑いのある患者を病院裏手の職員用出入り口から誘導し、院内では一般患者と接触させない動線で診察室に導く。院内感染防止のため、診察室内は独立空調としている。(後略)
もし院内感染によって新型インフルエンザが蔓延したら、マスコミはどんな論調になるのやら。これ以前だって、さんざん医療機関を叩いてきたのがマスコミではなかったか。院内感染は、あらかじめ想定された具体的なリスク(だからこそ発熱相談センターや発熱外来が考案される)。それに対してより慎重になるのは、実際に院内感染が確認された場合に、スタンピードな乗りで叩くマスコミの論調が危惧されるのは一因だろう。 さて、東京都の場合。 4月28日に、 WHOが新型インフルエンザの発生段階(フェーズ)を3から4へ上げ、厚生労働大臣が、海外での「新型インフルエンザ等感染症」の発生を認定したことから、東京都は、28日17時より都内の全保健所において東京都発熱相談センターを開設したのだそうな。その、東京都発熱相談センターに寄せられた電話相談件数は、 4月29日(水)に27件、30日(木)に258件、5月1日(金)に1,250件、 5月2日(土)に1,465件、 5月3日(日)に693件、 5月4日(月)に392件、 5月5日(火)に595件(リンク先はそれぞれPdf)と、膨大と表現しても差し支えなさそうな数だ。東京都への相談内容に関する情報があまり見当たらないが、例えば 福井県の情報では「海外からのお土産を食べて子どもが熱を出した」など過剰な反応のものが目立つという話もあるので、膨大な相談件数の内容も知りたいとも思う。まぁ、それはともかく。 発熱相談センターは、例えば台東区の場合では (略)新型インフルエンザを疑う症状が見られたら、まず、下記に電話にてご相談ください。 (中略) <症状> 季節性インフルエンザに似た症状ですが、中等度から重症まで幅があります。症状は、発熱・セキ・のどの痛み・関節痛・倦怠感などです。(後略)
なのだが、肝心の東京都保健福祉局では、28日付で メキシコ、米国(ハワイ、アラスカを除く)から10日以内に帰国した方で、38度以上の発熱のある方は、保健所等に設置される発熱相談センターに必ず電話をし、受診先について相談してください。(後略)
とある。WEBで見て回るに、どうも、発熱相談センターへの相談要件を満たさないので医療機関に直接出向いた人もいるらしい。でも、28日時点より遙かに感染国が増えている5日の段階で、「メキシコ、米国(ハワイ、アラスカを除く)から」って相談要件からはずれていても、医療機関が警戒するのは仕方ないのでは無かろうかと思って、さらに確認すると。 上記の「東京都の対応等について(第3報)」は、「報道発表」のコンテンツ内にあるのだが。。。 その上の「報道発表」の階層を見ると。 これが、6日12時に東京都の報道発表資料のコンテンツで撮った魚拓。5月1日以降に報道発表資料はない。「東京都発熱相談センター」に関し、相談要件を修正するような報道発表が見つけられない。 一方、東京都ホームページには「 新型インフルエンザに対する東京都の対応」というコンテンツがある。その中にある新型インフルエンザ関連のリンクは、「 メキシコ・米国から帰国された都民の皆様へ(新型インフルエンザについて)」と「 Influenza A (H1N1) Q & A 」の二つのようだ。後者は、何故か全部英語のQ&A。そして前者は、なぜかメキシコ・アメリカ限定。 ページを確認すると。 今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に対応するために、東京都は以下のような対策をとっています。
1.流行地域から帰国し、発熱症状等のある方の相談(発熱相談センタ-での相談) 新型インフルエンザの流行地域(※1)から10日以内に帰国し、インフルエンザ様の症状(※2)がある方のご相談は、都内全保健所に設置されている発熱相談センターで受け付けています。 (中略) ※1:メキシコ、米国(ハワイ州、アラスカ州を除く)、カナダ 〔平成21年4月30日11時時点〕 ※2:38℃以上の発熱、せき、咽頭痛(のどの痛み)等の症状
2.受診の紹介 保健所で受診の必要があると判断した方に対しては、都内の感染症診療協力医療機関(約50ヶ所)において、診察を受けられるように保健所が医療機関と調整後、受診方法をご案内します。(後略)
朝日新聞ではこんな風に報じられていた。 (略) 発熱などの症状があっても、国が流行国として指定しているメキシコ、米国、カナダからの帰国者でなければ、診察を拒まないで欲しいと、都は病院に呼びかけている。(後略)
「発熱相談センターから新型インフルエンザ感染の恐れはないと判定された患者が一般の医療機関から拒まれた事例」は、確かに過剰反応だと批判されるだろう (とはいえ、発熱相談センターは電話相談ではあるし、診察を拒んだ医療機関の設備は解らないのだが)。しかし、都の対応は、連休期間中だからかなんなのか、鈍すぎるのではないか。 世界保健機関(World Health Organization、WHO)は4日、新型インフルエンザ「インフルエンザA(H1N1)」の感染が確認されたのは21か国の1085人で、うち26人が死亡したと発表した。 (略) -感染者数(死者を含む)
メキシコ:590人(政府発表は776人) 米国:286人 カナダ:101人(政府発表は103人) スペイン:54人 英国:18人(政府発表は27人) ドイツ:8人 ニュージーランド:6人 イスラエル:4人 フランス:4人 エルサルバドル:2人 イタリア:2人(政府発表は4人) オーストリア:1人 香港:1人 コスタリカ:1人(政府発表は4人) コロンビア:1人 デンマーク:1人 アイルランド:1人 オランダ:1人 韓国:1人 スイス:1人 ポルトガル:1人 (後略)
感染は拡大しているし、気付かれずに日本に入っている可能性を警戒しても当然。もちろん、医療機関が治療する対象は、新型インフルエンザ感染者だけではない。発熱相談センターの相談要件を絞ったままの、都の鈍い対応だって現場に混乱をもたらした要因の一つだろう。 すでに「 重症度は毎年起きる季節性のインフルエンザとあまり変わらないように見える」との見方が優位になっているから、ことさらに騒ぎ立てる必要は無いにしても、都側が自省の様子が見えない状態で医療機関に「呼びかけている」ので、なんだかなぁと思ったのだった。 (といっても、普通の季節性インフルエンザだって『 米国では毎年季節性インフルエンザで約20万人が入院し、3万6000人が死亡している』のだから、むやみに軽く見てもいかんのだが)
この方の普段の主張は存じ上げないのだが、こちらのエントリはさもありなんと思ったのでリンク; 「 天漢日乗」さんの2009-05-05付『 「マスコミたらい回し」とは?(その140) 豚インフルエンザ 毎日新聞本日一面トップの江畑佳明記者の「東京で発熱患者の診察拒否」記事は「新型インフルエンザ感染爆発」を引き起こしかねない悪質な誤認記事か?→発熱外来勤務の医師から一言→「二次救急病院ですが新型インフルエンザかどうか判定するための第一段階に使う簡易キットも治療薬のタミフルもほとんどありません」こんな状況を無視して書き飛ばす毎日新聞の素晴らしさ→他の医療機関から「現場を中傷して士気を挫くな」』 『 豚インフルエンザ 「保健所へ行くのが面倒だから直接病院に来ました」』 そして、さらに困った事態も起きているようで、これも、さもありなんと。。。 2009-05-06『 「マスコミたらい回し」とは?(その142)どうやら市中の一般病院ではインフルエンザの簡易検査キットもタミフルやリレンザも払底しているのではないか 今後、普通のインフルエンザの患者さんは受け入れ先がない悪寒→人口600万人のある県ではタミフルの備蓄量はたったの5%、30万人分』より。 GW真っ最中の今、 インフルエンザの簡易キットもなければ、タミフルもリレンザもない病院は、インフルエンザ感染の患者さんを受け入れられないことになる。来て貰ってもなにもできないし、なによりインフルエンザが他の患者さんに感染する恐れがある。そうなると一般病院は断らざるを得ない。
しかし 頼みの発熱外来の診療対象からは漏れてしまうわけで、こうなると 渡航歴のないインフルエンザ疑いの患者さんは、GW中はどこにも診てもらえないだけでなく、今後も、タミフルの入荷は、発熱外来に限られるので、一般病院でインフルエンザの患者さんを診られるところはどんどん少なくなることになるのだ。
GWで医療が普段より手薄な上に、インフルエンザの通常の流行期を過ぎているから、一般の医療機関では、簡易キットもタミフルも払底しかかっている。その状態で 季節性インフルエンザは、一般病院で診ろと言われても、無理。
…マスコミがここぞとばかりに、ただでさえ従事者が過重労働になっている医療機関を無責任に叩いているのを見ると、腹が立つ。
この記事は、出てすぐ見ていたが、気持ちの悪いものを感じつつも、スルーしてしまっていた。既存システムを活用して、パンデミック対策をというような取り上げ方だったからかもしれない。今日付のスラッシュどっとジャパン『 総務省がパンデミック対策として国民の移動履歴記録システムを実験』で取り上げてくれていたので、あらためて注目して、あらためてなんだかなぁと言う気分になったのだが。 利用者の居場所を特定できる携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を活用し、感染症の世界的大流行(パンデミック)を防げないか――。 (中略) 具体的には、携帯電話会社などがモニター全員の移動履歴をデータベースに蓄積。その後、1人が感染症にかかったとの想定で全モニターの移動履歴をさかのぼり、感染者と同じ電車やバスに乗るなど感染の可能性がある人を抽出し、注意喚起や対処方法を知らせるメールを送る試みだ。 (中略) このため、総務省は実験を通じ、移動履歴の活用に対する心理的抵抗感などもあわせて検証する方針だ。
心理的抵抗感に配慮してくれるそうだが、「感染症の流行対策」という大義名分を掲げられたら、心理的抵抗感を表明しやすいだろうか? あるいは、マスコミがどんな風に煽るだろうとか、なんだか、このところの報道とあわせて危惧を感じざるを得ない。 そしてもう一点、疑問を感じる点がある。移動履歴を蓄積されるのは、GPS機能付の携帯通話端末をもった個人だ。このシステムがパンデミック対策としては大した役に立たず、 他の目的に活用されるんじゃないか、というのが、その疑問。 感染が確認された個人がGPS携帯をもってなきゃ、機能しないシステムじゃないのか、これは。
貧富の差が大きく、既にかなりの数に上っていると思われる貧困層が医療機関にかかれないのは、日本でも同じである。が、発熱外来などの医療費が免除されるという話は聞かない。生保を受けていなかったら、風邪のような症状で熱が出ても私はおそらく受診をためらうだろう。
ホームレスだったりする場合、加えて、パンデミックに関係した情報がうまく伝わらない可能性もあるだろう。 しかも、貧乏人には食糧の備蓄などする余裕はない。買い物は日々(少なくとも数日おきに)行わなければならない。もしキャリアになってしまっても、出歩かざるを得ないのだ。 (中略) そういうわけで、国にあっては、緊急に 1.保険証取り上げ政策を少なくとも一時的に停止すること。低所得者への医療費補助を行うこと。 2.ホームレス者を把握の上緊急に保護を行うこと。
ウイルスは「生きた細胞」内で増殖する。「生きた細胞」外の野良ウイルスは、一定期間の後に増殖することなく死滅する。ちゃんとしたご飯を食べられない状態と、栄養に配慮したご飯を食べられる状態と、どちらが免疫機能の働きが高いか、考えるまでもない。免疫機能の働きが高い個人は、そもそも、感染の確率が低い。免疫機能の働きが弱った個人の方がウイルスに感染しやすい。そうして感染し発症した者が、的確な医療を受けられないことこそが、ウイルスの持続的な蔓延につながりかねない。 だから、きちんとしたご飯を食べられなかったり疲労のぬけないストレスの溜まった状態で免疫機能を発揮できない人達に対し、生活を補助し、感染し発症した場合には医療の保証をする方を、優先すべきだろう。GPSを使ったアラートシステムよりも。本当にインフルエンザの対策をしたいのなら。 そっちの方が、今度の、あるいは、次に来るかもしれない新型インフルエンザから社会のメンバーをより多く守ることになるのではないか。 今回の新型インフルエンザは、すでに「 重症度は毎年起きる季節性のインフルエンザとあまり変わらないように見える」との見方が優位になっている。今後、感染者をより少なくしていくことが、感染の収束につながるだろう。その為には、感染の危険が大きい人達を、感染から守ることが必要になるはずだ。日本の医療水準は高い。医療従事者の過労が案じられるが、ちゃんと医療の恩恵を受けることができれば、日本で大きな被害が出るとは考えにくい。 こんな状況があるから厳しいが、まずは日本国内だけでも、もう少しは手厚い補助をできないものか。無闇に不安を煽る報道が多くてうんざりしていたのだが、この報道の、この箇所は注目せざるを得ない。 特にサハラ砂漠以南の国々では、医師の数や監視体制に限界があり、マラリアなど既存の感染症対策すら追いつかないのが現状。経済危機で医療が破綻(はたん)したジンバブエでは2008年にコレラが大発生し、4000人以上が死亡した。エイズウイルス(HIV)感染者も多く、これらの疾病で免疫力が落ちた人に新型インフルが感染したときの被害が心配されている。新型インフルは、罹患(りかん)者が多い結核などと判別できず、発見が遅れる可能性も指摘されている。
書くまでもないだろうが、HIV感染によって起こるAIDSとは、後天性 免疫不全症候群のこと。一般論としても、インフルエンザ等のウイルス疾患が重症化するのは、細菌等による混合感染による。彼の地が医療リソース不足で、混合感染のケアもままならないであろう事は容易に想像ができる。 サハラ以南の『 AIDS事情はヤバすぎる』と、かねてより目にしていただけに、なんとも言えない気持ちになった。
感染力は強そうだが弱毒株(発症しても重症化する率が低い)で、 豚から感染した証拠が確認されていないのにゲノムに ブタインフルエンザ由来配列が混ざっていた恐らくは一つの株に由来する感染がメキシコでヒトを介して規模を拡大したためか (でも、起源がアメリカである可能性は否定されていないそうだ)最初に「豚インフルエンザ」と呼ばれていた、新型インフルエンザ・A型(H1N1)の流行が、何故か、 横浜のメキシコ料理店から客足を遠のけているとの報道があった。 思わず、メキシコ料理ってどんなんだろうと調べているうちに、上記報道の5月1日時点では新型インフル感染が疑われていた横浜の高校生が、そうではなかったとの報道が出たようなので、風評被害は収まっているものと思いたいものである… (こちらに普通にお客さんがいたとの証言はあるにはあるのだが)。 件のお店、行ってみたくはあるが、ちと、私には遠い (時間的余裕もない)。 一方、インフルエンザ報道で「メキシコ」がしきりと言及され、料理店の風評被害報道なども目にするうち、なんだか、迷走してしまった。
CookPadより、 「 メキシコの家庭料理。体が温まります。 」 「 簡単タコス@メキシコ」 「 ハードなタコス@メキシコ 」 「 ケセディヤ/メキシコ料理」 この、最後にあげたケセディヤなるもの、とても簡単そうで美味しそう。ただし、トルティーヤが必要。 トルティーヤの作り方は、 CookPadなら、「 簡単!メキシコ料理☆コーントルティーヤ」 他には、「味の素ワールドグルメレポート」内の「 タコス」に作り方を発見。 どちらのレシピも、コーンミールを使っているのだが、手元にはない。近くのスーパーを二軒回ってみたが売っていなかった。何度か使ったことはあるのだが、コーンミールを使ったレシピって、あまり執着がないというか、一袋買うとけっこう使い切るのに苦労するのでどうしたものかと考え、試しに全粒粉で作ってみることにした。クックパッドのレシピで、コーンミールを全粒粉に置き換えただけで作ってみる。 強力粉50gと全粒薄力粉50gと、オリーブオイル目分量(ぉぃ)で大匙1ぐらい、水適当。 直径2-2.5センチぐらいに丸めてから、適当に押しつぶし、力一杯薄くのばした。だいたい厚さで1ミリほど、直径は10センチあまりになったか。 セラミックプレートで適当に焼く。後で再度焼くから、細かいことは気にせず、ざっと火が通ればいいことにした。 トルティーヤもどきを敷いて、タマネギみじん切りを適当にのせ、鶏はむ (本物のハムではない(^^;)を適当に切ってのせ、溶けるチーズをのせて、 トルティーヤもどきをさらに上にのせて、弱火にかけ、適当に火が通るまで両面焼く。 適当がやたらと出てくるが、実際、適当にやっているので仕方ない。 できあがり。 これが、簡単な割にはえらく美味しい。 ただし、焼いた後のフライパンを見て思ったが、カロリーは高そうであった。といっても、チーズ由来の油分が残ってたんで、チーズを食べてりゃおなじこと。この料理自体が高カロリーって訳ではないのだが。 …やはり、本物のメキシコ料理も食べてきて、比較しないといかんかな(^^; (それにしても、新型インフルエンザの流行がなければ、作ってみるきっかけがなかった料理とはいえ、前振りと本文とが、あまりにもかけ離れたような気がするなぁ)
私は深くも考えずに、コーンミールがないから全粒粉で適当に作ったけど(^^;、作った後調べてみると、全粒粉のトルティーヤもけっこうレシピがネット上にあったのを確認したのだった。私の試作品だと、全粒粉の割合が世間一般より多いようだった。あと、ベーキングパウダーを入れることも多いようだ。 「 トルティーヤも作って、タコス!」 「 全粒粉入りトルティーヤと、タコスディナー♪」 「 全粒粉入りトルティーヤサンド」 「 おからサラダで自家製全粒粉トルティーヤ」 「 全粒粉でトルティーヤのハイロール」
山菜狩りなどに行くと、最初は他の野草と区別つかない山菜が、目が慣れてくるとあっちにもこっちにもあることに気付いて目につくようになるものだと経験しているが、近ごろ、買い物に行くと竹の子が目について仕方ない(<-そういう問題か?)。 前回、 4/23にエントリにした通り、既に今年は竹の子にありついているが、年に一回食べれば満足するものでは、当然無い。というわけで、目につくと、つい買ってしまう。 今回の獲物。埼玉産とか。
恒例の撮影会(謎) 同じobjectを比較対照にすると、竹の子の大きさがよく解るものである。にしても、 前回の竹の子、でかすぎ(^^; 毎回、気分よく窓際で光合成している時間を邪魔するので、 ちょっと機嫌が悪くなったかもしれない アゴをかいて機嫌をとってみる。 機嫌が速攻戻った(^^; 鍋にもきちんと収まる、常識サイズ。 思わず、もう一個買えばよかったと思ったが(^^; で。 昆布と鰹の出汁に、日本酒と薄口醤油で味付け。わかめは、鳴門産の新ものの塩蔵品。 この度も大変美味しゅうございました(実はちょっと煮詰めすぎたけど(^^;) やはり、竹の子はこれぐらいのサイズの方が扱いやすい。 だがしかし。 今回は茨城産だそうな。 私の辞書に「懲りる」という語はないのかもしれない …いや、こういうサイズしか売ってなければ、選択肢はないので(^^;
エントリタイトルは、 4/23付エントリのはてなブックマークコメントで、どらねこさんからいただいた素敵なネーミングからいただきました。
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