先月読んだ本(読書メーターまとめ)
こんにちは、槙です。
先月もいっぱい本を読みました。
最近はおとなり湯梨浜町の図書館で本を借りることが多いんですが、それはここの図書館が単行本の背表紙に直木賞とか芥川賞受賞のシールを貼ってくれてるから。
まずはそれを目安に本を選び、波長が合う作品だったらその作家の別の作品も読んでみる、といった感じ。
そうすると思いがけない出会いなんかもあって面白いです。
あと自分、あれもこれもキッチリと話を畳むより、若干の遊びがある方が好みなのを実感した。
「三体X」がその前者で、この作品は三体シリーズの二次創作なんだけど、二次創作にありがちなやりすぎによって三体シリーズで語られた壮大なスケールを、むしろ矮小化させたように感じたんですよ。下の感想にも書きましたが読まなちゃ良かった…
「ななつのこ」もそんな印象を受けた作品。正体がわからないまま話が進んでた時の方が面白かった。
以下、ネタバレ感想もあるのでご注意願います。
8月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:6971
ナイス数:223
三体III 死神永生 上の感想
Ⅱからもっと時間をおいて読めば良かった…。羅輯はきっと妻子と幸せに暮らして、三体文明とも共存できる道を模索するんだろうな〜と匂わせておきながらこの展開。前作がエンタメ的だったのですっかり騙されましたよ。
読了日:08月02日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 下の感想
三体シリーズはどの作品もSFなんだけど、強いて言うなら1作目がミステリ、2作目がエンタメ、この作品はハードSFといった印象を受けた。アイデアが盛りだくさんなんだけど、実際のビジュアルをイメージしにくいので映像化が楽しみ。改めて上巻の楊冬エピソード読んだら、ここでの楊冬の問いがこの三作目全体のテーマなんだなと気づいた。
読了日:08月03日 著者:劉 慈欣
漂砂のうたう (集英社文庫)の感想
直木賞受賞のシールで手に取った本。直木賞というよりも芥川賞っぽい雰囲気。自分が好きなジャンルではないけど、たまにはこんなのも良いかも
読了日:08月08日 著者:木内 昇
宝島の感想
話し言葉にもルビにも沖縄方言が溢れている作品。また戦後〜沖縄返還までの時代を背景にしているので、その期間の歴史や空気感みたいなのが感じ取れる。ユタやノロなどの宗教観も興味深い。
読了日:08月10日 著者:真藤 順丈
三体X 観想之宙の感想
帯にある「必読」とか「公式外伝」ではないと思う。あくまでも三体の二次創作小説。個人的には読まなくても良かったかな。
読了日:08月13日 著者:宝樹
地図男 (ダ・ヴィンチブックス)の感想
宝島が面白かったので読んでみた。導入とか設定は面白かったけど話が膨らむ前に終わってしまったという印象。
読了日:08月13日 著者:真藤 順丈
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)の感想
この手の生き残りゲームストーリーを本で読むのはバトルロワイヤル以来だったけど、主人公が若い学生などではなく職を失った中年男性というのが良かった。おかげで主人公に共感しながらストーリーを楽しむことができた。ゲームブックも懐かしい。
読了日:08月14日 著者:貴志 祐介
QJKJQの感想
テスカトリポカがとても良かったので読んでみた。家族全員が殺人鬼というトチ狂った設定で始まるストーリーはちょっと荒いところやテンポが悪くなるところもあったけど十分面白かった。著者の他の作品も読んでみよう。
読了日:08月15日 著者:佐藤 究
Ank: a mirroring apeの感想
佐藤究3作目だけどこれはちょっとダメだった。やっぱりチンパンジーの鳴き声を聞いただけで人間が暴走するという設定に最後まで納得できなかった。あと鏡像認知にいまいち興味が湧かなかったのも低評価の理由。
読了日:08月17日 著者:佐藤 究
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)の感想
なんかこう捉えどころのない作品だった。やっぱり恋愛小説は肌に合わないなと再認識。
読了日:08月19日 著者:白石 一文
ブラックボックスの感想
これは良かった。芥川賞受賞作って難解なイメージがあるけど、この作品はコロナ、ギグワークを取り扱って現代性もあり、主人公の焦燥感も比較的わかりやすかった。
読了日:08月19日 著者:砂川 文次
永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)の感想
日本推理作家協会賞のシールで手に取ったけど、内容はSFマガジンに掲載された短編をまとめたもので推理要素はあまりなし。ラグランジュポイントに設置された博物館で、巨大コンピューターと直接脳を接続した学芸員がトラブルに見舞われながらもそれを解決するというお仕事小説。それなりに面白かったけど、続編を読むかは微妙。
読了日:08月22日 著者:菅 浩江
営繕かるかや怪異譚の感想
小野不由美さん、こんな作品も書いていたのか、と試しに読んでみた。夏に読むにはぴったりの古い日本家屋を舞台にした短編集。最初の「奥庭より」をときに鳥肌を立てながら読み進めてたら、思っていたのと違う解決方法で目からウロコ。水木しげるさんが紡ぎ出す妖怪ばなしに通じるものを感じた。この作品と「雨の鈴」「檻の外」あたりが良かった。
読了日:08月22日 著者:小野 不由美
黒牢城の感想
歴史物に安楽椅子探偵を混ぜた作品? 私は歴史物はあまり読まず戦国時代の武将にも詳しくないので、黒田官兵衛に確たるイメージを持ってないし荒木村重に至っては名前も知らなかったので特に驚きもなく読み進めたが、そうではない人には「こう来たか!」と楽しめる感じがした。
読了日:08月26日 著者:米澤 穂信
営繕かるかや怪異譚 その弐の感想
この作品では「関守」「まさくに」が良かった。特に後者は自身の依代?である大黒柱がシロアリに食べられていたため、気味の悪い姿になってしまっていたとのオチに笑った。そしてタイトルがそのまんまなのにもホッコリする。
読了日:08月27日 著者:小野 不由美
ガラスの麒麟 (講談社文庫)の感想
日本推理作家協会賞受賞作なので読んでみた。最初の短編読んだところで、すわオカルトか?と思ったけど一つの女子高生殺人事件をめぐる連作短編集だった。出版されたのが四半世紀前ということで女性の名前がほとんど◯子だったのが懐かしい。初読み作家さんなのでちょっと他の作品も読んでみよう。
読了日:08月28日 著者:加納 朋子
鷺と雪の感想
直木賞受賞のシールで手に取る。読み始め「この人こんなライトな作風だっけ?」と思ったが、思いっきり高村薫さんと勘違いしてた。そして読み終わってからベッキーさんシリーズ最後の第3作だということを知る。上流階級のお嬢様を主人公にちょっとした事件を解決していくストーリーなんだけど、最後に二.二六事件が発生したところで唐突に終わる。これまでの何処かフワフワした生活が太平洋戦争によって全て失われれていくのだと考えると何処か切ない。
読了日:08月29日 著者:北村 薫
硝子のハンマー (角川文庫)の感想
ゴリゴリの密室殺人!犯人の動機に説明不足な感じを受けたけどキャラクターが個性的で魅力的だった。調べたらシリーズになってるみたいなのでそちらもそのうち読んでみよう。
読了日:08月30日 著者:貴志 祐介
ななつのこ (創元推理文庫)の感想
作中作の著者と読者の文通を通じてちょっとした謎解きを絡めながら語られる連作短編集。最初の謎がちょっとゾッとするものだったけど、その後はそんなこともなくて安心。この一冊で綺麗に纏まってるけど、個人的には収束させないで終わってくれた方が好みかも…
読了日:08月31日 著者:加納 朋子
読書メーター
先月もいっぱい本を読みました。
最近はおとなり湯梨浜町の図書館で本を借りることが多いんですが、それはここの図書館が単行本の背表紙に直木賞とか芥川賞受賞のシールを貼ってくれてるから。
まずはそれを目安に本を選び、波長が合う作品だったらその作家の別の作品も読んでみる、といった感じ。
そうすると思いがけない出会いなんかもあって面白いです。
あと自分、あれもこれもキッチリと話を畳むより、若干の遊びがある方が好みなのを実感した。
「三体X」がその前者で、この作品は三体シリーズの二次創作なんだけど、二次創作にありがちなやりすぎによって三体シリーズで語られた壮大なスケールを、むしろ矮小化させたように感じたんですよ。下の感想にも書きましたが読まなちゃ良かった…
「ななつのこ」もそんな印象を受けた作品。正体がわからないまま話が進んでた時の方が面白かった。
以下、ネタバレ感想もあるのでご注意願います。
8月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:6971
ナイス数:223
三体III 死神永生 上の感想
Ⅱからもっと時間をおいて読めば良かった…。羅輯はきっと妻子と幸せに暮らして、三体文明とも共存できる道を模索するんだろうな〜と匂わせておきながらこの展開。前作がエンタメ的だったのですっかり騙されましたよ。
読了日:08月02日 著者:劉 慈欣
三体III 死神永生 下の感想
三体シリーズはどの作品もSFなんだけど、強いて言うなら1作目がミステリ、2作目がエンタメ、この作品はハードSFといった印象を受けた。アイデアが盛りだくさんなんだけど、実際のビジュアルをイメージしにくいので映像化が楽しみ。改めて上巻の楊冬エピソード読んだら、ここでの楊冬の問いがこの三作目全体のテーマなんだなと気づいた。
読了日:08月03日 著者:劉 慈欣
漂砂のうたう (集英社文庫)の感想
直木賞受賞のシールで手に取った本。直木賞というよりも芥川賞っぽい雰囲気。自分が好きなジャンルではないけど、たまにはこんなのも良いかも
読了日:08月08日 著者:木内 昇
宝島の感想
話し言葉にもルビにも沖縄方言が溢れている作品。また戦後〜沖縄返還までの時代を背景にしているので、その期間の歴史や空気感みたいなのが感じ取れる。ユタやノロなどの宗教観も興味深い。
読了日:08月10日 著者:真藤 順丈
三体X 観想之宙の感想
帯にある「必読」とか「公式外伝」ではないと思う。あくまでも三体の二次創作小説。個人的には読まなくても良かったかな。
読了日:08月13日 著者:宝樹
地図男 (ダ・ヴィンチブックス)の感想
宝島が面白かったので読んでみた。導入とか設定は面白かったけど話が膨らむ前に終わってしまったという印象。
読了日:08月13日 著者:真藤 順丈
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)の感想
この手の生き残りゲームストーリーを本で読むのはバトルロワイヤル以来だったけど、主人公が若い学生などではなく職を失った中年男性というのが良かった。おかげで主人公に共感しながらストーリーを楽しむことができた。ゲームブックも懐かしい。
読了日:08月14日 著者:貴志 祐介
QJKJQの感想
テスカトリポカがとても良かったので読んでみた。家族全員が殺人鬼というトチ狂った設定で始まるストーリーはちょっと荒いところやテンポが悪くなるところもあったけど十分面白かった。著者の他の作品も読んでみよう。
読了日:08月15日 著者:佐藤 究
Ank: a mirroring apeの感想
佐藤究3作目だけどこれはちょっとダメだった。やっぱりチンパンジーの鳴き声を聞いただけで人間が暴走するという設定に最後まで納得できなかった。あと鏡像認知にいまいち興味が湧かなかったのも低評価の理由。
読了日:08月17日 著者:佐藤 究
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)の感想
なんかこう捉えどころのない作品だった。やっぱり恋愛小説は肌に合わないなと再認識。
読了日:08月19日 著者:白石 一文
ブラックボックスの感想
これは良かった。芥川賞受賞作って難解なイメージがあるけど、この作品はコロナ、ギグワークを取り扱って現代性もあり、主人公の焦燥感も比較的わかりやすかった。
読了日:08月19日 著者:砂川 文次
永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)の感想
日本推理作家協会賞のシールで手に取ったけど、内容はSFマガジンに掲載された短編をまとめたもので推理要素はあまりなし。ラグランジュポイントに設置された博物館で、巨大コンピューターと直接脳を接続した学芸員がトラブルに見舞われながらもそれを解決するというお仕事小説。それなりに面白かったけど、続編を読むかは微妙。
読了日:08月22日 著者:菅 浩江
営繕かるかや怪異譚の感想
小野不由美さん、こんな作品も書いていたのか、と試しに読んでみた。夏に読むにはぴったりの古い日本家屋を舞台にした短編集。最初の「奥庭より」をときに鳥肌を立てながら読み進めてたら、思っていたのと違う解決方法で目からウロコ。水木しげるさんが紡ぎ出す妖怪ばなしに通じるものを感じた。この作品と「雨の鈴」「檻の外」あたりが良かった。
読了日:08月22日 著者:小野 不由美
黒牢城の感想
歴史物に安楽椅子探偵を混ぜた作品? 私は歴史物はあまり読まず戦国時代の武将にも詳しくないので、黒田官兵衛に確たるイメージを持ってないし荒木村重に至っては名前も知らなかったので特に驚きもなく読み進めたが、そうではない人には「こう来たか!」と楽しめる感じがした。
読了日:08月26日 著者:米澤 穂信
営繕かるかや怪異譚 その弐の感想
この作品では「関守」「まさくに」が良かった。特に後者は自身の依代?である大黒柱がシロアリに食べられていたため、気味の悪い姿になってしまっていたとのオチに笑った。そしてタイトルがそのまんまなのにもホッコリする。
読了日:08月27日 著者:小野 不由美
ガラスの麒麟 (講談社文庫)の感想
日本推理作家協会賞受賞作なので読んでみた。最初の短編読んだところで、すわオカルトか?と思ったけど一つの女子高生殺人事件をめぐる連作短編集だった。出版されたのが四半世紀前ということで女性の名前がほとんど◯子だったのが懐かしい。初読み作家さんなのでちょっと他の作品も読んでみよう。
読了日:08月28日 著者:加納 朋子
鷺と雪の感想
直木賞受賞のシールで手に取る。読み始め「この人こんなライトな作風だっけ?」と思ったが、思いっきり高村薫さんと勘違いしてた。そして読み終わってからベッキーさんシリーズ最後の第3作だということを知る。上流階級のお嬢様を主人公にちょっとした事件を解決していくストーリーなんだけど、最後に二.二六事件が発生したところで唐突に終わる。これまでの何処かフワフワした生活が太平洋戦争によって全て失われれていくのだと考えると何処か切ない。
読了日:08月29日 著者:北村 薫
硝子のハンマー (角川文庫)の感想
ゴリゴリの密室殺人!犯人の動機に説明不足な感じを受けたけどキャラクターが個性的で魅力的だった。調べたらシリーズになってるみたいなのでそちらもそのうち読んでみよう。
読了日:08月30日 著者:貴志 祐介
ななつのこ (創元推理文庫)の感想
作中作の著者と読者の文通を通じてちょっとした謎解きを絡めながら語られる連作短編集。最初の謎がちょっとゾッとするものだったけど、その後はそんなこともなくて安心。この一冊で綺麗に纏まってるけど、個人的には収束させないで終わってくれた方が好みかも…
読了日:08月31日 著者:加納 朋子
読書メーター