代替医療方面に関心をもっていて、「統合医療」という分野(?)を知るに至った。そして、とりあえずは、「統合医療」という分野(?)そのものは「もれなくトンデモ」という訳ではなく、「その選択肢もあり」という認識をもっていた。以前にも、
統合医学医師の会は、発起人高原喜八郎先生をはじめ今のがん治療の選択肢を増やしより患者中心の治療を推進する会です。
副作用がない、がん治療の実践の普及・超早期発見の普及・優れた治療内容情報の共有化、現代の医療制度見直しのための問題提起、医療維新のための統合医療ネットワークを目指しております。
NPO日の出会が事務局として統合医学医師の会の発展の為の広報活動を行ないます。
問題提起そのものはいいだろう。問題はその提起する内容だ。中略しているが、この後に言及のある「抗がん剤・放射線・手術の副作用も課題」も、それはその通りではある。
がん治療には、副作用がない様々な優れた治療法・予防法がたくさんあるにもかかわらず、日本の保険のガイドラインに従わざる得ない医師は、がん治療といえば、手術・抗がん剤・放射線の三大治療に頼らざるを得ません。
三大治療以外で治療で『生きる事ができる』患者が多くいるのです。
なんだか雲行きが怪しくなってきた。中略するが、このNPO法人代表の方の御母堂がガンでなくなったそうで、亡くなられた後に「さまざま治療法を知りました」そうである。
もっと早く知っていればと無念です。この事実を知ったとき、私と同じ無知なゆえに多くの命がこれからも失われるのかと思ったとき、一日も早く尊い命を救わなければいけないと思いました。そして一刻も早く今の医療制度を変えなければと思いました。
この人が知るに至った「さまざま治療法」とはなんなんだろうか? この運動で、その「さまざま治療法」を推進しようとしているのだろうけど。
なんでも福島の白川地域にて「第1回がんSTOPサミットを開催」するのだそうで、さらに、
白河の『ホテルプレザント白河』の中に統合医療センターを開設する事も決まりました。
現在波動が大変高い、岩盤・波動浴施設が使用できます。宿泊をしながら、食事療法 気功療法 温泉療法 温熱療法 精神免疫療法 ホメオパシー 漢方療法 整体療法アロマセラピー・・その他統合医学医師の会の最先端のノウハウをこの統合医療健康センターにて実施してまいります。(後略)
ちなみに、この記事は昨年10月なので、
2010年8月24日の日本学術会議『「ホメオパシー」についての会長談話』後である。
このホームページの「
がんSTOP運動2008」なるコンテンツでは動画が掲載されている。動画ではまず、「あなたは癌でなくなる 本当の原因 知ってますか?」とテロップが出てくる。そして、最初に出てくるのが、この運動の代表;新納完門氏。どこかのセミナーらしき風景の中で「癌でなくなる人は、放射線、抗がん剤で殺されている」といったような演説をぶっているようである。
後になって、説明がなされるが、東大学士会館なる場でがんSTOP運動のセミナーを行ったそうだ。セミナーの講師がその後紹介され、その発言も断片的に動画で聞き取れるが、まず出てくるのが高原喜八郎医師なる人物。「ガンを克服しようとする人は、その人のマインド、ハート、心が共振しないといけない」と講演しているようである。なんでも、「今までと全く違った発想で」超早期での腫瘍マーカー診断を行って予防に役立てるとか………。ハートが共振しないといけないのだそうだが。うーーーん。
次の講師が、酒向猛医師なる人物。「やることがないから抗がん剤や放射線治療になっていってる」なる発言が聞き取れてオイオイと思っていると、新納代表によれば「食べた物が血となり肉となると言った、根本的な癌の原因をよく知っている先生」と紹介されているようである。非常に気になるキーワードなので確認すると、このホームページ内のコンテンツにこんな記述が。
専門分野は消化器癌手術療法・消化器癌化学療法・癌緩和療法・癌代替療法。
千島・森下学説の研究者でもある。
千葉県のセントマーガレット病院で消化器外科を担当しておいでだという。また、新納代表によると「細胞を叩く現代医療に20年前から疑問をもち」、セントマーガレット病院でガンSTOP運動の基軸をになっておいでだとか。ご近所の方は、ご記憶されておいた方がいいだろう。
なお、酒向医師は、ちゃんとNATROMさんの日記にも登場している方である。
2008-02-21
千島学説を追試した論文(by 酒向猛)は存在した!? - NATROMの日記千島学説支持者によれば、酒向猛氏による論文が、日本癌治療学会雑誌に掲載された、とのこと。当然、「何巻の何ページに掲載されたのか」との声が上がるが、返答なし。(略) 要するに、酒向猛氏が自著に「千島学説を追試した。日本癌治療学会雑誌に論文も掲載された」と書き、信者が論文を読みもせずに鵜呑みにした、というところだろう。PubMedなどでは検索に引っかからないようだが、医中誌で検索したらすぐ見つかった。(略) 内容は、だいたい予想はついたけれど、全然千島学説の追試じゃない。
さて、2008年の東大学士会館におけるがんSTOP運動のセミナーの講師は、もうお一方。船瀬俊介氏。
参考;2009-12-07「
船瀬俊介に殺される~「抗ガン剤で殺される!」批判~ - NATROMの日記」
…「近代医療そのものが、スタートからおかしい」「薬物療法って言うのは毒物療法なんですよ」等と発言しておいでのようだが、ツッコミ略。
というようなセミナーを開催しておいでの「運動」では、「
署名者が変える医療変革・健康日本 がんSTOP運動」として、署名とアンケートを呼びかけていらっしゃるようである。
さて、このガンSTOP運動、
2011年02月04日にがんSTOP映画製作プロジェクト発足したそうであり、11日は映画サポーターの募集を開始している。
「
YouTube 「がんSTOP運動」( NPO法人 日の出会)映画制作プロジェクト始動!」
なんでも、今の医療を変えるための運動として、映画を作ることそのものが啓蒙活動になるという発想だとか。
動画では、がんSTOP運動 新納悟代表という方が、NPO法人 日の出会理事長の肩書きもつけて出てくる
のだが、なんか名前が変わってるんだが。。。それはともかく、「今、がん患者の7割から8割が亡くなっているというこの現状の中で」
(それ自体、非常にざっくりとした表現だが、それをいうなら人間は10割亡くなるもんだし、がんの死亡数と罹患数の増加の主要因は高齢化だし、年齢調整がん死亡率は下がってるし)「代替医療・自然治癒力というものを活用した医療が中々広がっていない」
「マスコミはそういった事実をながしてくれない こういったマスコミの中で本当の真実を」
「流すようなものは映像、そして映画を通じて自主上映しながらインターネットを含めて流していこうと思います。」
「映画を自主上映しながら今の医療現場を本当に多くの国民に伝えていきたいという形で映画政策委員会を作りました」
だそうである。そうして、今の医療を変えたいそうなのだが、変える方向が………どっち方向に、という点は非常に重要であろう。この後、動画では、統合医療医師の会のメンバーが紹介される。
紹介ではまず、日本ホメオパシー医学会理事長でもある帯津良一医学博士が紹介され、その後、統合医学医師の会発起人の高原喜八郎医学博士、統合医学医師の会会長の前田華郎医学博士、菅野光男医学博士、森時孝医師、飯塚啓介医学博士、水上治医学博士、酒向猛医学博士、飯山玄子医師が登場する。こういった関係者の名前は、チェックしておきたいので、書き出しておいた。
そしてその後、「統合医療医師の会」のテロップが無しに、真弓定夫医師が登場する。つまり、最初に後回しにしていたが、要するに、私は、真弓医師方面の定点観測にて、このがんSTOP運動を目にしたのだ。
さて、真弓医師は、こういう「がんSTOP運動」において何を仰せになるかというと。
「牛乳がいかに害があるか」であった。
「1977年マクガバン報告」を引き、
「動物性タンパク質の摂りすぎがよくない」と説く真弓医師。ガンの最大の原因は、「カゼイン、牛乳タンパク」なのだそうな。しかし、牛乳の摂取を進める宣伝が「朝日毎日読売NHKを使って」なされているのだとか。牛乳が害があると言った意見は、放送ではカットされ、戦争中と同じように検閲される、というのが真弓医師の主張であった。
そして、真弓医師推奨の、検閲をうけないために真実が書かれているというメディアは。
…こらこら、そこ。笑っちゃいけませんよ。真弓医師によれば、このメディアを見る人が増えることで「癌がものすごく減るはず」だそうですから。
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もし、自分や身内や友人がガンに罹患した時、これらの情報は思い出しておいて損のない情報であるだろう。
この辺に出てくる医師を避ける為に。