国民投票法案が衆議院可決されてしまった事をきっかけに、活動を注目している(?)某方が「憲法学者」の肩書きを持っていることをふと思い出し、つい怖いもの見たさで、その方が国民投票法案についてどのような意見を述べているのか知りたくなり、検索してみました。
その方とは、
高崎経済大学の八木秀次教授検索の結果、こんなん見つけました。
「東京新聞:試される憲法:特集・連載(TOKYO Web)」
肝心の記事は、
2007年3月7日付けで「日本教育再生機構理事長 八木秀次さん 守る国柄 前文で表現すべき」写真付きです。写真には「『戦争を避けるためにも憲法を作り替えるべき』と語る八木さん」とあります。
えええ~?!
戦争、避けたいと思ってたんだ!
すみません、今まで気がつきませんでした。
以下、記事を引用します。
_________________引用開始
現行憲法は、敗戦の産物として日本の歴史から切り離されて生まれたものです。前文では、米国の独立宣言とそのベースとなった(英国の哲学者)ジョン・ロックの「市民政府論」を借用し、個々人の生命、自由、財産を守るために国家をつくったという論理を展開している。
しかし、それでは国防は説明できない。国防とは、国民が生命さえ犠牲にして国家の連続性を確保することだからです。前文では自然、歴史、伝統、文化、宗教といった国柄を表現するべきです。連続する国の姿をうたう。そうでないと「守るべき国とは何か」が分からなくなります。
_________________引用中断
えええ~?!
憲法で、日本の自然と歴史と伝統と文化と宗教を定義づけてしまうのですか?せんせえ?!
なお、最初の一文でこけますた。
_________________引用再開
今の前文には「…再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」と「…われらの安全と生存を保持しようと決意した」と「決意」という言葉が二回出てくる。過去を否定し、自分たちで国を守るという当事者意識が欠落していることの表れです。
_________________引用中断
えええ~?!
決意という言葉を使うと、過去の否定と当事者意識の欠落を表すのですか?センセー?!
某所のジャイアンリサイタルの独唱会並みに、私には意見の意味が理解できません。困りました。
_________________引用再開
本来、国家とは観念的なものです。多民族、多宗教、多言語の人たちは、国家という観念を常に意識して忠誠を誓う。それは国家を壊さないための努力です。北海道には北海道の、沖縄には沖縄の自分たちの具体的な経験から生じる愛郷心がある。それとは違い、日本人意識や愛国心は観念です。
国家や国民、愛国心という観念を共有し、次世代に継承するには強制が不可欠です。
_________________引用中断
えええ~!?
愛国心の定義が、コンセンサスの得られてない独自定義のような気がします。
一般的な愛国心定義だと、強制しないと愛されない国って事になっちゃいます。
強制が不可欠って、明言しちゃっていいのですか?!センセー?
_________________引用再開
護憲派は憲法九条が戦後の平和を守ってきたと言うが、現実は自衛隊と在日米軍によって保たれてきた。今では国民の大多数が、北朝鮮や中国という極東アジアの脅威に対する抑止力の必要性を理解し、九条と乖離(かいり)した現実を支持しています。
_________________引用中断
ええ?
この国民の大多数は、私の周辺にいないようなのですが。
困りました。
_________________引用再開
愛国心を否定し、同胞意識が希薄だったが故に横田めぐみさんは拉致され、帰ってこない。戦争を避けるためにも、法治国家としてきちんと守られる憲法に作り替えるべきです。
_________________引用終了
えええ!?
横田めぐみさん拉致と愛国心否定の因果関係が理解できません!センセー!
…ああ、ツッコミどころが有りすぎて疲れた。
なお、この連載、ツッコミ入れ専門ではなく、いい記事もありますので、念のため。
たとえば、
「徳島市の住民投票リーダー 住友達也さん 意見CM禁止し国民投票を」
_________________引用開始
護憲派の中には「現時点で国民投票法が制定されると、改憲の足掛かりにされるだけだ」という理由で法案に反対する声が多いのは確かです。でも、現実は、自民が圧倒的多数なんですから。国会では結局、「数の民主主義」で押し切られてしまうのです。
ならば、国民投票という意思表明の権利を、逆に利用して「改憲反対」の表明を呼び掛けたい。国民が改憲の是非を考えられる運動を大々的に巻き起こせばいいのではないでしょうか。国民の良心を信じることなしに、投票に反対するのはナンセンスです。
ただし、大前提としてテレビのスポットCM(有料意見広告)を一切禁止すべきです。国民投票に向けた運動は原則自由に行われるべきものですが、CMは視聴者の判断に大きな影響を与える。CM規制がないと公正な運動はできません。(中略)
今は、国民が自ら動くときです。汚職にまみれた政治家を批判しても、次の選挙で相変わらず当選させてしまうのは、有権者の責任。有権者がまともに行動していれば、政治家はいいかげんなことはできないはずです。有権者が自ら変わろうともせず、政治家批判ばかり繰り返すのは、天につばを吐くようなものだと思います。
_________________引用終了
なお、参議院で行われている国民投票法案の審議が、
日本共産党参議院議員 井上哲士さんの16 Apr 2007 17:22付けメールマガジンによると、ひどい状態らしいです。
「今日、16日は改憲手続き法案の本会議質疑がありました。(中略)民主党議員が「参院の議論は白紙状態であり、十分な質疑が必要だ」と質問したのに対し、自民党の発議者である保岡衆院議員は、「ゼロから議論を始めるのではなく、衆議院の論議の足らざるところを集中的に審議を」という答弁をしました。
場内からは一気に「参議院は衆院の補完物ではないぞ」「答弁を撤回しろ」と大きな野次が飛び、答弁がほとんど聞き取れない状況になりました。
まさに保岡氏の答弁は、参院を衆院の付録扱いにし、二院制の下での参院の存在意義を否定する発言です。しかも、
参院での審議のやり方は参院特別委員会の理事会で与野党が協議するものであり、発議者である衆院議員があれこれ指図するのも重大な問題です。さらに、衆議院で「議論を尽くした」といって強行採決しながら「足らざるところがある」するのもとんでもない話です。(中略)この答弁をめぐり、与野党の議運の理事が壇上に集まり、さらに、憲法特の理事も場内で対応を協議するなど議場内は異様な雰囲気になりました。(中略)続いて質問に立った市田書記局長が「参議院の存在意義を否定するような答弁は撤回し、謝罪せよ」と迫り、場内はやんやの喝采です。ところが、自民党の発議者達は、自分たちの発言のどこが問題か少しも理解していないようで、社民党の質問の答弁に立った葉梨(はなし)衆院議員は、参院を持ち上げれば機嫌が直るとでも思ったのでしょうか、笑いながら「紳士・淑女の集まりである参議院の本会議場で答弁できることは幸せ」とのべたので場内の怒りは爆発し、「馬鹿にするな」などの野次が飛び交いました。(中略)
もともと参院をなくせというのは、自民党の最初の憲法改正草案の内容です。自公与党は、「今回の手続法は、改憲でも護憲でもない中立的制度をつくるもの」と言い訳をしていましたが、今日の答弁は、この手続き法が、まさに自民党の狙う憲法改悪と直結したものであることを改めて浮き彫りにしました。
二院制を否定する議論は、参院自民党の中でも反発を呼んでいます。なんとしても、廃案へ。さらにがんばりぬきます。」
…頑張ってください。